VRS第八回大会-VIRTUAL STRIKE BACK VIII-
「パーソナル・データ移行完了。LIve NetworKへの接続を確認しています」
「御苦労。どうもこの手の操作は慣れなくてな」

 電脳都市LIve NetworK、通称「リンク」に接続する端末機に流れている情報を見ながら、壮年を過ぎて老年にさしかかった年齢の人物が部下に礼を伝えている。礼とはいっても、下級の人間に命令することに慣れた者らしい貫禄と尊大さの双方を備えており、いわゆる頭を下げるといった様子は微塵も感じることはできない。
 リンクの目的は宇宙進出に向けた研究開発用のプラットフォームの提供にあり、大型構造言語「シータ」や人工知能基盤「アルファ」との親和性が高い一方で、極めて制限された端末から接続して利用することも可能になっている。彼らが接続している端末も画面に流れているのは膨大なテキストデータだけで、それは文字と数字の羅列に過ぎず画像の一つも映すことができなかった。必要な機能と性能さえ得ることができれば、映像情報など必要としない開発と運用に特化したマシンである。

「宜しい。起動したまえ」


VIRTUAL STRIKE BACK VIII Aブロック第一戦 聖人 vs バラクーダ
 電脳仮想世界を映しているコクピット・スクリーンの前で、宙空に浮遊している対戦相手の情報を目で追いながらネス・フェザードは心中にため息をついている。戦いにスリルを求めてしまうのは彼の悪癖ではあるが、彼自身は健全なつもりではいたから呆れるような相手というものも存在する。

「俺に懺悔でもしろというつもりかね。一日あっても告白しきれない」

 対峙するチーム・ピットと「魔王」はVRSの前大会を制覇したが、本戦では振るわずパイロットのフランツ=ヨハンは更迭されるとそのまま病院に幽閉されたといわれている。むろん幽閉とは趣味の悪い冗談に過ぎない表現だが、今大会で登録された機体が「聖人」でありパイロットがフランシス=ヨハンナとは趣味が悪いにもほどがあるだろう。データベースを通じて表示されている、奇妙に特徴のない若い娘の外見がむしろ胡散臭い。
 リンク上に展開されている機体情報が、コクピット・ブースのメインモニタで視覚化されるとフィールドに両機が姿を現す。ネスの愛機バラクーダは汎用機よりも戦闘機そのものを思わせて、胸部にペイントされた古くさいシャークマウスが雷撃機をイメージさせる。一方の聖人は前回の魔王を一部改修しただけの機体であるらしく、肩部の大型スラスター・ユニットに胴体がぶら下がっているバランスの悪いデザインが不気味に見えた。

「それじゃあ相棒、一緒に罪でも犯すとしようか」

 彼が誰よりも愛している操縦桿を軽く叩き、開始と同時に超高速雷撃機が加速、一瞬で至近距離に現れるとアクセルバイトの牙が交叉して聖人を咬み裂くと同時に一撃離脱をして消える。格闘戦では反撃の術を持たない聖人はゆっくりと後退を図るがバラクーダはそれを許さず懐に飛び込んで二撃、三撃、四撃と連続攻撃を成功。ここまでわずか五分、一方的な展開のまま聖人の緊急システムが起動すると解放された膨大なエネルギーが集束して機体が蒼い輝きを増していく。
 サブモニタに映る数値が莫迦らしいほど急上昇する様を見て、ネスはことさら緊張を見せぬ素振りで息をつく。開始五分、ここまでは相手を一方的に封じているが裏を返せばまだ五分しか相手を封じていない。無いに等しいバラクーダの装甲で、この破壊力に対するのだから燃える火の馬に乗って氷の湖を駆け抜けるようなものだ。

 超高速で飛来しながら一撃離脱を繰り返すバラクーダに対して、ジェネレータ出力が異常に上がっている聖人は加速しながら急速後退を図る。中間距離から「罪」を解き放ってバラクーダを捕捉、そのまま遠隔距離に移行すると「試練」を射出する。背筋を汗で冷やしながら高速機動を続けているネスとバラクーダを相手にして、チーム・ピットのメカニック・ブースではウォルフガング卿がモニタに展開される戦況には興味も持たずに各計器が示す数値を注視し続けていた。

「なかなか安定しているではないか」

 卿がメカニックとして登録されている理由は、競技中にブースを使用してシステムの直接的なデータを得るため以上でも以下でもない。彼らが考案した直結式VMーAXは平凡な人間をエースに変える可能性を秘めている一方で、未だパイロットの耐久性に依存する部分が多くフランツ=ヨハンのように壊れてしまった例もある。だが今のところシステムは正常に機能しており聖人は相応しいパフォーマンスを見せていた。
 開始10分、ここまで圧倒されていた聖人だが「試練」がついに連続でバラクーダを捕らえることに成功する。オペレータのヨハンナ=フランシスが頼りないパイロットに替わってバラクーダの高速移動の軌跡を制御すると、13分過ぎ、危機を悟ったバラクーダも賭けに出るつもりで中間距離から強引なアクセルバイトで反撃を試みる。すでに相手は機動停止寸前であり、あと一撃命中すれば戦況は決する筈だった。

