グラス（クイックシルヴァ）

glass
(c)Quicksilva

発売：クイックシルヴァ(1985)　媒体：ＴＡＰＥ　ジャンル：シューティング
評価：★★★☆☆
　一見すると３Ｄシューティングゲームに見えなくもない画面ですが、むしろ光線銃ゲームを思わせる懐かしさを感じさせてくれる作品です。照準が画面中央に固定されているので、方向キーで自分の視点を動かしながら敵を次々に撃っていき、残りタイムがなくなるまで敵をばしばし倒してスコアを稼いでいきます。敵の攻撃を受けるとシールドが少しずつ減っていくので、照準をぐるぐる動かして攻撃をかわしながら撃ち落としていく様がよくいえば豪快、悪くいえば大味っぽく感じるかもしれません。
　とにかくステージごとに多彩な敵キャラクターの種類や攻撃パターンの豊富さが見事で、にもかかわらず操作方法が感覚だけで掴める上に難易度も低めなので、初心者でもなんとなく攻略できるとっつきやすさが魅力です。おどろくほど大きい敵キャラクターがなめらかに動きまわり、動きまわって体当たりをしてくる敵や地平線からゆっくりと現れて弾を撃ってくる戦車、流れてくる柱を避けるステージや巨大戦艦のレーダーを破壊するステージなど、単調さを感じさせない作りは必見もの。一方でシューティングゲームとしては難易度の低さが緊張感を奪っているのも事実で、物足りなさを感じてしまうのは否定できないと思います。

　敵の姿が地面に映りこんだり、ステージ移動の際の高速スクロール風の演出などちょっとした技術や表現の妙に唸らされる作品ですが、これでゲームとしての難易度がもっと完成されていたらと惜しませてくれる作品です。海外ゲームといえば動きの良さが売りですが、その中でもキャラクターの大きさと滑らかさ、スピード感まで兼ね備えた作品としては随一のものでしょう。
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