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THE CONSTRUKCTION OF LIGHT JAPAN TOUR 2000 総括(2000.10.23 2000.10.25追記)

Tour Pamphlet 'THE CONSTRUKCTION OF LIGHT JAPAN TOUR 2000' 10/1516の中野サンプラザ2Daysをもって終了し、ほぼ一週間が経ちました。
今回のツアー、結局SOLD OUTとなったのは先日レポートした渋谷公会堂の10/7だけのようです。
まあ、それでも各会場、皆一様に盛り上がりを見せていたようですし、欧州ツアーのようなカメラや録音機材が発覚(まあ、日本公演でもがんばっているブートレガーやテープコレクタは多分居たのでしょうけど^^)、Fripp翁の逆鱗に触れて公演中止なんて事件は無かったのは良かった、良かったと....
ただ、Adrianの体調が今一つと言うことや、演目を前回のツアーから入れ替えたりしたこともあってか、演奏のほうは出来不出来があったのも事実です。
まあ、さすがに某氏のように全日程おっかけ状態などという荒技は筆者には出来ませんでしたが、そんな'THE CONSTRUKCTION OF LIGHT JAPAN TOUR 2000'をとりあえず筆者も三公演観たので、それなりにツアーを総括してみようかと思います。
とりあえず、10/3のホールツアー初日の横浜/神奈川県民ホール10/7の渋谷公会堂レポート済みですので、今回はまず、中野サンプラザ2Daysの初日10/15の様子をレポートすることにしませう。
では(^^)/。


 10/15の中野サンプラザ公演は、残念ながら外は雨模様ではありましたが、当日券を求める方々も居て、さー二度目のSOLD OUTなるか???と期待したのですけど、残念ながら二階席は正直埋まらず、一階席の後方も空きが観られる、まあ八分入りと言ったところでしょうか??
会場にダフ屋の姿も見られましたが、正直あまりおいしい商売にはなってなかったようです。
(アリーナ席やその後ろ当たりはかなり高額で取引されていたとの話もありますが....)
ちなみに前回の来日(ダブルデュオの時)では、ダフ屋の数も今回とは比較にならない人数が出ていましたけど、今回は、ダフ屋にとっても空振りだったようです。
まあ、あんまし演奏に関係の無い話は置いといて(^^)、会場に入りますと横浜の神奈川県民ホール同様、正直この小屋は今回のツアーでは大きかったのかな??とも思えます。
ステージのセッティングや照明、それに効果のギミックのセッティング、PAともに今回のツアーでは常に同じ形態で使用されたわけですけど、中野サンプラザのステージを考えると、かなりこぢんまりした感じに見えます。
(渋谷公会堂の大きさがこのセッティングでは限界かも知れませんね....)
さて、いつものようにPA及び照明コンソールに置いてあるセットリストを見ますと、例によって曲目は日替わりメニューでして、加えてKrimson Newsで既報のとうり、'ProjeKct D(DUO)'がセットリストに載っていました。
この曲は、ツアー途中から加わったインプロナンバーですが、筆者がそれまで観た二公演では演奏されていませんでしたので、ちょっと楽しみが増えたな??といったところでしょうか??
ただ、曲数を数えると先の渋谷公会堂のセットリスト(10/7)よりは多いのですけど、ホールツアー初日の神奈川県民ホールのセットリストと比べると二曲も少ない...
またAdrianの調子が悪いのかな??またこのリストからも曲数が減るのかな??などとちょっと心配しながら、自分の席に戻ります。
10/7の渋谷公会堂は何故か無茶苦茶な席だったのですけど、今回の中野サンプラザはアリーナ席のちょっと後ろと神奈川県民ホール同様前の方の席が確保出来ました。
ただ、神奈川県民ホールはFripp翁よりの席だったのが、今回はAdrianTreyよりの席と10/3とは違うポジションだったのは、ちょっとうれしい事でした。
さてステージの方は定刻より少し食い込みましたが大きな遅れもなくスタート。
(今回のツアーは、ステージ開始が極端に遅れるケースはまったく無かったようです。この辺の律儀さは好感が持てる事ですよね???どうも外タレって時間遅れようが関係無しって奴ら、未だにいますからねー)
オープニングは'Vroom'です。
このトップがインストだったのが、ちょっとAdrian体調不良??と思わせる感じもしたのですけど、Adrianのプレイや顔色も見ると大丈夫そうなので、ちょっとホッとしたりします。
さて、音のほうですが、この日のサンプラザではバランスが良かったように思えます。
元々、サンプラってのは音は良い小屋なのですけど、神奈川県民ホールの時はFripp翁の前のほうだと、かなりAdrianの音が聞きづらく、バランスが悪かったのですけど(渋谷公会堂のほうは後ろのほうでバランスはまあまあなのだけど、音圧が不足気味でした)、今回はAdrianの音が良く聞こえたのです。
どうもやはり今回のCrimsonが使用しているサウンドシステムがホールというよりクラブ向きのもののようで、ステージ上のモニタは自分以外のプレイのモニタ用で自分の音は自分のアンプやスピーカに頼っているようで、そのため逆に前のほうがモロにステージミックスの音になっちゃっていたのかも知れません。
別の方の同日のレポートでFripp翁方面の前のほうの席だとAdrianの音が聞こえないとの話がありましたが、どうもこれが原因のような気がします。
さて、演奏のほうはDiscipline Crimsonナンバーがこの後に二曲、そんでこの時気づいたのですけど、Treyの前のコーラスマイクは'Thela Hun Ginjeet'をやるときのみ必要というか使うのですね??渋公でなかったのは、単純に'Thela Hun Ginjeet'をやらなかったからみたいです。
あ、それと筆者の見落としでは無いと思いますが、Patのキットに小さなクラッシュシンバルが右側(リモートハイハットと垂直トップシンバルの間)にセットされていました。
多分、先の二公演ではセッティングされていなかったと思いますのでツアー途中から付け加えたのかな??