(汝に与えよう、これが試練だーー)

 機動性では及ぶ筈もないからこそ、あと一撃を巡る攻防で聖人が狙ったのは砲撃の精度を極限まで高めることである。常人では不可能な精密さをヨハンナ=フランシスは実現できる、立て続けに降り注いだ光の槍がバラクーダを貫くとこの攻防だけで相手を沈黙させた聖人が逆転勝利を収めてみせた。展開の九割を制しながら最後に捕まったネスはブラックアウトした画面を前に自嘲する。

「それでも、許しを乞うつもりはないさ」

短評)勝敗を決めたのは最後の一撃だが、戦局を分けたのはVMーAX起動以降にバラクーダが近接距離を確保できなくなったことだろう。ジェネレータ出力が上がると攻撃力と同時に移動力も上がるため、距離確保の攻防にも影響が出る点は要注意。

聖人(17分機動停止)バラクーダ 2vs-23


VIRTUAL STRIKE BACK VIII Aブロック第二戦 竜宮公主 vs スカイタコボール
 レギオンはロイヤルガードと同じく軍閥を後ろ盾にして編成されているチームだが、下部組織というわけではなく三人の特異なタレントがむしろVRSで効果的に発揮されていると評価されていた。彼女たちに限らず、電脳仮想空間ではより試験的な機体や兵装が導入される例が多く、それだけに着想の幅も広くなり昨今ではVRSで考案されたシステムが実用化された例も登場するようになっている。そして固定的でないレギオンのスタイルは、より試験的なVRSでこそ活かすことができた。

「試験ならいっそ三人でチーム戦でもできればよいのにね」
「あんたの好きな殴り合いができなくなるかもよ、フレンド・シャルロット」

 オペレータのアンジェラに半ば冗談を込めて嗜められると、それは困るわねとシャルロットも前言を取り下げる。今回彼女に用意された竜宮公主、竜神の娘の名を関する機体はパイロットの特性に合わせた近接格闘機であり、正面から一対一の対決にこそ真価を発揮するだろう。対するは海の男の集まりたる北九州漁協の雄、神代進が駆る空中戦特化仕様スカイタコボールである。

「腰のレバーを下げると99の空中殺法が使えるのさ」
「タコボールの腰はこのへんにあるキュ」

 神代の言葉に超能力イルカフリッパーが指摘してみせた、このへんというのがどのへんかは不明だが重力低減装置を搭載したスカイタコボールは低重力の宇宙空間を跳躍、かつ飛行するごとく独特の軌跡を描いて疾駆することができる。重力制御は宇宙開発宇宙進出には必須の技術であり、それを汎用的な作業用ポッドに搭載してみせる北九州漁協の技術力は業界でも最先端ではあるのだが、そのほとんどが伝説の船大工源さんの職人技によるのがメイド・イン・ジャパンともいえた。
 いよいよ対決は両者遠距離から開始すると、互いを牽制するように砲撃しながらゆっくりと前進する。タコボールのライダーブレイクと竜宮公主の潮満珠(しおみちたま)が電脳仮想空間を飛来するが、どちらも相手の砲撃など意に介したふうもなく平然と接近して至近距離に入ったところで攻勢モードに移行する。近接格闘戦による殴り合いこそ真骨頂なのはシャルロットだけではなく神代も同様だった。

「挨拶も拳で語るとしようか」
「キュ」

 遠慮のない前進から接近すると同時にスカイドリルで削る、タコボールの攻勢に先手を許した竜宮公主は潮満珠で弾幕を張りつつ羽衣のように展開された潮道領巾(しおみちのひれ)で刃のような斬撃を狙う。一度距離が離れたところで再びライダーブレイクを狙ったタコボールに、潮干珠(しおひきたま)を命中させてここまで戦況は双方互角。
 先手を取りながら優位は取れなかったタコボールは更なる攻勢を狙うと中間距離からスカイフライングソーサーを命中、再び反撃を受ける覚悟でライダーブレイクを撃ち放った。得意の接近戦を狙う竜宮公主に、得意の接近戦になる前でも積極的に攻めるスカイタコボールがわずかに優位に立つが、目算が外れたからこそ更に攻めようとするのは何もタコボールだけではない。

