21世紀の紅伝説(2004.11.28)

 さてさて、ようやくCrimson箱モノ企画が、届きました。
そう、21世紀版の紅伝説'The 21st Century Guid To King Crimson Volume One 1969-1974'、邦題はなんと'真・紅伝説 21世紀のキング・クリムゾン・ガイド Vol.1 1969-1974'なのであります。
ここのところ、DVD、そんで箱モノに会わせるように再開された日本仕様のコレクターズシリーズと、例の新編成のCrimsonの新譜はまだまだながら、ファンの財布を襲う企画が目白押し。
今回は、そんな箱モノ、旧紅とはまた違った構成、収録曲となったその姿をレポしようと思います。
んでわ(^^)/。


 今回の箱モノ、当初は旧紅の再発との話もありましたが、紆余曲折のすえ、まず旧紅では収録されていたDiscipline Crimsonの音源を外し(Discipline Crimson以降がVolume 2となるのでせう)、1969年の'宮殿'から1974年の'Red'までの音源で構成、加えてライブ音源もここのところのコレクターズクラブ音源やその他オフィシャルリリースのライブ音源を使用して1969年〜1972年版、そして1973年〜1974年の音源の二種類に分割、結局計四枚のCDに収まる事となりました。
そんでもって一番の注目点は、これまで行方不明と言われてきた'宮殿'のオリジナルマスターテープが発見され、それを始めて使用した事、1974年のAugsburg音源からインプロビゼーションナンバーが収録された事等々、単なる旧紅の焼き直しに終わらない、なかなか充実したものとなっているのです。
残念な点は、旧紅LPジャケサイズのボックス、そして同サイズのブックレット付属というような大箱ではない点と、日本盤とUS/UK盤で体裁が違う事ってところでしょうか??
まあ、旧紅のサイズだと、1980年代のようにレコード陳列が可能だったレコードショップならまだしも、今の時代のCDショップでは場所ばっか取ってしょうがないでしょうから、致し方ないかと。
(ちなみに、CDが出始めた当初は、米国ではまだアナログ盤の陳列ケースが殆どだったので、米国のCDは外装パッケージを使用してLPと同じ高さにして陳列していたのは有名なお話ですが....)
ただ、日本盤とUS/UK盤が体裁が違うのは、困ったもので、マニアの方々は皆、仕方なくお布施に走ったそうです。
今回の盤は日本盤とUS/UK盤で収録曲が違うなんて事がないので、まあ二つは良いかってあきらめがつくのが、せめてものなぐさめですかね??(商売の仕方がなー.....)


1969 - 1971もしくは1972....

 さてさて、内容について書かないと行けないですね(^^)。
やはり今回の一番の目玉は、'祝、宮殿オリジナルマスター発見!!'でありましょう。
実際、聴いてみると、前回のリマスター盤とは、まったくの別物の音です。
特に、前回のリマスターでどうしても人為的に細工をしなければならなかった左右の音量差を埋めるためのイコライジング作業ではありましたが、今回はそんな事、まったくしてないみたいでして、非常に自然というか素直な音になってます。
確かにデジタルリマスタリングのせいで、中域のアナログ特有のくぐもり具合がクリアになりすぎている気も無きにしもあらずですが....
また、前回のリマスター盤で指摘した'21st Century Schizoid Man'の冒頭のSEと本編がなんか離れた感じもなくなりましたし。
ただ、'I Talk To The Wind'と'Epitaph'のクロスフェード問題は同じ感じでした。
多分、曲単位に切り出してリマスタしてまたくっつけているんで、これはどうしようも無いのかも....
ただ、ある人が指摘しているように音の鮮度は非常に良く、少なくとも筆者が聴いてきた'宮殿'の中では(ピンク盤、聴いた事ないんだよー!!)抜きんでた出来ですな、これ。
一応、このオリジナルマスターを使用した'宮殿'の再発も行われるとか....これは買ってもよいなと。
それに相変わらずブツ切りの'Moonchild'も完全版聴きたいしねー??
(まあ、旧紅よりは切り方はマシと言えばマシになりましたけど^^)
さて、そんなDisk 1'In The Studio: 1969-1971'、他の収録曲はと言えば、'Poseidon'や'Islands'をインストエディットにするとか(無茶するなー^^)、'Islands'のリマスター版で再登場したオケとのリハ部分を収録したり、でも一番旧紅と違うのは、Gordonの歌と演奏が復活したとこですかね(^^)。
さて、Disk 2'Live: 1969-1972'については、既発音源で構成されているので、特に新しい発見はございません。
まあー、まとめて聴くのには便利かと。
あ、でもIslands Crimson版の'21st Century Schizoid Man'が、あの'21馬鹿11連発'版みたいにインストのみってのは、これもやっぱ無茶してる??


1972もしくは1973 - 1974....

 で、お次は、所謂後期Crimson、そうLark's Crimsonの音源達です。
Disk 3'In The Studio: 1972-1974'については、特に変わった面はありません。
まあ、強いて言えば'Lark's Part-1'が編集版だけど、意外とまともなこと、相変わらず'Starless'は短縮版ってとこぐらいですか??
で、未発表音源一曲を加えたDisk 4'Live: 1973-1974'でありますが、こちらはちょこちょこ新しい発見があります。
一部でAsbury Park版の'Easy Money'完全版??と騒がれた'Easy Money'は、結局クレジットもちゃんとあるようにAsbury Park版とProvidence版の合体版でありました。
Asbury Park版、この後どうなっているの??って話は良く聞きます。
例えば、このままインプロに雪崩れ込むとか....でも多分、正解は、この後、ちゃんと後半のボーカルパートに戻るのでしょうな。
実際、ブートでこの展開、聴いた事ありますし、ですんで、確かに無理矢理ではありますが、今回Providence版を繋げたのは、まあ、それ程展開的には間違ってはいないかと。
これは筆者の想像ですけど、多分、Asbury Park版、フェイドアウトの直後にテープ、切れちゃったのではないですかね??
Crimsonのハーフオフィシャルの音源で、そうゆうケース、良くあるでしょ??そんな感じ....
それと、'We'll Let You Know'、'Starless and Bible Black'で使用したGlasgow音源まんまなのかと思ったら、スタジオでカットしたインプロのしっぽ付きであります。
あ、未発表音源の'Improv: Augsburg'は、多分この盤でくっつけたように'Exiles'に入る前のインプロじゃないっすかね??似たようなパターンで'Exiles'に入る音源、聴いた事ありますし....
あ、スタジオ処理無しの'Providence'も、意外な掘り出し物??。
こちらも、スタジオで削ったインプロのしっぽ付きであります。


 さて、今回は、'The 21st Century Guid To King Crimson Volume One 1969-1974'をお送りしました。
旧紅の装丁に比べると、ちょっと落ちますが、内容的には非常に充実した箱モノと言えますね??
次は'Volume 2'としてDiscipline Crimson以降の音源が出る筈ですけど、さてどうなることやら....
あ、それと来年はようやく新ラインナップのCrimsonが活動を始める筈です。
Tonyの参加は吉と出るか??凶と出るか??
そっちの方も楽しみですよね??
んでわ、また(^^)/。

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