第三回大会
2005年7月、宇宙ステーション「アストロボーイ」で開催される、中本工業主催ストライク・バック大会。多くの観客と選手とを魅了してきた人型汎用機による技術と技量の競い合いの歴史は、同時に華やかな舞台の裏側で企業とスポンサーによる凌ぎ合いの歴史でもあったのである。
「ウィリアム博士、我々がお聞きしたいのはそういうことではありません」
「ならば、話すことなどない。私は技術屋ではなく開発者だ」
「では、その開発したモノについての責任は取らないと?」
「そうは言っておらん。だが、アレはもともとがそういうモノなのだ。もし、サイコミュ兵器に対応させたいというのならば、根底の構想からやり直さねばならん」
「ですから、それをお願いしているのです。時間と資金はいくらでも…」
「無理だ!今までどれほどの犠牲を払ってここまでこぎ着けたと思っているのだ?サイコミュ兵器に対応する方法は確かにある。しかし、私はそれに耐えることができない。あんなことは二度と、いや一度たりともあるべきではなかったのだ」
「しかし博士は類稀な才能をお持ちだ。まさに天才と言っていい。それをこのまま埋もれさせることは人類全体に対する損失ではないでしょうか?」
「ハッ!人類と来たか。貴様らが望むものは人類への貢献などではない。私腹を肥やすこと以外に何も考えられない俗物どもが!」
「…博士は今まで独身を通されてきましたね?」
「研究に家族は必要ないからな」
「ですが、お嬢さんが一人だけおられますね?」
「…貴様ら…」
「危害を加えたりすることはありません。ですが、我々は同時にお嬢さんの安全を『保障しない』こともできるのです」
「娘はこの開発に何の関係もない。貴様らに保障してもらう理由もないはずだ」
「アプラ・シリーズの開発にあたって、何名の『尊い殉職者』を出してしまったか、博士はご存知ですか?」
「私の知る限りは28人のはずだが?」
「それは違います。博士にはお知らせしませんでしたが、我々のほうで素体に適合する人材の絞込みを行っておりました。第4次試験通過者の数は267名。その内、第5次試験を通過したのが博士の知る28名です」
「貴様ら、まさか…」
「秘密厳守はこの計画の要。我々も企業として、できる限りの遺族補償をさせていただいております。故に、いまだ遺族の方との関係は途絶えておりません」
「そうか…もう踏みとどまるつもりもないのだな」
「はい。我々もまたこの開発に命を懸けているのです」
「娘には手を出さないでくれ。そして時間をくれ。一朝一夕で修正案は作れん」
「快いお返事、感謝いたします」
トーナメント一回戦 ふわふわエターニアvsウシナー・デデミテルナ
オープニングマッチ登場は静志津香騎乗のご存知ふわふわエターニア。対するは肉質の装甲を備えた「人間の胎児」ウシナー・デデミテルナである。企業防衛上の理由からストライク・バックには一部の未公開機密情報の存在が許されているが、中でもレジテック社の提供技術には詳細不明な点が多いとされている。ウシナーはそのレジテック関連研究所が制作した技術をもとに設計・開発された機体である。
「しかし大丈夫か?結局補正は間にあっていないのだろう」
「今回は政治的な都合もありますから…仕方ありませんね」
「おいおい、それでは」
「安全装置は万全にしております。何も問題はありませんよ」
無数の観衆とモニターカメラが見守る中、射出用カタパルトから打ち出された両機は遠距離から互いに無重力空間での姿勢制御を図る。エターニアはビームストリングのワイヤ線を縦横無尽に撃ち放ち、ウシナーを絡め取るとロックオンレーザーを発射。複数本の光条がずぶずぶと突き刺さる。対するウシナーも高出力のエレクトが炎の舌を吐いてエターニアの装甲を舐めた。機体周辺に高濃度のエネルギー流をまとわりつかせながら、ウシナーは更に炎の舌を吐き出す。
ぶしゅっ
ほぼ真空の戦闘フィールド内でそのような音が聞こえる筈はないのだが、機体の稼働に合わせるかのようにウシナーの関節部から漏れ出る液体の音を観衆は確かに聞いたような気がした。有機的にも見える素材が負荷に耐えかねている、静志津香はエターニアのコクピットで怯みそうになる精神を抑えてロックオンレーザーを連続射出する。出力で劣るレーザーは連続着弾こそするが、肉質の装甲に吸い込まれて効果的な損害を与えるには遠い。
