これからマジックを始めてみたいと思っている方から、「よくたずねられる質問」(Frequently Asked Questions)があります。そのようなものを集めました。 |
Q.近くにマジックをやっている人や、教えてもらえるところもないのですが、一人でも覚えることはできますか?Q.本やビデオではなく、直接誰かからマジックを教えてもらうことはできますか?
Q.デパートにマジックコーナーがあるところを教えてください。
Q.クラブやカルチャーセンターはどうやって見つけたらよいのですか?
Q.マジックのクラブはどのようなシステムになっているのですか?
Q.「スプーン曲げ」のような、特定のマジックだけを習うこともできますか?
Q.マジックのタネやビデオは、いくらくらいで買えるのですか?
Q.初めてマジックショップに行ったときはどうすればよいのですか?
Q.近くにマジックをやっている人や、教えてもらえるところもないのですが、一人でも覚えることはできますか?A.はい、大丈夫です。今では大変わかりやすい本やビデオがたくさん出ています。ビデオには、「レクチャー・ビデオ」というものがあり、一流のマジシャンが自分の得意な分野を解説しているものが数多く出ています。そのようなものを併用すれば独習も十分可能です。
Q.どのような本やビデオを見たらよいのですか?
A.マジックの本には、一般の書店で購入できるものと、マジックの専門店を通してしか入手できないものがあります。一般の書店で購入できる本だけでもかなりの数があります。 入門者の方におすすめする本のリストを作っておきましたので、参考になさってください。 ビデオも順次、紹介してゆくつもりです。
Q.本やビデオではなく、直接誰かからマジックを教えてもらうことはできますか?
A.本やビデオではどうしても不安で、指導者から直接習いたい方もいらっしゃるでしょう。そのような場もいくつかあります。具体的には、
1.デパートのマジックコーナやマジックショップ
2.カルチャーセンターや市町村がやっている文化教室
3.民間のマジッククラブ
4.学校(主に大学)のクラブ
5.忘年会シーズン等、不定期に開催される講習会
6.プロやアマチュアの上手な人から直接指導してもらう。以上のようなところで、教えてもらえます。ただしデパートのマジックコーナーは購入したものので、解説書を読んでもどうしてもわからない場合に限ります。最初から習うのでしたら、クラブやカルチャーセンターのようなところに通うか、信頼できる指導者にお願いするしかありません。
Q.マジックのタネはどこへ行けば手に入るのですか?
A.マジックのタネや道具、本、ビデオなどを専門に扱っているマジック・ショップがあります。全国各地に数十店あり、大抵は通信販売もしてもらえますから、そのような店から購入できます。
代表的な店のリストをつくっておきましたから参考になさってください。
Q.デパートにマジックコーナーがあるところを教えてください。
A.東京ですと日本橋の三越、新宿の伊勢丹、高島屋。関西では大阪梅田の阪急百貨店や阪急三番街にあるキディランドにテンヨーがマジックコーナーを出しています。他にもありますが、どうしても東京、大阪に集中しています。名古屋はデパートからマジックのコーナーはなくなりました。
Q.クラブやカルチャーセンターはどうやって見つけたらよいのですか?
A.地方にある民間のマジッククラブは見つけにくいかもしれません。 しかし、実際には大都市近郊だけではなく、地方にも意外なくらい数多くのマジッククラブはありますから、探せば何とかなるでしょう。
もしあなたがパソコン通信のNIFTYの会員ならマジックフォーラム(FMAGIC)に行って、尋ねてみるのが一番手っ取り早いかも知れません。 FMAGICには全国の人がいますから、何らかの情報が入ると思います。
朝日やサンケイがやっているような、全国規模のカルチャーセンターにはマジックを教えているところもありますから、直接お問い合わせください。
また最近では公民館のような場でも教えているところもありますから、調べてみてください。
Q.マジックのクラブはどのようなシステムになっているのですか?
