VRS第五回大会-VIRTUAL SIRIES BACK V-
ライブ・ネットワーク。電脳都市「リンク」の普及を支えている要素はいくつかあり、専門的には広範で簡易的なインタフェースや汎用的な技術により提供される拡張性などもっともらしい言葉が並べられているが、最大の理由は運営者の背後についている「揺りかごから乳母車まで」WDF社の資金力に依るところが大きい。彼らはシミュレーション環境構築の名目でクスノテック社と協賛、この電脳空間を構築すると完成した仮想世界の所有権を早々に千葉工業大学に譲渡してしまったのである。なにしろ学術機関が権利を所有していれば技術を無償で公開できるし税金も免除されるから、ストライク・バック参加企業や団体の多くがWDF社の意図を理解すると積極的に「リンク」に参加しながら惜しげなく援助を行うようになった。
「霊柩車から墓場までの方が良かっただろうか」
「やかましい」
本来膨大な金がかかる筈のフレーム開発費用、今や宇宙空間における活動を前提とした汎用人型機の開発環境が無償で利用できると思えば多少の援助など安いものである。町工場から地方行政まで宇宙開発に参与できる、共通プラットホームを支えるために技術と資金が集められ、そしてこのような目的で運営される電脳空間では参加条件として個人情報の厳格な登録と審査が要求されるという堅苦しい条件もむしろ必要にして不可欠だったろう。携帯端末を通じてシンボル化された人間が集まるコミュニティではまず宇宙開発というキー・ワードで人々が交流を行い、彼らが内在する需要がサービスや商売を生み出す、その大前提がこの世界を支えていたのである。何でもできるが何も目的がないのでは、人が集まる理由は生まれなかった。
VIRTUAL SIRIES BACK V Aブロック第一戦 タコボールXvsユディト
北九州漁協が新たな漁場開発計画宣伝用に投入する、深海開発用タコボールXは深度一万メートルの水圧にも耐えるという強度と耐久性を誇る機体である。宇宙じゃなくて海じゃん、と首を傾げる者がいるかもしれないが深海開発において両者に共通する技術は多く漁師の海を守ることは宇宙の平和を守ることに繋がるかもしれない。
実戦投入を見越して電脳仮想空間内で開発された、「リンク」上に再現されるフレームの設計も性能も現実とほぼ変わることがない。本来、作業用ポッドをベースに開発されたタコボールは共通規格の設計で最大の耐環境性と出力を生み出す技術力がこっそり注目されていたりしなくもなかったりした。
「キュ?」
ストライク・バック地上戦時代からのキャリアを誇るサイボーグイルカのフリッパーにとって、電脳空間は自分の庭であり職人肌の船大工源さんに機体設計の細かい指示を与えている。単純に攻撃力を重視したチームは多いが、要塞にも例えられる北九州漁協のスタイルは圧倒攻勢と制圧前進、つまり攻撃力よりもむしろ攻撃を持続する能力の高さで群を抜いていた。その彼らに対抗するには同様に高いレベルで安定したパフォーマンスの発揮が求められ続けることになり、及ばなければ容易に潰されるのみで尋常なプレッシャーではないだろう。
「フレンド・バーバラ?機体チェックはOKよ」
「手を抜かないで。スラスターの推力バランスが未調整じゃないの」
「いいじゃない、ランデブーするのはアタシなんだから」
陽気に応えるパイロットの言葉にメカニックがため息をつきながら首を振る。妙齢の女性三人、それぞれがチーム内で役割を入れ替わりパフォーマンスを発揮するという特異なスタイルで知られるチーム「レギオン」だが過去四大会の最高位はアンジェラが優勝、バーバラが準優勝の成績を上げており、今大会でパイロットとなるシャルロットには戦績を含めたプレッシャーがかかる筈なのだが当人にはその様子がまるで見られない。大物かもしれず単に深く考えていないだけかもしれなかった。
結果ではなくとも成果が求められる軍閥系のチームであり、あの「女王」ロストヴァからデータ提供を受けてもいたがシャルロットにはそれすらも気にした風がなく「だって戦法も年齢も違いますもの」と二十代前半とメンバーで最も若い彼女としては恐れ知らずとも命知らずともとれる言葉を残していた。機体は彼女のパフォーマンスを最大限に発揮する近接格闘戦専用機であり、首狩り烈女あるいは信仰深き寡婦ユディトの名を与えられている。
電脳空間上に展開されている競技用スペースに両機が対峙、直接と間接を含む多くのアクセスが見守る中で、大会の開幕を飾るファースト・アタックは中間距離からタコボールの真空地獄車に位相座標を掴んだユディトがレリジャス・フェイスを合わせた同時着弾により幕を開ける。出力差は互角に近いが続けて放たれたエンデュアアイズの弾幕をタコボール騎乗のベテラン、神代進が絶妙の角度で弾いてみせる。時には火力で、時には装甲で、時にはパイロットの技量で正面からの削り合いを実現してみせるセンスが北九州漁協の十八番である。
