NEON GENESIS
EVANGELION 2  #10  " Paradise Array "








 UBA特高警察庁・海上幕僚監部、サントス・バーズルドン防備部長


 軍事参謀委員会(UN-MSC)による一方的不公平裁定への不満を表明。統一軍事行動に関するA規約およびB規約(サンモリッツ宣言に基づいた建造割当(国連海軍所属艦)であり、リオデジャネイロ海備工廠において艤装工事完了までの進捗(しんちょく)が見られていた特装兵母ホフヌング(SCVE-10001、"hoffnung")級4番艦、エスペランサ(SCVE-10004、"esperanza")の受け渡し(調印)を拒否。諸問題が解決されない限り、これを自国国防艦隊の所属とする選択肢がありうる事を公言。




 国連軍事参謀委員会、オルブライト・エンガディン広報官(スポークスマン)談話


「我々は今こそサンモリッツ宣言の協同精神に立ち返るべきであり、一部諸国において中央軍事機構(UNF)指揮権(統制権を揺るがしかねない行為が頻発している事態に対して、重大な懸念を表明する。そもそも国連軍(UNFとは、3度の世界大戦と、2度にわたる使徒侵攻の反省に基づき、強力な中央集権体制の下、機動兵力の集中運用を理想とし・・・」




 UBA特高警察庁、フェルディナンデス・オノダ・イクハラ特高警察庁長官、UBAマラニョン州選出上院議員に対する国会答弁を要約


 特高警察は軍隊ではなく、統括特務部隊(POWERS)の統制権には属さないと言う予(かね)てからの非公式見解を重ねて強調。防衛行動は、軍事行動でなく、非常事における国連軍南米軍団(SASS)司令部との共同行動は、その設立趣旨からして些(いささ)かも矛盾するものではない事を改めて言明。





 戦略空軍(UNSF)・宇宙開発技術本部、アルフレッド・チェンバレン技術本部長(技術准将)の見解


「先の作戦(ODD)による連係型攻撃衛星網、A・L・Fa(アルファ)システムの損失率は91%の高きを計上し、この復旧は財政的に見て、きわめて困難である。使徒迎撃および航空統制に関する統括特務部隊(POWERS)の要望には、代替衛星では十分に応えられない」




 
2030/02/26


 UBA、ロシュフォール・カールマン第一大統領、特高警察庁提出による第二次人員増強整備計画に署名。予備役特高幹部・特高警邏官(将兵)に対するA級動員令、および陸・海・空・各実行力を使用した大規模行動(軍事)演習の本格化を承認。




 
2030/03/04


 EUチェコ政府、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて、贈収賄容疑で指名手配中の国際指名犯、ヤン・サーキス中将(UNF/EUSS)の身柄引き渡しをUBAに要求。




 
2030/03/05


 UBA国務省(連邦公安警察)、国際犯、ヤン・サーキス中将なる人物は、存在しないと公式回答。同日、通謀利敵罪(スパイ容疑)により、235名の特高警邏官・非政府系民間団体(NGO)職員を一斉検挙。国連査察官(POWERS)、各国大使館付武官・副武官等を含む36名の外国人に対して、24時間以内の国外退去を命じる。




 
2030/03/06


 国際連合事務総局付、アレクサンドル・ツーロン首席補佐官、事実上の機能不全にまで陥った南米軍団(SASS)全傘下部隊に対する作戦指揮権への積極的介入代案を提唱。軍務局長、兼、統括特務部隊(POWERS)長、ウィルムット・カナン司令官を通じて、北米軍団(NASS)、阿州軍団(AFSS)、大洋州軍団(OCSS)、および対使徒同盟(AAA加盟各国政府に対して、使徒(ANGELS)に依(よ)らない、初めての統制権発動(C-801)を極秘通達。理論上の仮想敵国とまで看做されたこの動きに猛反発するUBA当局は、南米軍団(SASS)からの全派遣職員引き上げと、提供南米軍団施設(国連海軍ブエノスアイレス鎮守府国連空軍ブラジル(サンジョゼ・ドス・カンポス)航空総隊司令部、等)の接収を宣言。いわゆる南米問題の発生である。






 世界は動いていた。




 うねりを上げ、一個人では抗いきれぬほど、大きくに・・・