書名 |
マーチン・ガードナー・マジックの全て |
著者 訳者 |
マーチン・ガードナー 壽里 竜 |
出版社 | 東京堂出版 |
価 格 |
3,500円(税別) |
発行日 | 1999年2月 |
分類 | 即席マジック |
1999年8月22日
最初に マーチン・ガードナー(Martin Gardner,1914-)は、パズル界の大御所として、世界的によく知られています。1957年から1982年まで、25年間に渡って科学雑誌、『サイエンティフィック・アメリカン』に、数学やパズルに関するコラムを掲載していました。アマチュアのマジシャンとしてもよく知られており、身のまわりにあるものを使った「即席マジック」や、「数学マジック」を紹介した本も数多く出しています。 内容を紹介しましょう 今回紹介しました上記の本は、1993年に出ました"Martin Gardner Presents"(Kaufman and Greenberg,1993,415pp)の邦訳です。これは、これまでにガードナーが発表したトリックを集めたものですが、新たに付け加えたり、加筆したものもあります。ただ、現在(1999年8月)の時点では、オリジナルを完全に訳したものではなく、半分くらいしか載っていません。おそらく、そのうち後半部も翻訳されて、出版されると思います。 ガードナーの本では、1978年に出ました"Encyclopedia of Impromptu Magic"(Magic Inc.)もすばらしいものです。ここではカードマジック以外の即席マジックを集めています。"Martin Gardner Presents"では、この「エンサイクロペディア」とはなるべく内容が重ならないようにしたそうです。ガードナーのマジックに関しては、この2冊で、ほとんど知ることができます。 マニアは、この本に載っているようなものは大抵知っていると思い、読み飛ばしていることが多いのですが、デビッド・カッパーフィールドの日本公演(1999年)では、16あった演目のうち、この本に載っている原理のマジックが二つもありました。 "TEARABLE"は、「パラドックス・ペーパー」で、"THUMBS"は「鼻を使ったドゥ・アズ・アイ・ドゥ」で解説されています。演出は違いますが、原理は二つとも同じです。 このような即席マジックでも、デビッド・カッパーフィールドのように、適切な演出を加えて、状況を考慮して演じれば、マジシャンが思っている以上の効果を上げられることがわかったはずです。マニアは、つい、高度なテクニックや、複雑で巧妙な仕掛けのある道具でないと観客を驚かせることはできないと思いがちですが、決してそのようなものではないことを再認識させられたと思います。 タネを知っているからと読み飛ばすのではなく、もう一度、全部に目を通して見てください。自分なりの演出を加えることで、生涯のレパートリーになる作品がきっと見つかるはずです。 参考 数学パズルの本:、 "Mathematics, Magic and Mystery"(Dover,1956:邦訳あり『数学マジック』(白揚社,1959))
マジック関係 "Here's New Magic"
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