「乙姫さまは欲求不満なの。ダンスは剣舞を選んでもいいかしら?」
「あんたに気品は期待しないわ。好きになさいな、フレンド・シャルロット」
「YEAHーYEAH!」

 煽ってもらいたい相手に煽ってもらう、アンジェラの許可を得て歓喜したシャルロットは撒ける限りの弾頭を一斉にばらまくと影に従うように前進する。スピードでもテクニックでもなく無理矢理掴みかかる、気品がないどころか野蛮にしか見えない特攻だがそれがシャルロットのタレントならば止める理由はない。アンジェラが剽悍、バーバラが緻密であるとすればシャルロット本来のスタイルは喧嘩屋なのだ。

「本人には言えないわね」

 加速して接近、スカイタコボールの圧倒攻勢に晒される竜宮公主だが怯む素振りはまるでなく、一度至近距離に入れば展開された潮道領巾が千刃となってタコボールの装甲を切り刻む。剣舞どころか刃をまとった姫の舞踏にタコボールも削られ続けながら一歩も引かずに反撃、双方正面から激突しながら膠着することになった戦いは残り2分、慣性のついた潮道領巾を飛来する流星のように連続で命中させた竜宮公主が逆転、わずかな優位に立つとそのまま逃げ切りに成功。終始押されながらも離されず、ワンポイントの好機を掴んだレギオンが一回戦を突破する。

短評)展開は双方拮抗しながらもタコボールが終始優勢、膠着していた戦況はタコボールのジェネレータ出力が低下した20分以降に動き出すと最後に勝機を得た竜宮公主が逆転勝ちを決めている。それを単純な幸運と見ることもできるかもしれないが、終盤まで耐えながら好機を呼び込んだメンバー同士のバランスはレギオンの勝因に挙げていいだろう。

竜宮公主(30分判定)スカイタコボール 6vs3


VIRTUAL STRIKE BACK VIII Bブロック第一戦 てつうし改 vs ねころけっとDOH.B
 過去の戦績には決して満足していないが、VRS前大会では決勝まで駒を進めており堅牢さを備えた格闘機としてのスタイルも充分に確立しているのではないかと自負してみせるチーム・さんくちゅあり。今回ベース機体をイプシロンからドラグーンに変更しているが、それは機体を変えてもスタイルを変えない自信があるからでもあった。

「今回のおすすめは全距離全方位対応。ですがキモはどう距離を詰めるか、それは変わりません」
「うーし、了解」

 公称67歳、謎風味のメカニックである仔羊徳兵衛に言われるまでもない。パイロットたる牛山信行は巨大マンション・さんくちゅありのいち店子という立場のせいでチーム内ではちょぴっとだけ軽んじられているが、基本的には牛山の堅牢さを活かす機体を用意してそれを活かすオペレーションを行うのがさんくちゅありのスタイルである。存在が軽んじられることとゲーマー出身の牛山の腕とは別物だが、当人にすれば軽んじられるの前提かよと文句は言いたくなるかもしれない。
 対戦相手は牛山以上の、異常のゲーマーを自認する山本いそべが率いるクスノテック謹製ねころけっとDOH.B。最近はついにいろんな意味で妹に負けてしまったらしい、まな板女子高生だがとりあえずパイロットブースに搭載した人工知能サーバに指示はしておかないといけない。

「みー!オトコを引き回す方法を教えろや」
「それはヒートボディとコールギルです。れでぃ」

 ねころけっとのシステムは人口知能Miiが機体を操縦して、いそべがオペレータとしてそれをサポートする。更に機体本体とは別に二機のとびうおだんぱーずを展開してそれぞれを別の操作系で操るという、擬似的なチーム戦を実現するスタイルとなっている。むろんルール上はパイロットは一名が原則だから、複数のユニットを操縦するMiiも一機だが人工知能であるからには並列処理はお手の物だった。
 二匹のとびうおを従えて、それを足場に跳躍するねころけっとは死角にまわりこむと左手に装備したぶるーまるちぽーを撃ち放つ。てつうし改はこれを被弾しながらも、愚直に前進して接近を図るがねころけっとは付き合うつもりはなく再びとびうおだんぱーを足場にして高速移動すると遠距離からまるちぽーを命中させた。破壊力こそ微小だが相手に何もさせずに圧倒する、ねころけっとのスタイルに対峙しながら牛山は下を巻くしかない。

「これさすがに無理ゲーじゃねえか?」
「えー?あきらめんの?」
「いやボムなしでクリアする手はある、期待はすんな」

 オペレータの天宮あてなに心配されるが、大言壮語は牛山の趣味ではないし正直自信もない。超高速かつ変則的に跳躍するねころけっとの動きをこちらはまるで捕まえられないが、いちおうてつうし改は全距離全方位対応をしているし期待も汎用性の高いドラグーンに切り替えている。慣れない手でも勝算を追求すれば思わぬ回答にたどり着く、そう考えても不思議はなかった。
 座標固定用のスラスターを備えた大口径のビッグガンを構えると、律儀にスコープを覗きながらてつうし改が銃身を構えて待機する。狙撃体勢のままヤマを張って相手の軌跡を予測、跳躍したねころけっとが出現するだろうポイントに当てずっぽうで撃ち放った熱線が命中する。単発だが破壊力は相応、こちらが銃を持っていることを見せれば多少なりともプレッシャーはかけられる筈である。人工知能なればこそ、戦況まで予測するMiiがいそべに警告する。

