ProJeKct ZERO ≒Crimson〜ProjeKct One & ProjeKct Two(99.03.22)

 何か知らないけど、また仕事が忙しくて更新の間が空いてしまいました。
本当は、今回のこのタイトルも先週にはアップ出来るかと思ったのだけど、やっぱし世の中、そううまくは行かないものです。
さて、今回は、既に'99年2月に市場に出回ったのだけど、ともにライブ盤が発表された'ProjeKct One'と' ProjeKct Two'についてのお話です。
では。


ProjeKct One '97年初頭から、現在のCrimsonのメンバーが数人でユニットを組み、ライブやレコーディングを行うという、'ProjeKct'シリーズ、その一番最初のきっかけとなった'ProjeKct One'のライブ音源がついに発売されました。
何せ、2年も前の話で実際は後述のように、既に'ProjeKct Four'が活動を終了、'ProjeKct Three'が3月にはライブデビューを果たすとの事だから、ちょっと旬を外している気もしないではありません。
ちなみに、このライブ音源は既にライブが実際に行われた'97年の時点で、パイレーツ盤が出回っていたのだけど、筆者は多分、音の良い正規盤が出るなと思って手を出さなかったら、前述のように2年近く待たされちゃったと言う訳です。
この'ProjeKct One'は、ライナーや既報の記事にもあるように、まさに一発勝負のフルインプロビゼーション。
とにかく中身が濃いというのが第一印象。
面子は、Fripp翁Trey Gunnがフロントマン、リズム隊がTony LevinBill Bruford
一応ライブを収録した場所はLondonJazz Cafeなのだけど、リズム隊はもう変拍子は当たり前、シンコペーションもアクセントも意図的にずらしっぱなし、その上を上物としてFripp翁Trey Gunnが飛び回る。
おもしろいのは、Fripp翁Guitarが'70年当時の演奏に先祖帰りしているところ。
'80年代スタイルは、やはり完全なアレンジの下で初めて効果を発揮するから、こうなったのかな??と言ったところか??
'90年代スタイルのサウンドスケープもひかえ目なのも印象的。
ちなみに、ブックレットにはBill Brufordのインプロビゼーションに対するコメントが書かれているのだけど、これを見ても判るように、この'ProjeKct One'を引っ張っているのは、やはりリズム隊なのだな....と思え、逆にFripp翁の統制下での演奏でなかった訳だ。
まあ、こんだけしっかりしたリズム隊が好き勝手にやっているのだから、上物担当も大変だろうな....
そう言えば、何故か判らないのだけど、ブックレットに各メンバーの使用機材が紹介されているのだけど、何故かTonyの機材の記述が無いのは何故だろう......


'ProjeKct Two'
 さて、結局音源の発売からいくと、先の'ProjeKct One'よりも先行した'ProjeKct Two'のほうは、'98年前半に行われた日本及び北米ツアーからの音源である。
音のほうは、先に発売された'ProjeKct Two'名義の'SPACE GROOVE'で披露されたスタイルを、ほぼそのままライブで再現(再演ではない)したと考えれば良い。
面子はFripp翁Trey Gunn、そして'SPACE GROOVE'でも話題になったAdrian BelewV-Drumsがリズムを担当している訳だ。
V-Drumsをかなり効果的に使用してはいるのだけど、リズム隊をAdrianが一人で受け持っている事から、ちょっとリズムのバリエーションに欠けているなーというのが正直なところ。
確かに、V-DrumsKickとシンセベースを連動させての一人ドラムンベースなんてのはおもしろいのだけど、やっぱ先のTony&Billのリズム隊のおもしろさには敵わない。
それと、先の'SPACE GROOVE'が殆どノンリハ一発録りだったと言われているけど、このライブを聴くと以外にその一発録りのアイディアが随分垣間見られて、一部の報道にあるように、この'ProjeKct Two'の場合はフルインプロビゼーションではなくて、作曲やアレンジが施された部分がかなりあるというのが、本当のところじゃないだろうか??
ちなみに、多分Fripp翁の好みは'ProjeKct One'よりも'ProjeKct Two'なのだろうな.....
さて、この'ProjeKct'シリーズ、既に昨年秋から冬にかけての'ProjeKct Four'(面子はPattoGunnTonyFripp翁)を終えて、一度は蹴飛ばされた筈の'ProjeKct Three'(面子はPattoAdrianGunnFripp翁)が'99年3月から活動を開始する。
結局、この'ProjeKct'シリーズも売れっ子6人がなかなか集まってCrimsonとして活動が出来ない事がきっかけになったのだろうというのも、意外に間違いでは無いと思う。
事実、本来は結成30周年である今年はCrimsonとしての活動をする腹づもりもFripp翁にはあったのだろうけど、結局、Billのスケジュールが'99年9月まで埋まっている事から、その間をBill抜きでリハをやっているというのは言い過ぎか??
(実際、Fripp翁Bill抜きのCrimsonも考えたらしいが、他のメンバーの反対でそれは取りやめとなっている)
まあ、来る2000年に'ProjeKct Zero'がCrimsonに化けるのを期待しながら、指折り数えて待つとしますか.....

PS: てな事を書くのが遅れたら、Crimsonの歴代のライブ音源によるベスト盤が発売されちゃいました。
当然、入手しましたが、いやはや結局発売されていない'Earth Bound U'用の音源らしきものも入っていたり、未発のインプロ等、意外に手強そう......
でも、インターネットのみで発売されるという音源は、本当に日本だけ正規盤で発売されるんだろーか......
PS2: おいおい、アカデミー賞の中継見てたら、Peter Gabrielが出てるよ。
何、Pianoを引いているのはランディーニューマン!!!!
あ、頭剃っちゃってるよ。
新譜は、もうすぐかな....Peter....

To Crimson