NEON GENESIS
EVANGELION2 (Zwei)







南太平洋上、OFT308−J2にて、再び高エネルギー反応!!





目標健在!!  北上っ!!  オブジェクティブ・ディメンション・パワー(ODP、さらに増大していますっ!! 直接的な効果はありませんっ!!







「馬鹿な!?  この世の中に『Super N2 ( " Angel Buster " )』の効かん敵など存在する訳がないっ!! そうだろう? 有り得てたまるかっ! シミュレーション理論上は、アダムにも通用する破壊力なんだぞ、あの兵器はっ!!」









理論上はね・・・ だから言ったじゃないですか。効く訳がないと・・・









 司令部を机から見下ろす位置に座っているその男は、胸の十字架を触り続けながら、心の奥でそう呟いた。









巡洋艦高雄、駆逐艦春波消滅! 第三戦隊、第六戦隊、共に作戦行動不能!! 残存艦隊兵力指揮権、NASS/MPHQ(北米軍団・中部管区太平洋軍総司令部)に対し、譲渡されましたっ!! NASSは本国(米国)政府の意向を受け、第3次防衛ラインまでの後退を要望! 内閣府(かんてい)とは、既に合意済みですっ!!







「信じられん、これは何かの間違いだ! 」







MPHQ、OCSS/OASS(大洋州軍団・SS空軍オセアニア方面隊)に対し、支援要請!! 2陣待機中のポートモレスビー、ブリズベーン配備、両フォワード(JCA−F2・F/A2)部隊、ラインバッカー(JCA−A3)部隊、全機スクランブルッ!!







「そうだ。有り得る訳がないのだ。そうだ、そうに決ってる。こんな悪夢が・・・ こんな馬鹿げた事が、現実に目の前で起り得てたまるものか!! 使徒が消えるだと? 絵空事だっ!!」







「信濃司令、軍事参謀委員会のツーロン補佐官から連絡です、2番をどうぞ」







「何だと!?  こんな時にか?」









(こんな時だからに決ってるじゃないか・・・ 能無しが。 大体、あんたはこの大作戦が開始される前に何と言っていた? お前の機械人形の出番はない。特務の人間が、軍令に口を出すなど無礼極まる・・・ そう豪語していた筈だな、信濃司令? 賭けてもいいぞ・・・ その電話は、こうまで無様な失態をやらかした、あんた自身の解任の電話だよ・・・)









 ” Praying Doll ” 作戦の失敗以来、狼狽すること甚だしい国軍あがりのエリート司令官の背中に向かって、その男は、心の底から侮蔑の言葉を投げかけた。







攻撃衛星 AMERIA(アメリア)EMLシステム( Emergency Magi Link system )、最優先で確保! SS空軍の波状攻撃の後、ポイント38で攻撃開始!! 現存する出動部隊は、ポイント38から至急退避せよ!!





繰り返す!!  AMERIAの攻撃予定地点は、OFT308、ポイント38に設定された。予想される破砕海域は、8海里(n.m.)四方!! 現存する出動部隊は、至急退避せよ!!







「お待ち下さい、ツーロン補佐官!! それに、AMERIAなら・・・ AMERIAなら、必ずやご期待に・・・」







(・・・そえると良いですね)







 男は、この期に及んで、電話口で必死に自分の責任を転嫁しようとしている司令官の後姿に向かって、侮蔑の意思と表情をもう一度だけ浮かべていた・・・










NEON GENESIS
EVANGELION 2





Revival Monster
 
・・・
 
Starting Process ”














 西日が差し込み、部屋全体が明るくなってゆく光の中で、心地よい弦楽器の調べだけが静かに僕の心を満たしていく・・・





 ここは第三新東京市市立第壱中学校。そして、その校舎内にあっても、用のある生徒でもなければ、普通は絶対に訪れることがないであろう片隅の一室、音楽講堂(F塔104)・・・





