最近、自民党の総裁選やら、乱高下する株価やらと、なかなかにぎやかなものです。
でも、昨日(4/15)にTV番組'サンデープロジェクト'を見てて思ったんだけど、ホント田原総一郎って、自分の番組で話題を造ろうとするのが好きですねー??
まあ、橋本さんは、はっきし言って何聴いても、気の利いた答えが返ってこないのは判るけど(ヘタに話をさせると危ないのかな??)、総裁選をちょっと混乱させようと思っているのか、発言を殆ど亀井さんと麻生さんに振って、小泉さんには話す機会を与えなかったのはねー。
まあ、あの二人の主張が取り上げられる事が少ないから気を回したってのも考えられますけど、何せ間接的に'加藤の乱'を潰した人ですからねー??それに野中さんとも仲良しだし。
あ、そんなことは余計な事ですね??
今回のテーマは、来月から鳴り物入りで始まる筈のW-CDMA、NTTドコモさんの'FOMA'についてお話しようかと思います。
実は、先週、CISCOさんの'Cisco Wave'が幕張メッセであったのだけど(何と、これまでプライベートショウだったのが、日経がバックに付いて完全なパブリックショウになっちゃいました^^)、そこで'3G'、所謂次世代携帯電話をテーマとしたパネルディスカッションがあったんですが、そこにはNTTドコモ、J-Phone、KDDIの三社のお偉いさんが揃い踏みしたんですけど、プレゼンでは威勢の良い話が、パネラーに話を振られると、意外と弱気な本音をポロポロ言っちゃってたんですな、これが。
で、そんなパネルディスカッションを肴に、'3Gの未来'と題してお送りしませう。
では(^^)/。
iモードは予定外??
いやー、携帯電話の普及は凄いもんです。
携帯とPHS合わせて6000万台越えちゃったそーで、二人に一人は携帯かPHSを使っている勘定になるそうです。
そんななか、絶好調なのはiモード。
メールの文字数が少ないとか、何に使うんだとか言われながらも、何と契約者数が2000万人と。
特にここ一年の増加は凄んごい勢いです。
出始めて、一年くらいですか??経ってから、サーバの不備やら、元々の普及台数の読み間違いなんかもありまして、トラブルでかなり叩かれましたが、そんな事はどこ吹く風、何せ、今ドコモさんの現行製品、プリペイド端末以外はみーんなiモード端末になっちゃいましたしね。
先日のパネルディスカッションでも、iモードの普及を随分とNTTドコモさん、自慢気に話されていたんです。
で、ドコモさんの戦略としてはPDCからiモード、そしてFOMAへとの流れを狙っている訳ですが、どーもドコモさんも、それがうまくいくとは、あんまし思って無い節もあります。
何せ、元々W-CDMAまでの繋ぎの役割だった筈のiモードの爆発的な普及は、ドコモさんの考えているペースを大幅に越えていますから、その為の設備投資も当然、必要ですし、iモード向けのコンテンツの整備も必要なわけで、予想外の投資を強いられているみたいなんですけど、この後のFOMA、つまり次世代携帯電話の為の投資はそれを遙かに上回る投資規模なんです。
それに、ペースとしてW-CDMAデビュー直前に、こんだけiモードの契約数が増えちゃってますから、W-CDMAが霞んじゃってるんです、世間では。
それもあってかNTTドコモさん、FOMAの全国カバーの目標時期を2004年頃に設定している訳なんですけど、最初は東京や大阪の都市圏だけの運用開始なんですね。
まあ、iモードの機能なんざFOMAと比較すれば、蟻と象の関係ぐらいな訳ですから、iモードの機能なんかいくらでも盛り込めるわけですけど、でもFOMAのキラーアプリってiモードのキラーアプリと意外としばらく大差が無いような気もするんです。
確かに静止状態なら384Kbpsの通信速度(所謂ISDNバルク接続(6B接続ですね)ベースでのTV会議がきちんと動く速度です)が出る事から画像転送なんかに期待が懸かる訳ですけど、画像転送がそんな重要な機能に当たるかどうか、ちと疑問なとこありません??
それと、どうしても携帯電話ですから液晶の大きさに制約がありますから、画面上の表現方法がiモードと次世代携帯電話で大幅に変わるかどうかも疑問なわけです。
確かに、高速な通信は大容量のデータを短時間で送りこむ事を可能にします(でも、それは逆に受信する端末側に大容量のメモリーを必要とします)し、これまでのiモードの9600bpsのちまちました速度なんかよりは早いほうが良い事に決まってますけどね。
で、そうこう考えると、人口カバー率がよっぽど上がって、しかも端末の値段が安くなり、そして何より当初はiモードやPDCに比較すると高いであろう通信料の問題なんかが解消されないと、FOMAってなかなか普及しないんじゃないでしょうか??
