ヒーロー（アクティビジョン）

hero
(c)PONICA/ACTIVISION

発売：ポニーキャニオン(1984)　媒体：ＲＯＭ　ジャンル：アクション
評価：★★★★★
　海外ＭＳＸゲームでも特に優れた作品がそろっている、アクティビジョンのゲームの中でも同社のビームライダーと並ぶ名作アクションです。坑道の最深部に閉じ込められてしまった人を救出するという、海外ゲームでは王道ともいうべき人命救助もの。ヒーローとは戦士よりもレスキューであるというのが、とても海外らしさを感じさせてくれる作品です。難易度を１から５まで選んで開始、基本操作はカーソルキーで行いますがスペースバーで射程距離の短いビームを撃ち、カーソルの下で爆弾を置くことができます。

　ゲームとしては単純で、プロペラで高速飛行するヒーローを操ってひたすら地下に進むというもの。一つ一つの面は短めですが、障害物や敵のパターンが多彩な上に、制動が利きづらい操作感のために思いのほか難易度は高め。コウモリやクモといった敵を倒すためにビームを撃つこともできますが、射程距離が短いので基本的には敵も障害もなるべく避けるのが基本です。閉じられた壁を爆弾で破壊したり、噴き出ているマグマを避けたり、割ると周囲が真っ暗になってしまう照明には触らないようにと、スピード感のある高速移動しながら慎重な操作をしなければならない、そのバランスが絶妙になっています。
　いちおうパワー残量が制限時間を兼ねるシステムになっていますが、わりと余裕があるのでゆっくりと移動しながら下を目指せば時間をかけて攻略していくことも可能です。ですがパワー残量が面クリア時のタイムボーナスも兼ねているために、純粋にアクションゲームとしてスコアを競うのであれば敵や障害物に衝突する恐怖感を克服して、分かれ道にも躊躇せずに一気に進んで出会った障害には瞬時に対応する必要があります。初心者でも遊ぶことが可能で、上級者であればより爽快で芸術的な攻略ができるという点で、数あるアクションゲームの中でも珠玉の作品の一つに数えられるのではないでしょうか。

　敵や障害物の配置には一定のパターンがありますので、覚えてしまえば楽なコースを想定して進むことも可能です。ゲーム画面が与える印象以上の、意外な簡単さと意外な難しさが初心者から上級者まで楽しめる作品。
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