そのまま近接戦に移行、ユディトに騎乗するシャルロットには待望の距離だったがタコボールも引くつもりはなく、触手を思わせるマニュピレータに握られたライドルスティックで殴りかかる。至近距離から迎撃するユディトだが得意距離で奪われたペースをすぐには取り戻すことができず、開始10分程度まで攻勢主体の殴り合いが続くも戦況としては膠着したままでタコボールXがむしr優位を保っていた。
「気に入らない!カーニバルはエキサイティングに行くべきよ!」
「フレンド・シャルロット、仕方がないわ。あんたの好きになさい」
パイロットの決断または暴走に一瞬躊躇したオペレータのアンジェラだが、あえて手綱を放し彼女の自由に任せる道を選択する。作戦を放棄した訳ではなく、膠着した戦況を打破するにはリスクを承知でチップをトレイに乗せる決断もない訳ではない。至近距離からライドルスティックを受けながら両腕の双刃、ディキャピティションを抜くと首狩り烈女にふさわしい凶猛さで交叉した腕を真正面からたたきつける。反撃に振りかざされた光の刃がユディトの装甲も派手に削るがこの一撃で戦況は互角に引き戻されて更に攻勢、だがタコボールXもこの至近距離で致命となるだろう二撃目は堅実に回避してみせた。
体勢が崩れかけたところにライドルスティックで隙を突いた一撃、これでユディトを追い詰めるが反撃のディキャピティションを受けて双方が機動停止寸前。損害ではタコボールがわずかに優位だが火力ではユディトが勝っており結末は最後の一撃次第で決まる。ここで両パイロットが奇しくも同じ選択を決断、回避姿勢から牽制する一撃を狙うと光の刃と双刃が互いに空を切り、続けて防御を捨てた一撃に賭ける刃が互いの装甲に打ち込まれた。ぎりぎりの攻防はわずかな優位を守りきったタコボールXが僅差でユディトを撃沈することに成功し、準決勝へと駒を進める。
○タコボールX(18分機動停止)ユディト× 2vs-1
VIRTUAL SIRIES BACK V Aブロック第二戦 アナザーバイソン1vs昴・伍拾式
続いて前大会優勝のアナザーバイソン1が登場。遠距離戦を主体にした多弾頭砲撃を更に精密射撃で強化する攻撃力が売りのチームで、パイロットはリーグ本戦でも活躍中の新鋭ゲルフ・ドック。対するSSBT、清和ストライクバックチームはVRUと本戦を合わせた三大会を経ていよいよコンビネーションも磐石になったとはオーナー兼オペレータの清和須売流が自ら語るところだ。
「俺が夢を見てアルシオーネが設計、むつらが実際に動かす。完璧だね」
「自分でそれを言うのか・・・」
呆れた口調で腕を組んでいるメカニックの視線を気にした風すらないが、須売流としては彼なりに優秀なスタッフの腕を信じてはいるのである。アルシオーネ・ビアズリーのセッティングと灯乃上むつらの操縦、後はこれを十全に活かす戦術だが実はこれこそがストライク・バックの勝敗を握る鍵のひとつでもあった。どれほど優れた機体、熟達したパイロットが相手でもそれを封じる戦いかたは存在する。最強の装備が存在しないこと、それがストライク・バックの競技性だが同時にそれはあらゆる装備に弱点が存在するという意味でもあった。アルシオーネとむつらのパフォーマンスを最大に活かすには、須売流の責任は決して小さくない。
「よーし。アメノトリフネ展開、作戦は朝に話した通りだ」
「は、はいー」
電脳空間に彼らの技術の結晶である昴・伍拾式が出現、背面に積んだ大型スラスターユニットが開くと時空間に干渉して座標情報を変動させる。アルシオーネが袖の下込みでクスノテックに打診、技術供与を受けたらしい加速システムは相対距離を一瞬で削り、至近距離からの攻防を容易に実現させることができる。だが不意をつかれた筈のアナザーバイソン1は動揺すらせずハンディバルカンを構えると、まるで予測していたかのように弾幕を張って逆に先制攻撃に成功した。このあたりゲルフの攻撃センスは突出しているがパイロット自身は心中冷や汗を流しており、機先を制された不利をオペレータも認識している。
「厄介なもん積まれてます!ここは勇敢に逃げましょー!」
「了解!」
つまりは攻勢の手を緩めずに後退を図り距離を取れと、天才ジアニ・メージのオペレーションを頭の中で翻訳する。ゲルフカスタム機と言うべきアナザーバイソン1は砲戦主体に設計された機体だが近接戦でも火力には充分自信がある、だが相手の得意距離を許せば消耗戦になる可能性は否定できず、攻勢主体のゲルフだからこそ守勢は得意とはいえず思わぬ足をすくわれるかもしれなかった。
