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 最初は、作業用工作機械から始まった。人は、様々な技術や知識を軍事に応用し、兵器として利用する。局地作業での汎用性を追求した人型工作機械が人型汎用兵器として、歴史ある戦車や軍船、戦闘機などと肩を並べるようになるまでに、さほど長い時間を必要としなかった。あるいは人類という種族には、争いを糧として技術や文明を発展させる救い難い一面が、確かに存在するのかもしれない。
 西暦2000年になるとそうした技術や知識が一つの娯楽となり、特定のルールに従って開発された汎用人型兵器同士が、観衆に囲われたフィールドの内で一対一で格闘するという競技が生み出された。

 その競技の名を、ストライク・バックと呼ぶ。

 競技の開催と発展は、急速な技術と要求の進歩をもたらす。現実的な要因ながら、それに拍車をかけたのが大会に資金を供与する者たちの存在であった。古代の戦車競技さながらに、人気と宣伝と広告とが大会を支えて競技を発展させていた。革新的な技術の進歩。ストライク・バックが開催されてわずか10年ほどで、人型汎用機械はその足跡を地上から宇宙へと記すようになっている。
 躍進の中で、一つの実験的な試みが行われることになった。過去の大会で得られた膨大なデータを元に、競技フィールドを仮想的な空間の内で実現する。そこには膨大な機体開発コストを低減する理由が存在したかもしれないが、ストライク・フレームは宇宙空間とは異なる舞台に足跡を記すことになったのである。


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