ショー&レクチャーレポート

 

Mr.マリックの超魔術スペシャル(3)

超魔術スペシャルの第3夜です。

昨晩とはうって変わって、今日のマリックさんは謎の郵便局員「栗間太澄」さんのようでした。
おなじ人が同じことをやっても、何でこうも雰囲気が変わってしまうのでしょう。

場所や周りの雰囲気が変わればガラリと変わってしまうものですね。あらためて、空間や観客全体が作り出すトータルな雰囲気がいかに重要かよくわかりました。

遊園地や商店街のような場所で、その辺りにあるものを使って即席でマジックを見せるという趣向です。


放送日時:1997年4月9日 午後8時−8時50分 NHK衛星第2
タイトル:Mr.マリックの超魔術スペシャル(3)
サブタイトル:「マジックストリート」
出 演 :Mr.マリック
ゲスト :ピンクの電話


1.蜘蛛

ご存じ"The Web"です。観客の手の甲に蜘蛛が張り付く例のものですが、木のそばに行き、落ち葉を観客の手に握らせてやっていました。「ギャー」という悲鳴が観客から上がっていた。

マリックさんが子供の頃、縁日などで見たものを再現するという設定。。

2.スリカードモンテ

3枚のトランプのうち、1枚が当たりで2枚がはずれ。当たりのトランプを裏から当てたら賞金がもらえるというギャンブルの一種。昔は日本でもあり、「もや返し」と呼ばれていた。アメリカでは今でも街頭でよくやっている。イカサマを使うので、絶対に勝てない。

3段構成になっており、最後は沢浩氏のスリカードモンテの原理のはず。これは鮮やか!マニアでもこの原理を知らないと解決不可能。

3.棒を使ったモンテ

初めて見る道具であった。金属の棒が3本あり、その一本の端に紐が通っており、5円玉がついている。棒を3本一緒に握り、5円玉のついた紐の通っている棒を引き抜いたら当たりというギャンブル。昔は縁日で本当にあったらしい。シンプルだがよくできたネタ。

4.小さくなるトランプ

おなじみの小さくなるトランプ。マリックさんが子供の頃縁日で買ったができなかったそうだ。日本に昔からあるスタンダードなネタだが、不思議なことに外国にはこれがない。

小さくなるトランプは様々な原理があり、外国でも数多く売られている。しかし、この日本製のネタは、上手に見せられると本当の魔法のように見える。私も小学生のころ、大阪の難波にある高島屋で、これを何度も見せてもらった。トランプが手の中で揉むうちにだんだん小さくなって行き、最後は完全に消えてしまう。小品奇術の傑作。

5.気合い術

お茶碗の上に、大きな石がくくりつけてある棒を斜めに立てる。バランス芸。

ここでゲストマジシャンが出演。エスケープアーティスト(脱出術)のO.Zさんという女性。はじめて見る人。体を鎖で縛ってギロチンの下に横になる。1分以内に脱出しないと、ロープが切られて刃が落ちてくるという演出。勿論無事に脱出。

Mr.マリックが登場

6.テレパシー

観客にスケッチブックを渡して、マジシャンと20から30メートルくらいの間隔を取る。マジックインクで図形を書いてもらう。離れたまま、観客の描いた図形を形を当てる。これが今日の番組の中では一番不思議だった。3人にやったが全部成功。(たぶん、Dr.Xのメカなのでしょう)

 喫茶店に移動

7.スプーンを使ったもの2題

椅子の上に置いたスプーンが念力で動く。それと おなじみの「スプーン曲げ」。

8.指輪

観客から指輪を借りるが、誤ってコーヒーの中に落としてしまう。スプーンですくい上げると、溶けた金属がコーヒーの中から出現する。ポケットの中から財布を取り出し、その財布から糊づけされた封筒を取り出すと、そこから観客の指輪が無事出てくる。

 商店街で。

9.野菜の中にコインが入る

街頭の八百屋でピーマンを取り上げ、ピーマンの上に100円玉と50円玉を乗せる。客にコインを一枚指定してもらう。選んでもらったコインを、ピーマンに傷つけずにピーマンの中に入れる。切ると確かにコインが入っている。大根でもできた。これこそ栗間太澄さんがやりそう。(^_^)

10.ブックテストの一種

本屋に入り、時刻表を買ってくる。観客に時刻表とボールペンを渡し、後ろ手で、任意のページにバツ印をつけてもらう。どのページにバツ印をつけたか本人もわからない。時刻表を開いて、バツ印の部分を探す。すると、その部分が前もって予言されていた。

11.お菓子

アルファベット型のクッキーが沢山ある。観客の一人にひとつ取り上げてもらい食べてもらう。(Wの文字) 別の観客から鏡を借りて、そこに息を吹きかけてもらうと、鏡にWの文字が息の湯気で浮かんでくる。

別の観客に違うクッキーを食べてもらい、そばにあった公衆電話のガラスに息を吹きかけてもらうと、やはり食べたクッキーの文字が浮かんでくる。

以上。


 最初に書いたように、マジックには空間が作り出す雰囲気を考慮することが不可欠ですね。自分にはどのような場所で、どのような観客を相手にしたとき、最も望ましい雰囲気が出せるのかを考えておくことは重要です。時、場所、見せる相手を間違えると、実力の数分の一しか出せないでしょう。


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