後退して中間距離で撃ち合いを図るアナザーバイソン、これを許さず接近を図ろうとする昴を再びハンディバルカンで迎撃するが、数弾を装甲で弾かれると強引に近接戦に持ち込んだ昴が頭部というより顔面に装備していたカバーが開く。ハッカパーレと称する、展開された特殊振動フィールドをまとった機体ごと突進して時空間そのものを叩きつける、通称「ゼロ移動爆走」と呼ばれる時空移動攻撃システムである。
「行きすぎますー。戻れー」
「落ちつけむつらー、制御できてるできてるぞー」
豪快さと緻密さの双方を要求される機体に振り回されそうになるパイロットを、敢えて呑気な口調で叱咤する。時空加速をしながら大型兵器による突入と装甲を活かしたシールディングを同時に行う、実はすさまじい難事なのだがおそらくパイロットにはその自覚はないだろう。一撃を命中させた後で機体制動を立て直そうとする間に戦況が一時膠着するが、その間も近接距離戦を確保しつつ襲いかかる弾幕を弾き続けるむつらの技量は尋常ではない。須売流が彼女を選んだ理由は伊達や酔狂ではないのだ。
開始10分、再び至近距離での時空位相捕捉に成功した昴がハッカパーレを発動、これを直撃させてアナザーバイソン1の装甲を派手に削る。展開を完全に支配されたゲルフだが無論無為無策でいる訳ではなく、後退の機を図りながらも近接戦に対応して得意の攻勢を緩めることは一切していない。にも関わらず至近距離で放たれる弾幕を昴はことごとく回避、逆に攻勢の隙をついて特殊振動フィールドをたたきつけてくる。振動する時空間を全身にまとい、拳や蹴りも放ってくる一撃は直撃せずとも確実に装甲を削られずにはいられなかった。
「こーなったら自暴自棄です!開き直ってください!」
「つまり小細工抜きでひたすら攻撃する!」
だいぶメージの天才語に慣れたゲルフが思い切った積極攻勢、不利を承知で削り合い覚悟の砲撃を図ると流石に捌ききれなくなった昴に連続して着弾、ハッカパーレの反撃も被弾するが構わず砲弾を叩き込んで残り3分、僅差で押されている状態まで戦況を取り戻すことに成功する。手数に勝るアナザーバイソンはそのまま逆転を狙いハンディバルカンを一斉発射、初弾は装甲で弾かれ、二弾目と三弾目が回避されると続けて一弾が命中するが同時にハッカパーレを被弾してこれで機動停止。前大会優勝者を展開で封じてみせたSSBTが殊勲の勝利で一回戦を突破。
○昴・伍拾式(30分機動停止)アナザーバイソン1× 6vs-2
VIRTUAL SIRIES BACK V Bブロック第一戦 オーガイザーvsメカタウラス拾参號乙式
無頼兄・龍波は彼らしくもなく悩んでいた。成績不振を打開すべく先のリーグ本戦で高速機動型にセッティングした筈の愛機がむしろ中途半端な改修となってしまい、充分な力を発揮することができなかったことを猛省する。悩め俺!悩むなんて俺らしくないじゃないか俺!無頼兄の悩みは尽きないが姉の紅刃・龍波もこのときばかりは弟を責める様子もなく、ときおり後頭部をかたいものでばしばし叩くだけで弟の成長を静かに見守っていた。99%悩んだ男こそが1%の閃きに到達するのだ。
「そうだ!今度こそ基本に立ち返るぜ!」
重要なことはどんな結論を出すかではなく、決断をすることそのものにある。それにより自分が決めた道にすべてを注ぎ込むことができる筈であり、無頼兄のそれは彼自身が本来望んでいる男らしさをオーガイザーで実現することだった。対するは新鋭チーム・さんくちゅあり。牛頭の怪物の名にふさわしい膂力と破壊力を誇る相手であり、堂々たる勝負でオーガイザーの男を試すにふさわしい巨大な岩である。
そのさんくちゅありだがメカタウラス拾参號の設定自体はリーグ本戦からマイナーチェンジしたのみでVRSに挑むが、機体を操る牛山自身は地味な鍛錬により装甲で攻勢を弾くシールディングの技術を磨いての参戦。機体特性で破壊力を振るい、防御はパイロットが補うスタイルを選択したことになるが機体の特性を発揮することと弱点を補うこと、難事ではあるが二つを両立することができれば攻撃力と防御力を備えた機体を実現させることができるだろう。
「そんな訳で!えーと、頑張りなさいよね」
「へーい」
高圧的っぽく声をかけようとしてつい応援してしまったあてな嬢ちゃんこと天宮あてなに、苦笑した様子を見せないようにしながら操縦竿を握る牛山信行。VRS参加チームの環境は本戦と変わらない端末ブースによる操作が「リンク」上に映像化されて再現されるというもので、特にパイロット用のコクピット・シミュレータは現実とまるで変わらない感覚が忠実に実現されていた。こだわりの設計を謳うWDF謹製コクピットは振動やGによる体感、目や耳はもちろん匂いや味まで五感をリアルを実現すると豪語しており、もしも手ごねハンバーグを提供する莫迦なコクピットがあれば彼らはそれすらも再現するつもりでいるのだ。