「プレッシャーを覚えました。れでぃ」
「覚えんな」
「覚えないことにしました、おけぃ」

 人間と人工知能による完璧なコンビネーションが、予測と偶然までも味方にする勢いで襲いかかってくるてつうし改の砲火を避けつつ反撃の糸口を探す。相手が狙っているのはあくまで接近戦だが、装甲がないに等しいねころけっとはどの距離でも食らえば致命打になることには変わらない。
 急速移動から二つの足場を使った多段ジャンプで方向転換、中間距離でれっどまるちぽーの熱線を放つが装甲でも出力でもてつうし改が勝っているのは当然で、Miiといそべは相手を封じて一方的に勝てる手管を探し続ける。牛山は厳しすぎる高速ステージを攻略するつもりで襲いかかる砲火をかわしながら、何でもいいから反撃が当たればそれで優位に立てる筈だった。

「まだまだ!グラ3周回よりは行けるっしょ!」

 膠着状態のまま開始22分、ようやく近接戦闘に持ち込んだてつうし改が千載一遇のチャンスと攻勢に出るとアームドアームズの一撃が命中。これで優位に立った牛山が一気呵成に攻めると追い撃ちのバスターフォースまで命中させて勝負あり。ねころけっとの出力では残り時間にてつうし改の装甲を突破する攻撃力は得られず、そのまま時間切れでさんくちゅありが難敵撃破に成功した。

短評)膠着した泥仕合じみた対戦にはなったが、相手を封じる決め手にかけたねころけっとの時空移動に対応しつつ、たった一度の格闘戦の好機を確実に決めてみせたてつうし改が勝利。30分で格闘戦に移行できたのはこの一度きりだったが、それだけに勝負強さを見せることができたことは好材料か。

てつうし改(30分判定)ねころけっとDOH.B 26vs11


VIRTUAL STRIKE BACK VIII Bブロック第二戦 オーガイザー vs アナザーバイソン1
 男の機体、オーガイザーといえば近接格闘戦の雄として知られているが、それではまるで近接格闘戦以外はいまいち得意でないように思われてしまう。そんなことはないぜ!と無頼兄・龍波は彼が実はオールマイテーな戦士であることを証明してみるのも手かもしれない。それが宇宙サムライ、英語でいえばスペースサムライの心というものだ。

「そら遠距離対応もしてみんさいとは言うたけど」

 いちおうアドバイスをしてみた鬼姉こと紅刃が呆れているが、この姉がこの弟に呆れるのはいつものことである。用意された期待を見て、遠距離戦をカバーするためシンプルに大型ミサイルを装備した選択は実のところ悪くないように思えたが、問題はこれにわざわざガイ・ミサイルパンチと名付ける弟のセンスでこれはパンチでなくただのミサイルだろうと言いたくなるのだ。
 そのオーガイザーの相手は砲戦のエキスパートたるゲルフ・ドックとアナザーバイソン1。本来、格闘戦なら勝ち目はあっても遠距離に持ち込まれればお手上げという相手だが、このミサイルパンチとやらを活かせれば充分に勝機はあるかもしれない。一発勝負のトーナメントでは勢いが重要になることは珍しくもないが、勢いだけなら無頼兄にはたっぷりあふれているに違いないのだ。

「砲戦上等ッ!いくらでも来いやァ!」
「殴り合い上等!本日の予習、格闘機を相手にどう戦うかッ!」
「余計なことは考えずに撃つ!」

 無頼兄に勢いあるとすれば彼らも勢いでは負けていない。頼もしい答えを返したゲルフ・ドックに満足したジアニ・メージは正解ですと太鼓判を押す。弱点などあるのは承知で、リスクは強引に乗り越えるのが勢いというものだ。それを考えなしと批判することはできる、だが迷わなければ早いのが当然で常に先手を取ることができればそれだけで優位に立つことはできるものだ。
 グラップラーとスナイパーの戦いはオーガイザーの間合いである至近距離から開幕、だがアナザーバイソンは迷わず攻撃を選択すると先んじてハンディバルカンの弾頭をたたき込む。そのまま後退を図ると機先を制されたオーガイザーが固く握った拳で殴りかかってくるが、それすらも弾幕を張って迎撃してみせた。距離を離してデュアルバルカン、苦手な筈の格闘戦でオーガイザーを圧倒するが、それで怯む無頼兄ではなく、たったいま圧倒された筈の接近戦で自分のスタイルを貫くことを決意している。

