BRM1007一宮1000km
リザルト

行こうかなー どっしよーかなー


 AJ愛知BRM1007一宮1000km、エントリー締め切り2日前に飛び込みで申し込みましたが、実際走るかどうかずっと迷っていました。何せ7月から家庭の事情であまり自転車に乗っていなかったし、睡眠不足も続いていたので体力的にかなり心配がありました。1000kmの5日前に行われたAJ千葉の200kmの走行会でもあまり手ごたえはなく、肉体的な不安は増すばかりでした。しかし、この走行会で楽しい仲間と一緒に走れたことで、自転車に乗っている喜びを再び思い出し、その喜びが日増しに大きくなりに肉体的な不安を上回るには時間はかかりませんでした。走りましょう!そう私に決心させてくれたのは間違えなく彼らでした。名古屋までの新幹線の切符を手配したのは開催の2日前、当然準備もそれから大慌てで行いました。いつもならQシートのチェックや通過する市街地の地図は必ず見ておくのですが、今回はそれも全くなし、ぶっつけ本番で望むこととなりました。さて、どうなることやら、天候も心配です…

家に着くまでが遠足だから


 平成17年10月7日(金)、仕事を午後5時に切り上げて、千葉駅まで自転車で飛ばします。北口の歩道橋を自転車を持って駆け上がり改札前で輪行作業、とりあえず袋に詰めて細かい作業はホームで行い、総武線の快速に飛び乗ります。東京駅は混んでいるし駅の中を歩く距離が長いので品川駅で新幹線に、名古屋からJR東海道線で木曽川駅に着いたのが午後8時30分でした。駅舎から出ると外は雨模様、自転車を組み立てたくても駅舎が小さく、ひさしがあるところもほとんどありません。しょうがないので雨の中で組み立てることとなりました。びしょぬれになりながら何とか組み立て完了、Qシートをライトに貼り付けビニールのカバーをします。着替えも当然外で、人目なんて気にしていられません。ほどよくずぶ濡れになりながらスタート会場に向います。スターと会場は駅から2km、すぐ着くと思いきや、案内なし、街頭なし、土地勘なしで案の定?迷子になりました。ジョギングしている人に(雨なのにえらい!)道を聞いて何とかスタート会場に到着しましたが、時間はすでにスタート30分前、会場ではすでにブリーフィングが終盤にかかっており注意など全く聞けませんでした。出走サインをしていると背後で車検しまーすの声、あわてて荷物を預けて車検を受けてスタートラインに並びます。何か忘れている…とりあえずトリップはゼロにしたし、食料は持ったし、ボトルは…ボトルは空でした。あわててトイレに駆け込み、かなり衛生面には不安はありましたがボトルに水を詰め、再度スタートラインに向うと参加者が一斉にスタートするところでした。このスタート前のどたばたは今回のブルベで一番心拍の上がった時かもしれません。疲れた〜

出会いはスローモーション


 スタートはいつもと違ってゆっくりでした。大体30km/h前後で堤防道路を進んで行きます。突然道路が工事中!皆さん何事もなかったように迂回路を行きます。どうやらブリーフィングで説明があったようでどうしていいのかしらないのは私だけかも…ここのところは流れに乗って行く事にしましょう。しばらくするとルートはまた堤防道路に帰っていました。
 車の往来がないサイクリング道路を気持ちよく走っていると、突然Y字路で自転車の流れが左右に分かれました。後ろからの「右、みぎ!」の声に私の前の人が合図なしのフルブレーキング!雨の中、私のブレーキは全く役に立たずそいつの後輪に吸い込まれていきます。スタートして5kmで終わりたくないという気持ちが強かったのかぎりぎりで左に交わして右手でそいつの背中を押す形でハンドブレーキ、頼むから合図してくれ〜
約10km地点で堤防道路を離れ西へ、しばらくして悪名高きR21に合流すると途端に大型トラックが多くなります。集団の人数は5人になっていたので4人目の私が10mほど車間を空けて、3人、2人の集団に分離してできるだけトラックの怒りを買わないように心がけました。今回は1時間おきに補給食を取るように決めていたのでまずはお気に入りのアミノバイタルゼリーを、2時間目には恒例の一口羊かんをいただきました。関が原の上りも30km/hほどで上りR365を北上してまたしてもトラック街道R8に入ります。トラックの水しぶきを浴びながら約1kmで74km地点PC-1ローソン木之本インター店に00:50到着しました。すでにチェーンに付けたドライタイプのオイルは流れてしまいプーリーがキュルキュル音がし始めていたので、ウェットタイプのオイルを大量に流し込みます。ここのコンビニでは昆布のおにぎりと水を購入、ゆっくり食事していると約1名クイックスタートしていきました。降り続く雨に私は集中力を失い先頭より約10分遅れて走り始めました。