A.民間のマジッククラブの場合、大きく二つに分けることができます。
ひとつは講師がいて、毎回何かのマジックを教えてもらうというシステムのものです。 もうひとつは特別な講師などはいなくて、参加者それぞれが本やビデオで覚えたものや、最近購入したマジックをお互いに見せあって、楽しむというものです。
実際には前者のタイプが圧倒的に多く、一般的です。まったく一から習うのであれば、講師のいるクラブを選んだ方が無難です。
Q.クラブを選ぶとき、注意することはありますか?
A.クラブというのは、講師のレベルの差がはなはだしいのが困りものです。指導者の技量、マジックに対する考え方、センスなどにも大きな差があります。 実際これが後々まで決定的な影響力をもつことになりますから、これから始める方は慎重に選ぶ必要があります。
会ったときの印象で、この先生とは気が合うかどうか、そして信頼できそうかどうかといったことが重要なチェックポイントです。これはマジックに限りませんが、妙に威張っていたり、逆に生徒に必要以上にゴマをするような講師はやめておいたほうが無難です。また講師の人間的なセンスはとりわけ重要です。ただしこればかりは「類は友を呼ぶ」という言葉どおり、あなたのセンス次第です。センスの悪いクラブは、講師から生徒まで同じような人が揃っています。
あと具体的な確認事項としては、月に何回あり、会費はいくらなのかといったことをよく聞いておくことです。クラブによっては会費以外に講習で使う教材の実費が必要なところもありますから、そのあたりも事前に確認しておくことです。
また、そのクラブがいつ頃できて、メンバーがどのくらいいるのか。定期的に発表会のようなことをするのかしないのか、といったことも確認しておいたほうがよいでしょう。発表会が楽しみという人もいれば、そのようなものはイヤだという人もいます。
Q.「スプーン曲げ」のような、特定のマジックだけを習うこともできますか?
A.もしあなたが、すでに何か具体的に習いたいものがあるのでしたら、クラブなどを選ぶとき、前もってよく調べておくことが必要です。
一般のクラブは、講師が様々なマジックを織り交ぜて指導するのが普通です。「ロープ」、「シルク」、「新聞紙」、「トランプ」、「コイン」他、いろいろなものを教えます。他のメンバーとの関係もありますから、ある人の希望だけをきくことはできません。また講師によってはステージ・マジックは得意だけれど、クロース・アップ・マジックはほとんどできない人がいます。その逆もありますので、あなたがステージマックにウエイトをおきたいのか、クロースアップマジックをやりたいのかで講師の適不適も決まってきます。
どうしても特定のマジックだけを習いたいのであれば、個人的に指導を頼むか、マジックショップでビデオやそれ用のタネを買ってきて、独習したほうが早いかも知れません。
Q.本を読むだけで、マジックって出来るようになりますか?
A.はい、大丈夫です。タネの原理をマスターしたら、後は練習して、実際に人に見せることで十分可能です。 ただ最初の頃は、マジックの現象を本で読んでも、こんなものが面白いとはとても思えないということがよくあります。本で読んだとき、つまらないと思って捨ててしまっていたものを後で誰かに見せてもらったら、すごく不思議でよいマジックであったということは珍しくありません。ぜひ誰かに実際に見せて、反応を確かめてみてください。
本は入門者用の推薦図書をご覧ください。Q.クラブに入るには資格や試験があるのですか?
A.大学のクラブの場合、資格も試験も不要です。それどころか、クラブ勧誘のとき、それとなく入ってもよいという雰囲気で先輩のところへ寄っていけば、昼飯くらいは御馳走してもらえて、手品をイヤと言うほど見せてもらえます。
民間のクラブでも、ほとんどは資格や制限はありません。代表の方と簡単な面接をして、よほど変な人だと思われない限り大丈夫です。ただ、古くからあるクラブで、格式を重んじているようなところは、メンバーになるためには推薦人が2名以上必要というようなところもあります。しかし、たいてのクラブは誰でも入ることができます。
Q.クラブに入ったらどれくらいのお金が必要ですか?