仮想空間の競技フィールド上に射出された両機体の姿が映像化される。開幕は遠隔射撃戦、互いに近接格闘戦を望む両者の距離ではないが先んじて発射されたオーガイザーのブラスト・ミサイルが着弾して先制する。もちろん胸から放たれてもボインミサイルではなく、男らしい大型の単発ミサイルであり威力も決して小さくない。衝撃に動きが止まったメカタウラスに向かってすかさず突進するオーガイザーだが牛山は冷静にグレネードマインボムの弾幕を撒布、だがオーガイザーは構わず加速して機雷の海を突破するとそのまま近接格闘戦に移行する。
「さあ!殴り合わせてくれやァ!」
「望むところだッ!」
足場のない宇宙空間で両者が明らかにその場で「足を止める」と互いの相対距離が完全に同調した。技術的には慣性制御と航路解析機能の応用で実現可能な状況だが、難しく考えずとも無頼兄の果たし状を牛山が受け取った、その解釈で何も問題はない。
両者とも大型兵器による近接格闘戦での一撃勝負を狙いながら、メカタウラスはパイロットの技量によるシールディングを狙いオーガイザーは男の装甲・魂鋼に守りを託す。大きく振りかぶったガイ・ブレイカーの一撃が命中、続けての拳は弾かれるとメカタウラスのアームド・アームズが魂鋼を捉え、更に交叉した拳が今度は相打ちとなって互いの装甲を激しく削り合う。
「信兄ぃ正直すぎ!ちゃんと避けながら当てなさいよ!」
オペレータの叱咤も当然で、正面からの殴り合いで手数が同じであれば装甲の分だけメカタウラスが不利になる。わずかな差が積み重なれば大きな優劣となるのは時間の問題であり、シールディングを活かすのであれば一撃ずつ確実に弾いて確実に当てなければならない。この状況ではあてな嬢ちゃんの指摘が文句なしに正しく、パイロットの視点では気が付かないものが見えるからこそオペレータの存在が重要なのだ。
「今日は行けますえ!」
そしてほぼ同時に、オーガイザーの陣営でも紅刃の簡潔だが容赦のない声が飛んでいる。手数は互角だが装甲で優位、その状況を瞬時に理解したオペレータがここで更に攻勢に出て一気に押し切るべく指示を出す。姉の言葉に即座に反応した無頼兄も固く握ったガイ・ブレイカーの拳を連続して振りまわし、これが左右のフックのように命中して牛頭怪の内部機構を激しく揺らした。メカタウラスも不利を受けてなお巌のようにその場に留まるとアームド・アームズで反撃、一撃はかすっただけで二撃目は相打ちとなるが三撃目はガイ・ブレイカーを弾くと同時にがら空きの脇腹に重い拳が打ち込まれる。
だが豪快な殴り合いは紅刃がいちはやく看破した通りオーガイザーが押しており、再び右から左とスピードのある拳が相手を捉えると反撃の一撃を打ち込まれるが、とどめとなる下から突き上げるような一撃でメカタウラスの装甲を正面から破壊。準決勝進出を果たした事実よりも、男らしい格闘戦を実現してそれを制したことがオーガイザーには大きいだろう。
○オーガイザー(16分機動停止)メカタウラス拾参號乙式× 20vs0
VIRTUAL SIRIES BACK V Bブロック第二戦 ねころけっとXAM2vsハイドラ
VRSが誕生した理由は言うまでもなく機体開発のシミュレーション用である。もともと人型汎用機の存在理由は人間の活動が困難な環境下で人間に準じる作業をさせるためのものであり、宇宙開発の重要性が増している昨今、競技用に導入された技術が実際に産業用に用いられている例は少なくない。危険な環境下で導入する前に、仮想空間で試験ができるのであれば開発コストだけではなく生命に関わるリスク自体を低減することが可能になるのだ。
「ふと思ったんだけどね?」
いつものブリーフィングルーム、とは名ばかりの工房の脇に並べられた折りたたみテーブルで、SSBTのアルシオーネからもらった水ようかんを食べていた山本いそべの呟きに端を発する。最近導入された位相反射システムの基本コンセプトは被弾したエネルギーに応じた出力で反撃するというものであり、であれば装甲が薄い機体で大ダメージを受ければ反撃の威力も高くなる道理である。無論完璧はありえないが試す価値はあるかもしれず、失敗したら死ぬよねという戦法だがそんならVRSでやってみよーと話が浮上した。何事も挑戦実験さあ体験だが実験というならいそべとしてはアルシオーネのようなオトナの女性らしいばっつんばっつんさを手に入れてみたいとも思う。
一方でVRSの舞台を機体よりもむしろテストパイロットの育成に使う例もあり、チーム「レギオン」のようにリーグ本戦のデータ供与を受けて機体設計に活かしている例もあるが、その場合は当然リーグ戦に参加しているパイロットはVRS開催期間中暇を持て余すことになる。
「いや、俺はVRS出場するんだがね」
「女性との約束をすっぽかした男に発言権はないのよ」