「マイ・パンチ・イズ・ガイ!」

 要約すると俺の男の拳、ガイ・ブレイカーを食らえという意味だが英語はむつかしい。機体ごと回転するような大振りの拳を叩き込むと、もう一度回転して二撃目のガイ・ブレイカーも続けて命中させる。無論その間、アナザーバイソンが放つハンディバルカンを被弾し続けるが、男の装甲魂鋼が耐えている間に男の拳を打ち込むのが無頼兄とオーガイザーの流儀なのだ。
 この二発で戦況はわずかにオーガイザーが有利、ならばとアナザーバイソンも更に攻撃を強化する。ハンディバルカンとデュカルバルカンを交互に撃ち込みながら、距離が離れたところで四門の砲台からムラクモオロチ・改二を解放。だがだが相手が攻撃に出るなら負けじと攻撃するのがオーガイザーである。

「ガイ・ミサイルパァーンチ!」

 叫ぶと同時に開いた腹部から大型ミサイルが発射される。ミサイルではあるがどこがパンチかわからない一撃が命中して、これで砲戦の不利を相殺すると得意のラン&ガンで突進、再び近接格闘戦に移行した。アナザーバイソンも正面から弾幕を張って迎撃するが、こうなると狙撃の名手たるゲルフと殴り合いに強い無頼兄の腕が戦況にわずかな差をつけはじめる。
 最後は機体をぶつけ合うかのような接近戦となり、やはり被弾覚悟でガイ・ブレイカーをねじこんだオーガイザーがアナザーバイソン1を力ずくで沈黙させることに成功。勢いvs勢いの正面対決を制して一回戦を突破した。

「あー!なんか無性に悔しいです!」
「あ、うん・・・なんか無性に悔しい」

短評)両者ともに削られることを承知で自分のスタイルをごり押しする、多少の不利は装甲で受け切ろうという勝負になった一戦。オーガイザーもアナザーバイソン、どちらも自分の苦手距離ですら相手に劣らぬ破壊力を発揮してみせたが、その上で勝敗を分けたのは無頼兄が得意な接近格闘戦の距離を保つことができた、わずかな移動力の差であったろうか。

オーガイザー(18分機動停止)アナザーバイソン1 9vs-1


VIRTUAL STRIKE BACK VIII Aブロック準決勝 竜宮公主 vs 聖人
 メンバーは交替しているとはいえ、レギオンにとってチーム・ピットは前大会辛酸を舐めさせられた相手である。胡散臭いどころか禍々しさすら感じさせる、この相手に苦手意識を持つなどたまったものではなく、決勝進出の切符を得る以上に倒しておきたい相手だった。

「借りは返しましょ。そうね、利息もたっぷりつけて!」
「同感。フレンド・バーバラの仇討ちね」
「勝手に人を・・・」

 非難するメカニックの声を無視してシャルロットとバーバラが軽口を交わす。対戦相手の情報はむろん、LiNKを通じて公開されているのだが聖人のパイロットであるフランシス=ヨハンネは一見して特徴のない若い女性で外見以上に表情に個性がなく印象に残らない。仮想空間に展開されている聖人の機体イメージは肩部の大型スラスターに汎用機がぶら下がっている、前回の魔王と同系列のスタイルでおそらく大幅な機体改修は行われていないのだろう。それで魔王に替わって聖人の名をつけるセンスにも趣味の悪さを感じさせる。
 まずは遠距離から、聖人から数弾の試練が射出されると竜宮公主の装甲を弾くが損害は軽微、気にせず前進したところに罪を命中させるがこれもシャルロット・R・オリヴォーを止めるにはあたわない。パイロットの意志を伝えるかのごとく、積極果敢に懐に飛び込んだ竜宮公主が潮道領巾(しおみちのひれ)を展開、竜宮の娘がはためかせる衣が聖人の身を深く鋭く寸断する。一回戦で堅牢なタコボールすら切り裂いてみせた攻撃力に、聖人の装甲は明らかに及んでいない。

「YEEーHAAAAW!」

 カウボーイよろしくシャウト、お上品とはいえないどころかあまりにも品性に欠けるシャルロットの叫びだが、命中した連続攻撃の威力はそれにふさわしい。更に潮道領巾の一撃、この三連撃で聖人のシステムを一気に緊急状態まで追い込んだ。それまで圧倒的優位の状況を遠望しつつ、計器類に目を走らせていたオペレータのアンジェラが急速に上昇するジェネレータ値に背筋を冷やす。

「来るわよ!容赦はするな、ブレイド・ダンスの用意はいい?」
「OKay!血の赤はきっとめでたいわ!」

 強気な言葉は自らを奮い立たせるためだけではない。SPT機の特性は別に、聖人は砲戦機でありこのまま接近戦を続けることができれば竜宮公主はリスクなしに一方的に勝つことができた。むろん相手にそれを許すつもりはないだろうが、バーバラがチューンナップしたジェネレータは長期戦にも耐える仕様になっている。開始10分を過ぎて、聖人の推進力がごくわずかに低下したことを計測すると、蒼く輝く流星にしがみつくように相対距離を保ちながら竜宮公主が追撃を図る。だが聖人を支配するシステムにもこれを許すつもりはない。