ロンリーチャップリン


 またしても単独走行になってしまいました。どうも私は他の人と休憩時間を合わせるのが苦手なようで、参加したブルベのほとんどがPC-1以降は単独走行になっちゃっています。R8を琵琶湖北岸から日本海に向けて進んで行きます。107kmより河野海岸有料道路に入ると道路は貸しきり状態、車は全くいなくなりました。苦しめられた雨も小康状態のようです。R305に入っても車には全く合うことがなく、ずーっとフラットな道路を淡々と走ることになります。そうなると襲ってくるのが睡魔、瞬きすると目が開けられなくなります。目を閉じる時は閉じる前に目を開くことを意識しておかないと二度と開かなくなりそうです。130km地点で先行していた参加者に追いつき併走することに、二人して眠いを連呼しながら03:35、139km地点PC-2ローソン越前海岸店に到着しました。ここでは梅のおにぎりとコーヒーを補給、鮭のおにぎりと一口羊かん2個をポケットイン、水をボトルに入れて、5分で休憩を切り上げ先頭でスタートしました。
 R305は国道ですが街頭もなく真っ暗なフラットな道、でも『越前ガニ』の看板がやたらに目に入ります。かに食いてー!なんて思いながらQシートの指示通り左折するとしばらくしてT字路突き当りに、両脇は工業団地のよう、完全にコースをロストしたようです。来た道をしばらく戻ると頭上に反対向きの道路標識を発見、通り過ぎて振り返るとR305右折の標識でした。右側を見ると林の中に入って行く枝道がありますがどう見ても国道に見えません、けれどこれしか道がないので曲がって進むとまもなく道が広くなってR305の標識が出てきました。ここで4kmのロス、でもこんなの序の口の序の口であることなんて当の本人全く気がついておりませんでした。
 雨も上がり夜も白々明けてきました。195km地点でR305から県道19.20と繋いでいきます。道路が変わっても相変わらずフラットでスムーズな道、スピードは31km/hぐらい、心拍は110〜120拍あたり、快適なサイクリング気分で進んで行きます。けど眠い!時間帯で夜明けが一番眠くなるようです。小松市内の細かな指示も無事クリアーして06:54 221km地点PC-3サークルK小松中央店に到着しました。
ここではおいなりさんとピルクルを食して、バナナ3本をポケットイン、ボトルは2本とも水をたします。

まいごのまいごの…


 15分ほどで再スタート、しかし3kmほどで道が無くなってしまいました。地図を見てもどこにいるのか全く分からずしょうがないのでPC-3に戻ることにしました。
 PC-3には今年4回の600kmに30時間ほどで完走されている蓮井さんが休憩中でした。コースをロストしてしまう話をすると「ではこっちかも知れないですね。もし私が戻ってこなかったらこっちが正解ということでしょう。」といってコンビニ前の交差点を違う方にスタートして行きました。私はスタッフの大塚さんに電話したり、続々到着する参加者から行く方向を聞くのですが皆さん私がコースをロストした方向を指差します。でもGPSをつけている方が蓮井さんが行った方向が正解と教えてくれたので、そちらに向うことにしました。ここでのロスタイムは1時間以上、市街地の予習不足がもろに響いてしまいました。

 再スタートして1時間大粒の雨が再び落ちてきました。気温は比較的高めなのでカッパだけで走ることにしました。でも風と雨が強く前を向いて走るのがつらいほど、めがねも水滴で視野がさえぎられてしまいます。この中で気がついたのは今回のQシートの特徴、今まで利用したQシートはずべて曲がる場所は必ず記載されていて、それ以外は道なりに走れば良かったのですが、今回は曲がる場所より道路標示、道路名(国道何号線とか県道何号線とか)が優先で、Qシートに曲がる指示がなくても国道や県道が曲がっていれば曲がらなければならない。つまりQシートに記載されている道路標示が変わるところまでその道路をトレースしなければいけません。道路の路肩にある道路標示や頭上の道路標識に常に注意を払っていなければならないと言うことなのです。でも雨が強くて顔が上げれない、そんなことしていたらまたもやミスコース、交通量の多かった道が突然がらがらになり変だなーと思っていたら港に出てしまいました。また来た道を帰ります、すでに16kmも余分に走っています。