その約束とやらが先のリーグ戦で雪辱を果たすつもりだったというのだから、ネス・フェザードにすれば苦笑したくもなるがそれが相手の本音だとしても本音のすべてという訳でもないだろう。多少、競技の話題もあったが仮想空間ではない、現実世界で交わされた会話のほとんどは交わされた杯にふさわしいものであった。
そういえば「リンク」内にもあのレストランは出店していただろうかと、豊潤な香りを思い返しながらネスはパイロット用のブースに腰を下ろす。対戦相手のコンセプトは明確であり、デルタアタックと反射衛星の併用による100%位相反撃の試験投入に他ならない。ねころけっとの薄い装甲であれば反射エネルギーもおそらく尋常なものではなく、まともに戦えば不利に過ぎるがならばまともに戦わずに済む方法を考えなければならなかった。
「みーみーみー、フォースビット信号機ぃ!」
まるちぽーを応用した遠隔無人機がねころけっとXAM2から切り離される。宇宙用スタビライザーしっぽをぶら下げた機体を中央に配置しつつ衛星機の相対座標を正確に確保する手法はおそらく論理計算を駆使した自動制御によるものだろう。後は機体操作をしながら必要な場所にオプションを「置いておく」、いかにもクスノテックらしい戦術である。
「OK、カーネル。今日はお前さんに頼るぞ」
「たまにはな」
ネスの通信を受けて眼光するどい中年男が、どこか戯けたように返答する。競技開始、機体射出と同時に指定された座標に移動、姿勢制御が完了した目の前にねころけっとの映像を捉えることに成功した。ごく何気ない動きに見えるがパイロットの技量とオペレータの熟達による完璧なコンビネーションであり、全距離対応機の特性を活かして100%位相反撃の死角に潜り込むことができた。
至近距離からネスが騎乗するハイドラがサイジングタロンを振り回す。ねころけっとXAM2はいつもの超高速機動でこれをかわすがこの距離では効果的な位相反撃の目がない。離れて中間距離に移行した瞬間を狙われると、撒布されたフローティングマインの海に飛び込むが被弾しながら赤と黄のフォースビットが座標判定を行い報復の光条を撃ち放つ。撒布機雷に対してすら相手の座標を追うことができる位相反撃システムだが、決して完璧とはいえず全弾反撃するという訳にはいかなかった。あくまで100%を狙って精度を上げるには赤と黄に加えてもう一機、青いフォースビットまで全機を反応させる必要がある。
「奴からOBAの匂いがするー!」
つまりは機体バランスを重視して相手の弱点を突くスタイルである。このタイプは博打要素が強い機体には鬼門になることがままあり、いそべがOBAさんを蛇蝎のごとく嫌う一因だが別の理由はもちろん年の差だった。初弾の攻防から戦況は膠着、ねころけっとはハイドラの攻勢を完璧に回避するがそれはそれで位相反撃の機会も失われる理屈ではある。とはいえ執拗に至近距離を保つハイドラをねころけっとの推力では振り切ることができず、不本意な近接戦はその後15分以上も続くことになった。
戦況が一気に動いたのは開始20分を過ぎて、業を煮やしたねころけっとが強引な離脱を図るがハイドラはそれを許さずサイジングタロンで捕捉。至近距離から位相反撃を被弾するが、サイジングタロンの攻撃そのものには位相反撃が発動してもその後の累積ダメージはそうではなく、センサーを断ち切る方法がねころけっとには備わっていない。こうなると反撃の手がなく、まとわりつかれて装甲を焼かれながらタイムアップまで戦況を維持したのがせめてものプライドというべきだったろう。試合巧者ぶりを存分に発揮したソードフィッシュ陣営がクスノテックからほぼ完勝を収めて準決勝進出。
○ハイドラ(30分判定)ねころけっとXAM2× 27vs3
VIRTUAL SIRIES BACK V Aブロック準決勝 タコボールXvs昴・伍拾式
準決勝Aブロックは一回戦を僅差で制してきた機体同士の激突。北九州漁協はレギオンを相手にファーストアタックの優位を活かして、SSBTはアナザーバイソンに絶妙な近接戦闘を挑んで勝利を収めており両者とも勝敗は僅差ながら戦術の妙で難敵を封じることに成功している。
「とはいえ次はどうかなあ」
こっそりと呟く須売流だが、弱気とも取れる言葉をメンバーに聞かせないよう彼なりに気を使っているつもりではいる。準決勝の相手は「要塞」の異名を持つ北九州漁協であり、そもそも漁協と要塞とタコボールにどんな関係があるんだよと言いたくなるが超攻勢機にも関わらず全距離対応で攻守を供えて隙がないという稀有な機体である。自分の力を活かすことはもちろん、弱点を可能な限り塞がなければ勝ち目は薄く不安定さはそのまま不利に繋がる危険があった。アルシオーネ設計の格闘戦仕様に、それを乗りこなそうとジム通いで鍛えているというむつらの真面目さは敬服に値するが須売流としてはムキムキよりもムニムニを目指して欲しいところだった。
