Hyde Park再考(2000.06.25 2000.07.15追伸 2000.08.13再追伸)

 4月23日に、あの有名なStonesHyde Parkライブでの前座音源を紹介しました。
一応、筆者としては多分そーなんじゃーないか(ああ、自信がゆらぐ...)とも思いながら、心の隅では'もしかしたら....'なんて思っていると書いたのですけど、Boot関連の情報誌としてはGOLD WAXと並ぶ、beatlegが一頁を割いて解説をしております。
それを読んでいたら筆者も、もう少し分析しても良いかな????とも思いまして、再度Hyde Park音源について書いてみようと思った次第です。
では、言ってみませう。


beatleg 2000 Vol.10 August さてさて、実はGOLDWAXNo.62でも、再度取り上げたこの音源'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'について記載があります。
ところが、こちらは'あるところにはあるのですね'とかるーくいなしていて、音源の信憑性にはまったく触れていませんでした。
GOLDWAXの事だから、もうちょい突っ込むかな??と思ったのですけど、収録曲の頭五曲は確かに未発音源であるとのコメントのみでした。
何となく、GOLDWAXが突っ込まないのも、何となく逆にも取れてしまう気もしてしまいますね。
さて、それに対して、前述のようにbeatlegの方は、かなり細かく分析を行っています。

そこでの見解は、

  1. 冒頭二曲('21st Century Schizoid Man'と'In The Court Of The Crimson King')はほぼ間違いなくHyde Park音源だろう。
  2. その後の三曲は初登場音源ではあるが、ちょっと怪しい。
  3. 何故かと言うと、冒頭二曲と音が違う。
  4. 死者(Brian Jones)の追悼コンサートで'誕生日おめでとう'などと言うか??普通???
  5. 五曲もやれるほど、時間は与えられてない筈だ。

の五つにまとめられましょうか???
(あ、beatleg 2000 Vol.10 August号は、まだ書店で入手可能な筈です)
で、これを読んで、ふーむ確かに一理ある部分もあるなー???と思ったわけです。
ただ、全部を信じるのも何ですし、筆者の知りうる限りの情報を(そんなにあるか???)駆使して、もうちょっと深く分析してみよーか??と思った訳なのです。


in support of their satanic majesties(hyde park '69) このHyde ParkコンサートではCrimsonの登場は午後二時近くだったと言われています。
ちなみにメインアクトであるStonesの登場は午後五時過ぎだったそうです。
このコンサートは、前回書いたようにThired Ear Bandが客入れバンドで、その後Crimsonが登場、その後Batterred OrnamentsAlexis KornerFamilyScrewの四バンドが前座として約三時間強を務めたわけです。
と言うことは、セッティング変更を含めて一バンドに与えられるのは40分弱となります。
そうなると実演奏時間は曲間の調整やMCもありますから実質30分程度と考えるのが妥当なところでしょう。
さて、前回も書きましたが残念ながらHyde Park音源と言われる部分を合わせると約40分になります。
と言うことは、当然、時間オーバーとなってしまうわけで、前述の五番目の指摘は、あながち間違った指摘でもない事になります。
と言うことは、やはり五曲全てがHyde Park音源では無いと見るのが妥当なのでしょうか???
まあ、一番の問題はこのHyde ParkコンサートでのCrimsonのセットリストが残っていないので、演奏した曲を特定出来ないって事にあります。
ちなみに、様々な昔の記事の記述を見ると'21st Century Schizoid Man'、'War(Mars)'の二曲が演奏されたのはほぼ100%間違いないところです。
又、今回の音源の'21st Century Schizoid Man'に続く形で収録されている事から、まあ音源がまさにHyde Park音源であると仮定すると'In The Court Of The Crimson King'も演奏されたと見て良いでしょう。
そうなると、問題はやはり'Get Thy Bearing'と'Epitaph(-Mantra-Travel Weary Capricorn-Happy Family Riff)'の二曲が演奏されたのかという点に尽きるわけです。
で、そこで問題になるのが、冒頭二曲との音の違いなわけですけど、beatlegでは屋外から突然屋内に演奏場所が移ったようだとの指摘がありますけど、これはどうかな??という気もします。
どちらかというと、冒頭二曲と同様のレコーダを操作していると思われる時の音の入り方なんかは、差程変わらないようにも思えますから、この音の変化がもしかするとマイクの位置や方向にあると考えてもおかしくないとも思えません???
ちなみに、音の変化は、実は冒頭の'21st Century Schizoid Man'の音切れ前後でもあるんですけどね。
但し、beatlegの指摘にある、'お誕生日おめでとう'発言に対する見解は、一理あると思うのです。
まあ、Gregが某国の某森首相みたいに'あ、失言しちゃった!!!!'とか国民性の違い(??)などということもあるとも無いとも言えません。
ただ、この'Epitaph(-Mantra-Travel Weary Capricorn-Happy Family Riff)'のセット部分は、逆に時間を考えてコンパクトにまとめたセットだと言うことが、逆にHyde Park音源らしさを醸し出しているというのは、前回書いたとうり。
それと、'War(Mars)'も今回の音源では疑われている部分ではありますが、音切れの繋ぎの部分をどう見るかでしょう。
実はいつものように長い演奏をしている別音源をぶちきって三分バージョンにしたんじゃないかとも見て取れる音切れがモロにあるのですけど、これはどうでしょうかね??
ただ、切れる前後の音質は実は変化があります。
二台のレコーダーをまわしていて繋いだとか、同日の別音源を繋いだとも考えられなくもありませんが、ただこの三分バージョンの'War(Mars)'を聴いて、筆者は逆に時間オーバしたところで巻きが入ったんじゃないか??とも思えてしまうのです。
ちなみに、演奏時間についてはStonesの登場が午後五時過ぎだった点から見ると多分2030分は押した、そしてその原因がトップで演奏したCrimsonだったというのは考え過ぎでしょうか??
Crimsonの場合は一曲の演奏時間が長いのですけど、他のバンドはまだ三分で一曲のスタイルだと思えますので、逆に8曲程度演奏するという形式を取っていたと考えるとCrimsonが、40分演奏したとしても意外と不思議はないかも知れません(ただ、それが事実であれば、周りからかなり反発を買っても不思議は無いのですが....)。