雨に濡れながら


 雨はどんどん酷くなるし、悲しくなるばかり、顔がどんどん下がります。やめたい気持ちいっぱいで10:43 286km地点PC-4サークルK千里浜インター店に到着。蓮井さんがコンビニの入り口付近で立ったままラーメンをすすっていました。雨が強くてひさしの下もびしょびしょで座れる場所など皆無です。うーつらい…私はナポリタンとコーヒーで暖をとります。お昼近くなのにかなり冷えてきました。今のところ体も自転車もノントラブル、ライトに貼り付けたQシートはビニールカバーの隙間から入り込んだ水で濡れてしまっているけれど、顔料インクプリンターのおかげでにじみなし、これ絶対お勧めです。エプ○ンの激安3イン1プリンター\6.980でした。
 蓮井さんに遅れること10分で再スタート、ここからはひたすらR249を北上、今までフラットなコースでしたが、ここからは標高差100mほどのアップダウンが続きます。ただ交通量は格段に少なくなっているので非常に走りやすいです、雨を除けば…心拍は上りで140拍強、下りで100弱、もっと走ろうと思えばいけると思いますが先を考えるとこんなもんでしょう。350km地点の上りで後方からけっこう激しい呼吸音が聞こえてきました。誰か追いついてきたんだと思って振り返ると前を行っているはずの蓮井さんがそこにいました。自販機でジュースを買っていたら私が通りすぎたとのこと、全く気がつきませんでした。輪島市内に入って最初のサークルKをチェックと思い止まっていると、蓮井さんが「もっと先ですよ〜」って行ってしまいました。359km地点のチェックポイント、サークルK輪島塚田店は2km先にありました。14:30到着。体はかなり冷えているようで、肉まんとホットおにぎりとコーヒーで温まります。次のコンビニ休憩は140km先なのでポケットにはアミノバイタルゼリーを2本、こぶのおにぎり、一口羊かん2個を入れておきます。ボトルはここまで50kmで1本のペース、気温が16℃と低いのにいつもより多めに水分は取っています。おかげで休憩のつどトイレに行く感じ、でもこれぐらいでちょうどいいのかも知れません。

みさき(能登半島)めぐり


 私がコンビニに着いてまもなく蓮井さんが再スタートしていきました。彼は私に比べると休憩時間が短く、てきぱきと言う感じ。対する私はモチベーション上がらず、だらだらしているのが自分でも分かります。そもそも雨の日は走らないのがTEAM GIROの掟ではなかったかな?こんなに長い時間雨の中を走ったのは初めてです。もう最低の気分、やめて温泉に入りたい…とそこに見たことある顔が、なんと2003年のPBPを完走された坂東さんが応援に駆けつけてくださいました。金沢に出張に来ていてレンタカーを借りて輪島まで来てくれたそうです。さっきまで沈んでいた気持ちが一気に元気が出ました。トップに遅れること15分で中部最北端に向けて再スタートしました。
 走り始めると先ほどの輪島の賑わいがうそのように交通量が少なくなりました。まだ4時前なのにあたりは薄暗くなっています。強い雨風の中いかにも日本海という荒々しい風景を左手に望みながら、50×17あたりで進みます。風と波の音が『ゴーゴー』と耳の中で反響します。先ほどから鼻水も出てくるようになりました。道路に設置してある温度計は13℃を示していますが体感は一桁でしょうか、あまりの寒さにバス停に止まってカッパの下に長袖Tシャツを着込みました。ずっと続いていた海岸沿いのルートから小さな上りをこなして水田の中の道を行くと、中部最北端『狼煙』に到着しました。16:30 403km地点です。到着を待っていてくれたAJ愛知の事務局長、小村さんが「食堂で暖かいもの食っていけば」と誘ってくれますが早く濡れた衣装が脱ぎたいので先を急ぎますと丁重?におことわり。貸切状態の県道を急ぎます。小さな峠を越えて国道に出る前に、自販機前にたたずむ蓮井さんを発見、お互い無事を確認しあいます。R249に戻るとけっこうな交通量です。珠洲市って地の果ど田舎と思っていたけど立派な町です、びっくりです。ギンギラのオネーチャンがたむろする420km地点PC-5サークルK珠洲中央店に着いたのは、日も暮れた17:50
でした。
 ここではメインライトの電池交換、肉まんとピルクルを補給しました。雨の中の走行で思った以上に疲れているのと、体が冷えていることから、50km先のPC-6で仮眠を取ることにしました。よって仮眠前と後の食料と仮眠後の補給食もここで買っておかなければならず、おにぎり3個、バナナ3本、ゼリー飲料1本を積みこみました。
 ここからは海から少し内陸を走るためアップダウンが続きます。しかしこの辺の国道の凄いこと、まるで高速道路のように整備されていて驚いてしまいます。しかし左右同じような道のインターチェンジ風Y字路が続き、行き先の看板はあるのですが土地勘のない私にはちんぷんかんぷん、Y字路にぶつかるたんびに立ち止まって地図で確認しなければなりませんでした。JR鵜川駅前より国道を離れ海岸沿いの細い県道に入ります。久しぶりに見る海岸は禄剛崎で見た荒々しいものとは異なり、鏡のように静かなものでした。外海と内海の違いでしょうか、気持ちも落ち着きます。こういう時ってスピードも落ち着いてしまうのですがこの際気にしません。小さな峠を上りきるとこの場に似遣わさないような照明が目に入りました。ヨットハーバーです。途端に別荘の看板が目に付きます。私はそのうちのひとつ『椿荘』の矢印が示す激坂を上がっていきます。途中真っ暗で案内板が見えずけっこう迷ったけれど、21:00  476km地点 穴水 椿荘到着いたしました。椿荘にはAJ愛知代表の大塚さんがいつもの黄金バットスマイルで迎い入れてくれました。早速温泉をいただき、ジャージをハンガーにかけ、ブルベカードにサインを頂き、用意していただいた神戸屋のサンドイッチをいただきました。心温まるもてなしにすぐに体が温まり睡魔が襲ってきました。Qシート入れの修理や、チェーンのオイル注しなどやらなければならないことはありましたがスタート時にやることにして暖かい布団にもぐりこみました。隣の布団を見ると30分送れて到着した蓮井さんがもう寝息を立てていました。本当に無駄がなく素早い方です。