そんな須売流のよこしまな思いとは何の関係もなく、対峙する両機がタイムカウントに合わせて射出されると同時に一気に加速して至近距離から近接格闘戦に移行する。移動しながら襲いかかるライドルスティックを的確に弾いてみせる動きは真面目に訓練をしていたむつらの成果だろう。近接戦を狙う昴に対してタコボールは距離を離そうとしている様子が窺えるが、アメノトリフネによる時空加速の有効性は一回戦でも見せている。アルシオーネがカスタマイズした昴・伍拾式の性能であれば容易に遠距離を取られる心配はない、そう思いながら須売流は漠然とした不安を隠せずにいる。
「撃ちますー」
後退するタコボールの動きに合わせて構えたカラドボルグを発射、真空地獄車と相討ち気味に命中するが昴の損害は軽微で先制攻撃に成功する。攻撃と移動と防御をすべて高水準でこなしてみせる、むつらの技量の高さを窺わせるが優位だったとはいえこちらが与えた損害も決して大きなものではない。
続いて近接戦、特殊振動フィールドを開いた昴がハッカパーレを展開して突入するがタコボールXは巧みに装甲で弾いてみせるとライドルスティックで強襲、これを命中させて一撃で戦況を逆転させる。相手の得意距離に誘い込まれながら、出力と装甲を活かした堅牢さで優位に立ってみせる北九州漁協の展開である。言葉で説明すれば単純だが実現は容易ではなくその事実が須売流の背中に薄ら寒い戦慄を走らせる。
「須売流さまー、須売流さまー、だめですー」
「パイロットはできることをやれ。あとはこっちの責任だよ」
むつらの受けているだろうプレッシャーが須売流にも容易に理解できる。得意距離に持ち込んで装備も万全、動きも悪くないのに押されてしまう相手にどうすれば勝つことができるのか。かといって距離を離せば全距離対応のタコボールに不利を晒すだけであり、こうなれば先細りを承知で近接戦を挑み続けるしかない。懸命に、生真面目に時空加速で接近しながらライドルスティックを回避、ハッカパーレを展開して突進するも堅牢な装甲で弾かれる。相手は攻勢機であり防御を弱めれば被弾するしかなく、一撃の損害も決して小さくはないから膠着気味の戦況にも関わらず気がつけば蓄積した損害で圧倒的な優位を奪われていた。
ここまで20分が経過。このまま推移すれば逆転の目はなく、危険を承知で昴が更に攻勢を強める。ハッカパーレの突進が命中するが反撃のライドルスティックを被弾、続けてもう一撃を被弾して前進が止まったところで距離を取ったタコボールXが真空地獄車を発射。これで追い詰められると接近をしたところでライドルスティックをねじ込まれて勝負あり。堅牢さと安定した破壊力の双方を発揮した北九州漁協がAブロックを制して決勝戦進出を確定させた。
○タコボールX(28分機動停止)昴・伍拾式× 27vs-5
VIRTUAL SIRIES BACK V Bブロック準決勝 オーガイザーvsハイドラ
残る一枠を巡る準決勝。男を取り戻しつつある無頼兄に対するは一回戦でクスノテックを作戦勝ちで封じてみせたネスが登場する。オーガイザーを相手に堂々と正面から対峙してみせたチーム・さんくちゅありとは異なり、全距離対応かつ特殊効果を優先したハイドラの機体セッティングを見るに確実に隙を狙うつもりでいる様子が窺える。装甲を見ても機体性能を見ても、パイロットの性格を見てもオーガイザーとは真逆のコンセプトに近い相手と言えるだろう。
「捕まえる、いや、掴むぜッ!」
至近距離で捕捉すれば必殺のガイ・ブレイカー、離れればブラスト・ミサイルを撃ち込むつもりで構えるオーガイザーだが、水竜の名を冠するハイドラはそのどちらにも踏み込まず中間距離からフローティングマインを一斉撒布してたたきつけた。もともと防御を捨てて装甲で受けてみせるのがオーガイザーのスタイルだが、威力のある撒布機雷を連続被弾してはさしもの魂鋼も無事では済まない。
「耐えてみせるッ!」
「魂鋼!お前を信じるぜ!」
肉を斬らせた白銀の鬼が前進するが、多頭の牙がこれを阻むべく次々と魂鋼の装甲に突き立てられる。序盤から好機と見るや容赦のない攻勢を仕掛けたネスの判断もあり、開始5分で連続被弾させたフローティングマインの爆発に更に重ねて射出した機雷群が全弾命中、速攻でオーガイザーを追い込んでしまう。
「悪いが、仕留めさせてもらうとしますか」
「させるかよォ!」
飄々と言ってのけるネスに意地を見せる無頼兄は追い詰められた状況からフローティングマインをかいくぐるとようやく懐に潜り込むことに成功、握りしめたガイ・ブレイカーの拳を怪物の横腹に力強く叩き込む。相手の装甲は決して頑丈ではなく、一撃の威力であればオーガイザーのそれはハイドラをゆうに勝っていた。