 壱中と第3新東京市教育委員会の運営方針により、(名目上放課後の間だけであるとは言え)、地域住民との交流拠点として全開放されているこの学校施設の中にあって、僕は、今朝、コンフォートマンションを出かける時点では全く予想もしなかったような事態に陥ってしまっている自分自身の姿と言うものに、少々困惑の思いを隠くす事が出来なくなっていて可笑しかった・・・。






( おかしいなぁ。確かに、大和先生は、毎日、ここを開けておかないと怒り狂っちゃうほど、熱心な子たちがやって来るんだって言ってたんじゃなかったっけ? ・・・なのに、今日は一体全体、どうしちゃったんだろう? もうそろそろ下校時間の頃なんだけど・・・)







 昔から弾き続けているおかげで、すっかり得意中の得意になってしまっている J.S.BACH (BMV.1007) を奏で続ける僕は、職員仲間、昨日の大和ダイスケ先生のセリフを何とは無しに思い出す。





 そう・・・ 彼から唐突に出前を奢られながらに食べていたお昼休みのあの時間、僕たち二人は、確かこんな会話を交わしていた筈であったのだが・・・







『・・・悪い、碇先生。この通り。お願いだから、何にも言わないで、しばらくの間、内緒で音楽講堂の管理役を引き受けてくれないかなぁ? 放課後の・・・』





音楽講堂? 管理役? 何でまた、そんな・・・ あっ、そうか、そうだったよね。うん、いいよ、大和先生。分かってる。安心して、病院に行っておいでよ。子どもさん、元気に生まれてるといいね』





『いや〜、ありがとう。これだけが気になってたから、正直ほっとしたよ。持つべきものは、理解の早い友だなぁ、うんうん』





『どういたしまして。でもね、規則準則一直線の加賀主任(せんせい)の目を盗んでこっそりにサボりたいって言うんだから、この貸しは、とてつもなく高くなるよ〜 お昼を奢ったぐらいで許されるなんて考えない方がいいんじゃないのかなぁ、大和先生』





『そんな殺生なぁ、給料日前なのに〜 』





『ハハハ・・・ いや、ごめん、ごめん、冗談だよ。でも、ほ〜んと、大和先生も律義だよね。実際、こんな時ぐらい講堂を閉めて、こっそりと抜け出したとしても、地域の人は誰も怒らないんじゃないの? 本当の所、誰も来ないんでしょ? 音楽講堂?』





『いやいや、とんでもない、碇先生。居るんだよ、ものすご〜く怒っちゃうクラシック好きの生徒(こども)たちが。何でも市民コンクールが近いからって、放課後に限らず休み時間や空き時間でさえも、うっかり開けておかなかったとなると、後になってから、暴れるは、噛み付くはで、それはもう大変な大騒ぎ! 恥ずかしながら、今回、泣く泣く碇先生にお願いしてるのも、実は、加賀主任のお小言なんかよりも、よ〜っぽどその子ども達の怒り(うらみ)を買う方が恐ろしかったりするからなんだなぁ、これが・・・』





『へぇ、そうなんだ。知らなかったなぁ。ずいぶんと熱心な子ども達も居るもんなんだねぇ・・・ 一体、どんな子どもたちなの? 大和先生を震え上がらせている、その恐ろしい生徒達って?』





可愛いい外見に惑わされがちな、とんでもないグループ・・・ とだけ言っておくよ。だけど、うるさいだけあって、やっぱり演奏(じつりょく)は本物だと思うし、意欲があるんなら、しっかりと尊重してあげないとね? 僕は、たいてい控え室の方に居るけど、思わず手を休めて聞き惚れちゃうほどの腕前だもの。だからね、実際の話、その才能を伸ばしてあげるためなら、少々の我が侭くらいは我慢してあげるべきなんじゃないのかな? と僕の中のエセ教育家としての良心が・・・・・・』











