logo 第十一回大会
 フレームの歴史は新しい。西暦2000年から始まっている中本重工業主催ストライク・バック。この競技の主役ともいえる競技用人型汎用機械、ストライクフレームは制作する各メーカーによる血のにじむような労苦によって、その開発力と新技術の導入スピードは加速する一方でありすでに初代大会で用いられていた機体と比べてその性能でも機能においても天と地ほどの差異が生まれている。現在では民生品の大型産業機械として定着し、様々なシーンでその姿を見かけるようになっており、今や「フレーム」は戦場や宇宙空間、競技場だけのものではなく身近な存在となっているのだ。

 ことの始まりは1980年代後半から、1990年代前半に集約する。きわめて常温に近い状態で実現するパラスウィーダ式超伝導物質、通称「P255K」がインドで開発されたのと同時期に、大名古屋大学においてカーボン・ナノチューブの基礎理論が実を結んでいた。この二つの理論を両輪にして世界の工業技術体系は急速な進化を遂げると1994年、20世紀最後の錬金術と称される超小型分子ロボット「ナノマシンNAMO」が稲田大学と日ノ本電気の共同開発によって登場することになる。
 NAMOの登場は医療技術と化学技術に大幅な転機をもたらし、世界的な要求も手伝ってわずか数年のうちに医療用マイクロマシンや新世代環境対応型クリーン燃料、リサイクル式の超電導リチウム電池、完全再生型プラスティック商品といった身近な製品群が登場することになった。また、この時期には国立科学研究所で第六世代型の非ノイマン型コンピュータ「MAYUMI」と「KAKEFU」が発表されて制御分野に革命を起こしている。このテクノロジーに対応した新世代コンピュータをいち早く市場に投入したのがNBC社で、PC−2197AXを初代とした通称「PC−21」は現在も世界標準として名高いコンピュータである。

 そしてこうした最新鋭の技術が軍需用として、当時狂乱的に開発されていた人型汎用兵器に応用され、主力装備となるまで長い時を必要とはしなかった。現在主流となっているのは中東および米国などで採用されているパラジウム・リアクターを内臓した「ROBOTECH」、EU圏で使用されている反応炉を使用した「デストロイド」、日本で導入されている陽電子燃料電池を採用した「PLD」、東欧圏の主戦力である「クルースニク」、中国で独自開発されている「先駆者」などが挙げられる。

 それまで人型汎用兵器の技術が民生品にフィードバックされる例は少なく、民間市場における多脚または人型作業機械は需要がないとされていたが1999年に中本重工業が開発、発表した作業用汎用機械「ワーカーズフレームWK01」の発売をきっかけにして市場は大きな変化を遂げた。WK01は都市圏での運用を考えられた、サイズが12000mm以下という小型の作業機械であり、その動力はハイローミックスで超電導リチウムバッテリーセルと瞬間負荷対応のためのエコロジカルジーゼルエンジン(通称Eジーゼル)が用いられている。
 Eジーゼルはナノマシンにより改質された新世代の脱硫炭化水素エマルジョン燃料で、燃焼によるNOXやSOXがほとんど発生しないことが特徴である。また、燃料噴射の直前に性質を燃料素材に変化させる独特の制御方法によって、通常燃料と比べても非常に安定性が高い。

 また、WK01は四肢の制御に超伝導モーターだけではなく旧来の油圧シリンダーを組み合わせることによって、当時の他方式の人型作業機械に比べて1/10程度のコストによる開発に成功し、政府による補助やストライク・バック大会による知名度向上も手伝って爆発的な市場の確保に成功することになった。今では中本重工業以外にも石川島ハンマー建工や神戸精密工業、ヤンマース、久保田、有栖川建機、クスノテックなど各メーカーが作業用フレームを販売しており、中でも建設業界では「ガッテン」の愛称で親しまれている。
 今では中小の私企業や地方自治体の中にも、フレームを導入する例も散見されるようになっており広範な普及を続けている。そびえ立つレールシャトル「幻影の影」や宇宙ステーション「アストロボーイ」の建設など、特殊環境下での工事作業の需要が増大する中で、フレームは最先端の進化と広範な拡大の双方を続けているのである。


トーナメント一回戦 ケルビムMk5vs漁協パーフェクトタコボール


 もともと、中本重工業がストライク・バック専用として新規開発したフレームシリーズの総称を「イプシロン」という。西暦2008年5月、その中本重工業主催ストライク・バック競技も宇宙戦第十一回大会を迎えるにあたって機体や装備の再検討が行われていたが、汎用機ドラグーンシリーズに並んで新規投入した機体に与えられた名称がそのイプシロンであった。
 だが今回イプシロンを採用したのは1チームのみ、独特のフォルムと動きで有名なタコボール機で参戦している、北九州漁業協同組合である。

「脚なんて飾りですよ?」
「これから脚取ったらただの玉じゃないか」
「ツノが付くから大丈夫です」
「言ってくれるな・・・」

 予算削減の影響らしく、タコ型機体から八本の脚が取り払われた代わりに、鋭角的なツノと漁協のみなさんのご好意というドムの足が取り付けられたパーフェクトタコボール。剛毅な外見は果たしてこれのどのあたりがパーフェクトなのか、それはパイロットである神代進の技量にかかっているということであろうか。これに対するは高機動近接格闘戦の雄、シャル・マクニコル駆るケルビムが登場する。今回、フレームを斑鳩機に改変したことで機体番号をMk5にアップさせた、こだわりの機体である。
 対戦は両パイロットの希望距離となる近接格闘戦で開始、急速全身、接近を図るケルビムに向けてパーフェクトタコボールのツノが輝くと、集束されたエネルギーが機体側面から突き出された光のタコ足となって炎天使に打ち付けられた。

「・・・っ!」

 速攻による機先を制した一撃に、斑鳩機の薄い装甲が災いして激しく損傷を被ったケルビムは不利な状況から体勢を立て直すと、ソード・オブ・パニッシュを抜いて反撃に転じる。精密な斬撃がタコボールの固い装甲に弾かれながらも、二度三度と命中。再びタコボールのツノが輝き、光のタコ足が振り回されるが今度はこれを予測したシャルが機体を制動、しっかりと回避に成功した。

「そう何度も、食らわないさ!」

 コクピットで呟くシャルだが、あまりに高出力で振り回されるエネルギーの刃に背筋を冷たい汗と熱い汗が流れている。先鋭化した機体は弱点が明確になりやすく、ケルビムの薄い装甲にとって輝くタコ足はまさに悪魔の触手にも見えるが相手も高出力偏重ならではの隙がある筈だ。
 戦況を挽回すべく積極攻勢に出るケルビムはソード・オブ・パニッシュで続けて切りかかると移動しながら攻撃、その俊敏な動きは尋常なものではないがタコボールを駆る神代も圧倒攻勢には無類の才能を発揮するパイロットである。開始8分、抜き放たれた光のタコ足がケルビムの行動曲線を完璧に予測すると直撃、これで装甲の半ばを吹き飛ばしてしまう。

「出力差が・・・大きすぎる!」

 イプシロンの高出力ジェネレータのみではない、タコボールが考えられる限りのチューンナップを駆使して効果的な出力増強を試みていることは間違いがなかった。手数では圧倒的に勝るケルビムだが、度々の攻撃にも戦況を支配することができずに神代の悪魔的な誘いに捕らえられると三度目の光のタコ足を被弾。
 ここからは防戦一方となり懸命に回避を続けるが19分、捨て身の攻勢にタイミングを合わせたタコ足をたたきつけられると無念の機動停止。久々の圧倒攻勢を見せたパーフェクトタコボールが快勝した。