優位な中間距離に逃げ込もうとする相手を追撃、離されれば後がないオーガイザーは執拗に食らいつきながら反撃で振るわれたサイジング・タロンの弧線をかわしてみせると再びガイ・ブレイカーを叩き込む。だが損害を被りながら一瞬で機体変形と後退を行ったハイドラはあくまで多頭の顎からフローティングマインを一斉射出、手負いのオーガイザーを機雷源の網で捕らえると手負いの鬼を捕獲して機動停止に成功した。タイプの異なる両機を作戦で封じてみせたネスがBブロックを突破して決勝戦へ。
○ハイドラ(13分機動停止)オーガイザー× 28vs-4
VIRTUAL SIRIES BACK V 決勝戦 タコボールXvsハイドラ
電脳都市「リンク」で開催されるバーチャル・ストライク・バックも第五回大会を迎え、決勝戦は過去の四大会で好成績を残したチームではなく本戦での戦歴を誇る北九州漁協とソードフィッシュ陣営による対戦となる。タコボールXの堅牢さと火力を活かした制圧前進、ハイドラの臨機応変の攻撃対応能力はいずれも彼らが本戦で得意としている戦術であり、シミュレーションというのであれば仮想空間でも現実と何ら変わるとことはない。
「ロブ。セッティング・オールオーバー、後は任せた」
「まだ途中ですよ。真面目にやってください」
連戦に伴うメンテナンスは信頼する後輩のメカニックに一任する、といえば聞こえは良いが気まぐれなネスの言葉だけに単にめんどうくさがっているだけだと解釈されるが誰のせいでもなく本人の普段の言動が原因だった。仮想世界とはいえ損耗に伴う機体の補修や補給は現実世界と変わらぬ条件で行われており、そもそもシミュレーションが目的で構築されたシステムだから装備や部品の耐久性能を測るためにも精密に再現されていなければならない。基本的にフレームの構成はユニットやパーツ毎に換装が可能なつくりをしているから、損耗あるいは破損した箇所を新品と交換すれば良いのだが細かい設定や調整は都度必要なのだ。
水竜ハイドラの名にふさわしい、多頭の砲門が交換されていく様子は疑似映像化されて「リンク」の世界に配信されていた。よくできているねと感心しながら、改めてネスなりに定められた点検項目を片付けていく。むしろ現実世界では難しい、こうした演出がVRSの独自性を支えており、簡易な性能の端末機であれば文字だけで必要な情報を追うこともできれば、高性能の端末で現実以上の臨場感を体験することもできた。そうした中には大型の体感式アトラクションを設けて、コクピット視点の映像と衝撃を楽しむサービスも存在する。
「さて真面目に準備はした。本番は不真面目にやるとしますかな」
おどけるように呟きながら、本物と変わらぬコクピット端末機に据えられているシートに腰を下ろす。戦歴の長いベテランであるからには北九州漁協の事情も心得ており、決勝戦を前にして彼らが何かのゲンを担ぐかのようにブースの方々に大漁旗を立てて気勢を上げていることを知っていた。真面目さも不真面目さも勝利には何ひとつ貢献しない。ただ自機のポテンシャルを最大限に引き出しつつ、相手の目論見を封じて優位に立った者が栄冠に近づくことができるのである。
映像化された競技フィールド内に二機のストライク・フレームが出現する。レールシャトルと同じ方式で射出されるカタパルトも忠実に映像化されていて滑走する機体にもたらされるGは慣性制御機能を応用して実際にコクピットブースに再現されていた。多様な情報をわずかな時差もなく扱うためにスクリーンに投影される映像は簡素化されており、デジタル処理された幾何学的な図形に代えられているがもともと宇宙空間において肉眼で機体を認識することは難しく、光学センサーから得られる情報を映像化している事情は実際にフレームに搭乗するときでも変わらないのだ。
双方が全距離対応、可変機であるセブンフォースをベースにしており攻撃力は拮抗している。わずかな差は機体を駆るパイロットの技量であり、相手の弱点を狙い距離を測るネス・フェザードに対して神代進は攻勢機で敢えて守勢を補う技に長けており攻守のバランスを実現していた。ハイドラは装備の差を活かして好機を作り出したいところだが削り合いになればタコボールにわずかな利があるだろう。
「真空地獄車さ」
中間距離から火閃が走り、咄嗟にネスが回避するが熱エネルギーの残滓が装甲を掠める。いよいよ決勝戦の開始、ファースト・アタックに成功したタコボールは機体を変形させながら常とは異なる遠隔距離に移行して白い弾丸を射出、これを命中させるがハイドラも同時に多頭の顎を思わせるリフレクタービットを展開させて複数の砲門から複数の光エネルギーを発射、確実に着弾させて戦況を容易に譲ろうとはしない。
互いにこの距離で相手を捕捉すると様子を見るように牽制の砲火を放ち、ハイドラのパルスレーザーは一発ながら命中してタコボールの白い弾丸は装甲を掠めるのみ。破壊力で勝るタコボールに対してハイドラは手数で対抗するが、鍵となるのはシールディングに優れる神代の防御力であろう。要所で攻撃を弾かれればネスの不利は免れないが、相手の攻撃力の高さがリフレクタービットの位相反撃システムで活かされればそれを補うことができるだろう。