 ・・・しかし、現状はこの通りなのである。







 なんとなくチェロを始めて、止めるきっかけのないままなんとなく続けていた才能無しな僕と違って、第2新東京音大出の本物の俊才、大和先生も密かに絶賛してしまうくらいの確かな腕を持った中学生のクラシック愛好家達・・・





 そんな彼らと出会える事を密かな楽しみにしていたこの時の僕は、西日が傾く今に至っても全く現る気配もない現実に、少しばかりに残念な思いを隠す事が出来なかったのだった。







(でも、まぁ、しょうがないと言ってしまえば、しょうがないのかな? 幾ら好きで練習しているからと言ったって、部活動(きょうせい)でもないんだし、何時も必ず練習しに来なきゃいけないんだって決りがある訳でもないんだし・・・)







 お近付きの印に・・・ と思って昨日から用意した机の上の手作りラムケーキを眺めつつ、今の段階では、そんなことを思わないでもない新任教師としての僕、碇シンジ・・・。





 何時の頃からだろう?





 僕は、予定通りに物事が運ばない事態には、すっかりと慣れっ子になってしまっていた。





 果たされなかった大事な約束が、僕の中には存在する・・・





 人の交わした約束に絶対なんて存在しない事を、僕は僕自身の言葉として知っているのだ・・・









( ん? 大丈夫だよ、アスカ。 ここに居る限り、僕はこれからもやっていけるさっ!! ここには僕たちの思い出だってあるんだしね)









 蝉の声が遠くに聞こえる、ある暑き夏の一日。





 西日が作り出す影が徐々に長くなっていく中で、あれ以来、すっかり思い出の中の恋人に語りかける癖が付いてしまっていた僕は、その面影がいつしか現実に存在する少女・・・





 琉条・アスカ・ホーネットへと重なり合って行く現実に驚きを覚えつつ、静かに・・・





 そう、とても静かに、その前奏曲(プレリュード)を弾き終えていた。
















 パチパチパチ・・・・・







「え!?」







 僕の演奏終了と共に突然、盛大に鳴り響く拍手。





 何故だか既視感(デジャブー)を感じさせるその展開に驚いて後ろを振り向くと、そこに立っていたのは、まさしく永遠のアスカの幻影・・・・・





 琉条・アスカ・ホーネット、その人だった。









「ふふっ、変態のわりには、いい音出すじゃない。私、ちょっとだけ、あんたのこと見直しちゃったかな? まぁ、だからと言って、あんたが変態であるという事実までは動かしようがないんだけどっ!」








 そう言って近づいて来る屈託のない笑顔まで、昔のアスカの姿と全く同じだ。





 かつて、子どもであった僕に向かって、そのチェロを初めて誉めてくれたアスカ・・・





 そして、その後の晩、何故だか、僕たちは戯れのキスをすることになる。





 とてもぎこちで、とても稚拙な・・・ 



 与え合う物が何も残らないような子どもじみたお遊びのキス・・・





 あの瞬間の僕たちは、結局の所、本当は何をお互いに求め合っていたのだろう?





 真剣にちゃんとしなければ・・・ と言う思いだけは、身の丈以上に大きくなってしまっていたお遊び(いたずら)だった気もするのだけれど・・・





「 ・・・ 何よう? 何、黙って見つめちゃってる訳ぇ? まさか変態エネルギーを全開にして、またまた学校の中でも、私を襲う気になんかなっちゃったりしてるんじゃないでしょうねぇ? もし、そういう気になってるんだったら、良い? 今度こそ警察へたたき出してやるわよ!?」





