ヨーロピアン・ゲームズ(タインソフト)

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(c)Tynesoft

発売:タインソフト(1987) 媒体:TAPE ジャンル:スポーツ
評価:★☆☆☆☆
 いわゆるハイパーオリンピックタイプの、連打系スポーツアクションゲームですがMSX版はもともとコモドール64で開発された作品の移植となります。競技は多岐に渡っていてハンマー投げに自転車レース、射撃に水泳、走り幅跳びに重量挙げの六種目が用意されており操作も単純でカーソルキーの連打やスペースキーで跳んだり投げたりします。競技が終了するとスコアが入り、もう一度挑みたい場合はP、次の種目に進みたい場合はNを押せばいいのでクオリファイを満たさないとゲームオーバーということもなくひたすらスコアを競うことができるようになっています。

 ところがこの作品、コモドール64版では画面と音楽はいいがゲームとしては酷いものだというのが定評になっています。実際に比べてみるまでもなく右画面のコモドール版はきれいでシンプルながら重厚感のある色使いが魅力的ですが、MSX版はシンプルというよりチープなだけでお世辞にもきれいとはいえません。つまりMSX版のヨーロピアン・ゲームズは画面も音楽も劣ってゲームとしては更に酷いというすばらしく困った作品に仕上がっているのです!
 この手の作品では各競技にミニゲームとしての分かりやすくとっつきやすい楽しさが求められますが、この作品も分かりやすくとっつきやすいゲームであるのは間違いありません。例えばハンマー投げではパワーゲージが勝手に上下を続けているので、スペースキーを押せばその時のパワーで投げてくれます。自転車レースであれば画面の端から端にたどり着くまで、1分近い連打をひたすら続ければゴールをしてくれるでしょう。つまりスペースキーはただ押すだけで押している時間の長さの要素もなく、カーソルキーの連打では長時間のタフネスを求められるという「底が浅くて腕は疲れる」が各競技の基本スタンスになっているのです。分かりやすくてとっつきやすく、しかもつまらないというのがこのゲームに対する感想でしょうか(コモドール版のハンマー投げには角度の表示がある点に注目)。

 要望事項を消極的に並べてみるなら二人対戦や遊びたい競技の選択をできるようにして欲しかったとか、注文できることはありますが肝心のゲームとして面白くないのですからあまり意味はないでしょう。まちがってもこんなゲームでカーソルキーを連打しすぎて壊さないようにしてください。
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