○漁協パーフェクトタコボール(19分機動停止)ケルビムMk5× 28vs-8


トーナメント一回戦 トランス・バイパーvsトータス号・狂鬼人間キングアラジン


 怪奇を暴く科学の光ことSRI白河重工。もっとも混沌とした機体である世紀末パワードトルーパーSPTを、参加全チーム中でもっとも使いこなす陣営であることは今更である。おなじみVM−AX、脳波変調機と連動した緊急回避システムから派生したオーバーブーストシステムの調整にも余念がなく、パイロットであるコルネリオ・スフォルツァの声が響き渡る。

「あーっははははは!」
「とうとう狂○たか?」
「大丈夫!狂○てるなら法に問われない!」

 控えブースで交わされる会話に、代表たる狂わせ屋女史の頼もしい声が聞こえている。一方の対戦相手はベテランの戦闘機乗り、ネス・フェザードとトランス・バイパー。軍人らしく飛び抜けた能力や性能よりも、バランスの取れた戦い方を得意とするパイロットだが、やや決め手に欠ける側面があるのは否定できないだろう。
 機体射出から両機対峙。開始早々、高出力のサンビーム500壊がトータス号から放たれると、これを余裕を持って回避しつつバイパーが射出したダストボムで先制するが、損害はごく軽微。そのまま前進して接近、近接距離でフォトンブレイドを抜くと堅実なダメージ、これも損害軽微だが先手を図るバイパーがペースを握る。
 得意の近接格闘距離の維持を図るバイパーだが、トータス号を駆るコルネリオも慣れた動きで距離を離すとサンビーム500壊を発射、咄嗟に反応するが避けきれず着弾する。VM−AX発動前でも、この一撃で戦況を五分に戻されてしまう。

「痛いねえ。だが、こちらにはこちらの戦い方がある」

 コクピットでネスが呟くと再び接近して格闘戦、だが攻めきることができず離れてダストボム、これは命中させる。更に接近してフォトンブレイドを抜くが、強引な接近は体勢が悪かったかフォトンの刃はむなしく空を切る。離れてダストボム、またも命中させてわずかとはいえバイパー優位の展開が続いたまま開始15分が経過。

「ちょっと、もう15分かい?」

 オペレータブースでモニターを遠望しつつ、腕を組んでいる狂わせ屋女史の顔に焦慮の様子が浮かぶ。積極攻勢を仕掛けず、かつ堅実に装甲を削ろうと試みるバイパーは守勢においても隙を見せようとしない。VM−AXは追い詰められなければ発動しない、トータス号には鬼門となる戦法であった。
 相手を誘うべく単発のサンビーム500壊で狙撃するが、バイパーはこれを回避するとダストボムで反撃。膠着状態のまま長期戦となり、バイパーは自機の安全圏である近接距離に入るとフォトンブレードの刃でトータス号に攻勢、わずかな優勢を保ち続けた状態で残り時間は2分を切る。

「OK。カーネル、決めるぜ」

 通信回路を通じてオペレータに告げるネスは離れるとダストボムを射出、サンビームの反撃を受けながらも撒布機雷を当てて動きを止め、追い打ちとなるダストボムを命中させたところでタイムアップ。VM−AX発動ぎりぎりで止めた、技巧が光る戦いでトランス・バイパーが一回戦突破に成功した。

○トランス・バイパー(30分判定)トータス号・狂鬼人間キングアラジン× 32vs22


トーナメント一回戦 ドン・エンガス<<イルダーナ>>vsGM−X


「うちはべとべとキャンディアスなパイロットの無能を優秀なスタッフが補わなければならない。よってメカニックを更迭することにした」

 というオペレータロボの鶴の一声があったかどうかは不明だが、ドン・エンガス陣営は前回の敗戦を受けて再びメカニックを交替、ヒュウガ・コレトウを更迭してタイコウ・デンカがその後がまに座る。新メカニックにより新たに設計された<<イルダーナ>>に搭乗するのはもちろん零細社長兼パイロットであるアラン・イニシュモア。JR高架下にある、とあるジャンク屋から入手したという、機体性能を飛躍的にアップさせるらしいユニット「とうさんのパーツ」を搭載して出陣する。

「今回はGN−XのGM版ですか?よく開発しますねえ」

 対するGM陣営の格納庫では、パイロットのジムが疑似GMドライブを搭載したGM−X(ジムクス)の様子に感心していた。もともと連邦軍仕様のGMをカスタマイズしたフレームであり、装備でもバランスでも優れた機体である。定番となるビームサーベルにGMカノンと、装備を確認していたジムはふと気がついたように首を傾げると、メカニックのジェガンに声をかけた。

「GMソード?これって遠隔のファンネルタイプですか?」
「ああ。使えば分かる」

 事務局側のミスによって遠近不明で登録されていたアタッチメントを改修したGMソードの兵器仕様を確認する。GM−Xにドン・エンガスの双方とも格闘戦アタッチメントを活用した機体同士の対決となった。
 開始は遠隔距離から、GMソードの長い刀身が先制を狙って振り回されるがドン・エンガス<<イルダーナ>>も充分な防御姿勢をとると余裕を持ってこれを回避。エンガスは長射程から魔弾タスラムを抜き撃ちし、一弾をかすらせて逆転先制に成功する。

「とてもシケた攻撃ですね。でも安心して!シケたキミにはお似合いだよ!」
「やかましい!ブリューナク・モード変えるぞ!」

 毒舌オペレータロボのレプラコーンが叱咤する声を聞き流して回避に専念すると、襲いかかるGMソードの軌跡を確実に避けるドン・エンガス。GM−Xが前進、中間距離から一気に近接格闘戦に移行するとビームサーベルを抜き、エンガスもアンサラーの剣を構えるが双方至近距離から交差しての斬り合いは互いに回避に成功、それはパイロットの技量の証明ではあったが、レプラコーンなどは認めないであろうか。
 決め手に欠ける状態から相対距離をめまぐるしく変えて、タイミングを測ったエンガスが槍型に変形した手元のブリューナクに持ち換えると中間距離から攻勢に出る。振り回す槍の軌跡に合わせて放たれる擲弾はタイコウ・デンカの自信作である、遠隔打刃兵器だがGM−Xもこれをシールドで受ける。

「メカニックの工夫が台無しだぜ!メーン!」

 コクピットに響き渡るスラングの嵐を強靭な精神力で耐えながら、ブリューナクの刃を回転させると弧を描く弾頭を打ち込む。距離を離したところをGMソードで狙われるが、これでも機体制動に自信があるアランは確実に回避。イルダーナの名に相応しい白色の戦士は、Xiフォースの可変機能をアタッチメント部に特化しており、距離と戦況に応じて武器が変形する。
 ここまで開始15分、やや膠着状態にありがらも戦況はエンガスが支配しており、中間距離で放たれるブリューナクの打刃がわずかな損害を与える一方で反撃のGMソードは確実に回避に成功していた。冒険こそないが、確実に被弾を減らしながら相手の装甲を削る堅実さは評価されるべきだろう。

