NEON GENESIS
EVANGELION 2  #10  " Paradise Array "









「え〜と、お土産と言うか、お友達と言うか・・・」




 プヒィ〜 プヒィ〜 プヒィ〜





 山のような果物を持って帰る予定だったのに、偶然見かけたイノシシ親子を連れ帰った神経と言うのは、ふつーの女の子なら怒る処(とこ)かな?と一瞬考えないでも無かったのだが、お目々を(お星様のように)キラキラとさせながら出迎えてくれているアスカに限って言えば、そんな心配は要らなかったようで居て・・・





「キャー、可愛い! キャー、可愛い! キャー」




 プヒィ〜 プヒィ〜 プヒィ〜




 むしろ当のイノシシの方が驚いている(怯えている?)ほどの喜びようだった。





 人好きしないお母さんイノシシの陰に隠れた赤ちゃんイノシシ(うり坊)の内の一匹を抱きかかえると、満面の笑みで、(僕に向かって、)微笑み訊(たず)ねている、



「どうしたの?」



 と。




 散々考え込んだ挙句、イノシシ親子に向かって、



「どうしたんだろうねぇ?」



 等と訊ね返していても、当然答えなど無い訳で、結局、二人して(彼女らが存在する事の原因を)アレコレと推測して行くしかなかった。





曰(いわ)く、




「首輪がついてるんだから、人が居るんじゃないの? どう見てもコレ、飼いイノシシよ?」



「いや、相当古ぼけた首輪だし、お母さんにしかついてないし、何より人の気配なんて感じられなかったよ? 無人島である事は、ほぼ間違いない。」




とか




「ズバリ! 遊星から来た物体Xぅ〜! この可愛さで地球を侵略しに来たのね? 侮れないわ・・・」



「・・・違います!!」




とか・・・





 EVAチームに、新たなる戦士が加わって、キャンプ地(いかりけ)の周辺は途端に賑やかとなっていた・・・





イノシシ → 牡丹鍋 → ボタン

 ↓

 (葛城家・命名法則)

 ↓

 命名 : ボンボン (お母さんイノシシ)




 を筆頭として、2匹のうり坊兄妹( 『ピンピン!』と『プンプン!』 )が所狭しに駆け回る!






「見て、シンジ先生! この子、マッサージって言ったら、プルプルするわっ!? 面白〜い。次は、ラグビーボール・・・」






 アスカが(微妙に)何かを言っているみたいだったが、僕は全く気にしない事にした。




 気にしない事にするのだった・・・