 演奏は'The ConstruKction of Light'、'Into the Flying Pan'と続き、何と次には'Larks' Tongues in Aspic Part W'。
当然、'Coda'付きですが、結局'Coda'は三公演中二回しか聴けませんでしたが、ボーカル部分はサンプラのほうが良かったですね。
そしてこの後、'
ProjeKct'が演奏されます。
TreyTouch Guitarを担いだまんまでAshbory Bassを弾いたり、ソロパートはFripp翁→AdrianFripp翁とまわしていましたが、この辺がインストナンバーを正規の曲に仕立て上げるFripp翁得意の前準備なのでしょうか??
演奏は'Oyster'からちょっとFripp翁のサウンドスケープ(??)を挟んで、難曲'
FraKctured'へ。
ここでちょっと珍しく、何とFripp翁がブレイクでフレーズをミスします。
うーん、Fripp翁、この曲ミスする事もあるんだなー??なんて変に感心したりして。
(結果、この日の'
FraKctured'はあんまし出来が良くありませんでした)
というか、やっぱあの曲、Trey+Pat+Fripp翁ではしんどいのかな????
この後、筆者は初聴の'
ProjeKct D'ですが、これが何とPatAdrianによるVドラムやパーカッションシンセによるガムラン風のデュオ演奏でした。
まあ、ガムランのスケールを弾くと大体ガムランに聞こえる(アラビアンスケールを使うとアラブ風になるのといっしょ^^)んですけど....
Adrianは途中でMS2000に切り替えてSEを交えながらの演奏となります。
さて、ラストはRed
さーお約束のアンコールですが、どーなるかな??と思っていたらセットリストどうりに'Three of a Perfect Pair'がAdrianのソロで演奏されて、ちょっと安心、これで今日は'Heroesも聴けるぞ'との気分になります。
この後はAdrian以外の三名で'
Deception of the Thrush'。
Treyのソロは初日からどんどん良くなっているように思えます。
再び、袖に引っ込んで、再度のアンコールに応えます。
ここでちょっと事件、当初のセットリストには無かった'Elephant Talk'が演奏されます。
うーん、Adrianの調子が良かったのか、メンバーの機嫌が良かったのかは判りませんが、こんなサービスはあったらやはりうれしいものです。
ただ、残念ながらAdrianの象さん声Guitarは今回も不発でしたが....
そして最後は'
Heroes'。
ここではTreyがBaritone Guitarを弾かず、Touch Guitarで通していたのがおもしろかった。
まあ、正直Trey、横浜ではBaritone Guitarでだいぶミスしてましたから、馴れてる楽器のほうが良いのでしょう。
終演後、例によってFripp翁がカメラ探しポーズで会場を見回しています。
演奏に対する反応も良かったので、メンバーも満足したのでしょう。
二度目のアンコールの'Elephant Talk'の追加や、終演後のメンバーの表情にも見て取れるところです。
うーん、渋公よりは満足、だけどやっぱホールツアー初日の神奈川県民ホールのほうが良かったかな??
やっぱ客の反応は横浜が一番だったし....
ちなみに翌日の最終日はセットリストを再び変更して、日替わり
Crimsonは最後まで続いたようです。