(その安楽に座すことが罪ーー)

 緊急システムが発動し、ジェネレータ出力が上がるということは移動力そのものが上がることでもある。蒼く輝く超加速体を相手にここまで追撃戦を続けたシャルロットの執拗さは評価されるべきだが、質量空間に影響を与えるほどの加速で一気に距離を離されると同時にすべてのエネルギーが聖人の中央に集束された。

(ならば汝に与えよう、これが試練だーー)

 解き放たれた光の槍が三本、竜宮公主を貫くがその中で最も強力で致命的な一本にシャルロットは串刺しにされながら機体を反応させていた。ここまで温存した潮干珠(しおひきたま)の輝きが正確に聖人がいた位相座標を捕らえて命中、威力は大きくないがもともと先制されていた聖人はこれで追い詰められる。このまま砲戦で圧倒したい聖人は罪を放つと命中、これで相対座標を計算し直すと二度目の試練を放出した。
 正確な軌跡を描いて襲いかかる二本の槍が回避不能であると知れると、覚悟を決めたシャルロットはVMーAX発動後の高エネルギーを被弾するつもりで再び潮干珠を起動する。竜宮公主の身が蒼い光の槍に深々と貫かれると同時に、踊るように流れた衣の裾から放たれたエネルギーの刃が聖人に命中、これで機動停止に成功したチーム・レギオンが決勝戦進出を決めた。

「ごめんあそばせ、でなおしな?」

短評)前半に圧倒した貯金を活かして、VMーAX発動後に押されながらも的確な反撃を決めて逃げ切った竜宮公主が勝利。決め手になったのは竜宮公主の自動反撃システム、潮干珠が効果的に決まっていたことで、近距離戦を狙いながら随所でVMーAX発動後の遠距離戦の不利を補えたことが勝因。

竜宮公主(18分機動停止)聖人 1vs-4


VIRTUAL STRIKE BACK VIII Bブロック準決勝 てつうし改 vs オーガイザー
 決勝進出を争う残り一枠の戦い、両者ともに近接格闘戦を得意とする機体が登場する。牛山騎乗のてつうし改は堅牢さと粘り強さを誇り、無頼兄が駆るオーガイザーは魂の熱さと男らしさを売りにする、いわば最強の盾と最強の男が激突する戦いといえるだろう。

「わけわかりまへんわ」

 鬼姉紅刃の感想にはとりあえず耳を塞ぎ、戦いを前にした無頼兄はコクピット・ブースでがっしりしたたくましい腕を組むと互いの力量を比較することに忙しい。難攻不落を思わせるてつうし改の防御力はパイロット牛山の技量の賜物で、無頼兄にそれはないが彼には男のAI装甲「魂鋼」という助けがある。ならば携えた男の数だけ彼が勝っている道理であり、つまりこの勝負は男の差でもらったも同然といえる。それが彼の男らしい結論だった。

「ますますわけわかりまへん」

 やっぱり鬼姉紅刃がうるさいが、言いたいことは言わせておけばいいなどといえばさっくりと始末されてしまうので素直にごめんなさいをしてから肝心の勝負に集中する。両者ともに近接格闘仕様、距離の奪い合いではなく正面で足を止めての殴り合いになることは無頼兄でなくとも予測できるだろう。
 その無頼兄いわく盾と男の対決で、男の先制攻撃に成功したのはオーガイザー。ガイ・ブレイカーの拳の跡をてつうしの装甲に刻んでみせるが、すぐにアームドアームズの反撃を受ける。一歩も退くつもりがないオーガイザーは握りしめたガイ・ブレイカーの拳でクロスの右ストレートをお見舞い、だがてつうし改は左腕の装甲で器用にパリィしてしまう。敵ながら牛山の腕に無頼兄は感嘆するが、オーガイザーが対抗するならこれ以上に耐えてみせるしかない。

「魂鋼!俺の男はお前の男を信じるぜ!」
「野暮を言うものじゃあない。俺のことはお前が一番知っている」
「魂鋼ーッ!」

 男らしすぎるAI装甲の言葉に打たれた無頼兄は、目尻に汗を浮かべながらも襲いかかってくる拳を続けて回避、命中した数発も魂鋼が最小限に食い止める。相棒を信じて固く握りしめたガイ・ブレイカーで反撃、だがてつうし改もこれを堅牢すぎる装甲で弾いてみせる。ごつごつした殴り合いにも関わらず互いの損害は軽微、しかも両機ともが長期戦を想定した仕様に仕上げており戦況が容易に決するそぶりもない。
 開始10分を過ぎて、今度は自分のターンとばかりてつうし改が攻勢を試みる。右、左、右、一拍おいて右とボクシングを思わせる軽妙かつ正確なブローを連続で打ち込んでみせるが、オーガイザーの厚い装甲に阻まれて圧倒するにはほど遠い。だが頑丈な相手に何十発も撃ち込んで沈める程度のことは、元来ゲーマー畑に生きている牛山にとって珍しいことではなかった。