戦況互角のまま膠着状態で7分過ぎ、ここで攻勢に転じたウシナーがエレクトの炎の舌を再び命中させ、これで双方の均衡が崩れることとなった。続けてのエレクトも直撃、一方エターニアは必殺メガクラッシュの発動出力が足りず、どうしても攻撃が散発になってしまう。遂にウシナーの砲火がエターニアを捕らえると装甲を破壊、身体中から体液の如く液体を吹き出しながら勝ち名乗りを受けた。
「オイルですよ、衝撃緩和用の…」
○ウシナー・デデミテルナ(10分機動停止)ふわふわエターニア× 18vs-7
トーナメント一回戦 メガロバイソン3vsにゅう・どんきほーて
ウシナーの脅威はあくまで観客にとっては視覚的なものであるが、前大会、それ以上の脅威を見る者に与えたのがSPT搭載、VM−AXシステムの猛威である。機体をオーバーロードさせての常軌を逸した高出力、パイロットへの影響すら囁かれるその効果に「そうまでして勝ちに行くものなのか」とマック・ザクレスは胸中に複雑な思いを抱いていた。
自分にはロボット乗りとしてああまでのハングリーさがあるのか、しかし、あったとしてそれは好ましいことなのかどうか。マックの葛藤に、整備班長のザム・ドックも信頼するパイロットが何を思い何処へ行こうとするのか、感慨げに見守るのであった。ところで専属開発のジアニ・メージはそういう空気を全く読まずにメガロバイソンの更なる強化を目指し、
「ご覧下さい!」
マックに無断で機体のパラメータバランスを独自SPTフォーマットにすげ替えていたのである。そんな事が出来るのもある意味凄い才能だが、更に公式VM−AXを参考に自ら組み上げた精神同調式緊急ブーストプログラム『サクリファイス』も勝手に機体に読み込ませていた。
「本質的にはVM−AXは自分の身体を扱う感覚で機体を扱えるようになるというだけのプログラムです。オーバーロードの危険性が訴えられるのは人間の感覚に機体の駆動系が追いつけないからで、だからもしトラブルがあったとしても機体に対してなんですが…」
「ですが?」
「ただどうしてトータス号のパイロットがああなっちゃうのか分からないんですよねー。でもこれ凄いですよ、パイロットの確定度や反射補正をゼロにするなんて理論上不可能な筈なのに、それを実現しちゃうんですから」
頬を紅潮させながら、嬉しそうに概要を語るメージに対して最早何と反応していいのか途方に暮れていたマックだったが、
「・・・・・・・・・まあ、なったものはしょうがないか」
何時までも途方に暮れるのはやめ、先ずは自分をしっかり保って使いこなすことを考えることにした。
ジャンボーグAのビデオを見ながら。
そんな邂逅を頭から振り払い、マックの搭乗するメガロバイソン3は射出後のGに耐えていた。戦闘フィールドの対角線上では、にゅう・どんきほーてが座標を特定しながらこちらの捕捉を図っている。戦闘は既に始まっているのだ。
どこまでもひたすら明るく能天気なラテン系小娘、ベアトリス・バレンシアは高速機動型に再設計したにゅう・どんきほーてを駆って近接戦闘を図る。光ってうなるらしい拳で殴りかかるが、この急襲をバイソン3は堅実に回避した。
「とあみーっ!」
すかさずどんきほーては左手からワイヤ網を投げつける。動きを封じたところでもう一度拳の一撃!これを命中させて先制に成功、更にワイヤ解除に手間取るバイソン3に古代の剣闘士さながらのラッシュ。立て続けにどんきほーての拳が猛牛に叩きこまれると、装甲被弾率が50%を越えると同時に緊急ブースト『サクリファイス』が作動した。瞬間、マックの脊髄を何かいけないものが通り過ぎる。
人型汎用機としてはむしろずんぐりした、重厚な外観をしたバイソン3が生身の人間のように身を動かすと、どんきほーての拳をかわしてワイヤを振り払う。距離をとってレーザービームファイヤーで砲撃するがこれは外れ、どんきほーては相手の動きに脅威を覚えながらも接近し光ってうなるらしい拳を叩きつける。一度は回避されたが続けての拳は命中、ここまで一方的な攻勢を続けているどんきほーてとしては、このまま押し切りたいところだ。
だがバイソン3も距離を離して連装式のレーザービームファイヤーを発射、ついに一弾を命中させる。直撃こそ避けたが一撃で機体が吹き飛ばされるのではと思える衝撃に、一瞬加速がゆるみ遂にバイソン3の得意距離である遠隔射程を確保された。
「避けるか、撃つか…ええーい、撃っちゃえーっ!」
