製品名 | China Change |
原案者 | John Benzais |
価 格 | $5.00(1970年代) |
購入先 | Louis Tannen |
分 類 | クロースアップ、コイン |
最初に
この「チャイナ・チェンジ」は、アメリカ人のマジシャン、ジョン・ベンザイスが1970年代前半に売り出したものです。最近はあまり名前を聞かなくなりましたが、当時は専門誌"NEW JINX"などにもよく寄稿していました。
彼のトリックには、どれも、マニアが見るとちょっとひかれるところがあります。いかにもマニアが引っかかりそうなアイディアなのです。
まとまった本としては、"The Best of Benzais"だけでしょう。これには、"NEW JINX"に載せていたものも一部含まれています。
現象
アメリカの25セント硬貨をマジシャンの手のひらの上に置いて、観客にはっきりと見せます。ゆっくりと手を握り、もう一度手を開くと、中央に穴の開いた、中国のコインに変わっています。
この中国のコインは、観客に手渡して調べてもらうこともできます。
コメント
今では販売されていないかも知れません。20数年前とは言え、わずか5ドルで販売されていたネタですから、それほど大げさな仕掛けではないことはわかるでしょう。
現象は決して悪くありません。ただ、これが本当に彼のオリジナルかどうかは少々疑問です。少なくとも、中心となる原理は、もっと昔からあったような気がします。あえてベンザイスのオリジナルという部分を探すなら、中国のコインに変わった後、観客に手渡せるようにした点でしょうか。今までのものでは、そのままでは観客に手渡すことはできなかったはずです。
この「チャイナ・チェンジ」を知っているマニアを、さらにひっかけるように改良したネタがあります。昔、六人部慶彦君から見せてもらいました。たぶん、私がベンザイスのオリジナルを見せたら、しばらくして改案を考えてくれたのでしょう。六人部君は、ハーフダラーと、それとほぼ同じ大きさの中国のコインを使って演じていました。上の写真をそのままハーフダラーの大きさにしたものです。
六人部君の方法は、このベンザイスの原案を知っていると引っかかります。指先に持ったハーフダラーが、穴の開いた中国のコインに変化するのは同じなのですが、変化した後、指先のポジションのまま、中国コインの両面を見せることができるのです。勿論、そのまま観客の手のひらに落として調べてもらうこともできます。
ベンザイスの原案を知らないと、この改案の意味がわからないでしょうが、指先に持ったまま、中国コインの両面が見せられるのがポイントなのです。
実は今回、これを紹介したのは、明日、紹介する予定のトリックに、この「チャイナ・チェンジ」が出てくるからです。 そのため、とりあえずこれを先に紹介しておきます。