「チ・キ・ン、チ・キ・ン、チ・キ・ン、チ・キ・ン」
「うるっせえええーっ!」

 パイロットの操縦リズムに合わせた、レプラコーンの軽妙な声援を受けてブリューナクの間合い保持を図るエンガスに、GM−Xも何度目かの接近で至近距離に貼り付くことにようやく成功。すかさず抜き放ったビームサーベルが命中、続けての一撃も命中させて戦況を一気に五分の状態まで持ち直した。
 このままでは毒舌オペレータに何を言われるか分かったものではないエンガスは積極攻勢に移ると前進、ブリューナクの打刃を旋回させる。一度目の攻撃は回避されるが続けて距離を確保、擲弾を打ち込んでから接近、アンサラーの刃で切りつける。損害軽微ながらこれでペースを掴んだエンガスが相対距離を器用に変えながら攻勢、そのまま時間切れまで押し切って判定勝利を決めた。GM−Xは相手の得意距離に引き込まれたことが敗因か。

「そしてキミがチキンだったことが勝因さ」

○ドン・エンガス<<イルダーナ>>(30分判定)GM−X× 35vs28


トーナメント一回戦 どんきほーて完全制覇の旅vs猫ろけっとAR


 ひたすら明るく能天気、ラテン系小娘ベアトリス・バレンシアが搭乗するどんきほーて完全制覇への旅。超軽量&超高機動に特化したいわゆる「猫たーぼセッティング」による出陣となるが、今回一回戦でその対戦相手となるのは本家KUSUNOTEC、山本いそべ騎乗の猫ろけっとARとなる。一回戦から同型機による激突はめずらしい例となるだが、ベアトリスとしては強敵を堂々と撃破して一気に上位進出の勢いをつけたいところであろう。

「全力で接近あるのみー!」

 開始と同時に急速前進、機体が衝突するのではないかという勢いだが、それを制動するパイロットとしての力量は確かである。両者近接格闘戦闘を図っての激突は開始早々から振り回されるどんきほーてのひかりのつるぎが回避され、猫ろけっとの左腕から射出されるバーニングいくらランチャーも当然のように回避される。
 観戦用モニターによる捕捉も困難な高速機動が繰り返される、両機の激突だが武器の制動では断じて優れているどんきほーてが積極的にひかりのつるぎで攻勢に出ると、猫ろけっとがこれを確実に回避して隙を狙う展開。現役女子高生の身体をコクピットに浮かべているいそべは、それまで懸命に相対座標のリンクを取っていたが、求めている解答を得て今回投入する新プログラムをようやく起動する。

「まるちぽー起動ーぅ」
「ぷろぐらむ・のーまるえんど。れでぃ」

 光学欺瞞ポッドに各種兵装を仕込んだ猫ろけっとの分身、まるちぽーが三体射出されるとフォーメーションを組む。遠目には映像のドットも粗くノイズも混じる疑似分身だが、目の前を高速で起動する猫ろけっとの周囲に組まれたフォーメーションは相手の視覚と光学センサーを撹乱するには充分である。それでも分身を的確に把握して切りかかろうとするどんきほーてのつるぎを、猫ろけっとふぉーめーしょんは回避するがいそべの狙いは守勢よりも攻勢にあった。

「バーニングいくらランチャー、プラスまるちぼー」

 同時に四散したまるちぽーが、どんきほーての四方を取ると至近距離からランチャーを射出。着弾と同時に高熱を帯びた鋼線が機体捕捉に成功した。
 相手の意図と危険を悟ると、即座に追尾センサーを切るべく攻勢を図るどんきほーてだが、猫ろけっとはまるちぽーによる撹乱に終始してそれを許さない。ひかりのつるぎによる思い切った攻撃も回避されると、強引な移動の隙を付かれて更に追撃を受ける。正四面体状のフォーメーションにどんきほーてを封じ込めた猫ろけっとは、そのまま相手の装甲に負荷をかけ続けて優位を保つとそのまま時間切れによる判定勝利。戦術の妙を見せる完勝で一回戦を突破。

○猫ろけっとAR(30分判定)どんきほーて完全制覇への旅× 40vs12


トーナメント一回戦 コロンビーナvsてきぱきフォーチュナー


「ちょっとなんなのよ、これは!?」

 今大会から機体や装備が改変されるにあたり、各チームでの導入が思いのほか多かったのが個人販売ユニット、テムレイ回路である。多くの者が承知している通り、開発された当初にすでに型が古かったとまで言われている年代物のパーツがなぜこれほど人気があるのか、いまひとつ判然としない。

 あるいはこの宇宙開発時代に入ってなお迷信的に残されている、ゲン担ぎのようなものがあるのだろうか。首を傾げるロストヴァが騎乗する道化女コロンビーナ、最新鋭のドラグーン機であってもそうした古い慣習からは自由になれないらしく苦笑を禁じえない。
 対するは最新鋭を標榜するTEAM「S.M.A.R.T.」、静志津香の操る銀騎士てきぱきフォーチュナー。二本の刃を縦横に扱う、その軌跡で攻防を兼ねるプログラムと駆動制御の実現を目指す、彼ららしい革新的な技術に挑戦する機体である。とはいえ、あまり知られていないことだが「S.M.A.R.T.」の母体は民間の救助隊らしく、パイロットの志津香自身も本来は同チームに所属する医師であるらしい。

「それではぁ、行きましょうか〜」

 コクピットで呑気に構えるが、緊張感のなさは同時に危急においても高いリアクションを保証する彼女のパイロット適性を示してもいる。同じコクピット内ではようやく無線式オペレーションを実現した妖精型ロボット、ホリィ・エンジェルが宙に浮いていた。

「このもんどころがぁ〜なのだ!」

 新装備エーテルソードを駆使すべく、時代劇の殺陣データをダウンロードしたというホリィの指示でカタパルトから発進したフォーチュナーが中間距離から先制攻撃を図るが外れ。すかさずコロンビーナもブロウアキス(Blow a kiss)を合わせるがフォーチュナーもこちらが真骨頂とばかり、宙を舞う剣の軌跡だけでこれを弾いてしまう。そこから積極攻勢で前進、同時に切りつけるがこれも命中せず。

「それはちょっと、強引なのだぁ〜」
「それはさすがに、強引ねえ」

 いみじくもフォーチュナーのコクピットにあるホリィと、コロンビーナに乗るロストヴァが声を合わせる。すかさずロストヴァが後退を図り、得意の中間距離に戻すがフォーチュナーはこれを許さず、再接近してエーテルソードを抜く。だがこれも読んでいたロストヴァは余裕を持って回避に成功、もう一度距離を離してブロウアキス、これを回避したフォーチュナーが再々接近から攻勢、強引な接近戦で飛び込まれたコロンビーナがわずかにかわしきれずに刃を受ける。
 わずかに舌打ちしたロストヴァだがそのままリズムを取って続く斬撃を回避。タイミングを合わせて中距離に離れると同時にブロウアキスで狙撃する。これをエーテルソードで弾いたフォーチュナーだがわずかに一弾、回避に失敗して被弾。ここまで高度な攻防が続き、状況は膠着したまま互角という状態。

「ワン・トゥ・スリー。仕掛けるわよ、オヴァ?」

 タイミングを測るように呟くと、ロストヴァが得意の連続攻撃を狙うべく相対距離を合わせる。牽制射撃を放ちながら相手の行動範囲を制限して、彼女の舞台に誘い込む手練こそがロストヴァを「女王」と呼ばせる技量であった。フォーチュナーの機上にある志津香は彼女なりに危機感を増大させながら、これを防がなければならない。

