Diary 17 Feb. 2001

2001年2月17日

さて、今日は歩くぞということで、早起きしようとおもったけど、結局9時すぎまで寝てしまって、朝食。朝食は、ホテルで。

さて、いよいよルルドの見学っていうか。まずは、ルルドの歴史というような意味で、ベルナデット嬢の一生を描いた本など買ってみたりして、それから、ベルナデット博物館とか、さらには、聖ベルナデット教会とかもいってみた。

さて、もう一度。これが、ようするに、ベルナデットが奇跡を起こしてから、できた、ルルドの新しい領域。ノートルダム寺院と、そして、聖ベルナデット教会と、そして、いろいろな医療施設などがある。
そして、ノートルダム寺院。まあ、新しいものです。そりゃ、ベルナデットの奇跡のあとにできたものだし。このノートルダム寺院は、ベルナデットが「ここに建てるべき!」ということで、できたもの。
さーて、これが、ルルドの泉の出るところ。ちょこっとマリア様の像も見える。
ロウソクが積み重ねられている。
奥の洞窟にはいって、その壁をさすると、良いことがあるらしい。
洞窟の上にノートルダムが立つ。
ルルドの泉の水は、この蛇口から出るようになっている。これで顔をあらったり、口をゆすいだりしてみた。
そして、川をはさんで、左側には、病院とかいろいろ建ち並ぶ。
聖ベルナデット教会にある、予定表。いつどこで、どういうミサがあるか、というようなことが書かれている。もちろん、ベルナデットの肖像写真も。
聖ベルナデット教会の壁面にある、ベルナデットの肖像写真。写真のある時代の人が聖人になっているというのも、なかなか面白い。私は、このベルナデットって結構かわいいと思う。
こちらが、病院など。
ノートルダム寺院の車寄せみたいなところにある壁画。
聖ベルナデットの像。
よくわかっていなかったんだけれど、ベルナデット嬢の前には、19回くらい聖母マリアが現れたというから驚き。毎回毎回、ベルナデットが現在泉の湧き出ている洞窟の前にくと、いわゆる恍惚状態になって、それで、聖母マリアが現れるというか。

たんに一回現れて、で、「あーせー、こーせー」というのなら、なんとなく、そんなものかとわかるんだけど、最初は友人二人がいる前で、そして、それからだんだん一緒にいくひとが増えて、最後は数百人とかいう数の人がいるまえで、ベルナデット嬢が恍惚状態になって、ということで、もうそこまでくると、たしかに奇跡というか。

で、そういうのがわかって、結局ここまで奇跡が起こるなら、ってことで、ベルナデット嬢は死後、聖ベルナデットとして、聖人になったわけ。

でもって、面白いのは、土地言葉があって、ビゴレ語とでもいうのか、聖母マリアはこのビゴレ語でベルナデットに話し掛けたとかいうから、これもなんとも面白い。で、実際に、ルルドの泉の出ている洞窟には、ベルナデット嬢が見たという青い布を腰に巻いた聖母マリアの像があって、で、その下には、どうやらビゴレ語とかいうので、Quai soy Era Immaculada Concepciou とかかかれている。一瞬カタロニア語のようにも見えるんだけど、どういう意味だろう?英語でいうと、immaculate conception というのが、「無原罪のやどりのマリア」という意 味らしいけど。

で、このあと、今度は、ルルドの城を見て、中には、ビゴレ人というかこのあたりのひとたちの近世初期くらいの生活のありさまなどを展示したものがあって、いろいろな道具とか、結構面白いものがあった。

