イース2(日本ファルコム)

ys2
(c)FALCOM

発売:ファルコム(1988) 媒体:FD ジャンル:アクションロールプレイング
評価:★★★★★
 名作イースの続編、というより後編ですが単独のゲームとしても見事に完成されている上に、1と2を合わせることで物語が完結するという理想的な作品となっています。
 前作の最後の舞台となるダームの塔の頂上で、ダルク・ファクトを倒した冒険者アドル・クリスティンは突如全身をまばゆい光に包まれると、空中に浮かぶ古代都市イースへと飛ばされてしまいます。伝説の都市を舞台にして二人の女神と六人の神官に導かれたアドルはイースの中枢へと向かい、クレリアの金属とともに封じられていた災いの姿を目にすることになります。

 前作に比べてゲームの操作性や処理速度が格段に向上しているのが魅力で、操作感もなめらかでストレスが少なくなった一方で、体当たりで敵を倒すアクションの難易度がかなり高くなっているので序盤戦では相当苦労することになるかもしれません。ただ、今回の戦闘アクションの中心になるのが神官から授けられるファイアーの魔法であり、飛び道具で攻撃しながら敵の体当たりを避けるという戦闘になるために、魔法さえ使えるようになれば前作よりもアクションはむしろ楽になっています。
 六冊のイースの本とそれにまつわる神官たちの言葉を聞き、氷壁地帯や火山地帯を越えていく様子は前作以上の冒険を感じさせてくれますが、随所に用意されているボス戦の印象が薄いのが欠点といえば欠点でしょうか。単純なアクションだけであれば単純な半キャラずらしを駆使する前作のほうがゲームとしての完成度は高くなっていますが、物語が完結する続編として見れば名曲ぞろいのBGMや美しい背景を含む見事な演出やストーリーを味わうことができる、すばらしい作品となっています。降下するイースの姿と、鳴り渡る鐘つき堂の演出は芸術的かと。

 誰もがお世話になるジラの家の地下ですが、「きみは剣士だろう」と言われてもアドルは魔法ばかり使うので剣士ではありませんね。
>他の記事を見る