「たいへんですね〜」

 言いながらも、立て続けに襲いかかるブロウアキスの砲撃を懸命にかわす。一弾を回避、続く二弾も回避、三度目の回避と同時に機体制動を崩した瞬間、完璧としか言いようがないタイミングでコロンビーナのブロウアキスが襲いかかった。めずらしくわずかに、ごくわずかに志津香の表情が動く。

「見えますか、見えますかぁ〜?」

 同時に抜いたエーテルソードで、ブロウアキスの弾頭を弾き返す。わずかに被弾するがカウンターソードで位相反撃のエネルギー派を返すとコロンビーナに命中、ダメージ差を最小限に留めることに成功した。
 とはいえここまでで開始21分、展開は互角ながらわずかにコロンビーナが優勢という状態。互いに距離を取り合いながら決め手がないままに時間が過ぎていき残り3分、フォーチュナーが抜群のタイミングでエーテルソードの斬撃を見舞うがコロンビーナはこれを読み切って回避。残り2分、すかさず中距離に戻したコロンビーナがブロウアキスを抜き放つがフォーチュナーも回避に成功。

「これが魔法剣!なのだぁ〜!」

 ホリィの叫びと同時に残り1分、エーテルソードの刀身から放たれたマジックフレイムの一弾がコロンビーナに命中。ここで時間切れ判定となり、両機互角による延長戦への突入が決定した。機体装甲の換装を待って、同条件による再戦となる。

「もう一回、ダンスの時間」

 中間距離から延長戦開始、初手からブロウアキスとマジックフレイムが交錯して双方着弾、損害こそ軽微だが双方ともに積極的な攻勢を図る展開から始まる。
 接近してエーテルソードを抜くフォーチュナーに、コロンビーナも動きを合わせてサングタンバリン(Sung tambourine)を至近距離から命中、もう一度離れてのブロウアキスは弾かれるが先制してペースを握ることに成功する。相手の得意な近接戦闘を避け、中間距離を保つコロンビーナにフォーチュナーは劇的な反撃のきっかけが掴めない。

「接近すれば、八連斬りですぅ〜」
「離れたらカウンターでずんばらりんなのだぁ〜」

 当初の攻勢から一変、積極攻勢に出ようとしないロストヴァの戦法に一気呵成の反撃を狙えずにいるフォーチュナー。時折相手の攻撃をぬってカウンターソードによる反撃を図るが、決定打とはならず徐々に装甲を削られていく。
 再試合12分過ぎ、思い切った接近を行うとエーテルソードを当てるも装甲の接合点を外したかこれを貫けず、再び距離を取られると、散発的に狙われる砲火で確実に追い詰められたフォーチュナーは反撃の糸口を掴めないままにタイムアップ。冷徹な戦いぶりを見せたコロンビーナが難敵を退けた。

○コロンビーナ(30分判定/30分判定)てきぱきフォーチュナー× 37vs37/32vs21


トーナメント一回戦 オーガイザーvsアダルガー


 一回戦最後の対決は放浪の宇宙サムライ、無頼兄・龍波とオーガイザーが登場。最近アネキが横暴なんですと、試合前に静志津香ドクターに相談をしていたらしいが、いくら相手が医師とはいえそれはどうだろうかと思わせなくもない。当の志津香はにこやかな顔で「がんばりなさいね」と言ったとか言わないとかいうことである。
 こと姉のことでは漢らしくあるのも容易ではない、その無頼兄の相手は新鋭、ノーティ騎乗のアダルガー。登録申請の係官を相手に腕を組んでいるのは、メカニックのツィールベルクであった。

「二重装備は禁止だって?固いことを言うもんじゃあない」
「いえ、規則ですので・・・」

 形式的に食い下がってみるが、さすがに覆りそうもない様子に肩をすくめる。おそらく設計上の手違いでもあったのだろうが、機体にセンサー強化の光学チャフの双方の装備が申請されており、同時使用にストップがかけられてしまった。ではパイロットに向いた機能を優先すべきであろうと、その場で光学チャフの使用と空いたスロットには内臓式のガトリングガンを選ぶ。

「まあバランスは悪くないでしょう」
「そうだね」

 鷹揚に報告するツィールベルクにノーティは苦笑するが、メカニックが一存で決めたことにオペレータのθ(シータ)は不満そうな顔を見せている。とはいえノーティとしてはバックヤードの判断を疑うつもりはないし、どのような機体であれ技量を最大限に発揮するのが自分の役目であろうと信じていた。
 新人らしいエピソードを聞いて、無頼兄も楽しげに腕を組んで笑っているが、男が機体に求めるのはセンサーでもチャフでもなく固い拳と厚い装甲である筈だ。

「装甲が強い方が勝ァつ!新人さんの面倒を見てやるぜ!」

 相手を侮っての言葉ではないが、コクピットで豪快に笑う無頼兄がカタパルト射出と同時に機体を突進させる形で開始。遠距離状態から突進、中間距離に入るも構わず突進して一気に至近距離に入ると得意のガイブレイザーを放つべく全身に高エネルギーをまとう。
 性急にすぎる攻勢に合わせてアダルガーは先んじて抜きはなったレイディアントソードを一閃、逆転先制して命中させるが漢の装甲、魂鋼(たましいはがね)を備えるオーガイザーはこれを弾き返すと装甲が自ら「効かん!」と叫ぶ。相手の攻勢に完璧に対処した上での思わぬ戦況に、オペレータの声が響いた。

「装甲が厚すぎる、まともな出力では貫けないぞ!」
「参ったな。このまま攻めるかい、シータ?」
「当たり前だ!攻めなければ勝てない!」

 オペレータの叱咤を受けて、苦笑するノーティ。やや見当はずれにも聞こえる会話だが、シータの意図は分かっていた。ようは不利を承知で攻める以上は、積極的に攻めながらも足元をすくわれるなということだろう。
 機体制動では断じて優れるアダルガーを扱いながら、オーガイザーの反撃を確実に回避する。ノーティの選択は高機動機ではごく当然の戦法であるが、問題はそれをどこまで完璧に維持できるかである。

「狙うぜ!ガァイ・ブレイザァー!」

 開始14分、積極攻勢で相手の装甲を削りながら、致命傷を与えられずにいたアダルガーに反撃のガイブレイザーが命中、一撃で戦況を五分に持ち込むことに成功した。

「どぉーおだァ!」
「マダ互角ダ、コノママ攻メキレルカ!?」

 無頼兄の叫びに、AI・鬼刃(きば)の声はどこか不安を秘めている。手数で押されている分は出力と装甲でカバーできているが、それ以上にオーガイザーの反撃はそのことごとくがアダルガーに回避されているのだ。積極攻勢に出ながらも守勢において隙をつくらない、ノーティのパイロットとしての技量は注目するに値する。更に17分過ぎ、再びガイブレイザーが命中するがこれは完全着弾せず、続く斬り合いでアダルガーの輝く剣がオーガイザーの装甲を削る。

「畜生!こいつはやべぇぜ!」

 ここに到って戦況の不利に気が付いた無頼兄も強引な攻勢に出るが、ノーティは自分の戦いを崩さない。高機動を維持しながら一撃、また一撃と確実にオーガイザーの装甲を叩き続けてそのままタイムアップに持ち込むことに成功。攻め続けながら相手の反撃を封じる、会心の勝利で二回戦に進出を果たした。
 一方で機体と戦法における攻守のバランスを取り切れなかったオーガイザーは無念の一回戦敗退。姉の龍波紅刃(くれは)がにこやかに無頼兄を出迎える。