最初にエレベータで上までいくので、そこから見学が始まる。
なんか、中世っぽい。なんでも、8世紀ごろからあるお城らしいので、結構すごい。伝説では、シャルルマーニュも来たことがあるとか。
いいなあ、いいなあ、この感じ。ファンタジーな世界。
階段がすりへっている。
中は、いわゆる蝋人形舘といった感じで、ビゴレ人だかの近代初期の生活の様子を再現している。
伝統的な、ゲームらしきものの、説明があった。
お城からの眺め。天気がいまいちよくない。
これが、ルルドの泉やノートルダム寺院がある方向。ノートルダム寺院より右に見える低い建物が聖ベルナデット教会。
本当に、山の中にいりくんでいる町だという感じがする。
結局はやっぱりどこにでもあるお城を利用した郷土博物館なのだ。
衣装博物館にもなっているということか。
機織り機らしい。
ペルピニアンにもあった、カウベルなど。
なにやら、原始時代まで遡るらしい。これはなかなか。
外には、なにやら、家の模型か。ここには、カタローニュとあるから、カタルーニヤ風の家だろうか。
塔に登っているときに、こんなのを発見。17世紀から18世紀の牢獄とか。
やっぱりあった礼拝堂。で、必死に上をみているお嬢さんは、ルルドで唯一みかけた、日本人観光客家族のお嬢さん。
ま、いろいろ考えてみると、ルルドっていうのは、一種の町興し、村興しのメッカではなかろうかとも思ってしまう。

仕掛け屋がどう暗躍したのかよくわからないし、ベルナデット嬢を悪くいうつもりはぜんぜんないのだけれど、現実問題として、ルルドには年に500万人もの人がくるわけだし、ホテルの数は、フランスで三番目に多いとかいうし、回りにいろいろな観光施設もととのっていて、たんに、病人が大量に来る以外に、私のような人もふくめて、野次馬っつうか、そういうのもくるわけでしょ。つまり、観光地化、という点ではこれ以上ないくらい発展しちゃったわけだから、一種、町興し、村興しは大成功だったわけ。

聖人伝っていうか、そういうのは、まず、インテリとか偉い人とかいうのよりも、名もない村の貧しい人とか、それも、十分に清純さを感じさせるような、少年とか少女とかいうのがたぶん、最初には重要で、そういう人がなんか奇跡を起こす、なんていうのがあると、それが脚光を浴びるということになるんではないかと思ってしまったわけだけど。こういう話は、今後、村興しとか考えているむきには、絶対に大事なことだと思う。

そういえば、どこぞの、銀行の取り付け騒ぎで、銀行がつぶれたとかいうのが日本にあったけれど、その話の発端も、女子高生だかが、「あの銀行、なんだか危ない感じ」とかいっていたのを、主婦がききつけて、うわさが広まり、というのがあるから、やっぱり、女子高生くらいの年頃(ベルナデットは14歳とかそれくらい)の女の子がなにやらいうと、みんな信じちゃうっていうのがあるのかも。日本での携帯電話の普及だって、女子高生が一番引っ張っているわけだし。

でも、ルルドに来るまでは、ベルナデット嬢は、一度だけマリア様に会ったということなのかとおもったけれど、19回とかなると、筋金入りっていう気もしないでもない。これが、やっぱりみんなを信頼させるきっかけになったんだろうけれど。

さて、私自身は、実際のところ、ルルドの聖水でちょいと顔を洗ってみたので、顔にできていた、吹き出物の類が治ってくれるかどうか、っていうのをちょっと見てみたい気がしますが、実際に、すこし治ってきたみたいなので、聖水の威力ありかなーとも思うわけです。

まあ、スペイン旅行でちょいと強行軍で、疲れていたのが、ペルピニアン、ルルドと二泊ずつして、多少ゆっくりしたので、元気になったという可能性のほうが高いんだけど。

でも、ルルド、案外小さいところで、ベルナデットの一生と、聖なる泉の話と、あとは、中世以来のお城がある以外は、たいしたものはないわけで、、、。 で、結局、ほかにも見るところありそうだけど、なんだかなーと思ったので、案外早めに見学は切り上げて、ホテルに戻って、ふわーっとしていたんだけど。

で、一日お終い。


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