 さてさて色々書いてきましたが、結局真相は藪の中というのが本当のところかも知れません。
前回分に後日追記したようにDGMコレクターズにHyde Park音源が追加される事が確実(夏〜8月頃に登場しそうです)となりました。
結局のところ、これが登場しないと真相は判らないのでしょう。
ただちょっと気になるのは六月後半になっても未だ収録曲がDGMのサイトに掲載されていません。
筆者の予想では、例の'ファンから貰った音源('21st Century Schizoid Man'のライブが未収録で代わりにスタジオ音源が加えられているという奴)'を使用するのかな???とも思ったのですけど、やはり今回の音源が使われる可能性も高いのかな???
まあ、ツアー中だからFripp翁が作業が出来ないって事もあるのかもしれんのですけど.....

PS: ハハ(^^)、ついにDGMサイトにHyde Parkライブの収録曲が公表されました。
予想どうりというか、何というか、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'のHydePark公演部分とまったく同じ収録曲です(^^)。
('impro'となっているのは、多分いわゆる'Happy Family Riff'でしょう)
これで演奏された曲目ははっきりしましたね。
後は、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'の正体が、Boot業者が演奏曲目を知っていて、それに合わせて色んな音源をくっつけてでっち上げたのか??それとも本当にHyde Park音源なのかってところですけど、DGM音源が手に入れば、どうでも良い事になっちゃうのかな??
まあ、DGMコレクターズクラブに入っている人は87日を指折り数えて待って、それ以外の人は日本版が出るのと待つとしましょうか??
でも、今回のDGM音源の基は何なんでしょうね??
Fripp翁所有のファンから譲り受けた音源か??はたまた所謂日本人のスパイ(??でも、この人物、ファンは誰だか殆ど知ってるんじゃない??スパイと言うには正体がバレ過ぎていません??)が送った、つまりここで紹介したScorpio音源なのでしょうか??
次の興味はそこに移ってきましたねー(^^)。
(以上、2000.07.15加筆)
PS2: 既に'Krimson News(King Crimson News Site〜日本語版'でも伝えられているように、Hyde Parkライブが当初の87日配布開始から、815日(一度は814日ともなっていましたが....)配布開始にディレイしちゃいました。
何か、DGMに第一期Crimsonのメンバーから第一期のこれまで、そしてこれからのライブマテリアルの配布/販売を中止するように要請のFAXが入ったそうですね??
Fripp翁は、FAXの主に対して公の場(DGMのゲストブック???)で自らの主張をすべきとDiaryにも記していますけど、その後どうなった事やら???
クレームを入れた元メンバーって誰でしょうーね???
多分、あの人だとは思うのですけど、憶測で書くのもマズイので、ここではこの程度にしておきましょう。
(とりあえず、Fripp翁とライナー担当の方は対象から外して良いのかな??)
でも、もしこれで配布中止になると、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'って、また貴重な音源として生き延びちゃうのでしょうかね???
(以上、2000.08.13再加筆)

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