そう、iモードがこんだけ普及したおかげで、PDC→iモード→FOMAの流れって、iモードで詰まっちゃう可能性がありそうなんですよ、これ。
cdma2000は救世主になれない??
今回の次世代携帯電話のリリースで、一番遅い参入になるのは、KDDIさんのcdma2000です。
基本的に来年にならないと顔見せはしないそうですけど、これっていわゆるcdma-Oneの苦戦も原因みたいっすね。
KDDIさんの戦略はデジタル機からcdma-Oneにユーザを誘導して、それとともにcdmaの中継基地への移行を進めて、スムーズにcdma2000に繋げるって奴でした。
KDDIさん、途中W-CDMAに浮気しようとしたりしましたが、結局はcdma2000に路線を戻した訳ですけど、それって先に導入した1.5世代といわれるcdma-Oneの設備投資を有効利用(cdma-Oneからcdma2000の移行ってW-CDMAよりコスト的には有利なんですね、これ)する戦略なわけです。
ところが、こいつにも落とし穴があって、現行ユーザを移行させるって事に着目していて、所謂シェアを守る戦略でして、事実、KDDIが苦戦しているのはシェアがなかなか増えないってとこなわけです。
先日、iアプリに対抗したJAVAベースの端末の発売を発表しましたけど、ちと苦しまぎれな感じもします。
(通信速度的にはcdmaOne、有利だからダウンロードサイズも大きいJAVAのアプレットを狙ってますけど)
まあ、J-Phoneの次世代携帯電話参入はNTTドコモさんよりは遅くなりますけど、KDDIさんよりは早くなりますが、現行の端末でも健闘してまして、先日、ついに登録台数は1000万台越えました。
ども、こちらも当初のW-CDMAへの期待より、慎重な感じになってますね??
さて、KDDIさんのcdma2000なんですけど、先にも言ったように現行デジタル端末からcdma-Oneへの移行と同じ事になりかねないかも知れません。
それと面白いのは、W-CDMAとちがってcdma2000は音声系の人口カバー率はかなり高い状態で提供開始出来そうなんですけど、データ系を別(HDRって奴ですか??)にするんで、そこがどう評価されるかでしょうね??
普及には五年は懸かる??
さて、最初にも書いたようにNTTドコモさんもFOMAの普及には三年は懸かると考えているようです。
たしかに、ドッグイヤーとかマウスイヤーなんて言われてはいますけど、新しい産業やサービスが本格的に普及するには三年懸かっても不思議じゃありません。
(ちなみに、ドッグイヤーとかマウスイヤーで世の中の流れが速くなっていると言いますけど、実はこれは新しい産業やサービス、製品が役に立つか立たないかの篩い分けが早くなったと認識すべきで、普及の為にはやっぱ時間がかかるんですよね??この辺、勘違いしている人、特にサルみたいなコンサルやエコノミスト、学者が多い事、多い事...)
でも、やはり所謂人口カバー率という使用可能エリアの広がりは大きなポイントじゃないでしょうか??
それと、次世代携帯電話で無ければと言うキラーアプリ、この二つが揃わないと、三年でもきついかも知れません。
(別にiモードやJ-Sky、EZWebとサービスやコンテンツが変わらなきゃ、気張って不便な端末に替える必要なんか、ないもんなー)
前述の二点が満たされて、初めて普及が始まると思いますんで、やっぱ五年は見たほうが良いのかな??
でも、そんな事してると、すぐに第四世代の携帯電話が生まれて来ちゃうでしょーね??
そんなこんなで考えていると、3G(次世代携帯電話)の未来も、そんなに明るくないのかな??
NTTドコモさんは、3Gを最初はビジネスユースでの普及を狙うと言っています。
でもねー、首都圏程度でしか使えなくて、出張したら使えないんじゃ、意味ないじゃん、そんなもん。
二台持って行く??それとも、NTTドコモさん、PHS+iモード+FOMAの'トリチーモ'なんての、創るのかな??
(でも、それもCPUの高速化とDSPを使用してソフト化した通信機能を収められれば、出来るかも??ちなみにJ-Phoneの偉い方は、GSMやらPDCやらW-CDMAやらの通信方式を一台の端末で使えるようにして国際ローミングに対応する手もあると言っていましたけど、それと同じか??)
次の一手は??
さて、今回は次世代携帯電話にまつわる、あんまし明るく無い(??)お話をしました。
やっぱ、機能的に向上したものをどう使うかってのが問題で、それは前回の'設備投資とIT革命(2001.01.28)'でも書いたように、次世代携帯電話のサービスが始まるって事は、設備投資が終わったって事で、その次が出てこないと駄目なんですよね??
さあ、そんな次の一手はなんだろー??