Online Lecture
スプーン曲げ
Spoon Bending
2000/4/27
最初に
「オン・ライン・マジック教室」の第9回目です。
即席マジックとして、昔から「スプーン曲げ」があります。ユリ・ゲラーやMr.マリックがやっているタイプのものではありません。スプーンを曲げるところは手で曲げます。その曲がったスプーンを一瞬で元に戻すマジックです。これはおそらく100年以上前からあり、初心者向きの本にも解説されています。そのため、ある程度マジックをやっている人はたいしておもしろいとも思わず、たいてい見過ごしています。ところがこれもうまく演じれば大変効果のあるマジックになります。間違いなく、即席マジックの傑作のひとつです。
現象
使用するスプーンはコーヒー用の小さなものでも、カレーなどを食べるときに使う大きなものでもかまいません。 材質も100円ショップで売っているような薄い金属製でも、銀製の頑丈なものでもかまいません。
スプーンを手に持ち、軽くテーブルに2,3回打ち付けて、普通のスプーンであることを示します。観客に調べてもらってもかまいません。
「一般的に、スプーンは硬いものという先入観がありますが、実際にはちょっと力を加えると簡単に曲がります」
こう説明してから、下の写真のようにスプーンを持ち、手で上から押さえつけて曲げてしまいます。硬そうに見えるスプーンでも、このように持って上から押さえつけると、柄の付け根の部分で容易に曲がってしまいます。
写真1 写真2上の「写真1」の位置から2のようにぐっと押さえつけると、下の写真3のように曲がります。
写真3ここまでは別段不思議でもありません。ただ力で曲げただけですから。
しかし曲がったスプーンを軽くこすると、瞬時に元の形に戻ります(写真4)。 そのスプーンを観客に返して調べてもらいます。
写真4コメント
日本で「超能力者」と称する連中がやっているタイプの「スプーン曲げ」は、1974年頃、ユリ・ゲラーが始めたものです。今までに見慣れない現象であったため、本物の超能力と思った人が続出しました。
ここで紹介するものは、そのタイプのものではなく、もっと古くからあるものです。いつ頃考案されたのかわからないくらい古いものです。それほど古くからある原理なのに、これがマニアの間でほとんど演じられなかったのは原理は簡単であっても、実演するためにはいくつかのポイントを押さえておかないとできないからです。そのあたりの重要な点が今までの解説書では正確に記述されていません。今回、なるべく詳しく解説しておきましたので、この機会にマスターしてください。ユリ・ゲラータイプのスプーン曲げは、そのうちレクチャーCDかビデオでも作るときに解説するつもりです。
なお、タレントの松尾貴史氏(キッチュ)もこれが大変上手です。もしテレビで見る機会があれば、彼の実演をみてください。どれくらいうけるものかよくわかるはずです。先日もスタジオが騒然となるくらい、みんな驚いていました。
追加情報:「ラウンドテーブル」にも「スプーン曲げ」について書いたものがあります。参照してください。
追加情報2(200/4/12) 「魔法都市日記(52)」の中に、これを見せたときの話があります。
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