「火あぶりに耐えられるくらい強ぉい装甲がいりますなあ」

○アダルガー(30分判定)オーガイザー× 30vs22


トーナメント二回戦 メガロバイソン6vs漁協パーフェクトタコボール


 すっかりおなじみとなったメガロバイソンプロジェクト、一部で人気が強い予算委員会が開かれている一室。暗い室内の中央で、会議卓とそれを囲っている四人の男の姿だけが明るく浮かび上がっている。部屋の様子を見るに実際の広さがどれだけのものか、うかがい知ることはできず彼らの周囲に、あるいは彼らの上や下にどのような人々がいるのかも知ることはできそうにない。

「やったじゃあないか」
「さよぉ」
「これでバイソン4の予算も余裕ができたろう、うちの部署の出資枠を減らせないのか」

「開発部から申請が来ている。応えない訳にもいかんだろう」
「さよぉ」

 トーナメントもいよいよ二回戦に入り、シード枠からは前大会見事な優勝を飾ったマック・ザクレス率いるメガロバイソンチームが登場する。優勝機のバイソン4をオーバーホールに出し、入れ替わりに帰ってきた3を同コンセプトでメガロバイソン6に改修。伸縮する四本のマニュピレータ腕に加えて、キャノンタイプのアウトレンジブロー発射砲を装備した、六本腕にも見える異形の機体だ。

「またずいぶん無茶な改修をしたね」
「無茶な改修も成功の母ですから!」

 元気よく答える天才メカニック、ジアニ・メージ。心境の変化でコンタクトから眼鏡に変えた白衣姿がなかなか教授めいて見える少女だが、機体コンセプトの設計から試合中のオペレーションまで、何でもこなす才腕は今更のことである。彼女が設計、開発した機体を昔気質のメカニック、ザム・ドックが完璧に整備する、そのコンビネーションはプロジェクト内でも高く評価されており、パイロットのマック自身はバックヤードの実力を信頼して試合に専念すれば良い。対する相手は漁協パーフェクトタコボール、一回戦を思わぬ圧倒攻勢で制した超攻勢機体である。
 エネルギーを集束して輝く、光のタコ足が蠢く近接戦で開始、積極攻勢を予期して回避行動に構えたバイソン6がタコ足の軌跡を堅実にかわしてみせる。すかさず後退を図るマックに続けて一撃、逆方向から伸びるタコ足がバイソンの側面を捕らえると今度は直撃、ありえない衝撃に機体が激しく揺動して計器類が悲鳴を上げた。オペレータ・コンソールに記される常軌を逸した数値に、血の気が引いたメージの悲鳴が響く。

「洒落になりません!近づいちゃダメです、逃げて下さい!」

 もともとイプシロンが搭載する高出力ジェネレータは、ゼロ・ウイングやゼロ・ブーストに利用される代物であり、そのエネルギー質量は空間にすら影響を与えると言われている。常時放出されるエネルギーによって淡く輝くタコボールの機体は、かの世紀末パワードトルーパー、SPT機のVM−AXすら想起させた。
 初手の一撃がバイソン6の薄い装甲を激しく削ると、優位な状態からタコボールは攻勢をゆるめずに光のタコ足を振り回した。コクピットにある神代は超攻勢機の特性を最大限に活かすべく、遠慮仮借のない追撃を狙う。

「君の父上がいけないのだよ」
「誰の父上キュ?」

 よく分からない景気づけの言葉を吐いて、サイボーグイルカフリッパーの指示を受けた神代はバランスの悪い機体を制動する。タコ足に振り回されて、自ら重心を崩すボール型の機体が扱うには難しいじゃじゃ馬というかじゃじゃタコだが、これこそ彼が最も得意とするタイプの機体でもあった。
 懸命に操縦竿を握ると機体を立て直すマックも、戦況を変えるべくメガロバイソン6を急速後退させると中間距離に移行する。四本の大型マニュピレーター、ロングレンジブロー・改が放たれると牽制の一撃をかすらせ、これで狙いをつけてから続けての拳を連続命中、特異な軌跡を描いて打ち込まれる拳がタコボールの装甲を強く叩く。

 これを嫌ったタコボールも更に厳しい攻撃を図るべく、再び接近して光のタコ足を振り回すが、バイソン6は落ちついた動きで回避。後退して中距離に離れるとロングレンジブローを放ち、立て続けに命中させるがそこに罠が仕掛けられていた。中間距離で撒布されるタコボールのたこ焼き爆雷がバイソン6の移動を阻むと数発が命中、これも思わぬ高エネルギーを放出しており機体バランスを崩してしまう。一瞬、生まれる隙にオペレータが反応する。

「来ます!逃げてぇー!」

 通信回線に響くメージの叫びと同時に、襲いかかるタコボールの光のタコ足をかわすメガロバイソン6だが、続けて襲いかかる二本目の足が直撃!もともと高機動を確保するために装甲を薄くしていることも仇となって、バイソン6の損害はあまりにも大きい。
 それでも逆転を図るべく距離を取ってロングレンジブローを放ち、これを確実に命中させるメガロバイソン6だが再び仕掛けられたたこ焼き爆雷が命中すると装甲が耐えきれなくなって機動停止。思わぬ敗戦となり、前大会優勝者が早くも姿を消すことになった。

○漁協パーフェクトタコボール(15分機動停止)メガロバイソン6× 21vs-5


トーナメント二回戦 トランス・バイパーvsドン・エンガス<<イルダーナ>>


 二回戦、続く対決は一回戦を堅実な戦いで勝ち上がってきた両機、トランス・バイパーとドン・エンガスの激突となる。バイパー騎乗のネス・フェザードは近接格闘戦を得意としつつも弱点のないバランスの取れた動きを旨とする本職の戦闘機乗りであり、対するアラン・イニシュモアはやはり攻防のバランスを重視しながらも、距離を取った撃ち合いと回避には自信があるつもりだった。

「つまりバランスの取れたチキンハートくんという訳だね」
「こいつ、いつかナゲットにしてやる・・・」

 頼もしいオペレーションを受けて近接戦闘から開始。バイパーのフォトンブレイドをかわすと同時に、その体勢のまま突き出されるアンサラーの刃先が突き刺さってドン・エンガスが格闘戦の教科書に載るような見事な先制攻撃に成功する。
 会心の出足に得意げな顔になるアランだが接近戦は本来相手の土俵であり、攻めながらもタイミングを図って離脱。中間距離に移ったところでブリューナクの一刃を命中させるがバイパーも冷静にダストボムを打ち返して両者相打ち、容易にペースを握らせようとはしない。先手からそのまま攻めきるべく、エンガスのコクピットでアランが気勢を上げる。

「光神ルーグ・モード変更!」
「キッキュアァース!」

 更に距離を離した白色の戦士、エンガスの武器が変形してそのまま腕部マニュピレータに結合されると、射撃モードに移行する。実戦に耐えるスピードでの変形がXiフォース機の売りだとばかり、移動、変形に続けて放たれるタスラムの光弾が弧を描くが命中せず。すかさず距離を詰めるバイパーがダストボムを撒布、これを被弾しながら素早くブリューナクに持ち換えたエンガスが振り回す打刃もまた回避される。

