ここからは鴨川有料道路風の峠(300mUP)を越えて諏訪湖に出てR20を富士見まで上って一気に清水港まで南下するコース、日が暮れる前に富士見を超えて下りを楽しみたい。熱中症の症状は今のところ落ち着いているが、腰痛は厳しい状態、100回漕いだら20回立ち漕ぎをして腰を伸ばします。そんな繰り返しで何とか7時前に富士見を通過しました。明るいうちに下り始めたのはいいのですが下りの振動が容赦なく腰を痛めつけます。下りながらも立ち上がってストレッチしている状態でペースが上がりません。実はブルベ400kmの時700-20Cのタイヤを使っている参加者が多かったのを見て今回自分も使ってみた結果このざまです。体が元気な時はあまり気にならなかったことが疲労を重ねると違う印象になるようで、70km/hを超える自転車の激しい振動は疲れた体をさらに疲労させ、乳酸で硬くなった筋肉をさらに硬くしてしまいます。全く体が休まりません。700-23Cは必須!と反省しきり、いい勉強をしました。それと驚いたのはこの時間帯の虫の多さ、顔面にバチバチ当たる痛さと言えば結構なもので、メットに当たるとポコンポコン響いている、イナゴ級のなのか、あまりの凄さに口があけられませんでした。
325km地点よりR20を離れ、県道を利用して南下、南アルプス市に向います。この道地図上では立派な道でしたが走り始めると民家も街灯もない真っ暗な道、暗くなるととたんに視野が狭くなります、と言うか眠い?瞬きすると目が開かなくなります。もう60km近く走っているのでコンビニか自販機があったら休憩しようと思っているのですがそんなもの出てくる雰囲気ゼロの道、うー真剣に眠い、何か幻聴が聞こえてきた『上○くーん』だって、狭い視野なんで大きく横を振り返るとそこにはにこやかな泉さんの顔が…幻覚じゃない、でも何で泉さんがこんなとこに?「いやー、眠くって眠くって7時過ぎに眠っちゃったよー、いやーまいった、まいった。」って俺も眠らせろー!泉さんのペースはとても心地よいのだけれど、このまま付いていくと100km先の4CPまで休みなしで連れて行かれそうなので、腰痛が酷い事を理由にペースダウン、345km地点、R52に入ってすぐ南アルプス市のコンビニで休憩を取ることにしました。駐車場に腰を下ろした瞬間…寝た…数分の睡眠だけれど狭まっっていた視野が広がりました。
夜間でもR52は交通量が多く結構緊張する道、少しだけれど眠ってよかった。370km地点で富士川をはさんで対岸の県道にコースを移すと途端に車の往来がなくなりました。緊張感がなくなるととたんに眠くなります。眠くなると…何かライトが明るい…幻覚?また幻聴が『上○くん…』振り返るとふらふらというかゆらりゆらり走る市川さんがいました。なんせ使えるギヤが52×12と39×12しかないのだから足がスローモーションのように回り、踏み込んだ方にバイクが傾くものだから、必要以上にふらついて見えます。しかし彼の発するオーラは物凄いものがあり眠くて28km/hほどに落ちていたスピードも一気に33km/hまで上がっていました。10kmほど併走していると前方に尾灯の点滅が見えてきました。一気にスピードを上げて追いつくとまたしても泉さん。「また眠っちゃったー」って、お前殺す!
400km地点で日本を代表するランドヌールである市川さんと泉さんと一緒なんて夢のようなシチュエーション、身も引き締まる思いです。(でも眠い)
お二人の走りは対照的で泉さんの走りはエックン(Eさん)に近い、走っていて足が長く見えるスムーズな走り、対して市川さんの走りは秋口の門ジュさんの様、どんなギアでも一気にフルスピードに持っていけるような野性的な走りをしてます。ただお二人とも0km/hからのダッシュは強烈で付いていくには結構きついものがありました。また真っ暗な状態の下りでも全く普通に下って行ってしまう能力は強烈で、65km/hで追っかけててもあっという間に千切れてしまいました。私はブルベに参加するようになって長距離は下りの能力が重要と思うようになりました。いかにリラックスして休みながら速く下れるかによって下りきった後の走りが変わってくると思うのです。また下りで休めると自転車から降りて休む時間もおのずと少なくなってくるような気がします。
395km地点で富士川を渡ってR52に戻ります。が、橋の袂でついにダウン。10分ほど眠りました。ここから4CPまで小さな峠が3つ、トラックにおびえながら無事通過。
日が変わってAM00:11 420km地点、4CPローソン清水興津中町店到着。
ここも有人チェックポイント、おしぼりとスイカとネーブルオレンジいただきました。補給は鮭のおにぎり、漬物、ゆで卵、ピルクル、ポケットに梅のおにぎり、羊かん2本、エネルギーインゼリー1個を入れ、メインライトの電池交換をして、ウィンドブレーカーを着て30分の睡眠をむさぼることに。市川さん、泉さんは私が到着すると同時に再スタートして行きました。先頭を走っていた山崎さんは行方不明、山崎さんはオフィシャルの用意するQシートを利用せず地図を利用して走るそうでミスコースでなければよいがと皆さんちょっと心配顔。(途中で大休止に入っていた模様)
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