最初に阪神大震災のとき、壁に備え付けの本棚をのぞいて、家にある本棚の8割くらい、ひっくり返りました。数日掛かりで本を拾い上げているとき、床に散乱した本の下から、これが出てきたのです。バイシクルの外箱は完全に破れています。あれだけ大きな本棚の下敷きなっていたのですから無理もありません。当時、42,000円と結構いい値段だったのと、コレクターズの商品の中でも気に入っているもののひとつだっただけに残念です。中から出して調べてみるまでもなく、ボロボロになった箱を見ていると、当然壊れていると思いました。ゴミ箱に放り込む前に、一応確認しておこうと箱から出してみると、これが何と、中身はビクともしていないのです!
これのギミックの部分は、ぶあつい真鍮の板で囲まれており、相当複雑なメカが組み込まれているのに完全にガードされていました。以前から、現象の割には随分頑丈な作りだとは思っていましたが、それがこんなときに役に立つとは思いも寄りませんでした。どれくらい頑丈か、本当なら中身の写真でも紹介したいくらいです。(笑)ということで、阪神大震災にも耐えた強固さに敬意を表して、紹介しておきます。
現象
透明なグラスの上にバイシクルのデックを置きます。もうひとつ別のグラスを取り出し、その中に4枚のハーフダラーを入れます。ハンカチをグラスの上からかぶせ、デックの上にハンカチをかぶせたグラスを置きます。
上からおまじないをかけると、コインが一枚ずつ下のグラスの中に落ちて行きます。ハンカチをとると、上のグラスは空です。
最後に一言
それほど派手な現象ではありませんが、私は好きです。コレクターズの商品の中では、Perfect Timeを購入するまではこれが一番実演回数が多かったと思います。
私が演じるときは、上のグラスは使っていません。
最初、一般的な「オキトのコインボックス」の手順、つまり、一枚の硬貨をコインボックスに入れて、グラスの上にトランプを一枚置き、その上にコインボックスを置いて上からたたくと、中のコインだけがグラスの中に貫通するという現象です。これはこれで、なかなか捨てがたい味のあるマジックです。さらに難しくするため、4枚のコインをコインボックスに入れます。4枚も入れると重いので、一枚のトランプではなく、デックを使うということで理由付けをしています。
私は、このとき沢浩氏のコインボックスを使用しています。これを使うと、ボックスの中に4枚コインが確かに入ってるのを見せてから、ゆっくりとふたをして、コインを貫通させることができます。ハンカチも使いません。最後に、コインボックスのふたを取ると、当然ながらコインボックスの中は空っぽになっています。沢さんのコインボックスを使うと、この部分が大変公明正大に見せられるのです。ボストンタイプのコインボックスでも同じようなことは出来ますが、公明正大という点ではだいぶ劣ります。
なお、沢氏のコインボックスは今から十数年前に購入しました。(確か、14,000円くらい)最近はあまり見かけませんので、製造中止になっているのかも知れません。
製品名:C.W. COIN CLASSIC
購入先:UGM
製造元:Collectors Work Shop(U.S.A.
価 格:42,000円(5年くらい前の値段です)
魔法都市の住人 マジェイア