A,これは様々で、一概に言えません。 平均的には月に一回か二回の講習があり、そのときに使う材料の実費と場所代、講師への謝礼などを考慮して、そこのクラブが独自で決めています。 一回あたりにすると,3,000円くらいかなという感じはしますが、何とも言えません。クラブによっては、三ヶ月単位、半年単位、年単位で会費を集めるところもあります。 カルチャーセンターで何かを習う場合と同じくらいと思ってよいでしょう。
Q.クラブに入った後、注意することはありますか?
A,クラブで教えてもらったものは、部外者に種明かしをしないことが一番重要でしょう。マジックのタネは、マジックを楽しむ人達共通の財産です。人から教えてもらったタネは自分は演じても構いませんが、種明かしは厳禁です。
Q.「超魔術」をやりたいのですが?
A.ここ10年くらいの間にマジックのファンになった方の多くは、Mr.マリックの影響で、超魔術的演出にひかれてマジックを始めたという人がたくさんいます。Mr.マリックが作った「超魔術」という言葉は、マジックの世界では「メンタルマジック」と言って、昔からひとつの大きなジャンルを形成している分野です。
現在、もっとも手軽にこのタイプのマジックを練習したいのであれば、松田道弘さんの『メンタルマジック事典』(東京堂出版)を薦めます。世界的に見ても、これほどコンパクトにメンタルマジックの基本原理を整理したものはありません。 もしあなたが超能力のような雰囲気のマジックをやりたいのなら、ぜひこの本を読んでみてください。
テレビでよく見かける、「スプーン曲げ」や「100円玉を貫通するタバコ」といったものは、何種類もタネがあり、マジックショップによってはそのようなものを販売しているところもあります。「スプーン曲げ」だけでも、数十の方法があります。海外ではスプーン曲げを解説した本やビデオも販売されています。
Q.マジックのタネやビデオは、いくらくらいで買えるのですか?
A.タネの値段は本当に様々です。マジックショップで売っているようなものでは、数百円くらいから数万円くらいするものまでいろいろです。平均的には3,000円前後でしょうか。
ビデオは外国のものが圧倒的に多く、一本30ドルから50ドルくらいが平均的なものです。日本で買うと、同じ品物が2倍から3倍くらいになっていますから、海外から通販で直接買ったほうが相当安く手に入ります。純国産のビデオも、外国製と比べると一般に値段の設定が高く、海外の一般的な値段の2倍くらいしています。
Q.値段の高いマジックほど不思議なのですか?
A.幸か不幸か、そうは一概には言えません。実際、数千円、数万円も出して買った輸入品のネタより、ほとんど費用のかからない即席マジックのほうがずっと観客に受けるということも珍しくありません。 ということは、マジックというのはお金をかけなくてもいくらでも楽しめるということです。 トランプ一組、コインが数枚あれば驚くほどたくさんのマジックを楽しむことができます。
Q.マジックのタネの値段って、どうやって決まるのですか?
