映画のスクリーンサイズ

映画のスクリーンサイズにはスタンダードの他に、35mmフィルムを3本使ったシネラマ、70mmフィルムを使ったトッドAOなどのワイドスクリーンがあった。 しかしフィルムやレンズの性能が向上し、現在では劇場で上映されているのは、35mmフィルムを使ったシネマスコープ(シネスコ)とビスタサイズ(ワイド)の2種類となっている。 以下にその2種類について、撮影・上映フィルムやスクリーンのサイズをまとめた。

フィルムのフレーム寸法は「横×縦(mm)」、比率は「横:縦」となっている。

アナモフィックレンズの働き
シネマスコープでは、撮影時に画像を左右方向に1/2に圧縮、上映時に画像を左右に2倍に伸張する「アナモフィック」レンズが使われている。

anamo_extd.gif
撮影シーン
anamo_arrow.gif
左右を圧縮して撮影
anamo_comp.gif
フィルム
anamo_arrow.gif
左右を伸張して上映
anamo_extd.gif
スクリーン


シーン全体
赤い枠の部分がシネマスコープの撮影フレーム、
黄色い枠がビスタサイズの撮影フレーム


撮影フィルムのサイズ
   シネマスコープ    スーパー35    ビスタサイズ(スタンダード)
 スコープの撮影
22×18.7mm
 スーパー35
24.9×18.7mm
 スタンダード
22×16mm
 アナモレンズを使って
左右を圧縮して撮影
 サウンドトラック部分も使用し
フレーム一杯に撮影
 ビスタではスタンダードで撮影し
上映時に上下をマスクする


上映用フィルムのサイズ
上映用フィルムには画像の他に、音声を記録した各種のサウンドトラックが付け加えられる。 画像フレームの脇にアナログ式のドルビーステレオの光学サウンドトラックが、送り穴の間にドルビーデジタル、フィルムの両端にSDDSの各デジタル信号が、画像フレームと光学サウンドトラックの間にDTSのCD-ROM用制御トラックが焼き込まれる。

   シネマスコープ    ビスタサイズ
 スコープ
21.3×18.2mm
 ビスタ
21×11.4mm(米国)
21×12.7mm(欧州)


スクリーンのサイズ
シネマスコープではアナもレンズ使い、左右に伸張して上映する。 ビスタサイズでは広角レンズを使い、上下をカットして上映する。

   シネマスコープのスクリーン    ビスタサイズのスクリーン
 screen_scope.jpg
2.35:1(アナモレンズによる上映)
 screen_vista.jpg
1.85:1(アメリカン・ビスタ)  
1.66:1(ヨーロピアン・ビスタ)


TV放映、ビデオへの収録
シネマスコープやビスタサイズの映画をTV放映したり、ビデオソフト(VHS・DVD)に収録する場合には、TV画面(4:3)に納めるために、以下の3つの方法が取られる。

   パン&スキャン    レターボックス    フル画面
 パン&スキャン  レターボックス  tv_s35.jpg
 シーンの状況に応じて
左右の一方または両方をトリミングする
 上下に黒い帯を入れる  スーパー35の撮影画面をフルに使う
映画館での上映時より多く写る


(2000/06/11)



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