君の朝


 目が覚めると02:00を少し回っていました。蓮井さんはすでに着替えの最中でした。居間に顔を出すと10人近くの参加者が到着しておりました。大塚さんはひっきりなしにかかってくる電話の応対で大忙しのよう、挨拶もそこそこに外に出て自転車のチェック、オイルを注して、Qシート入れをジップロックで作り直すのにけっこう時間がかかって椿荘を出発したのは02:40を回っていました。スタートして5kmで国道と合流しますがなぜが逆に曲がってしまって8kmのロス、自分は疲れてくると左、左に進んでしまう癖がありようで今回もその癖が悪い方に出てしまいました。4時間以上仮眠と言うか熟睡できたので、さぞしゃっきりしていると思いきや、やっぱりねむーい!体はそこそこ回復していますが、頭は相変わらずぼーっとしたままです。さらに目が疲れているようで老眼がきつくて走りながらQシートが読めません。今回フォントサイズを11で打ちましたが14ぐらいに大きくしないとダメみたいです。
 夜が明けてくると雨も上がり東から日が差してきました。しかし今までのフォローの北風がやんでなんと南風に変わってしまいました。一気にペースは26km/hほどに落ちてしまいます。椿荘から富山まではノンストップでやってきました。休憩はなしと言いたいのですがコースのチェックで地図を確認したり人に聞いたりして何度も止まっているので、休憩は必要なかったようです。富山では路面電車のレールの溝に嵌まりそうになったりしてこけてしまう一幕もありましたが大事には至らず、07:47PC-7 577km地点 高岡アルピア健康ランドに到着しました。

地獄の国道線


 ここにはドロップバックの荷物としてアミノバイタルゼリーとチューブラータイヤ2本、おしり用のクリームをを預けてありました。まずはトイレに飛び込み出すものを出して、クリームを塗ります。かなりしみるので良く見ると、ちょうどパットの縫い目に沿って皮膚が破け始めていました。トイレから出てきてスタッフにQシートにサインをいただき、アミノバイタルゼリー3本、チューブラータイヤを1本だけ受け取って再スタートしました。しかしここから高山に向うR41までの30kmはせっかく天気が回復したのにミスコースの連続でした。自転車進入禁止と小さく書かれている高架を側道によけて行くと川を渡れなかったり、国道が鋭角に曲がっていて知らないうちに県道を走っていたり、国道がどんどん狭くなってきて軽自動車がやっとのような道になったためミスコースだと思って引き返すと、道端にR472の標識があったり、その他もろもろで余分に走った距離はさらに増えて37kmを越えてしまい、結局2時間近くかかってやっとR41にたどり着きました。ここまでくるのにへとへとなのにこの道の車の多さと言えば思い出すのもやになってしまうほど、だらだら登っている区間が多く排気ガスもかなりきつい、さらにコンビニが全くなく、自販機も50km走ってやっと一台現れる程度、自転車で走るにはかなりつらい道でした。とりあえず食料は豊富に持っていたので水だけ自販機で補給して高山前の峠を越えました。

 峠を快調に下っているところ、トラックが追い抜きにかかります。前方を見ると路肩に光る30cmほどの鉄板がこのままではよけられないのでフルブレーキ、だけれどトラックが思ったより長かった!、ジャンプ一発!けれどタイミングが遅れたことで前輪がそのまま鉄板に乗り上げました。「バス!」という音とともに振動が体を襲います。前輪がばっさり切れていました。(リアは無事)チューブラーでよかった。クリンチャーだったらタイヤが無くなっているところでした。九死に一生スペシャルから無事生還して歩道でタイヤ交換を行っていると子供たちが私を取り囲んで作業の行方を見守ってくれてます。気がつかないうちに街中に入っていたようです。ここは一発、皆さんを驚かせないといけないと使命感にかられ取り出したのがCO2ガスカートリッジ、コック一発膨らむタイヤに「おお〜!」、凍ったボンベを触らせると「わぁぁ…すげえ…」、そして意味不明の笑顔を残して疾風のように去っていくのでありました。こんなに酷いタイヤバーストなんて初めての経験で気持ちはものすごく弱っていましたが、子供たちの笑顔で元気になりました。50×16あたりで気持ちよく回していきます。(でもケイデンスは70回転あたりだと思います)高山は本日お祭りの最中で市街地に車は入れません。案内にしたがって迂回路に入るのですが、駐車場を求める車で大渋滞、ウインカーを出さずに突然曲がる車に「ストップ〜!」と叫びながら進みます、たった1kmほどの区間で声はガラガラになってしまいました。安房峠に向うR158からR361にルートが変わるととたんに交通量が激減しました。貸しきり状態+緩やかな上りの美女峠のアプローチ、楽勝と思っていましたが、そんな道がツールド信州で使われるはずがありません。ラスト2kmはけっこう上っていてついに禁断の34×25に、心拍は140拍台なのでもうちょっとがんばれるともいえるのですが、何か苦しくなるとやめてしまいそうなのでだらだら走ってしまいました。美女峠を下るとコンビニタイムリー朝日バイパス店に到着します。ここは昨年のツールド信州の応援に来たときに車を止めて仮眠を取ったところ、とても懐かしい気分です。今後に控える野麦峠越えに備えて、バナナ3本、一口羊かん2個、おにぎり1個を調達しました。ついでにデカプリンをいただきました。

