マジシャン紹介
Eddie Fechter(1916-1979)
2000/3/6 記
ニューヨーク州バッファローにあるフォークス・ホテル"Forks Hotel"で、1949年よりバーマジシャンとして活躍する。年1回開催されるクロースアップマジック専門の大会"FFFF"(Fechter's Finger Flicking Frolic)(通称”4F”)を1971年創設。
プロレスラーのような巨体、太い腕には入れ墨があり、知らない人が見たら、とてもマジシャンには見えないでしょう。手も大きく、トランプを縦にでもパームできそうな幅があります。
サーストン、エド・マーロー、ダイ・ヴァーノン、ドクター・ダレー、ジャック・チャニン、フランク・ガルシア、バート・アラートン、デル・レイ、サム・ホロウィッツ、オキト、ミルボーン・クリストファー、ボウボウ等、この時代に生きた有名なマジシャンが数多く店を訪れています。店の壁やテーブル、天井、柱等、いたるところにマジシャンの写真が貼り付けてあります。ジャック・チャックがフェクターにおくった写真には、「ソーセージのような指で、たぐい希な魔法を見せる男」という賛辞が書いてありますが、これが最も端的にフェクターを表現しているかも知れません。
フォークス・ホテルの前には、"Magician Nightly"と書いた看板があり、連日バーは大盛況であったようです。特に週末はすべて立ち見席になるくらいの混雑ぶりであったそうですから、フェクターの人気がどれほどのものであったかわかるでしょう。
扱うものはカード、コイン、タバコ、ダイスといった身の回りにあるものに限り、ゴテゴテとした道具類を嫌いました。演じるマジックもダイレクトでシンプルな現象のものを好んでいました。あの太い指で演じられるマジックは、見かけとは裏腹にどれも大変すっきりしたものばかりです。
自分で本は書いていませんが、ジェリー・メンツアーが彼の作品を紹介した本を出しています。
Magician Nitely:Magic of Eddie Fechter(Jerry Mentzer,1974)
Eddie Fechter's Dice Holdout Methods for Magicians(Jerry Mentzer,1974)
魔法都市の住人 マジェイア