累積ダメージの大きいバイソン3の装甲は最早長くは持たない筈である。どんきほーてはラテン系らしく賭けに出るつもりではんしゃえーせーほーを発射、収束された光条が互いに反射しつつ、闘牛士の槍のように虚空を貫く。だが回避行動をとったバイソン3はこれをかわしてヤマタノオロチを射出、八本の光の顎が槍先をくぐりぬけてどんきほーてに襲いかかり、続けて牙を突き立てた。オーバーロード状態から放たれる光条はその出力も尋常ではなく、もともと薄い桜花式の装甲を次々と引き裂いていく。三度目の砲撃で乱反射する光の蛇が、どんきほーての装甲を食い破ってなお暴れ回り、陽気な闘牛士にとどめを刺した。
○メガロバイソン3(14分機動停止)にゅう・どんきほーて× 6vs-18
トーナメント一回戦 黒猫たーぼZ80vsフルアーマーボール
某工業高校セーラー服女子高生社長兼パイロット山本いそべは幾分遅めの成長期が悩ましいお年頃だったが、この際はあまり関係がないかもしれない。一見すると昼寝中の黒猫より何も考えていないように見える少女は、だが愛機の設計となると人並みはずれた才能と執着を見せつけるのだ。そうでなくてはこの歳で社長は務まらない。
「今回はふかふかの質感に挑戦ーっ!」
同時に猫感の再現にも余念がないようだ。対する神城進はパイロットの素直な感想として「パチモン臭い」古代兵器然とした強化装甲を装備したフルアーマーボールに搭乗、今大会三機目のSPT設計機である。そこまでしてなおボールにこだわる技術スタッフの熱意は一見奇異に見えるかもしれないが、自分の信じる技術に熱意の全てを投じる技術屋の存在は決して珍しいものではないのだ。
試合開始は中間距離から、まずはボールがハイパーマニュピレーターで相手を捕らえようとするが、黒猫たーぼはこれを難なくかわすとしゃいにんぐねこぱんちで先制する。旋回しながら回避と同時に射撃、踊るようになめらかな動きは機体性能のみならずパイロットの熟練であろう。ボールは距離を離すと反撃能力のない相手を狙ってソーラーシステム改を連続して狙撃、収斂した光エネルギーが正確極まる軌跡を描いて飛来するが、黒猫たーぼはこれも回避に成功する。
中間距離に戻して黒猫たーぼがしゃいにんぐねこぱんちを続けて叩き込むが、ボールは自慢の装甲、ガンガルシールドでこれまでの損害を殆ど軽微に抑えている。だがボールはここまで正確無比な攻勢の事如くを避けられてしまっており、黒猫たーぼに一太刀も浴びせることができずにいる。その後両者とも接近と離脱を繰り返しながら得意距離の確保を図るが、双方とも互いの装甲や機動力を上回ることができず長期戦の様相を呈してくる。それでも優勢は黒猫たーぼにあるが、それは同時にボールのVM−AX起動条件が近づいてきているということでもあった。開始19分、ここまでパーフェクト・ゲームを演出している黒猫たーぼの目の前で、遂にボールの装甲値が50%を割り込むと機体を中心に蒼い光が収束を始める。
「クロス・アウッッッ!」
重ねて説明するが、VM−AX発動によりパイロットに与える影響は未だ不明であるし、発動時の不可思議なかけ声がどこから流れているのかも不明である。嬌声とともにボールの追加装甲が弾け飛ぶと、全身を蒼い光に包まれた作業ポッドは空気抵抗のないフィールドを航宙機並みのスピードで飛来する。
だが高機動、高出力で襲いかかるボールに対して黒猫たーぼはしゃいにんぐねこぱんちで迎撃しつつ、なおも相手の攻撃を回避し続けていた。既に試合時間は20分を過ぎており、ボールは距離を離してソーラーシステムを連続射出するが、黒猫たーぼは完璧にこれを避けきってしまった。そして遂に30分経過、タイムアップのアナウンスとともに黒猫たーぼがボールを完封したまま逃げ切りに成功、二回戦に駒を進める。
○黒猫たーぼZ80(30分時間切れによる判定)フルアーマーボール× 40vs12
トーナメント一回戦 GMカスタムvsケルビムMk1
「あ、久々の全距離対応型ですね?うーん、どう戦おうかな」
一見して一般兵士Aという外見が特徴のジムだが、距離を選ばない操縦技術の熟練は折り紙付きである。だが今回騎乗のGMカスタムではスポンサーより、前大会命中させることができなかったビームサーベル間合いの近距離で行け、との指示が下りていた。このあたりストライク・バックでは企業の利益に敏感にならざるを得ないきらいがある一方で、だからこそよりリアルな名誉を賭けての競技を開催することができるのだ。