 ここから仮眠所にもなっているPC-8までは16kmわずかずつ上っている道のりですが、一宮400kmの時はアウターのままいけた区間でした。でも最初の上りですでにインナーに落ちてしまいました。その後も明らかに平坦のところはアウター、それ以外はインナーを繰り返して進みます。こんなに上っていたっけと言うのが実感でかなり自分が弱っているのだと悟ってみますが、心拍計は正直でした。心拍は120拍台をキープしたまま、全然がんばっていないじゃん!もうがんばれないんじゃなくて、かんばらないだけじゃん!でもこういうだらけた走りって大好きなんですよ私は、短い距離を走るときはけっこうがんばって走ってしまうけど、周りの風景をキョロキョロできるくらいの速さで走ることって400km以上のブルベでしか味わえない楽しみかもしれません。と言い訳たっぷりしているうちに15:00PC-8 715km地点 胡桃島温泉到着です。まだスタッフは到着しておらず、女将さんに挨拶して温泉をいただいちゃいました。温泉から出てくると蓮井さんが到着、とりあえず大塚隊長に連絡して一緒に食事をいただきました。今回のメニューは岩魚のから揚げ、おにぎり、玉子焼き、煮物、漬物でどれもとてもおいしかったです。特に岩魚のから揚げは絶品でお変わりをしたかったけれど人数分しかないようなのでぐっと我慢しました。

再び夜


 人と一緒にいると時間が経つのを忘れてしまうもので、時計を見ると16:00!あわてて再スタートしました。約7km下って14kmほどだらだら上ります。国道とはなれて野麦峠への入り口に差し掛かるところで大塚さんのルノー ルーテシアが追いついてきました。かなりお疲れでしょうがわざわざ私に声を掛けるために上ってきてくれたのかと思うと本当にありがたいです。さらに大塚隊長は野麦峠目指してダッシュしていきました。野麦峠に向ってすぐに工事中の激坂ダート区間が始まります。うー止まるーと思いながらメーターを見ると7km/h、心拍142拍、思わず笑ってしまいました。せっかく大塚隊長が応援に来てくれたんだからがんばらにゃーっと、立ちこぎを繰り返して心拍を160拍台まで上げて真面目に上り始めると道路が一気に下りだします。延々と下るコースを走りながら、せっかく上がったのにもったいないと思うのは誰も一緒、再度上り始めたときは大塚隊長が応援に来てくれていることも忘れて34×25へシフトダウン。あたりは日も暮れ薄暗くなり始めていますが、それでも心拍は160拍を前後するあたりをキープしながらいい調子、峠まであと4kmほどになると傾斜も落ち着いてどんどんシフトアップ!このまま行くぞと立ちこぎを始めた瞬間、メインのライトが点滅を始めました。電池切れです。気がつけばすでに真っ暗闇の中を走っている状態で点滅では安キャバレーの照明のよう、全く役に立ちません。はやる気持ちを押し殺して、電池交換を急ぎますが手がかじかんで思うように進みません。こんなに寒かったのか…電池を落としてしまったりしてかなりの時間をロスしてしまいましたが、ライトも無事点き再スタート、すると峠で痺れを切らしたか大塚隊長が下山してきてしまいました。「あと少しだからがんばってー」の声に「はーい…」と返事をするのがやっとの私でしたが、本当に嬉しかったです。隊長、胡桃島温泉でゆっくり休んでいて下さい。
 大塚隊長と別れてしばらくして峠に到着しました。今回、峠にクイズポイントがあって道路から少し離れた園地にある「峠のトイレはどこの郵便局によるものか」という問題が出ていました。道路から園地まで細い小道を通ってトイレ前に行き、ヘルメットにつけてあるライトで照らすとトイレの正面にはしっかりと『高根郵便局』の文字がありました。峠はすでに気温11℃まで下がっていて、これからの下りに備えて長袖Tシャツ、アマガッパ、レッグウォーマー、指つきグローブ、レインシューズカバーを装備、かなりの重装備です。おにぎりをひとつほおばって、来た道に戻ろうとしますが、道がない…園地をぐるぐると回って道を探しますが分からない、途方にくれて座り込み、ここは冷静にならなければとバナナを1本、すると道路を一台の車が通り過ぎていきます。車のヘッドライトが照らす明かりの先に一瞬入ってきた小道が照らされました。恐る恐るその方向に自転車を押して行きますと、ありましたありました、舗装路がずっと続いています。無事に園地から脱出、なんだったんでしょう、山の神様のいたずらですか?怒りにならない内にさあ下りましょう。

