マジシャン紹介

ジョン・F.メンドーザ

John F. Mendoza


John F. Mendoza
アメリカのセミプロのマジシャン。1978年に"Book of John"を出版し、突然、クロースアップマジックの世界で注目されました。この本に解説されているコインマジックで、最後に直径30センチほどの巨大なコインを出現させるものがあります。これは当時のマニアを驚かせました。

これに代表されるように、マニアを驚かせる目的のものが多く、一時、ちょっとしたブームになっていました。私も当時は彼のトリックには引かれ、この本以外にもパンフレットで解説されているものまで含めて、すべてチェックしていました。また実際によく演じていました。

しかし、数年後、ビデオで彼の演技を見たら失望しました。とてもプロのパフォーマーとしてやっていける人ではなかったのです。一言で言えば、「暗い」のです。これはプロとしては致命的です。本では、アイデアは面白く、不思議なエネルギーに満ちている作品が多かったのに、エンタテイナーとしての資質には欠けていました。あれでは一般の人は勿論、コンベンションなどでレクチャーをしても、すぐにファンが減ってしまうだろうと思いましたが、実際にそうなりました。

私も当時、彼とは何度か手紙の交換もしたことがあり、彼の作品も好きであっただけに、これは少し残念でした。

ここ10年ほど消息を聞かなかったら、先日(97年7月)、久しぶりに彼の新しいライブビデオを2本見る機会がありました。A1 MULTIMEDIAから出た、"JOHN MENDOZA LIVE"、全2巻です。

20年ほど前は、毛が逆立つほど髪が多く、エネルギーの固まりのような人だったのに、今ではすっかり、白髪が目立つおじさんになっていました。
マジックを演じる雰囲気もこの10数年で、すこしは変わったかと期待したのですが、残念ながらこちらは以前と変わっていません。やはりフルタイムでマジックをやるにはつらいでしょう。

今回のビデオの中で、トリックとしてすぐれているのはVolume 2に入っている"Mendoza Five-Star Prediction"です。アル・コーランのバリエーションと言ってしまえばそうなのですが、見た目も大変フェアーで良いトリックです。
現象は、観客にデックを渡して、表向きにどんどん配っていってもらいます。好きなところで配るのをやめてもらうと、そのカードが前もって予言されています。

今では私自身の好みもすっかり変わってしまい、彼のトリックは私のレパートリーからは消えましたが、20年ほど前はディングルのトリックと並んで、彼のものもよくやっていましたので、多少、懐古趣味が入っていますが、紹介しておきます。

魔法都市の住人 マジェイア

書籍紹介
  1. Book of John (1978年)
  2. Close-Up Presentation (1979年):クロースアップマジックのプレゼンテーション理論
  3. John: Verse Two (1980年)
他、パンフレットでワントリックだけを解説したものが数種類出ています。

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