対するはシャル・マクニコルとケルビムMk1だが、こちらはストイックなまでに競技性を重視したパイロットである。実践とデータ収集の繰り返し、それは生か死かの兵士の発想よりも寧ろ負けてなお得るものがある、清々しいまでのスポーツマンシップを想起させる。
開始早々、両機距離を詰めてGMはスポンサー待望のビームサーベルを振り回す。だがこの距離は寧ろケルビムの得意距離であり、チャイルド・オブ・ファイアと称する強化武装を起動させた。ブースト機能を持つ装甲を近接格闘戦で叩き込む、GMとしてはこれを嫌っても良い筈であったが、敢えて踏みとどまりビームサーベルで斬りつける。
盲目的にスポンサー指示に従うならこの距離で削り合うべきだろうが、GMは一旦距離を離して頭部からバルカンを発射。近遠距離を使い分けるケルビムに対し、それを切り替える中間距離は数少ない隙になる、GMとしては敢えてそれを逃すつもりはないだろう。
双方体勢を立て直して再び近接戦闘に移行、ビームサーベルとチャイルド・オブ・ファイアが交錯するが、近接戦での回避性能と装甲に勝るケルビムが少しずつ押し始める。GMは時折、距離を取ってのバルカンを狙うがケルビムはこれを落ちついて回避。
15分過ぎ、戦況不利を見たGMはバルカンの弾幕で牽制、ケルビムが近接戦を狙うところを待ちかまえてビームサーベルで斬りつける。双方の攻撃が相打ち気味に命中、損害は両機ともほぼ互角であり、足を止めた両者は思い切って正面からの斬り合いを選択する。GMカスタムは予備装備を含めた二刀流のビームサーベルを振り回し、ケルビムはそれを装甲で弾き火花を散らせながら迎撃の隙を窺う。
だが遂に20分、ビームサーベルを弾きつつ、ブースト加速したケルビムの拳がGMの装甲を捕らえると負荷に耐えかねた装甲が崩壊する。堂々とした削り合いに応じたGMだったが、結果としてはそれ故に「炎の子」に押し切られることになってしまった。
○ケルビムMk1(20分起動停止)GMカスタム× 7vs0
トーナメント二回戦 オーガイザーvsウシナー・デデミテルナ
「すまないな、グリマー。こんなことを頼めるのはお前くらいしかいないんだ…」
「お前がやっていることの噂は私の耳にも入っていた。こういうことになったとしても不思議ではないのだろうな」
「会社の目的は娘ではなく、私の知識だ。私さえいなくなれば、少なくとも会社にとって娘の価値はなくなるだろう」
「何故そこまで思いつめるのかは俺にはわからない。だが、あの子のことは任せろ。いくら俺でも、親友の頼みを無碍にはしないさ」
「このさもしい老いぼれの最後の頼みだ。私に万が一のことがあったら、これを渡してやってくれ…」
「わかった。安心しろ。そして最後まで諦めるな!」
「お前がいて良かった。今なら本当にそう思えるよ…」
「…はい。ウィリアム博士の遺体を回収しました。命令通り、脳は無傷です。娘はどうしますか?」
「…了解しました。幸い眠っているようなので、そのままラボに搬送します」
「…はい、はい。では、また後ほど」
「因果な商売だったな、ウィリアム…」
「だが、もしかするとお前はこうなることに気付いていたんじゃないのか?」
「もう、それすらも闇の中か…」
男は分厚い封筒を灰皿に投げ入れ、咥えていた煙草をその上に落とす。ゆっくり燃える封筒をしばらく眺めてから、その男は子供部屋に消えていった。
二回戦第一試合は前大会優勝者である無頼兄・龍波とオーガイザーの登場、対するは一回戦を不気味に勝ち上がった肉質の胎児ウシナー・デデミテルナである。イメージではパワフルな重装機に思われがちなオーガイザーだが、実際は攻撃性と機動性を重視したバランス型機体だ。
そのオーガイザーは中間距離から必殺ガイ・クラッシャーを打ち出すとウシナーもエレクトで反撃、これが両者交錯する正面からの削り合いで試合開始となる。相打ちからウシナーは動きを転じて後退、距離を離すとエレクトの炎の舌がオーガイザーの装甲を舐める。すかさずオーガイザーも前進、ガイ・クラッシャーの重い拳をめりこませて戦況はほぼ互角。
ここで攻撃力に自信のあるオーガイザーは更に撃ち合い、ウシナーの攻撃を装甲で弾きながらガイ・クラッシャーを肉質の装甲にめりこませた。
ずぶ・・・
不気味な感触が機体ごしに伝わるのではないかと思える一撃、同時にウシナーの体内から蒼い光が漏れだすと、オーバーロードするエネルギーが集束を始める。なんとウシナーもVM−AXを搭載していたのだ!