「テメーの目はアスホールか!ちゃんと狙えよヘタクソォ!」

 その声が聞こえた訳でもないだろうが、急速移動で離れたエンガスが遠隔距離からタスラムを投げて牽制、すかさず接近すると続けて放たれるブリューナクの打刃が立て続けにバイパーの装甲を斬る。

「やるね」

 バイパーのコクピットでネスが呟く。不利にあっても優位にあっても、韜晦しながら自分のペースを決して崩そうとはしない。こちらもXiフォース機だがトランス・バイパーの外見上の変形は最小限に抑えている。接近と同時にモード移行、変形されたのはフォトンブレードを振り回す腕部マニュピレータの関節部であり、相手の予測を裏切る軌跡がエンガスの行動曲線を完璧に捕らえると直撃、これで戦況を五分に戻す。
 そのまま接近戦を維持、この距離であればバイパーが有利だがネスは敢えて積極攻勢は狙わずに近接格闘戦の相対距離を維持することに専念してプレッシャーをかける。エンガスもフォトンの刃を回避しながら距離を離そうと試みるが、後退する隙を突かれて再びフォトンブレイドを受けるとこの一撃で逆転を喫してしまった。

「クラァーイスッ!逃げてばっかいんじゃねーぜェ!」
「分かってるよ畜生ぉー!」

 レプラコーンに言われたからでもないだろうが、不利を承知で近距離での反撃に出たエンガスのアンサラーの刃が命中。損害こそわずかだがこれで好機を得て距離を離すとブリューナクを抜き放つ。バイパーも振り回される打刃を避けながらダストボムを放ちエンガスを追い込むと、接近してフォトンブレードを一閃するがこれはかすったのみ。

 開始からすでに24分、戦況はわずかにトランス・バイパー優勢だが中間距離に持ち込んだエンガスは撒布されるダストボムを俊速で回避すると、ブリューナクを振り回して積極攻勢に移る。強引な打刃の連続攻撃は高速移動するバイパーを完全に捕捉することまではできないが、攻撃を少しずつ命中させて体勢を崩し隙を作ろうと図る。
 距離を離してタスラムで牽制、これで相対座標を捕捉すると接近してブリューナクを振り回して連続で命中させる。長刀のように回転する打刃がバイパーの装甲を削ったところで、離れてタスラムの光弾が命中、再度の攻勢を狙ったところで時間切れとなりここでタイムアップ。双方が互角に見える展開で、最後5分間はドン・エンガスの攻勢が目立ったがこれを耐えきっていたトランス・バイパーが薄氷の勝利。あと一分が欲しかったドン・エンガスは惜しくも二回戦で敗退となった。

「キスマイアァス!(レプラコーン・談)」

○トランス・バイパー(30分判定)ドン・エンガス<<イルダーナ>>× 15vs13


トーナメント二回戦 猫ろけっとARvsコロンビーナ


 続けて実力者同士の対決、猫ろけっと騎乗の山本いそべとコロンビーナに搭乗するロストヴァの登場。両者ともに高い戦績を誇るパイロットだが、相手の隙をついてペースを握ることが得意なロストヴァにしてみれば、頑なに自分のスタイルを決め打ちするKUSUNOTEC機は難儀な相手には違いないだろう。

「まったく、コドモは大人の言うことを聞くものなのにねえ」
「おー・びー・えーぃ!」

 互いに相性の悪い両者の激突は中間距離から開始。まずは猫ろけっとが銀鱈フライヤーを発射しながら接近、格闘戦からメインウエポンであるバーニングいくらランチャーを放つがコロンビーナは当然のように回避する。立ち上がりの初弾で仕掛けてそのまま逃げ切りを狙ったいそべだが、さすがに相手も甘くはないらしい。

「オ・ト・ナ・の味を、教えて欲しい?」

 相手に聞こえるように通信回線を開きながら、殊更にふざけた調子でブロウアキスを撃ち放つが猫ろけっともこれを回避すると双方挨拶代わりの攻防は空振りに終わる。
 互いに様子を窺う体勢から続いてロストヴァが仕掛ける。機体を制動させながらゆっくりと回転して相対距離を確保、超軽量化による常軌を逸した機動力はKUSUNOTEC機売りであるが、それだけに弱点も明確にならざるを得ない。一つは薄すぎる装甲による削り合いになったときのもろさ。

「もう一つは、これ」

 中間距離を完璧に維持しつつ、反撃を確実にかわしながら好機を窺っていたコロンビーナのブロウアキスが着弾する。
 得意距離を積極的に狙うことができない猫ろけっとは、相手の戦法に対して常に受け身に立たねばならない。この一撃でセンサー捕捉も外れてしまうと、光学欺瞞ポットの射出プログラムを構築しなおす猫ろけっとだが更に3分ほどをかけてようやく計算を完了、分身型ポットをリリースする。

「おばさん退治!まるちぽー起動ーぅ」
「ぷろぐらむ・のーまるえんど。O・B・A」

 ノイズの混じる光学分身ポッド、まるちぽーが射出されると正四面体の頂点の位置にフォーメーションを組む。相手のセンサーとモニターを撹乱しながら攻撃、銀鱈フライヤーが命中してここまで戦況は互角。コロンビーナもブロウアキスで反撃を図るが四体の猫ろけっとはこれを回避する。
 その後両者ともに膠着状態、フォーメーションを組む猫ろけっとは接近してバーニングいくらランチャーを狙いたいところだがコロンビーナは相手の得意距離への移行を許さず、接近されてもサングタンバリンで牽制、すぐに離脱に成功してしまう。猫ろけっとも隙を狙いながら相手の攻撃は確実に避けなければならず、緊張感のあるせめぎ合いが続く。

「おー・びー・えぇーぃ!」

 開始16分。ここで猫ろけっとの銀鱈フライヤーが命中、ブロウアキスをかわしながら続けての砲撃も命中してわずかながら優位に立つことに成功。損害差こそ軽微だがそれを承知で戦線膠着、逃げ切りを図るのが猫ろけっとの戦法であり、コロンビーナも反撃を図るが決め手に欠けるまま撃ち合いが続くと無念のタイムアップ。実力を発揮した猫ろけっとARが準決勝進出を決めた。

○猫ろけっとAR(30分判定)コロンビーナ× 38vs31


トーナメント二回戦 アダルガーvsイクシオン


「どうだ、そろそろ機体と嬢ちゃんの扱いには慣れたかね」
「え?ああ、いや・・・まだまだだよ」

 シータに聞かれたら拳で殴られそうな会話だと思いつつ、メカニックのツィールベルクに答えながらノーティは苦笑している。今回高機動機で参戦しているノーティだが、操作への慣れは特に問題がなさそうであった。とはいえ、対戦は相手があってこそのものであろう。
 その対戦相手は無冠のテスター、イハラ技研所属のテムウ・ガルナ騎乗のイクシオン。宇宙戦での優勝こそないが前大会でも準優勝の戦績を残しており、安定した実力では他の追随を許さない。

「まあ、火焔車に縛られないように頑張るかな」
「先輩?なんのことスかそれ」

 柄にもないことを言うと、照れながらメカニックの岩田くんに適当に手を振ってコクピットに身を沈めるテムウ。タイムカウントに合わせてカタパルトから射出される、発進した時点では人型に見えるイクシオンだがXiフォース機の可変スピードと自由度はもはや芸術の域に達しているとすら言われていた。
 開始早々に遠距離間合いを確保したイクシオンの機体が開かれると、両腕を広げた独特のスタイルへと変形する。