A.一般的な経済原則、つまり需要と供給の関係で決まることもありますが、タネという特殊性からそれが当てはまらないものもたくさんあります。
マジックのタネは、マジシャンの間では昔から比較的知られているものがあり、このようなものは安く販売されています。 タネの値段は、ハード面から見た製造原価ではなく、そのマジックからどれだけ不思議な現象が生み出せるかで決まってきます。原価はそれこそ100円以下で作れるけど、売値は数万円というもの珍しくありません。
コンピューターのソフトと似ているかも知れません。ソフトによっては数万円から十数万円するようなものも珍しくありません。しかしケースに入っているのはCDが1枚だけです。CD1枚の製造原価など、100円もしません。100円もしないのに数万円の定価をつけるとは許せないと文句を言うのは筋違いであることはわかるでしょう。それを開発するには膨大な時間と労力がかかっています。
マジックのネタも同じです。ある現象を思いつき、それを達成するためには長い年月、試行錯誤した末にやっと完成したものもあります。そのようなものが高くなるのは納得できるでしょう。
また、あるマジックを見て、それが気に入ったとき、その不思議な現象を自分でもできるのであれば、どれだけの金額をそのマジックに出してもよいかは、個人差があります。 好きな人にとっては、いくら出しても教えて欲しいという人もいれば、お金を払ってまで教えてもらわなくてもよいという人まで、様々です。 ダイヤモンドに数百万も出す人もいれば、ダイヤモンドなどただの炭素の固まりにすぎないと思う人もいます。 ブランド品というだけで、いくら高くても買う人もいれば、ただであげると言われてもいらないという人もいます。
マジックの値段は、一般には、大量生産ができて、多くのショップで売られているようなものは安く、世界中で、100個限定とかになると、ずいぶん高くなる場合もあります。 私が主にやっているようなカードマジックやコインマジックなら、費用はほとんどかかりません。
蛇足ながら、私も一個数万円くらいするネタはいくつも持っていますが、昔から現在まで、最も実演回数が多く、気に入っているのは今でも数百円で買える「スポンジのウサギ」です。
Q.初めてマジックショップに行ったときはどうすればよいのですか?
A.マジックショップに初めて行くのはなかなか勇気がいることのようです。 昔はデパートのマジックコーナーが数多くありましたので、買い物のついでに立ち寄ることができましたから、それほど緊張もしなかったでしょう。
しかし、最近は日本も欧米のように、デパートではなく、専門店が中心になってきました。このような専門店は、一般に人目に付かないようなところあることが多く、一人ではじめて行くにはなんとなく二の足を踏むかも知れません。しかし、実際には何も怖がる必要はありません。普通に入っていって、初心者なら、正直にそう言って、何か簡単なものを見せて欲しいと言えば大抵、2,3点お薦めのものを実演してくれはずです。
見せてもらったからといって購入する必要はありません。Q.手品は指先が器用じゃないとできないのでしょう?
A.手先の器用さは、ほとんど関係ありません。どんなに手を素早く動かしたところで、人間の目はそれをキャッチします。マジシャンがある秘密の動作を行うとき、目にもとまらないような早い動作でやっているのではありません。人間の心理の盲点をつき、あつかましいくらい堂々と秘密の動作をやっています。
心理学ができて高々100年ほどです。マジシャンや占い師は、もっと昔から、人々の注意力を別の方向へ向ける技術や相手の微妙な心の変化をさぐる術にたけていました。小手先の技術でできることなど、ごくわずかです。そのため、手先の器用さはほとんど関係ありません。
Q.通信販売をやっている店を教えてください。
A.日本国内、海外のマジックショップで代表的なものをいくつか紹介しておきましたので参考になさってください。
Q.海外へはどうやって注文したり送金するのですか?
A.今は海外の注文も大変楽になりました。 多くのショップがFAXを備え付けていたり、インターネット上にホームページを持っています。そのようなショップであれば、FAXや電子メールでも注文が可能です。
支払いはクレジットカードを持っているのなら、手間や手数料のことを考えるとクレジットカードを使うのがベストです。 ただ注意していただきたいのは、電子メールでクレジットカードの番号を送るのは、インターネットのセキュリティの関係から安全とは言えません。実際の注文はFAXで送ることをお薦めします。電子メールで在庫の確認などをして、最後の注文にはFAXを利用するほうがベターです。 クレジットカードはVISAやMASTERCARDであれば大抵大丈夫です。
もしクレジットカードを持っていないのであれば、郵便局から外国為替を利用するのがよいでしょう。手数料は、送金金額により変わりますが、だいたい1,000円前後です。
銀行で小切手を作ってもらう方法もありますが、これは手数料が高く、あまりお薦めできません。