製品名 |
The Invisible
Eye |
購入先 | ミスター・マジシャン |
原案者 | Dennis Marks |
価 格 | 7,400円 |
分 類 | クロースアップ、カード、シャイナー |
2000年5月19日
最初に カードを使うギャンブルの場で、いかさまをするギャンブラーが使う道具のひとつにシャイナー(shiner)と呼ばれるものがあります。小さな鏡のようなものです。これを使うと客に配ったカードが何なのかを知ることができたり、次に自分のところに来るカードが何なのかを知ることができたりします。このような道具は、もし見つかればただではすみませんから、実際にはあまり使われることはありません。プロのギャンブラーというより、アマチュアのいかさま師あたりが使ったのでしょう。 シャイナーは手の中に隠し持つ場合もありますが、テーブルの上に出しておいても不自然にならないもの、たとえばタバコを吸うパイプ、時計、指輪、タバコケース、眼鏡などに仕込む場合もあります。ときにはライターの表面を磨いておき、シャイナーの代用にする場合もあります。 この「インビジブル・アイ」はマジック専用のシャイナーとして1973年に考案され、一般に売り出されたのは1996年です。その間、20年以上もあります。原案者が自分専用のトップシークレットとして、公開したくなかったからかも知れません。私は数年前に購入しましたが、今も販売されているのかどうか不明です。 現象 これを使ってどのようなマジックをやるのか、それが一番重要なのですが、最もまずいのはカードを一枚取ってもらい、その名前を当てるという使い方です。取ってもらったものをストレートに当てたのではフォーシングを使ってもできますし、その程度のためにこのような危険な道具を使う必要はありません。 比較的うまい使い方としては、「アウト・オブ・ディス・ワールド」(Out of This World)の前か後にこれを使ったマジックを見せるとおもしろいのではないでしょうか。技術的に楽なのは後です。普通に「アウト・オブ・ディス・ワールド」をやったあと、別の観客にデックをシャッフルしてもらい、デックの1/3ほどをカットしてもらいます。残りのパケットから赤いカードと黒いカードを1枚ずつ抜き出してもらい、それを表向きに置きます。これがオリジナル同様、ガイドカードになります。 1/3ほどカットしたカードをマジシャンは裏向きに持ち、観客の前に広げて1枚のカードに触ってもらいます。ここで表を見せずに、「赤だと思うか、それとも黒か」たずねます。実際にはマジシャンはこのカードが何かはインビジブル・アイのギミックを使えばわかりますから、正しければガイドカードの上に裏向きのまま置いていきます。もし違っていたら、「私は違うと思うのですが、まあ、いいでしょう」とでも言って、ガイドカードの上に横向に置きます。15、6枚のカードでこれを行ったあと、横向になっているものだけいったん抜き出し、脇に置きます。残りのカードはそのまま表向きにすると、全部、赤黒が正しく分かれています。マジシャンが横向に置いたカードも表向きにすると、こちらはすべてマジシャンのほうが正しかったことがわかります。いずれにしても、きれいに赤と黒に分かれます。 今の現象を「アウト・オブ・ディス・ワールド」が終わった後に演じるのは損です。どうせなら先にこれをやってから、52枚全部を使うオリジナルの「アウト・オブ・ディス・ワールド」を演じた方が効果的です。 コメント このギミックもシャイナーの一種なのですが、特徴はシャイナーの隠し場所と前後の処理のし易さが巧妙な点です。しかし、この種のギミックは本当に必要なのかどうか難しいところです。一般の人にカードマジックを見せるのであれば、このようなギミックを使う必要などありません。マニアを引っ掛けるための道具としては優秀かも知れませんが、そのためだけに使うほどのこともないと思います。節度を持って、うまい状況設定が思いつけば悪くはないでしょうが、くれぐれも乱用は慎んでください。 老婆心ながら、このような道具を使ってポーカーやブラックジャックで儲けてやろうとなどとは思わないでください。シロウトが使えば、かえって負けます。いかさまをする人間は、長い目で見れば必ず損をしています。それはいかさまをすることばかりに意識が行き、ゲームそのものに集中できないからです。それにこの「インビジブル・アイ」はマジックの道具としてはおもしろいのですが、実際のギャンブルには向いていません。ライターを磨いてシャイナーとして使うのなら、もし見つかってもなんとか言い訳ができるかもしれませんが、これが見つかれば絶対言い訳ができません。ですからこの種の道具でいかさまをしようなどとは絶対考えないでください。
|