「ち、違うよ、琉条さん。それに、あの時のあれ(下着ドロ事件)は謂れの無い誤解だって、いつも言ってるじゃないか・・・ 犯人もちゃんと捕まえた事だし・・・」





「どうだかねぇ・・・ 」







 疑わしそうに僕を一瞥するアスカの表情に、僕はなんとなく話を転換させる必要性を感じた。







「そ、それよりも、琉条さんは、どうしてここへ?」





「もしかして、あんた教師のくせに、馬鹿ぁ? これ見ても分かんないの? 私だって弾きに来たのよ、この講堂に」







 そう言うと彼女は呆れた表情を浮かべつつも、楽器ケースからバイオリンを取り出して見せた。





 何とは無しに眺めてみると、そこにあるものは、使い古された一台の年代物のバイオリン・・・





 しかし、一見しただけで、よくよくに手入れされているという事が、この僕の目にもよく分かる。





 そして、アスカのその手慣れたバイオリンの構えを見るに及んで、流石の僕にも、なんとなくにピンと来るものがあった・・・。









(そうか、君の事だったのか。大和先生の言っていた音楽好きの生徒達の一人というのは・・・)








「今日は、C組のセイカが倒れちゃったりして、カリンと二人で家まで送るのにすっごく大変だったのよ! カリンは今日はもういいって言ってたけど、私はそれでも練習しておきたい気分になっちゃったもんだから、引き返してここへ来ちゃったの! あんた・・・ 痴漢をみんなに黙っててあげてるという借りが私にあるんだから、ちゃんと納得の行く最後の所まで、私に練習させておきなさいよ? ・・・でないと、ひどいわよ?」








 弓を振り回しながら、ブンブンと、そう早口で捲し立てるアスカの姿は、到底クラシックに縁がある少女のようには思えない・・・。






 僕は、こういう彼女が演奏したいと思っている曲とは、一体どんなものであるのか? という事に大変な興味を持って、その構えを眺め見ていた。






 おそらく演奏するのならビヴァルディあたりの楽しい曲なのかな?






 印象だけで判断した僕は、根拠もなく、そう思っていたものだ。






 しかし、目を閉じたアスカが静かに奏で始めた曲は、僕の予想を遥かに覆す、優雅でしっとりとするものであった。






 何処からどう見ても派手好きそうな彼女が最初に選択した曲は、何と、ウィルヘルミ (A.Wilhelmj)の編曲によるG線上のアリアだったのである。






 その上、強く、悲しく、激しく、儚くこの思いの他単調になりがちな主旋律を、素人モドキのこの僕にも十分によく分かるレベルで思う存分に表現し切っていた。






 これは、間違いなく演奏解釈者としてのアスカの才能なのだろう。






 思わず誤った先入観から導き出されつつあった彼女に対する認識を新たにさせられてしまった僕は、その主旋律につられて、ついつい自分自身のチェロの方を奏で始めてしまう・・・。






 すると、何故だか、才能以上の音色が作られていくような気分を僕は感じた。







 楽しい・・・  掛け値なしに楽しい・・・





 才能ある者にリードされた演奏とは、これほどまでにも楽しいものか・・・








 魅せられるように演奏を続ける僕は、その時、そう思った。






 ふと顔を見上げてみると彼女の方も、つられ始めたこの僕の様子を見て、心底、嬉しそうに笑っている・・・






 もしかすると彼女の思いも同じであったのかもしれない。







 そんな彼女と共にありながら、僕の頭の中には、赴任以来、短いながらも彼女と関わってきた学園の日々の出来事が思い出されて来た・・・







 唐突な出会い誤解





 授業中に視線が絡んだだけで、即座にアッカンベーの仕種を繰り返す彼女の姿。





 未だに僕のことを変態教師と罵って止まないけれど、気分次第では担任のこの僕に協力を惜しまない不思議な少女、
琉条・アスカ・ホーネット







 分からない・・・





 このアスカは、アスカであってアスカではない。





 転生・・・





 そんな非科学的な言葉を信じたくなるほど、彼女は、僕の愛したかつてのアスカに似ている・・・





 それなのに、同じ顔の彼女は、僕のことを知らないと言うのだ。





 僕の存在なんて、見たこともないと言うのだ。







 つらい、悲しい、心が痛い・・・







 その時の僕は、声にならない声で叫んでいることを自分自身で自覚していた。









『本当は、僕の所に戻って来てくれたんだろう? アスカ・・・』









 気が付けば、 向かい合いながらも彼女に対して何度もそう繰り返している自分自身の姿がそこにある。





 人はその気持ちをもって、女々しいと笑うであろうか?