一瞬、反応の遅れたオーガイザーにウシナーはエレクト乱射、初弾を命中させるが続けての砲撃は精度が安定せず外れ、だが更に距離を離して狂乱する肉塊から放たれた炎の舌が一気にオーガイザーの装甲を破壊した。
○ウシナー・デデミテルナ(8分機動停止)オーガイザー× 12vs-2
トーナメント二回戦 メガロバイソン3 vs セストレン・エクスシス
WDファクトリー謹製SPT搭載のVM−AXシステム。その理論には不明な点も多いが、基本的には機体をオーバーロードさせると同時にパイロットの深層心理とAI思考を結合することにより、本来有り得ないほどの反応速度を実現する機構であると言われている。同時にそれほどの効果を実現するAI思考のルーチンについては全く公開されておらず、人工知能との精神感応によって生じる影響も未だ判然とはしていない。いずれにせよそんな未知のシステムの独自解析を行ったバイソン陣営の天才メカニック、ジアニ・メージの才能には驚嘆せざるを得ないだろう。
「僕はアルバトロ・ナル・エイジ・アスカ。今、地球は狙われている…」
「…メージ。おい、メージ?どうしたんだよ」
「…え?ワタシ、何か言ってましたか?」
白衣を着た小柄な肩を揺さぶられて、我に返るメージ。そんなメガロバイソン3に挑むは、先日実家に帰っておみやげを買ったせいで金欠気味のテムウ・ガルナが騎乗するセストレン・エクスシス。攻勢機であるティーゲルタイプを、更に攻撃型に特化した超攻勢機である。過酷な環境下におけるパイロット適性は抜群と呼ばれている、ツナギとサンダルの似合う青年テムウは度々コンセプトの異なる機体にも気にした風もなく乗り込むとカタパルトより発進、滑るようにフィールドに躍り出ると両機ともに遠距離で対峙する。遠距離戦で当然のように予想された砲火の撃ち合いは、だが同時にあまりに意外な展開ともなった。
セレストン・エクスシスの構えたダロルエンデが吐き出す炎の竜が、驚くほどの高出力を維持しながら飛来、これがバイソン3に直撃する!反撃のヤマタノオロチの顎のことごとくを回避、更にセレストンはダロルエンデを発射しこれも直撃。早くも緊急ブースト『サクリファイス』が起動してコクピットのマックにあの力が流れ込む。
「うぁあぁぁぁぁぁ…」
バイソン3は集束する蒼い輝きを乗せたヤマタノオロチを一斉発射!だが同時に火を吹いたダロルエンデが八竜の顎をかいくぐってバイソン3の装甲を破壊、短期決戦で一気に勝負を決めてしまった。セストレン・エクスシスの超攻勢型設計が完璧に作用した結果である。
○セストレン・エクスシス(3分機動停止)メガロバイソン3× 33vs-6
トーナメント二回戦 サクリファイスvs黒猫たーぼZ80
かなりの偶然だが、今大会でドラグーン使いロストヴァ・トゥルビヨンに与えられた機体名称はサクリファイス、先のバイソン陣営がVM−AXシステムに利用したと同じく『犠牲』の名を冠する機体である。
「まあ生け贄を貪り喰ってるようなシステムに比べれば可愛いものよね」
相当に皮肉なロストヴァの性格にとってはそれもまた皮肉であったろう。職人気質の戦闘機乗りとしてパイロット技量にプライドを持っているロストヴァとしては、それを嘲るかに見えるオーバーシステムが好きになれないのは当然だろう。対する黒猫たーぼと山本いそべも見かけによらず、開発者としては職人肌の人物であり桜花機へのこだわりもひとしおである。
テクニカルな職人同士の対決は中間距離から開始、サクリファイスはキスオブペナンスを発射、黒猫たーぼは当然のようにこれをローリングして回避すると左手のしゃいにんぐねこぱんちをかすらせる。接近してサクリファイスのアトンメントシグナル、この距離でも回避して右手のねこぱんちで掴みかかり反撃、これも命中させるが基本出力が低いためにダメージは決して大きいものではない。
続けて接近、離脱を繰り返して細かい攻撃を命中させる黒猫たーぼ。徐々に追いつめられたところでサクリファイスも反撃、アトンメントシグナルの炎の鞭が黒猫たーぼを縛るが完全には捕捉できずに振り解かれてしまったところで10分経過。
近距離戦でのプレッシャーを与えたところで中間距離戦に移行、サクリファイスがキスオブペインを突き刺すが、黒猫たーぼも確実に回避を続けしゃいにんぐねこぱんちで反撃。その多くを装甲で弾かれる一方で確実にダメージを累積する。長期戦となった24分過ぎ、遂にしゃいにんぐねこぱんちが粘るロストヴァの機体を捕らえるとこれを撃破。準決勝進出を決めた。
○黒猫たーぼZ80(24分機動停止)サクリファイス× 21vs-1
トーナメント二回戦 ケルビムMk1vsトータス号宇宙型
