製品情報

製品名ACES IN THEIR FACES
購入先Hank Lee
原案者Bob Kohler
価 格$15.00
分 類クロースアップ、カード、Four Aces

Aces in Their Faces

1998年6月12日



最初に

今さら「フォーエース」"Four Aces"でもないと思うでしょうが、久しぶりにやってみたいカードマジックが発売されました。キャッチコピーを紹介します。

1.「セルフワーキングトリック」である。(指先のテクニック不要)
2.「D.F.カード」を使用していないので、マニアでもある種の先入観を持って見ていると引っかかる。
3.すぐにリセットができる。

ということですが、これだけならせいぜい、「10,001番目のフォーエーストリック」にすぎません。何もここで紹介することもありません。何が優れているのかは、後のコメントを読んでください。

Four Aces

現象

一組のトランプをカードケースから取り出し、両手の間に、裏向きのまま広げて行きます。すべてのトランプが裏を向いていることを確認してもらいます。

第一段:スペードのAが一組のトップから現れます。このスペードのエースを表向きにして、デックの中程にカットして入れます。

第二段:トランプをテーブルの上に広げ、今、スペードのエースだけが一組の中ほどで表向いており、他のトランプはすべて裏向きであることを確認してもらいます。トランプを集めます。
観客に、他の3枚のエースも表を向いている場面をイメージしてもらいます。そして、トランプを広げてもらうと、4枚のエースが色々な場所から表向きになって出現します。

第三段:4枚のエースを抜き出し、表向きのまま一列に並べ、各々のエースの上に、3枚の裏向きのトランプを置いて行きます。観客に、ひとつのエースを指定してもらうと、他の3枚のエースは観客の指定した「山」のところに集まります。

コメント

現在、私がやっている、いわゆる"Four Aces Trick"としては、ヴァーノンの"Slow Motion Four Aces"、ジェニングスの"Open Travelles"、マクドナルドの"MacDonald's $100 Four Aces Trick"、サイ・エンドフィールドの"Aces of Connoisseur"くらいしかありません。昔はゆうにこれの3、4倍はあったような気がします。(笑)

いずれも20年以上前からやっているものばかりです。「フォーエースもの」で、新たに私自身のレパートリーに追加したくなるようなものはもうないだろうと思っていました。今回、この"Aces in Their Faces"を紹介したのは、いくつか優れた部分があるからです。

その1:第一段から第三段を通して、観客から見るとマジシャンは何ら怪しげな動作をしていないように見える。

その2:演出が優秀で、徐々に不可能の度合いが高まってくる。

その3:解説がよい。

特に、最後で一カ所にエースが集まる部分は、マジックをやっている人にはよく知られている"Magician's xxxxxx"を使用します。この部分の解説が大変優秀なのです。これで何を選ばれても、怖くありません。これが優秀なので、大変、説得力のあるトリックになっています。

また、話が少しそれますが、先日、「これからマジックを始めたい方に」の部屋で書いた「誰がそれをやったのか」とも関係したことがあります。

第一段の現象はマジシャンが起こし、二段目、三段目は観客がイメージしたことが起きるという演出になっています。マジシャンは何もしていませんから、観客自身の不思議なパワーで引き起こされたという見せ方が自然にできます。この辺りのことを、はっきり意識して演じると、大変、強烈な印象を残すマジックになります。ただ単に、「エースが集まりました。はい、おしまい」では、「その他大勢のフォーエーストリックのひとつ」にすぎませんし、このトリックのよさはわかりません。

とにかく、きちんとした演出がしやすいようになっていることと、セリフ及び先ほどの"Magician's xxxxxx"も含め、細かい部分の解説が優秀なので、このトリックが1級のものになっているのです。解説書を読むときは、その辺りをしっかり読み込んで、理解してから演じてください。

おまけのTips

これに限らず、マクドナルドのフォーエースでもそうですが、観客にひとつの山を選んでもらったら、その山を手で押さえてもらうことが重要です。実際、最後で、自分の手の下から消えたエースがすべて現れるのは大変な驚きになります。単に一カ所に集まるという現象より、断然、驚きます。

それと、ついでにもうひとつつけ加えるなら、特に「マクドナルドのフォーエース」の場合ですが、観客がひとつの山を押さえているとき、まだ他の3つの山には3枚のエースが見えています。この時点で、「今から、このテーブルのエースを一枚ずつ消して、あなたの手の下に移動させます」と言ったほうがよいのです。これは、「サーストンの3原則」にある、「前もって現象を説明してはならない」に反するようですが、この場合は、先に宣言しておいたほうが効果的です。まだはっきり見えているエースを消して、観客の手の下に移動させるという、それでなくても挑戦的な現象ですから、この時点で言っておいたほうが、なお一層、不可能だという印象が強まります。観客にすれば、「そんなこと、出来るはずがない」という気分になり、最後に、実際、自分の手の下からエースが現れたときの驚きは大変なものがあります。

 

魔法都市の住人 マジェイア


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