(TARTAROS・FORCE)

 宙空に浮遊するイクシオンの両腕から、フィールドインデューサーが放たれると煉獄の炎となってアダルガーに襲いかかる。遠距離から襲いかかる、高出力の炎に反撃能力を持たないアダルガーは落ちついて防御姿勢をとるとこれを回避、ガトリングガンをかすらせるが同時に射出されていたプラズマシャワーをわずかに被弾。これで動きを遮られるともう一度距離を離されてしまう。
 相対距離を遠距離に保つイクシオンは立て続けに放つフィールドインデューサーで強力なプレッシャーを与える。光学チャフを撒布して相手のセンサーを撹乱しながら、これを回避するアダルガーだが反撃を図るには炎の雨をかいくぐって接近するしかないし、相手はそのときに生じる隙を狙っている。それでも勝つためには城壁を乗り越えるしかない。
 二撃、三撃、四撃と立て続けに降り注ぐ砲火をかわし続けるノーティの技量も驚嘆すべきだが、このままではいずれ追い込まれるのは時間の問題であろう。開始10分、接近を狙ったところに一弾を受けるがアダルガーは強引に距離を詰めてガトリングガンを発射。これは狙いが甘く命中せず、逆に狙撃のタイミングを図っていたイクシオンのプラズマシャワーを受けてしまう。

「ダメージに構うな!そのまま前進!」
「オーケー、シータ!」

 抜き放ったレイディアントソードで一撃、だがイクシオンの頑強な装甲、ブロックロックは光学エネルギーの刃を弾き返してダメージを拡散してしまった。軽く顔を歪めるノーティ。砲火が降り注ぐ城壁を乗り越えてなお堅牢な装甲を破らねばならず、この状態では接近して押し切るしかないが距離の取り合いでは経験の差が無視できないだろう。
 17分過ぎ、イクシオンに遠距離戦へ移行されてしまうと再びフィールドインデューサーが放たれる。あわてて前進、回避するがタイミングを合わせてプラズマシャワーが命中。オペレータのシータが警告を発する。

「まずいぞ、このままだと・・・」

 その言葉を証明するかのように、これでペースを握ったイクシオンはフィールドインデューサーを連続発射して積極攻勢に移る。アダルガーも距離を詰めながらガトリングガンによる反撃を図るが、立て続けの砲火に晒されて瞬く間に装甲を削られると、効果的な損害を与えられないまま一気に押し切られてしまいそのままタイムアップ。相手の攻め手を完封したイクシオンが準決勝進出を決めた。

○イクシオン(30分判定)アダルガー× 37vs5


トーナメント準決勝 漁協パーフェクトタコボールvsトランス・バイパー


 いよいよ準決勝。北九州漁業協同組合から参戦する漁協パーフェクトタコボールはここまで、圧倒的な破壊力によって一回戦二回戦と破格の連勝を続けている。高機動軽装甲機が主流となっているストライク・バックの風潮を真っ向から打ち砕いているベテラン神代を迎え撃つのはトランス・バイパー騎乗のネス・フェザード。一回戦二回戦とも、絶妙な戦術の妙で勝ち進んできたパイロットであり、そのテクニックでタコボールを封じることができるかどうかが注目であった。

「注目するのも期待するのも勝手だけどな」

 だが、ネスとしてはとても楽観できる相手ではない。自分の得意であるグラップリング戦に巨大な罠を張っている相手であり、Xiフォース機ベースのバイパーは斑鳩系ほどではなくとも通常機に比べて装甲は薄いのだ。
 両者近接格闘戦から開始、伸ばされる光のタコ足の軌跡をバイパーは回避するが、すぐに返しの攻撃を受けて早くも先制を許してしまう。直撃せずとも激しい衝撃が機体を揺らし、すぐにバイパーもフォトンブレイドで反撃、命中させるが基本となるジェネレータ出力に差がありすぎて、相打ちでは勝ち目がないことは誰の目にも明らかである。

「こいつぁ戦艦と戦ってる気分だね」

 自嘲気味に笑いながら、機体制動を行うと再び格闘戦を挑む。不規則に蠢くタコ足をこれだけ自在に操る、神代の技量には舌を巻かざるを得ず、フォトンブレイドを当てるバイパーだが死角から反撃のタコ足を受けてしまう。双方相打ちにも関わらず、わずか二撃で戦況は圧倒的にタコボールが優勢。

「構わないさ」
「構わないキュ?」

 三度目の斬り合いでも光のタコ足とフォトンブレイドが相打ち、続けての斬撃はバイパーがかわしてフォトンの刃を当てるが完全に捕らえることはできず、むしろ強引な攻勢が災いして体勢が崩れたところに光のタコ足が襲いかかった。

「しまった・・・っ!」

 次の瞬間、直撃を受けたバイパーの装甲が激しく弾けると一気に装甲が弾け飛んで機動停止。試合時間わずか8分、ジェネレータが出力を落とす時間もなく圧倒的な強さでパーフェクトタコボールが決勝進出を決めた。

○漁協パーフェクトタコボール(8分機動停止)トランス・バイパー× 34vs0


トーナメント準決勝 猫ろけっとARvsイクシオン


「まぁたイハラの毛ボコリ兄ちゃんなのだー」

 準決勝、残る一枠を決める対戦はKUSUNOTEC代表山本いそべに、WDF協賛イハラ技研の配達係兼御用聞きであるテムウ・ガルナ。いそべとしては前大会で妹のあんずを撃破した相手であり、実力でも勝率でも折り紙付きの相手である。

(TARTAROS・FORCE)

 開始は遠距離から、猫ろけっとには辛い間合いだが降り注ぐフィールドインデューサーの雨をかいくぐってワイドグッピーを当てると先制攻撃に成功する。守勢に優れる猫ろけっととしては初弾で優位を得て逃げ切りたいところだが、すかさず飛来する炎の雨を受けて瞬く間に戦況は逆転。すぐに機体バランスを修正、ワイドグッピーを連続で命中させると戦況は互角の状態になるが不本意な撃ち合いに引きずりこまれたいそべは不満顔を見せる。板野サーカスを思わせるワイドグッピーの軌跡は確かに見事ではあるが、KUSUNOTEC機で真正面からの撃ち合いをすること自体が自殺行為なのだ。
 そのことに気付いているいそべは、とにかく余裕を作るために危険を承知で攻勢に出ると相打ちからもう一度ワイドグッピーを命中、今度は砲撃を回避しての反撃で着弾。開始8分のこの時点でようやく機体制動を完了させるとここでまるちぽーの座標算定を開始する。

「まるちぽー起動ーぅ」

 光学欺瞞ポッドを射出して接近すると、プラズマシャワーを突破して待望の近接戦からバーニングいくらランチャーを発射する。命中すれば一気に優位に立つがこれは、すぐに距離を離されるとすぐに遠距離まで逃げられてしまう。ワイドグッピーとフィールドインデューサーが互いに命中、双方損害こそ軽微だが砲撃によるセンサー解除によってワイドグッピーのスコープが外れてしまうことが猫ろけっとには辛いところである。攻勢能力に欠けるKUSUNOTEC機では、わずかな条件が攻撃力に大きく影響するのだ。