 峠直下の緩い勾配の区間を快調に飛ばして、斜度が落ち始めた瞬間、おぞましい記憶が甦りました。私は今まで夜間の狭い当然街灯などない峠道を走った経験が一度しかありません。それが一宮400kmの時のほうしょう峠なのですが、道路中央にあった浮き砂にタイヤを滑らせ転倒し、フレームとリアホイールをゆがめてしまったため、リアブレーキを外して完走した、夜間の峠道にはそんな苦い思い出しかないのです。ライトの先に浮き砂があるかもしれない、そう思うとブレーキレバーに力が入ってしまいます。恐怖心を超えられない自分をもどかしく思いますが、硬直している体でまともなコーナリングなどできません。上りでは電池交換以外休まなかったのに、下りでは2kmも続けて下れません。何度も何度も止まっては「怖い…」と怯える自分に活を入れます。うつむいて止まっている私の横を蓮井さんがいい調子で通過して行きます。へとへとになりながら10kmの下りを終え、再び上りとなります。こんどは約5kmで400mアップ、けっこう激っています。かなり初期より34×25に入ってしまい亀走行、途中で防寒具を脱いでいる蓮井さんをパス、私は走りながらカッパだけ脱ぎましたが、あまり暑さを感じませんでした。いつまでも川の流れを感じることのできるこの上りの道はいつまでも上り続くように感じられましたが、水の音が途絶えてまもなく『木祖村』の看板のある峠に到着しました。今回のブルベに参加するにあたり娘にこれだけはお土産にしたいと思っていたことがあります。小6の娘がこの夏、山村留学した木祖村の写真を取ってくること、残念ながら真っ暗になってしまった現在、町の様子を写真に取ることは難しそうなので、『木祖村』の看板を携帯で撮影しました。そんなことをしているうちに蓮井さんが到着、再度防寒具を着て快調に下って行きました。私はというと…遅いながら17kmの下りに対して全力を尽くしました、一回も止まることなく…何とか下れたのも娘にいつも「ダメでもいいからやってみようよ。たとえ今度がうまくいかなくても次にやる時の練習になるじゃない」なんていつも言っていることを思い出してしまったからかもしれません。下りに関してこれで終わればけっこういい話だったかも知れません。しかしこれで終わらないのがブルベの怖いところ、峠からの道は悪名高きR19に合流するのでした。

地獄の国道線、深夜版


 R19、夜間中央高速道を使用せずに名古屋方面に向う大型トラックが爆走する、到底自転車が一緒に走れるような場所とは思えない道路、と思っていました。実際は…その通りでした。アゲンストの風が吹く下りを40km/hで走る私を追い抜くトラックは明らかに80km/hオーバー!しかも路肩のスペースは全くなくさらにセンターラインにははみ出し禁止のポールが並んでいます。側溝の横20cmを走る私のすぐ横をトラックが追い抜いて行きます。どのくらい近くと言うとトラックのサイドに並んでいる黄色の電装のレンズカットがはっきり分かるぐらい近くを通過します。当然風圧で側溝方面に押し出されそうになりますし、抜かれた瞬間はスリップストリーム効果で5km/hぐらい加速します。タフな人ならこれを利用してがんがん加速していくのでしょうが、私は2km走っただけでドライブインに避難してしまいました。アマガッパを脱ぐ手が震えています。いくら強がっても怖いものはやっぱり怖い。地図を見ながらサブルートを探しますが、気休め程度しか見つかりません。後60km以上このトラック街道とお付き合いしなければなりません。どうしたらいいのか途方にくれて行き交うトラックを眺めていると車の流れに法則性があることに気がつきました。単独で走っている車はほとんどなく、大体が3〜4台の集団で走っていること、集団と集団の間隔はおよそ1分半あいていること。だとすれば車のいない間は道の真ん中を走って、後方からのヘッドライトの明かりが確認できたら安全なところに停車して車をやり過ごす、そんな方法で走ることができるかも知れない。20分ほど座り込んでいたドライブインの駐車場からくるまの集団が通過するのを待って道路に出て行きました。案の定しばらくの間道路は貸しきり状態です。4分ぐらい走れたでしょうか、背後からヘッドライトの気配が近づいてきます。直ちに側溝の蓋の上に乗って停車、車の集団をやり過ごします。そして再スタート、道路は貸しきり状態に戻っていました。効率は酷く悪いけれど、今の私がこのトラック街道を安全に下っていく方法はこれしかないでしょう。後60kmあまり、こんなことを30回繰り返すのかと思うと気が遠くなる話ですが、これしか方法がないと悟ってしまうと、車をやり過ごすための停車を「29…28…」なんて残りの停車回数をカウントダウンしながら楽しみ始めていました。午後10時、11時と夜が深けて行くにしたがって交通量も減ってきて、貸しきり状態の時間もだんだん長くなってきます。15分ぐらい貸切の事もあってカウントダウン7で馬籠宿入り口通過、5でR19を離脱、下呂温泉に向うR256に入ることができました。