今大会に脅威のSPT旋風を巻き起こす、そのきっかけとなった「果てしない暴走」トータス号がいよいよ登場する。空には蒼い流星が夜の運河を滑るようで、二人ビルの窓から遠くの都会(まち)を探していたのである。
「何事もまずはやってみるというのがSRI精神だ」
SRIこと白河重工第3開発部室から出てきたコルネリオ・スフォルツァは悲しい瞳で愛を責めず、何も言わずにコクピットへ行ってしまった。何やら訳がわからないが、VM−AXの影響を大きく受けてしまっているらしいコルネリオは果たして無事に帰ってこられるのであろうか。
対するシャル・マクニコルとケルビムは一回戦で長期戦の末、難敵を退けての二回戦。長期戦に耐えるということは機体とパイロットのバランスの証明でもある筈だ。
まずは遠距離から、ケルビムのアルベーとトータス号の人食い蛾が抜き撃ちで発射されるがこれは双方回避。続けてトータス号が早くも冷凍光線を発射し命中させる。だがケルビムは果敢に接近し、近接格闘戦に持ち込むと炎の子、チャイルド・オブ・ファイアで打ちかかった。ブースト装甲による格闘戦で一方的に攻めたてるが、トータス号も隙をついて後退、移動攻撃ながら冷凍光線で反撃を試みる。直撃こそしなかったものの勢いづいたトータス号は互いの攻撃をかわしあった後、13分過ぎに冷凍光線を連続して命中させる。これで一気に追いつめられるケルビム。
だが炎の子もここで退かずに前進、再び近接戦闘に持ち込むと攻勢開始。冷凍光線の使えない近接間合いで強化武装を叩き込むとトータス号の装甲強度が50%を下回った。
「レイ!VM−AX発動!」
お馴染みとなったトータス号のコクピット内に、誰のものともつかない掛け声が響くと裏AI「狂鬼人間」が発動し、機体を中心に蒼い輝きが集束を始める。その一撃に貫かれればダメージの累積しているケルビムに勝ち目は薄い、だが蒼い流星の攻勢を受ける前にこれを完封してしまえば充分に勝機があることは、これまでも他のパイロットや機体が見せている。
徐々に加速するトータス号に正面から接近したケルビムは、チャイルド・オブ・ファイアを全開にして強化武装を叩きつける。一撃でトータス号の伝送装置の座標を外すと返しの二撃目で動きを止めた。とどめを狙う三撃目はトータス号が回避、だが追いつめられた状態は双方とも変わらない。近距離でチャイルド・オブ・ファイアの装甲弾は回避、離れて蒼い流星の冷凍光線も回避、だがシャルが読み違えたのはトータス号の狙いは常に伝送装置での座標捕捉による一撃必殺にあるということである。
「しまっ・・・」
瞬間、全身を輝きに充たされた蒼い流星が冷凍光線のエネルギーごとケルビムに衝突した。天使を覆う炎は一撃で凍り付いてしまい、トータス号が大逆転で勝利を手中に収めることに成功する。
「LonelyWay 行き先は
LonelyWay 遥か彼方の 夢を探して・・・」
○トータス号宇宙型(28分機動停止)ケルビムMk1× 8vs-2
トーナメント準決勝 ウシナー・デデミテルナvsセストレン・エクスシス
一回戦、二回戦を不気味に勝ち上がったウシナー・デデミテルナは準決勝進出、対するは二回戦でカスタムSPT、バイソン3を瞬殺したセストレン・エクスシス。無敵のテスター、テムウ・ガルナはパイロット控え室を出て格納庫へ向かうと、毎大会異なる仕様のコクピットへと座して起動スタンバイを始める。どれほど劣悪な環境でも、どんなタイプの機体でさえも相応以上に扱ってしまうのがパイロットとしてのテムウの真骨頂だが、その時は座席の感触に奇妙なまでの違和感を感じていた。先ほどまで搭乗していたコクピットの筈なのに、何かがオカシイのだ。
「・・・!」
左右に首を振り、コクピット内を見回していたテムウが慌ててコクピットを駆け出ると、自分の機体そっくりに作られていたSPT版セストレン・エクスシスがスタンバイされている。何者かによって格納庫への通路を間違えて誘導されたらしい、走って格納庫を後にすると試合開始ぎりぎりになって本物のセストレンのコクピットにたどり着いた。
こうした些細なトラブルこそあったものの準決勝第一試合、混沌の肉塊ウシナーと超攻勢機セストレン・エクスシスは無事に開始される。エネルギー・フィールド内に躍り出た両機だが、やはりその展開は驚くべきものとなった。
遠距離間合い、体液を吹きながらエレクトの炎の舌を撃ち出すウシナーだがこれはセストレンの装甲をかすったのみ。対するダロルエンデの超高圧熱線は胎児の肉に深く突き刺さり、聞こえる筈のない咆吼をあたりに轟かせる。続けて砲撃、二匹の火竜が混沌の胎児を完璧に捕らえると、装甲の半ば以上を吹き飛ばしてしまった。