「問題ない!ソル・デ・ロカに比べりゃ可愛いもんさ」
「おお、信兄ぃ△!」

 分厚い装甲に阻まれるのを承知で、アームドアームズの細かい拳を当てていく。魂鋼を信じるオーガイザーは押されながらも削り合い上等とばかりガイ・ブレイカーの拳を振り回してくると、右、左、右と続けて直撃を受けるがてつうし改もすべてを相撃ちにしてみせる。手数ではてつうし改が圧倒、だが装甲の厚さで効果的な一撃が出ずに合計すれば両者完全に五分の攻防。ここまで開始23分、互いに身を削りながら決定打はなく残る時間をパイロットの技量と幸運に賭けるしかない。

「ガイ・ブレイカァー!」

 こめかみから血が吹き出そうな大振りの拳が直撃、追い込まれるてつうし改だが両の拳で弾幕を張るかのように右拳と左拳を打ち込む。それでも及ばなければ弾数でカバーと、細かい連打でラッシュを仕掛けるが再びオーガイザーに重たい一撃を受けて試合時間は残り2分。

「うしー!」
「問題ねー!2分ったら1秒間が200回だ!」

 勢いのままに計算を間違えるが無呼吸連打を思わせるラッシュを仕掛けて左拳から右拳の一撃が命中、同時に襲い来るガイ・ブレイカーを弾いてみせたところでタイムアップ。僅差の攻防を制したチーム・さんくちゅありがVRS二大会続けて決勝戦への切符を手に入れた。

短評)手数とガード性能で勝るてつうし改と、破壊力と装甲で勝るオーガイザーの激突。最後まで互角だった攻防を最後の二分で逃げ切ったてつうし改が制しているが、あえて比べるなら厚い装甲で耐えながら一撃のダメージ差で勝っていたオーガイザーに対して、攻撃をコンスタントに命中させ続けたてつうし改が安定度で勝った印象。

てつうし改(30分判定)オーガイザー 14vs13


VIRTUAL STRIKE BACK VIII 決勝戦 竜宮公主 vs てつうし改
photo photo  一回戦は機体の耐久力を信じて、準決勝は位相反撃システムを効果的に使った粘り勝ちで決勝戦に駒を進めたチーム・レギオンと竜宮公主。オペレータを含めて三人のチームが十全に機能した結果だと言われれば否定するつもりはないが、それはそれでパイロットの実力が軽んじられているように思えてシャルロットには面白くない。レギオンで優勝経験があるのはアンジェラだけで、それを意識していないといえば嘘になるが深刻になるのも彼女の性分に合わなかった。

「考えるのは後でいいわね。後でマイ・フレンズが考えてくれるもの!」

 堂々と宣言して憎まれないのはシャルロットの人徳かもしれない。対するてつうし改は初戦ではワンチャンス、準決勝では僅差の削り合いを制して勝利しているが、ぎりぎりの攻防を生き残っている理由は決して幸運だけではなく牛山の細密さと堅牢さの産物だったろう。のんびりした巨漢に見えて彼の正確さと反射速度はゲーマーの名に恥じず、職人的な腕前だけならあの山本いそべに匹敵するパイロットという評判だった。

「でもそこで調子に乗らないでチームメイトに感謝するのが信兄ぃのいいところなのよね」
「いや俺は何もいってないが」

 オーナー兼オペレータであるあてなの扱いにも慣れた感がある。今回、両機ともに近接格闘戦を得意とするグラップラー同士の対戦であり、通常ならばストライク・バックに欠かせない距離の奪い合いを考慮する必要がない。単純に足を止めての殴り合いでどちらが勝つか、作戦よりもパイロットの技量と幸運が結果を決めるドッグ・ファイトになるだろう。
 電脳空間上に描かれた機体が風景が至近距離に相手の姿を映し出す。VRS決勝戦、開始と同時に近距離を得た両者だが慎重を期したか一拍おいて殴り合うもどちらも命中せず。互いに「お見合い」をしてファースト・アタックを逃したことに舌打ちあるいは赤面しつつ、ことさら大振りに機体を旋回させると潮道領巾(しおみちのひれ)とアームドアームズが交錯して命中、破壊力では竜宮公主が勝るがてつうし改は準決勝と同様に積極的な追撃を図ると手数で挽回してみせる。

