NEON GENESIS
EVANGELION 2  #9  " Turning Point "  side-C7










 長い暗闇の階段を一人で歩き、辿りついた明るさの中で僕が見たものは、今、まさに見たことも無い複数(六体)の
エヴァンゲリオンたちから狙撃されようとしたアスカ・ホーネットの姿だった・・・






 物を想うまでも無く、気が付かないアスカを庇おうとして、僕は駆け出している・・・








 撃たれた背中に痛みを感じても、それでも僕は彼女を守ろうとして必死になって前に出ていた。







 
もう二度と彼女を傷つけさせはしない・・・





 
逢えなく』なっても生きているなら・・・








 腕の中に抱かれた彼女の鼓動と息遣いを感じながらに、僕はそのような青年じみた直情をも同時に募らせた事だろう。







 だが、しかし、抱きかかえた彼女は、僕の目の前で
となって崩れ出した。







 両腕からすり落ちた彼女の
の中に佇む僕は、呆然として傍らの湖(みずうみ)を眺め見ている。







 片翼と首がもげている
天使の彫像が、こちらを向いて、その湖の中には建立されていた・・・










「寂しいの?」






・・・寂しいよ・・・






「悲しいの?」






・・・悲しいよ・・・










人が独りである事の意味を噛み締めながらに、僕は生きていた。








声無き声が問う






『君の望みは何か?』






と・・・








僕は、ただ






『可能性の未来なんて要らない・・・ もう一度・・・ 逢いたい・・・ 』








とだけ答えていた・・・








すると・・・












「フフ〜ン♪ 世話の焼ける・・・ それじゃあ、が出て行ってあげるしかないわよね? 馬鹿シンジ?」










 日の沈み行く黄昏時の湖岸にて、両手を腰に当て、必要以上に
胸を張る女性が一人・・・








 そのよく映える
青いチョーク黄色いワンピースに身を包まれた少女の名を、人は・・・







 人は皆、
惣流・アスカ・ラングレーと呼んでいた・・・












 (Dパートに続く)