城北シーン(13)

東京の城北地区(板橋・北・豊島ほか)の風景をご紹介します。

 

忘れられた墓標 〜外人墓地    山の手線「駒込」、都営三田線「巣鴨」

外人墓地 桜の名所でもあり、春には多くの人達が花見に訪れる染井墓地の一角に、「外人墓地」と呼ばれている区画がある。

横浜の外人墓地と比べるまでもなく、7〜8本の墓標が淋しく建てられている。

故人の没年は80年から120年も前で、長いこと忘れられてしまっているようだ。
スコットランド人 教壇
コレラのため38歳の若さでなくなったスコットランド人の墓もある。 伝道などの使命を持って日本を訪れたのだろうが、志半ばにして異国の地で亡くなった無念さが伝わってくる。

本が置かれた教壇を形取った墓もある。 亡くなられた先生を偲んで教え子達が建てたのだろう。

幼子の墓もある。 墓標に名前を刻んだ両親も既に他界したか、遠い昔に日本を離れてしまったかもしれない。
墓標 ここに眠る人達の肉親や親類縁者は日本にはいないだろう。 故人を知る日本人達も、多くは他界してしまっているだろう。

ここの墓地は、訪れる人も無く、ひっそりとしている。 花見などでここを訪れることがあれば、墓標を読み、そっと手を合わせて欲しい。

(2000/01/10)


 

赤門と言えども本郷にあらず 〜捻禅寺    豊島区巣鴨5-32

赤門 赤門と言えば、本郷にある東大の代名詞にもなっているが、巣鴨にも赤門があった。

このお寺は、寛永元年の開創から徳川家とは由緒が深く、天和3年に徳川綱公より朱塗りの山門を賜った。 それ以来、この寺は「赤門寺」とも呼ばれるようになった。

本郷の赤門に入るは大変だが、この寺の檀家になれば、死んで赤門に入ることが出来る。

(2000/04/23)


 

眼病に霊験あり 御手洗不動  板橋区小豆沢4-17(小豆沢神社・竜福寺した)

mitaras_hudo1.jpg あちこちを回っていると、駅前や公園のトイレを利用することが多い。 この日も、板橋の小豆沢を自転車で走っていた時に、「この先300mお手洗い・・・」の立て札があった。

しかし、そこには大きな鯉が泳ぐ小さな池があり、その池には赤い欄干の橋が架かっていた。 よく見ると「御手洗(みたらし)不動旧跡」とある。 少なくともトイレではなさそうだ。
mitaras_hudo2.jpg 教育委員会が立てた説明には、
 江戸時代に大流行した大山詣り・富士詣りの道者たちが、不動尊をまつるこの泉で心身を浄め禊(みそぎ)をした禊場の跡である。道者たちは禊ぎを終えると白衣に着替えて聖山へと旅立った。また、ここの湧き水は古くから眼病に霊験があると伝えられおり、村人たちは眼病にかかると泉の水で目を洗ったという。
と書かれている。 社殿には金剛の不動尊と聖観音像が祀られている。

私の眼も近視・乱視・老眼のトリプルなので、この泉(?)の水で眼を洗おうとしたが・・・ちょっと遠慮した。

(2000/07/22)



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