ウシナーのVM−AXが作動し、蒼い光が集束を始めるがセストレンは容赦せずに三度目の砲撃、オーバーロードが作動する前に装甲を突き破り、二回戦に続く瞬殺決着で肉質の胎児を機動停止に追い込んだ。だが、誰も予想をしていなかった展開はこれからであった。
試合決着と同時に、ウシナーの肉色が化学的な濃い緑色に変色を始める。ぶよぶよとした肉体をしぼませつつ緑色は萎びた茶色へと変質し、先ほどまでウシナーであったモノは黒ずんだ胎児のミイラのような外見に変わってしまったのだ。
「相変わらず悪趣味なくらい見事やな」
「有り難うございます。ですがカラクリとしては組成維持にジェネレータ出力を利用しているだけで、機動停止と同時に有機質装甲が崩壊する、それだけの事ですよ。それをこれだけ派手にやれば世論も注目するでしょうし、派手な外見のおかげでウシナーの基本システムには誰も気を止めずに済むでしょう」
○セストレン・エクスシス(3分機動停止)ウシナー・デデミテルナ× 39vs-5
トーナメント準決勝 黒猫たーぼZ80vsトータス号宇宙型
先の準決勝でSPTタイプであるウシナー・デデミテルナが撃破されたが、準決勝もう一試合では真の世紀末パワードトレーサー、オリジナルSPTトータス号が登場する。迎え撃つは自信の桜花44型verMAKIEの黒猫たーぼZ80。
「ちぇーんじちぇーんじげったー、なっくーるぼーんばあ」
意味もなく歌を口ずさみつつ宇宙空間のフィールドに向かう山本いそべと黒猫たーぼ、対するトータス号騎乗のコルネリオは何のまじないか、トンファーを手にコクピットに乗り込んでいた。基本的にSPT系は緊急システムが発動しなければ通常機体よりも出力や機動性能において劣る、その為発動前の序盤の展開が寧ろ勝敗に影響を与えることも少なくない。
開始早々、黒猫たーぼはトータス号の対応できない近接戦へと持ち込みごっついねこぱんちで攻撃、伝送装置の影響をものともせず先制の一撃を与える。距離を離れても冷凍光線を軽々と回避しつつ左手のねこぱんちで反撃、くるくると機体を旋回させながら放つ迎撃の光がトータス号の装甲を確実に削っていく。そのまま中間距離を維持した黒猫たーぼにトータス号は恐怖の冷凍光線を次々と撃ち放つが、どれも当然のように避けられてしまう。回避と同時に伝送装置の座標捕捉を切らなければいずれ確実に捕捉される、だがそれも含めて回避を成功させる黒猫たーぼの動きは熟練の域を越えていた。
「レイ!VM−AX発動!」
狂鬼人間発動と同時にトータス号のコクピットにけたたましい嬌声が響き渡り、パイロットが戦いと精神の均衡を取るべくAIとの感覚同調が行われている頃、黒猫たーぼの装甲には未だ傷ひとつついていない。だが問題はここからであり、黒猫たーぼのコクピットで能天気な素振りを見せている山本いそべも内心では白刃の上で綱渡りをしている心境であったろう。
それは一瞬の出来事である、自分が恰好の距離で伝送装置に捕捉されていると気づいた瞬間には既に手遅れであり、一筋の蒼い流星が通り過ぎると黒猫たーぼコクピットのBBSですら緩和しきれないほどの衝撃が機体を揺さぶった。連装攻撃である蒼い流星の直撃、それを一被弾のみで済ませたことはまだ幸運であったろう。和紙と漆の複合樹脂で装甲強化していた鍋島しすてむも楽々突き破られるほどの破壊力である。
次に直撃を受ければ最悪、一撃で逆転もあり得る。だが黒猫たーぼはこれを落ちついて避けると近接戦に移行した。これで相手の攻勢を一旦かわしたところで後退、左手のねこぱんちで伝送装置の座標捕捉を解除する。時折機体をかすめる蒼い光を確実に回避しつつ、今度は接近して右手のふかふかなねこぱんちで攻撃。既に時間は20分を過ぎており、トータス号の装甲も機動停止寸前まで追いつめている。
このまま逃げ切りも不可能ではないだろうが、蒼い流星の恐ろしさは先のケルビム戦でも実証済みだ。そしてトータス号の本当の脅威は蒼い流星ではなく、そこに追い込む伝送装置の罠である。二度目の座標捕捉を受ける、だが今度は黒猫たーぼもその一瞬に気づきすぐさま機体をローリングさせた。宇宙空間を回転する黒猫が一瞬前までいた空間に、蒼い流星が通り過ぎるが連続して襲いかかる光条までは回避が間に合わずにまたも機体を衝撃が襲う。だが、一撃であれば耐えきることができた黒猫たーぼは狙いもつけず、抜き撃ちでしゃいにんぐねこぱんちを発射。弾いたトータス号の装甲はそれまでの負荷に耐えかねて崩壊し、遂に果てしない暴走は失速して動きを止めたのである。
○黒猫たーぼZ80(28分機動停止)トータス号宇宙型× 14vs-1
NAKAMOTOストライク・バックZ第三回大会決勝戦 セストレン・エクスシスvs黒猫たーぼZ80
第三回ストライク・バックZ決勝戦、そこには今大会4機が参戦し、猛威を振るった筈のSPTの姿はない。超攻勢機のセストレン・エクスシスと機動性重視の耐久機である黒猫たーぼはいずれもSPT2機ずつを撃破しての決勝進出である。