 でも、その時の僕にとって、それは本当に正直な気持ちだったのだった・・・


















 永遠に続くかのように思われた二人っきりの演奏会 ・・・





 それは永遠に続けていたいと願う僕の内なる願望が、現象レベルで表出しているにすぎないものであるのかもしれない。





 しかし、現実問題として下校時間はとうに過ぎ、外は段々と暗くなり始めている・・・





 当然ながら、学校教育に携わる者の立場として、何時までもこのままの状態で放置して、ここに居続けて良い訳はなかった。









「さぁ、それじゃ、そろそろお開きにしようか、琉条さん?」






「えっ〜 まだ良いじゃない・・・ もう一曲行こうよ。せっかく乗ってきた所なんだからっ!」






「幾ら何でも、もう無理だよ。さぁ、早く帰り支度を始めて」






「 ・・・ 続けさせないと、みんなに痴漢の事を言いふらすわよ?」






「その手の脅しにも、もう慣れたよ・・・ さぁ、帰りは僕の車で送ってあげるから!」






「ぶー、ケチィ」









 目の前で頬を膨らませる14歳のアスカの姿に、微笑ましい思いを感じてしまう、28歳の僕・・・





 この時、僕は、あの時の加持さんが昔のアスカに寄せていた好意の種類とは、一体どういう類のものであったのか?という事を唐突に理解出来たような気がした・・・









「明日もあるんだからいいじゃないか、琉条さん。音楽室は逃げないよ。それにね・・・」







 楽しみは、先に延ばしておくほど輝きを増すんだよ・・・




 明日ある限りは・・・








 僕はそう言いかけた。





 しかし、最後まで言い終われない内に、その時、はっきりと体感出来る規模の地震が僕たち二人を襲う。





 何かがおかしい





 そんな気がしないでもない奇妙な地震であった。







 このザラッとした感覚は、あの時、感じたものに似ている







 アダムの創世・・・ 




 
第三衝撃 ( the Third Impact Crisis )








 14年前の終わりの始まりのあの時に ・・・









 あまりに馬鹿げたその考えを必死になって否定する僕の胸の中にはアスカが居た。





 必死に、僕にしがみ付いているこのアスカの様子を見て、そう言えば、あのアスカも地震にだけは弱かったなぁ・・・





 なんとなく僕はそんな事実を思い出した。





 それは、現状における不安感から、極力、逃避しておきたかったからなのかもしれない・・・。







「ここの所、また多くなったみたいだね。だけど、もう大丈夫だよ、琉条さん」





「・・・・」





「琉条さん!? 」





「ご、誤解なんかしないでよね。別に変態のあんたなんかに気があるわけじゃないんだから!」







 しがみ付いたままのアスカは、顔を真っ赤にさせながら、そう言った。





 おそらくは地震を怖がった事を照れているのだろう・・・





 僕はそう思った。





 しかし、それに続くアスカの言葉は、そんな呑気で軽い印象のものではなかったことを、この僕に教えてくれる。





 アスカの発したその発言は、傍らで聴いている僕の心を心底、慄然とさせるに十分なものだったのだ・・・







「 だけど、恐い! 恐いのよ! これは、ただの地震なんかじゃないわっ!! 上手く言えないけど何かが・・・ 訳の分からない何かが、今からここに来るのよっ!!」







 そう言うとアスカは、僕にしがみ付いたままに震え出した。






 漠然と感じる不安・・・





 他人に説明出来ないようなこの不明瞭な感覚を、このアスカは僕と一緒に共有している!?







 僕は戦慄にも似た衝撃を感じながら、いつしか本気になって、このアスカの事を抱きしめ守り始めていたのだった。










(Bパートに続く)