「先輩、撃っちゃってよさそうっスよ?」

 開始14分、何故か臨時オペレータをしているメカニック岩田くんの声を受けて、フィールドインデューサーを射出、これはかわされるが追い込んだところで続けて放たれた煉獄の炎が今度は命中する。双方の損害は互角のまま17分、続けて20分に猫ろけっとのワイドグッピーが命中するが遠距離戦から離脱することができない。22分の撃ち合いでは双方の攻撃が命中、更に24分、回避姿勢をとりながらもフィールドインデューサーを避けそこねた猫ろけっとがこれを被弾して戦況を逆転されてしまう。
 あのKUSUNOTEC機が正面からの撃ち合いに誘い込まれており、互角の削り合いを演出している。その事実がいそべに過度のプレッシャーをかける。27分にワイドグッピーを命中させたところで双方膠着状態となってタイムアップ。損害状況互角により今大会二度目の延長戦が決定した。

「岩田くん、そーいえば登戸さんは?」
「えーと、海外旅行?いえ研修とかで一月くらい留守っス」
「・・・まあ、いいけどさ」

 延長戦開始は再び遠距離から。フィールドインフォーサーの一撃で先制したイクシオンは続けて砲撃、これを避けそこねた猫ろけっとはワイドグッピーの一撃こそ命中させるものの炎の雨を連続被弾して一気に不利な状況に陥る。完全にペースを狂わされた猫ろけっとは続けての撃ち合いでも全弾被弾してしまい、銀鱈フライヤーを命中させるがプラズマシャワーの反撃も被弾。いつもの動きを取り戻すことができずにいる。
 この状態でようやく機体制動が安定、まるちぽーの起動に成功するが相対距離は遠距離。不利を挽回すべく一気に前進してバーニングいくらランチャーを放つが命中せず、だが続けて放ったランチャーがここで命中するとイクシオンの装甲で赤く燃え上がった。これをワイヤーで捕らえ、送り込まれるエネルギーがイクシオンの装甲を焼き続けるのだ。

「先輩。反撃とかいーから先に離れた方がいいっスよ」

 岩田くんの指示に従い、テムウは中間距離から遠距離に移行。バーニングいくらランチャーの損害は継続しているが開始16分、相手のジェネレータ出力がわずかに低下したタイミングを図ってフィールドインフォーサー放出、これを命中させてワイヤーの切断に成功する。
 これで戦況は互角に戻るが、遠隔距離の状況自体がイクシオンには優位となる。すかさず放たれた炎の雨が連続して命中、損害自体は軽微だがこれでペースを掴むと再び撃ち合いに持ち込まれた猫ロケットは互いに装甲を削り合い、不利を強いられたままタイムアップ。判定でイクシオンが勝利となり決勝進出を決めた。

○イクシオン(30分判定/30分判定)猫ろけっとAR× 28vs28/20vs14


NAKAMOTOストライク・バックZ第十一回大会決勝戦 漁協パーフェクトタコボールvsイクシオン


 いよいよ決勝戦、システム改修後最初の大会を勝ち上がったのは超高出力機、イプシロンを駆って圧倒的な破壊力を見せている漁協パーフェクトタコボールと神代進と、これに対するは可変フレームXiフォース・楓をベースにしたイクシオン騎乗のテムウ・ガルナである。戦艦並みと称されるタコボールと難攻不落の城塞イクシオンによる激突。多目的宇宙ステーション「アストロボーイ」で開催されるストライク・バック第十一回大会は、軽量高機動機が多い中で異色の機体同士の対決となる。既に調整を終えている両機がタイムカウントに合わせて、カタパルトから同時に射出されるといよいよ決勝戦が開始された。

(NEPHELE・FORCE)

 近接戦闘距離、人型形態のままで射出されたイクシオンに対して、今大会で猛威を振るうタコボールの光のタコ足が襲いかかるが命中せず、すかさず離れるとたこ焼き爆雷とプラズマシャワーの撃ち合い。双方着弾するがかすったのみで損害軽微、構わずプラズマシャワーを放つイクシオンはこれを立て続けに命中させると超攻勢機の防御の甘さを突いて先制攻撃に成功した。

「認めたくないものだな」
「若さ故のあやまちキュね?」

 コクピットで舌打ちをしながら、余裕を見せている神代がタコボールを接近させると抜き放った光のタコ足がイクシオンに命中。イクシオンの堅牢なブロックロック装甲に阻まれるが、それでもこの一撃で容易に戦況を逆転してみせる。更にタコボールが攻勢、イクシオンも懸命に回避に専念するがこの距離では反撃の手が狙えない。

「先輩?駄目っスよ何でもいいから離れないと」

 テムウの回線に再びメカニック岩田くんからアドバイス。被弾覚悟で思い切った後退を図るイクシオンに、光のタコ足が襲いかかるが装甲で受けきると近接戦からの離脱に成功する。ここまで押されてはいるがプラズマシャワーを放ち距離を取ると、可変制御プログラム「KAEDE」が起動されてイクシオンも攻勢モードに移行した。

(TARTAROS・FORCE)

 開かれた両腕の輪から、煉獄の炎が立て続けに放出されるとタコボールの装甲に次々と突き刺さる。初弾の射出で戦況を逆転してしまうと続けての砲火で追い込んだところでタコボールのジェネレータ出力が低下、わずかだが失速したところで完全にイクシオンの標的になってしまった。16分以降、ここからはイクシオンの一人舞台。難攻不落の表現に相応しく至近距離に近寄ることすらできないタコボールに向けて、一方的にフィールドインデューサーの炎が襲いかかると容赦なく装甲を焼いていく。反撃の芽も得られずに全身を炎に包まれたタコボールの装甲が遂に負荷限界に達するとそのまま崩壊して機動停止、イクシオンとテムウ・ガルナが宇宙戦では初となる優勝の栄冠を手に入れた。

○イクシオン(21分機動停止)漁協パーフェクトタコボール× 27vs-4

cut


成績 パイロット        機体名            戦績           所属
優勝 テムウ・ガルナ      イクシオン          3戦3勝通算30戦20勝 イハラ技研
準優 神代進          漁協パーフェクトタコボール  4戦3勝通算13戦04勝 北九州漁業協同組合
3位 山本いそべ        猫ろけっとAR        3戦2勝通算28戦18勝 KUSUNOTEC
3位 ネス・フェザード     トランス・バイパー      3戦2勝通算12戦06勝
5位 ロストヴァ・トゥルビヨン コロンビーナ         2戦1勝通算27戦19勝
5位 マック・ザクレス     メガロバイソン6       1戦0勝通算20戦12勝 メガロバイソンプロジェクト
5位 アラン・イニシュモア   ドン・エンガス”イルダーナ” 2戦1勝通算09戦03勝
5位 ノーティ         アダルガー          2戦1勝通算04戦02勝
9位 静志津香         てきぱきフォーチュナー    1戦0勝通算22戦12勝 TEAM「S.M.A.R.T.」
9位 無頼兄・龍波       オーガイザー         1戦0勝通算20戦11勝
9位 コルネリオ・スフォルツァ トータス号狂鬼人間KA    1戦0勝通算19戦09勝 白河重工
9位 シャル・マクニコル    ケルビムMk5        1戦0勝通算16戦06勝
9位 ジム           GM−X           1戦0勝通算13戦05勝
9位 ベアトリス・バレンシア  どんきほーて完全制覇の旅   1戦0勝通算13戦03勝

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