蒼い流星すら撃ち落とす最強の矛と最強の盾の激突、両機ともに見事なまでのセッティングの妙を発揮しているが、セストレンは2戦の合計タイムがわずか6分の速攻型、黒猫たーぼは3戦で80分を超えるタフネスと正反対の戦いぶりを見せつけていた。
ドーナツ型の多目的宇宙ステーション「アストロボーイ」に接続されているストライク・バック競技用エネルギー・フィールド。磁力場と重力場を利用して、無形のエネルギーを物質のように実体化する技術は地上戦ストライク・バックの賜物であるが、この技術により宇宙空間に作業ポイントを固定し、そこに建造物を組み上げるという宇宙ステーション開発に欠かせない建築技術が生まれることとなった。ストライク・バック用の競技フィールドもそのように実体化された力場であり、それは砲撃や爆発を外部に出さない為の障壁であると同時に、戦況を宇宙空間に浮かび上げる立体スクリーンとしての機能を果たしている。VIP用特別席の中には、パイロット視点での観戦が可能なシステムまで用意されているのだ。
アストロボーイにある格納庫から、両機を乗せたカタパルトがフィールド外縁に現れると試合開始時刻に合わせてカウントダウンが始まり、お馴染みのようにカタパルトが滑走を始める。目的は観客への紹介を兼ねての滑走だが、艦載機からの発進をイメージして相対距離を公平な状態で開始するための措置、また何より既に実体化しているエネルギー・フィールドに進入するための角度とベクトルを補正する目的も存在する。セストレンと黒猫たーぼはフィールド外と疾駆すると、タイムカウントが0になると同時にフィールド内に放たれた。いよいよストライク・バック決勝戦の開始である。
遠距離より、先制を図りダロルエンデの炎の竜を解き放つセストレン。今大会で絶大な破壊力を発揮した砲撃を、黒猫たーぼは機体をローリングさせて回避する。続けて砲撃、だが黒猫たーぼの動きには危なげがない。
ここで前進、中間距離でセストレン・エクスシスはラクマギオを二発発射するがこれもかわした黒猫たーぼは左手のしゃいにんぐねこぱんち、だが今度はセストレンが装甲で完全に弾いてしまう。更に接近、右手の握りつぶすねこぱんちが今度は命中!続けて命中して黒猫たーぼが先制に成功する。近接戦闘能力のないセストレンはすぐに距離を離して砲撃、ラクマギオが今度は一弾、命中して一撃で黒猫たーぼの装甲を激しく揺らす。その出力は通常設定機では恐らく最大レベルに近いだろう。
だがここで黒猫たーぼは互角の展開を許さず、プレッシャーをかけるべく前進すると再び近接戦に移行、ふかふかのごついねこぱんちで一気にラッシュをかける。更に離れてしゃいにんぐねこぱんち、これはセストレンの炎の舌ラクマギオと相打ちになった。それでも優位を確信した黒猫は接近して右手のねこぱんち、離れてラクマギオの火に晒されるが相打ち、もう一度接近して右手のねこぱんちでセストレンの装甲をきっちりと破壊。見事に攻防を両立させたヒットアンドアウェイで難敵を退けての勝利を決めた。地上戦ストライク・バック優勝者による優勝は今回が初。
○黒猫たーぼZ80(16分機動停止)セストレン・エクスシス× 16vs0
総合成績
優勝 山本いそべ にゅ 黒猫たーぼZ80 猫 4戦4勝通算08戦06勝
2位 テムウ・ガルナ ニュ セストレン・エクスシス テ 3戦2勝通算09戦06勝
3位 ウテルス・シンドローム ニュ ウシナー・デデミテルナ S 3戦2勝通算04戦02勝
3位 コルネリオ・スフォルツァ ニュ トータス号宇宙型 S 2戦1勝通算07戦04勝
5位 マック・ザクレス ニュ メガロバイソン3 S 2戦1勝通算05戦02勝
5位 シャル・マクニコル ドグ ケルビムMk1 桜 2戦1勝通算04戦01勝
5位 無頼兄・龍波 スカ オーガイザー ド 1戦0勝通算06戦04勝
5位 ロストヴァ・トゥルビヨン スカ サクリファイス ド 1戦0勝通算05戦02勝
9位 ジム ベテ GMカスタム ド 1戦0勝通算06戦04勝
9位 静志津香 スカ ふわふわエターニア ド 1戦0勝通算04戦01勝
9位 ベアトリス・バレンシア にゅ にゅう・どんきほーて 桜 1戦0勝通算04戦01勝
9位 神代進 アサ フルアーマーボール S 1戦0勝通算02戦00勝
−− ネス・フェザード ドグ ヴェラ・シーラ 桜 0戦0勝通算01戦00勝
−− 風林寺ジュンペイ ベテ ギラリ野生鮮やかに男 マ 0戦0勝通算01戦00勝
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