 さて、そんなこんなでCrimsonの二週間に渡る'THE CONSTRUKCTION OF LIGHT JAPAN TOUR 2000'が終了しました。
つまり、20世紀最後のCrimsonの日本公演が(多分)終了したわけです。
正直、この編成でどこまで出来るのか??という不安もありましたが、多くを求めれば限りはありませんが、現在進行形のCrimsonの姿を確認出来た事はうれしい事です。
Crimsonの場合、昔の曲と現在進行形の曲がバランス良く配置され、そして即興的なインプロが織り交ぜられるというスタイルが無理なく出来る、数少ないバンドだと思います。
(良く、昔の曲だけ要求されるバンドってありますよね??あ、CrimsonIsland Crimsonの頃はそうでしたね???)
まあ、ファンも大人になったって事なのかも知れません。
あ、それと、あるニュースメールで'Crimsonは曲を演奏したがっているのではないか??'というような発言がありましたが、これはそれを書いた人の明らかな勘違いです。
今回のダブルデュオは、それまでのProjeKctでのデジタルな世界での即興を、再びアナログな(人力的な)アレンジされた曲の演奏に戻したのですから。
つまり、まさに曲を演奏したのです。
それとCrimsonの場合、即興は昔から二種類あるのです。
つまり、まさにその場限りの即興、そして演奏するたびに曲の形となる即興です。
Fripp翁が曲の断片を実験するのはライブでの即興でした。
即興でFripp翁が用いたフレーズやメロディーがその後、曲となった事は多々あることです。
ちなみにUSAライブの即興'Asbery Park'で、Fripp翁が次のコードを'F!!!'と叫ぶのは、即興中にもそれを曲にしようとしている姿にほかならないのです。
多分、この姿勢はこれからも続くのではないでしょうか??
それと、'Heroes'の演奏にも賛否両論あります。
筆者はこの曲を演奏した事は驚きとともに賛成側に一票入れたいと思っています。
ただ、残念ながら現在のAdrianにはキーが高すぎるんじゃないかな???ってのもあるのですけどね。
そんなことに目くじら立てる必要も無いと思うんですよ、何か。
さて、今回のダブルデュオ、いつまで続くのでしょうか??
一応、この後北米ツアーが行われるとの事です。
ただ、出来うるなら21世紀最初の
Crimsonには、せめてTonyを加えた編成となって欲しかったりして....
(Billは現在のバンドに満足してるみたいだから、参加しない可能性は高いでしょうけど...)
そんな五人編成での
Crimsonに21世紀に会える事を期待したりして....
(とか言ってたら次回のアルバムで、メンバー総入れ替えなんて荒技を出しそうな気もしたりして....その辺、Fripp翁、ドライだからなー^^)

PS: そうこうしているうちにCrimsonの北米ツアーが始まりました。
なにやらセットリストを見ると、今回の日本公演に非常に近い構成のようです。
筆者は、今回のセットリストは日本向け??と見ていましたが、見事に裏切られました。
はは、日本はテストケースツアーだったという訳ではないでしょうが、日本での観客の反応を参考にしたのか、前回のツアーの反省なのか....
(2000.10.25追記)


King Crimson

Ticket 2000.10.03

Ticket 2000.10.07

Ticket 2000.10.15

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