「えーいフックだボディだボディだチンだ!」
「お嬢、それ元ネタ知ってんのか」

 ではお前は知ってるのかと言いたくなる、牛山のスタイルは本来蝶のように舞い牛のように刺す、カシアス・クレイを彷彿とさせる華麗なボックスを信条とする。ごつい外見に似合わないとか信兄ぃのくせにとか、ちょぴっとだけ理不尽なことを言われてもそれで彼のストロング・ポイントを封じる理由はない。一手、二手と攻めるではなくステップを踏むように機体を制御して、竜宮公主の動きを読み切った瞬間に攻撃を弾きながらカウンターのアームドアームズを命中させる。むろん、それでシャルロットも一歩も引く理由はないし素振りもなく、格闘仕様に操縦系と慣性制御機能が強化されているコクピット・ブースで気炎を上げる。

「ある日・森の中・牛さんが・死んじゃえー!」

 リズムを取りながら、相撃ち承知で殴り掛かるスタイルは準決勝のオーガイザーを彷彿とさせるが、装甲を信じて退かない男らしさを感じさせたのが無頼兄だとすればシャルロットは感性のまま殴り続ける単純さと勢いにおいて勝る。ありていにいえば一撃の破壊力で竜宮公主はオーガイザーすら上回る、準決勝を僅差でしのいだてつうし改を削り切ればシャルロットの勝ちというわけだ。
 海流に乗った刃を思わせる潮道領巾が装甲を削り取り、踊るように振り回される二閃目は弾かれたが三閃目はまたも直撃、その間もてつうし改の反撃はすべて受けていたが構わず攻め続けた竜宮公主が圧倒的にペースを握る。だが牛山もそれで怯まず下がりもせず、あくまで至近距離に立って相手の攻撃を弾きながら手数を出して連続攻撃を命中、開始20分を経過してなお両者完全に互角の状況。

「行ける!」「お嬢?」「だから行け!信兄ぃ!」
「おおよ!」

 ここまで来てスタイルを変える必要はない、殴り合い上等で攻勢に出たアームドアームズが命中、竜宮公主にも手痛い反撃を受けるが更に攻勢を強化するとぎりぎりの攻防からてつうし改が竜宮公主の装甲を削り切ることに成功。僅差の削り合いを制したチーム・さんくちゅありが初の栄冠を手に入れた。

てつうし改(23分機動停止)竜宮公主 2vs0 ※てつうし改が優勝

−結果&総評−

 今大会はわりと安定した設定をした機体が多く、全体に拮抗した対決が多くなりましたが、不安定の極地?であるSPTが一機しか登場しなかったことにも起因しているかもしれません。聖人の描写は参加者指定でマスクをしていますが、きっと本戦でいかがわしさを披露してくださることを期待します。

 優勝したてつうし改はこれまでパイロット特性を活かした防御力で、勝ちきれないけど倒されないというスタイルになっていましたが、機体をドラグーンに変更することで能力を上げる&苦手の遠距離に装備を置いておいたことで弱点を克服できたのだと思います。それでも危うい戦いが多かったのは他の方々もそれだけよいセッティングだったということかと。
 個人的な評価で惜しかったのはオーガイザーで、特にアナザーバイソン1との対戦は両者が自分の得意距離に持ち込もうとしながら、苦手な筈の距離でも相手に対抗してみせた好勝負だったと思います。プログラムを組んだ身としてはこの対戦が今大会のベストバウト。

 ねころけっととバラクーダはコンセプトは違いますが斑鳩の特性を活かした相手にとってはとても嫌な存在で、どちらも交通事故に泣いたのも斑鳩ならではですね。聖人は機体とオペレータの組み合わせがハマると怖いですが、被弾しないとVXーAXが発動せず被弾しないで攻撃精度を上げるという矛盾する設定をどうやって両立させるかがカギになるのではないかと思います。

ー順位ー機体名ーーーーーーーー機体ーパイロットーーーーーーーオペレーターーーーーーーメカニックーーーーーー
 優勝 てつうし改      ドラ 牛山信行        天宮あてな       仔羊徳兵衛    
 2位 竜宮公主       7F シャルロット・RO   アンジェラ・RO    バーバラ・R・O 
 3位 オーガイザー     ドラ 無頼兄・龍波      AI・鬼刃       紅刃・龍波    
 3位 聖人         SP フランシス=ヨハンネ  ヨハンネ=フランシス  ウォルフガング卿 
 5位 アナザーバイソン1  イプ ゲルフ・ドック     ジアニ・メージ     ザム・ドック   
 5位 スカイタコボール   イプ 神代進         超能力イルカフリッパー 伝説の船大工源さん
 5位 ねころけっとDOHB 斑鳩 MiiーVI+TA   山本いそべ       山本あんず    
 5位 バラクーダ      斑鳩 ネス・フェザード    カーネル        ロブ       

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