 時間は11日の00:30分を回っていました。野麦峠からR19までの27kmの下りを1時間半、R19の下りが60kmを3時間半、私は以前からブルベは下りが重要と思っていました。下りを速く安全に走れることはもちろん、下りで体を休めることができる能力が必要と考えていました。そしてこの一年でその力はかなり向上したと自負しておりました。でも実際はこのざまです。所詮600km完走1回足らずの経験なんて高が知れています。下りのアベレージが20km/h以下なんて、まだまだ鼻垂れ小僧なんだな~っと思い知らされました。

そっと、おやすみなさい


 このころの体調はというと…おけつが痛くて、つらくって他はあまり覚えていないのですが、野麦峠の上りから両足の拇指きゅうが痛み始めていたような気がします。R19を離れR256をだらだら上っているころはかなり痛みを感じていて、そこだけ出っ張ってしまったような感覚でした。
 R256に入ると車の往来が全く無くなりました。アウターで行こうかインナーに落とそうが悩むぐらいの上りが7kmほど続きます。気温は標高200m以下なのに12℃とかなり寒く、カッパはきたままです。あっ、長袖のTシャツはR19に入ったときに脱ぎました。変わりにアームウォーマーを着けています。そういえばR19では補給食を全く取っていませんでした。水もあまり口にしていない、それだけ緊張していたわけですが、R19を離れたとたんお腹が鳴り出しました。たった7kmの間にバナナ2本、おにぎり1個、一口羊かん1個お腹にイン!峠を越え5kmほど下ると(ここは街灯があったので全開!)861km地点、PC-9 タイムリー付知町店に01:22到着しました。ここでは最後の1個となっていた肉まんとコーヒーで暖を取り、バナナ3本と『甘栗むいちゃいました』を補給食として購入しました。10分ほどの休憩で走り出すとすぐにトイレに行きたくなってしまいました。運良くコンビニから1km先に道の駅があったのでそこに緊急ピットイン、一息ついて自転車に戻ると、今までに経験したことのない睡魔が襲ってきました。崩れるように座り込み、柱に寄りかかったことまでは覚えているのですが、気がつくと時計は03:00を指していました。良かったですよー、トイレに行った後で、トイレに行く前だったら一生重い十字架を背負わされるところでした。

 一口羊かんをかじってスタートです。相変わらずすっきりしない頭ですが眠気はゼロ、小さな峠を二つ越えて04:05 894km地点PC-10タイムリー下呂森店到着…じゃない!缶コーヒーを買ってレシートを見るとそこには『タイムリー下呂南店』の文字があるじゃありませんか。缶コーヒーを背中のポケットに入れて(あったか〜い)先を急ぐと、すぐそばにありましたタイムリー下呂森店、改めて04:15到着。しっかりスタッフがいてブルベカードにサインをしてくれました。ここから次の通過チェックまで11km、コンビニのレシートが必要になります。買うものないよなーなんて考えながら走っていたらしっかりボトルを落として水を撒いてしまいました。通過チェックでは『南アルプス天然水』お買い上げとなりました。しかしこの通過チェックにたどり着くまでが一苦労でした。地図を見ると、コンビニを出て真直ぐ走れば通過チェックにたどり着くのですが、Qシートはなぜか川の対岸に渡って通過チェックの直前でまた橋を渡って元の道に帰ってくるというコース設定、せっかくだからQシート通りに進むことにしました。しかし何をとち狂ったのか、たどり着いたのは通過チェック後に通るはずの新日和田トンネル、またしても8kmほど走らさせていただきました。通過チェックまでコースを逆走して上記の水を購入、再度新日和田トンネルを抜けると夜明けでした。時間は05:50、残りは100kmになりました。

