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「3…2…1…打ち上げ開始」

 2004年も年末を迎えて一足早い新年が、そして一足遅い新世紀が訪れようとしていた。レールシャトル「幻影の影」が一般客を乗せて始めて衛星軌道上に打ち上げられる。電磁力によって重力圏を脱したシャトルは予定宙路に乗ると、ビーム誘導されながら多目的宇宙ステーション「アストロボーイ」に接続、何らの異常も事故も起こさず、当然のように普通の人々が宇宙へと足を踏み入れたのだ。
 アストロボーイは化学・工業・半導体等の技術研究開発を主体とした巨大な施設であると同時に、観光・娯楽施設としての機能を備えていた。それはシャトル打ち上げやステーション開発に貢献したスポンサー群の意向であり、目先の利益があってこそ人類はこれだけ早く宇宙に出ることができたのである。そして彼らスポンサー群が主催する技術と技量を競い合う舞台こそ、今や戦場を宇宙へと移した「ストライク・バック」なのであった。


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