ウィザードリィ＃１狂王の試練場（アスキー）

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発売：アスキー(1987)　媒体：ＦＤ／ＲＯＭ　ジャンル：ロールプレイング
評価：★★★★★
　いわずとしれた名作ロールプレイングゲーム、ウィザードリィの第一作です。狂王トレボーの城砦都市で、魔術師ワードナに奪われた護符を奪い返すために地下迷宮へと潜りますが、そこには終わりのない探索と恐怖が待ち構えているのです。ゲームをクリアしてもいつまでも続けられる迷宮の構成と、人智を超えて強くなる仲間たちにそれでもなお死をまぬがれないバランスが絶妙で、今でも遊んでいる人が多い伝説のゲーム。Ｄ＆Ｄを基本にして、テーブルトークの戦闘シーンと迷宮探索にフォーカスしてつくられたシステムはその後、数多くのゲームに影響を与えています。
　これまでにもＡＰＰＬＥ版や国産パソコン版、ファミコンやその後の家庭用ゲーム機などいくつものウィザードリィが登場していますが、機種ごとに鍵の配置や魔法の効果などに微妙な違いがあるのも特徴。ＭＳＸ２版は国産パソコン版に近いバランスになっていますが、特にシナリオ＃１では眠りや魔法封じの呪文であるＫＡＴＩＮＯやＭＯＮＴＩＮＯが効きやすくなっているので、単純な攻撃魔法よりもこれらの呪文が欠かせず戦闘のバランスが絶妙になっています。特にファミコン版などと比べると、ＭＡＫＡＮＩＴＯの呪文が無効化されるのも特徴でしょうか（もともとこの呪文は無効化されるものなんですが）。レベル１時点のＨＰは８で開始、地下１階の敵の出現数が抑えられているなどＡＰＰＬＥ版に比べて親切になっています。

　ドットこそ粗いものの、ファミコン版と同じく末弥純デザインのモンスターデザインが使用されており、一方で不確定モンスター専用のグラフィックがないこと、そしてなんといってもワナや呪文の入力がキーボードによる直接タイプ方式になっているのが魅力でしょうか。呪文名を一文字ずつ入力しているときの、独特の感覚はウィザードリィならでの楽しみだと思います。
＿ディスクへのアクセス時間が長いことさえ除けば、全体のバランスとしては他機種と比べても一番完成度が高いウィザードリィのひとつに仕上がっている作品。人によっての楽しみ方があるのが当然になっているゲームですが、モンスター識別のＬＡＴＵＭＡＰＩＣを禁止呪文にすればより緊張感のある攻略が楽しめるでしょう。
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