10年ぶりの全開


 後4時間で100kmを走れば60時間が切れます。「ダメかもしれないけれど、やってみますか。」54時間隠れていたいつもと違う自分が顔を出しました。カッパを脱いで全開開始です。緩い下りを50×13(ちなみにトップです)で踏みまくります。心拍はすでに160拍オーバー、昨年度ツールド信州3位の関根選手が「下りでも心拍は150拍をキープしなくちゃ」と言っていたけれど、どうだー!宮上のダムサイトは50×15で猿の集団を蹴散らします。心拍も165拍を超え今年初めて呼吸することで喉が痛みます。岩をかき集めて川をせき止めてしまったようなダムを越えると再び下り、迷わず50×13に上之保村を通過し県道を右折すると最後から二番目の峠、見返峠へのアプローチです。交差点を曲がってすぐにトリップが1000kmを示すはず、携帯でその瞬間を撮影しようと構えます。999.99、0.00…うそー!ゼロに戻ったー!キャッツアイさんよろしくお願いしますよ!気取り直して残すは47km、時刻は07:20絶対いけるとアウターのまま立ち漕ぎで進みます。あっという間にピークを通過やったーと思うもつかの間、目の前には真直ぐ伸びる激坂が…しかしその中腹には先頭を行く蓮井さんが張り付いていました。「いーち、んにーい…」突然ケイデンスを数えだす自分にびっくり、「ごじゅうーはち、1分差!」頭では何も考えていないのに体がトップとの差を勝手に測っています。こんな感覚10年ぶりかも…しかし…この峠を終えれば3kmで通過チェックです。1分程度の差ならコンビニで買い物をしているうちに必ず追いつくはず、蓮井さんは地元の方だから一緒に走れればまずミスコースはなくゴールにたどり着けるはず。そんな他力本願な考えが浮かんだ時点で自分に負けていたのかも知れません。峠を上りきって下りの途中で痛恨のミスコース、全く違う方向に下っていってしまいました。土地勘の全くない私はコースに復帰するのに15km近く迷走して、残り30km地点の通過チェックファミリーマート下有知店に着いたのは08:45でした。

 まだ間に合う、そう言い聞かせて買ってきた『南アルプス天然水』をボトルに入れ、コースに復帰、しかし次の信号で一瞬迷いました。真直ぐ行けばQシート通り、右に曲がれば国道を使ってゴールまで一本道、Qシートは後指示が15ヶ所、ミスコースの危険はあるがAJ愛知の方々が我々を安全にゴールに導くために検討して作ったルート、国道は交通量が多く危険が伴うが確実に60時間は切れるルート、一瞬迷った後の結論は、「失敗してもいいじゃないか、次のための練習になるのだから」と娘に話している自分の言葉に従うことでした。信号を直進して最後のステージへ、ほぼ1kmごとに表れてくる指示を無事にこなして最後の峠に向います。トンネルまで4.4km、立ち漕ぎを多用して進みます。心拍は170拍を前後しており今年最高をマーク、しかし…トンネルは現れませんでした。通りかかった人に現在位置を確かめるとどうも方向的には真反対、コースに復帰するには10kmほど戻らなければならないようです。残り45分で35km、深い溜息とともに全身に痛みが走ります。おけつが、腰が、首が、手のひらが、太ももが、拇指きゅうが酷く痛みます。もう走れないという思いと、まだ終わっていないではないかという思いが交錯します。

 よろよろと来た道を戻り始めますが、下りでももうアウターに入れて走る力は残っていません。ただ、今度ここを走るときは二度とミスコースはしないという思いだけで前に進みます。ミスコースした地点まで戻り、その後はQシートの指示のある地点ではいったん立ち止まり頭に風景を焼き付けます。ひとつひとつ指示をこなしてゴールに近づくにつれ人手が増え、歓声が聞こえてきます。そう今日は3連休の最終日、空を見上げればとってもいい天気、10月なのに半そで短パンで河川敷で遊んでいる人々が目に付きます。自分はというと5時間前の新日和田トンネルの時のまま、アームウォーマー、レッグウォーマー、シューズカバー、着けっ放し、手袋は指つきのまま、もうそれらを脱ぐ力も残っていません。ツインアーチパークの陸橋を越え、堤防の上の道に入るとかすかに一宮光明寺ラグビー場が見えてきます。スタート時とはまるで違う賑わいの中、わらび餅売りの軽トラの脇をすり抜けると、そこには能登半島の先っぽで私たちを待っていてくれた、小村事務局長の笑顔がありました。
10:38 1010.5km地点 一宮光明寺ラグビー場ゴール、トリップ表示1086.48km

2006年 1000kmを目指す友へ

1000kmは行きたいと思えば誰でも届く所です。ただ、そんな所行きたいとは思わないのが普通なだけだと思うのです。

今回の1000kmの間、色々なことがありました。初めての経験である出来事も沢山ありました。もし事前に知っていればもっと楽に届いたことと思います。私はそんな楽チンノウハウを結構得ることができました。でもそのノウハウを生かす前にすでに少しずつ忘れ始めていることもあるようです。来年になったら全て忘れてしまうかも知れません。もし興味のある方は早めに聞いてください。私の持っている、経験している全てをお渡しいたします、必ずゴールに帰ってくると言う約束と交換に…