「この距離なら互角、他の距離なら負けるか。大した互角だね」
コクピットでうそぶいてみせるネスだが自分にはその距離を保ち続ける自信があった。互いに近接格闘戦を得意としながら、敢えて遠距離での砲戦を選んだのは誰でもない彼自身である。あくまで優位ではなく互角、それをどう考えるかは性格次第だが最善であれば選ばない理由はないし相手にすれば決して容易には勝てぬということであり決して楽ではない。
開始5分、ここまで静穏だった戦況が急激に変わり攻勢に移ったタコボールが発射した白い弾丸がハイドラを直撃、同時に稼働したリフレクタービットがパルスレーザーを複数発射して光の雨を命中させるが未だ状況は互角のまま。更に攻勢を強化するタコボールXの大型砲弾をハイドラは回避するが無理な状態からの反撃が今度は成功せず。際どい均衡を維持しながら今度は神代がうそぶいてみせる。
「そうそう当たるものではないな」
「二手三手先を読まないと当たらないキュ」
サイボーグイルカフリッパーの的確な指示に従って目標を捕捉、再び白い弾丸が直撃するが反撃のパルスレーザーが一斉に降り注いで着弾、神代も一部を弾きながらやはり戦況を引き離すことはできない。互いに牽制し合う膠着状態でも、砲火を交わし合う派手な消耗戦になっても未だ戦況は互角のままで一進一退どころか一方が相手を引き離すことすらできずにいるが双方ともダメージは受けており損耗は確実に蓄積している。開始9分、再び双方の砲撃が着弾するがここでタコボールが搭載していたマーキュリー回路による位相反撃が発動して、ハイドラの装甲を削ることに成功してここで初めてごくわずかながら均衡が崩れる。
「四手目を読んでくれたまえ」
「キュ!」
得意の圧倒攻勢を継続したタコボールXの白い砲弾がハイドラを直撃、反撃のパルスレーザーも一斉に着弾して双方の機体が閃光に包まれる。仮想空間に描かれた白い球体が収まった瞬間、短期決戦ながら最後まで拮抗し続けた勝負を制したのは直前の砲撃で確保した優位を活かしたタコボールXだった。会心の勝利を演出したサイボーグイルカフリッパーは珍しい水上ダンスを披露。北九州漁協にVRSでは初めてとなる栄冠をもたらした。
○タコボールX(10分機動停止)ハイドラ× 1vs0 ※タコボールXが優勝
−結果&短評−
今回はこれまでの四大会で常に優勝を争っていた3チームがすべて初戦で姿を消す波乱のトーナメント戦となったが、一回戦を突破した各チームはそれぞれ自分のスタイルを発揮して勝利を得ている。優勝したタコボールXは全距離対応で攻撃と防御を備える絶妙のバランスが見事であり、ハイドラはやはり全距離対応ながら的確に相手の弱点を狙い撃ってくるセッティングで安定した強さを見せている。オーガイザーと昴・伍拾式は一回戦では持ち味を最大限に活かして快勝した一方で、準決勝では力を振るいきれず動きを封じられてしまった印象。
全体として機体セッティングに失敗して力を発揮できなかったチームは無く、敗れたチームは削り合いで及ばなかったか弱点を的確に突かれたかのいずれかで敗退した感がある。特にポイントとなっていたのがオペレータの存在で、今大会ではナビゲートタイプのオペレータを要する3チームがいずれも一回戦突破に成功しており、例外はアップグレードタイプのAI・鬼刃のみだった。基本的にメカニック特性は底上げや弱点の補強ができるが、オペレータ特性は機体や戦術に合うと思わぬ効果を発揮することがあるので要注意。
追記.ちなみにパイロットを含めたそれぞれの特性はその大会に合わせて各人が磨いてきた能力という側面を持ちますので、一度登録したメンバーの特性を変えることも問題なく可能です(レギオンのようにメンバー毎に特性を決めるのも個性を表現できて面白いと思います)。
−順位−機体名−−−−−−−−−−−−−機体−−パイロット−−−−−−−オペレータ−−−−−−−メカニック−−−−−−−
優勝 タコボールX セブ 神代進 超能力イルカフリッパー 伝説の船大工源さん
2位 ハイドラ セブ ネス・フェザード カーネル ロブ
3位 オーガイザー ドラ 無頼兄・龍波 AI・鬼刃 紅刃・龍波
3位 昴・伍拾式 ドラ 灯乃上むつら 清和須売流 アルシオーネ・ビアズリー
5位 アナザーバイソン1 イプ ゲルフ・ドック ジアニ・メージ ザム・ドック
5位 メカタウラス拾参號乙式 イプ 牛山信行 天宮あてな 仔羊徳兵衛
5位 ユディト イプ シャルロット・R・O バーバラ・R・O アンジェラ・R・O
5位 ねころけっとXAM2 斑鳩 Mii3DSLL 山本いそべ 山本あんず
>VRS大会記録に戻る