どーも皆さん、4月に'3Gの未来'なんつー事を書きまして、はっきり言って悲観的なお話を書きましたら、何とNTTドコモさんの3G(第三世代携帯電話)/'FOMA'、今度の5月のサービス開始が見送られ、とりあえずたった4000台の試験サービスを開始する羽目に陥っちゃいました。
そしたら今度は日本と3Gのサービス開始世界一を競っていた英国でも、サービス開始が見送られるはと、昨年当たりは携帯業界がさらなる飛躍を遂げる為の最大の武器が、前途多難な状況に陥ってしまったのです。
何で、こんな事になったのか??そしてこの事態がどんな影響をもたらすのか??そんな事を色々と考えてみませう。
と言うことで、今回は'3Gの危機??'と題してお送りします。
そんじゃ。
やはり中途半端??
3Gの市場投入は、かなり性急に行われようとしていました。
実際、予定されたサービス開始に何とか合わせようと、はっきり言っちゃうと当初の性能が提供出来るかどうか、かなり危うかったようです。
これ、何かの雑誌でも指摘されてたんですけど、特に基地局側の設備のほうにかなり問題を抱えていたようでして、実際遅れがかなり見られたんすね。
ちなみに、J-Phoneさんの3Gは来年なわけですけど、これもやっぱ設備系の整備に時間が懸かる事が一番大きいらしくて、それもあってサービス開始時期の発表はかなり遅れましたもんね。
ただ、端末側は当初は音声とデータ通信がメインで、所謂売り文句の静止状態384Kbpsのスピードを利用した画像通信やなんかは、その次にしようという腹もあったのでしょう。
端末のほうは、サービス開始に合わせて用意が各メーカ、出来てたようです。
ところが、今回のドコモさんのサービス開始見送り(でも、ドコモさん、相変わらず言い訳がすごい。'試験サービスでもサービス開始は開始なのだ!!!'とおっしゃっております....そんなに偉いか??世界初??)で、各端末メーカさん、一挙に不良在庫を抱える始末となってしまいました。
先日の日経エレクトロニクスに携帯電話の組み込みソフト開発の破綻の構図が書かれていましたけど、各端末メーカさん、ドコモの言う事は一から十まで信じて守らなきゃいけないんでしょうね??
で、本格サービス開始はいつからかと言うと、それも何か凄く流動的(一応、秋と言ってますけど、どーですかね??)。
そりゃ意地でもドコモさん、他社よりは早くサービス開始するとは思いますけど、やっぱ、未だ3Gって中途半端なんすよね??
前回も書いたように、サービスエリアの狭さ、通信料金の問題、そして何よりも、この3Gを使って何のサービスを提供するかという問題、ここら辺についての回答が何も無いんすよ。
そんな中途半端な状態で、とにかく世界初を目指すなんてのは(確かに先行者有利の面もあるんですが...)、正直言ってマーケティング的にも、営業的にも問題が多すぎるんすよね、これ。
i-Modeも中途半端??
で、もう一つ、ドコモさんの場合は予想外に普及しすぎた繋ぎのi-Modeって問題もあります。
ところが、ここのところのiアプリ対応端末の回収騒ぎなんかを見ると、こいつも又、中途半端な状況になってますね。
しかし、この回収騒ぎ、なんてたってもう既に三回も発生しているわけですが、何か端末側の開発時間があんまし短いのと、開発体制や開発方法が旧態依然の組み込みソフトと同じ事やら、盛り込みすぎた機能を全てテストする時間が無いとか、色んな要因が先にも紹介した日経エレクトロニクスに書いてありますが、まあ、全部ホントの事と思って良いんでしょうね??
ただ、その中にもう一つ原因の一つと考えて良いのは、ドコモさんの体質ってのもあるんですよね、これ。
例えば、今年の頭のS社製端末の回収騒ぎですけど、これってライバルのKDDI用の端末をドコモさんがまんまパクってドコモの端末にしちゃったら、その変更作業(ご存じのとーり、KDDIはcdmaOneでドコモさんとは方式が違う訳です。まあ、基本ソフトとアプリのインターフェス設計がきちんとしていれば良いんですけど、何せ職人芸の組み込み系ソフトですから、何か直すとどこから歪みが出ちゃうんすよね)の工期は足りないは、テストは中途半端だったで、そんな事になっちゃったと言う話が伝わって来ています。
まあ、各端末メーカさん、基本的に一番数が出るドコモさん向け端末を先に作って、それが他のメーカにアレンジされるっていう流れが昔はありましたし、ドコモさんの要求もかなり高飛車、加えて各メーカの担当営業や上層部はドコモさんには逆らいませんから、ソフトの製造を担当している部隊は大変でしょーな??
で、そんな余談は置いといて、実は先日i-Modeが3Gの普及のネックになると書いたんですけど、i-Mode自体もかなり行き詰まっている感もあるんですよね??
鳴り物入りで始まったiアプリですけど、これも結局わずか10K程度のアプリケーションしか使えないんすよね??
このサイズでどんだけのソフトが供給出来るか、凄い問題だと思いません??
しかも、幾らJava使っていると言っても、そんなサイズで作れるソフトなんか、たかが知れてるってもんです。
KDDIなんかは、もっと大きなサイズのアプリケーションを使えるようにしようとしていますけど、それでもそこにはダウンロードのスピードという大きな壁(cdmaOneでも結局未だ14.4Kbpsだし、i-Modeなんか9.6Kbpsですよ??)が待ち受けている訳です。
つまり、通信速度を考えるとアプリは大きく出来ない、アプリを大きくすれば通信料金で叩かれる、まさにiアプリ、四面楚歌状況なのがホントのところなのでしょう。
そんでもって、i-Modeの爆発的な普及で、繋がらない問題や音声品質の低下(まさか、またクォータレート問題???)は出るは、結局ドコモさん、周波数帯を二つ切り替える'デュアルバンド'端末まで投入しなければならなくなりました。
(この辺は、所謂cdmaOne方式のほうが有利な部分な訳ですが...)
こんな風に、普及したはいいけど、それがネックになって3Gの普及に影響が大きくなる→ところが鳴り物入りで登場したiアプリもあっさり限界が見えてきた、つまりここまでは取り繕えたi-Modeも、実は今凄く中途半端な状態にあるんですね??
そういう意味でも3Gの本格投入にドコモさん自身も期待してたんでしょうが、本格サービス開始は出来ないとなれば、まさにドコモさん、完全にドコモさん自身で一人デフレスパイラルみたいになっちゃったと言っても良いんじゃないでしょうか??
この状況を打破するのは、かなりしんどいかも知れませんねー??
ただ、ライバル二社(つーても、象に喧嘩売るウサギか??)がそこにつけ込んだ戦略を取るにも、それも業界全体の状況からいうと(何と、30才未満の携帯電話普及率は9割越えたそうですし、60才以上でも十人に一人は持っているそうです)、かなり苦しいもの事実ですから、もしかしたら3Gで迎える筈のバラ色の携帯電話市場という予定は、まさに予定は未定になっちゃったのかも知れません。
そう言えば、携帯業界世界一位のボーダフォンを抱える英国と同二位のNTTドコモを抱える日本が次々世代(第4世代)携帯電話規格に関する国際標準化の推進で合意したそうです。
確かに、携帯電話として考えると3Gでも十分な機能を提供出来ると思うのですけど、所謂移動体端末として考えると3Gの規格じゃしんどいですからね??(4Gは携帯電話というよりも移動体通信端末用と考えたほうが良いかも...)
でも、そんな事が出てきたんだから、3Gが普及するのに5年くらいはかかると筆者は見ていますが、3G投入から三年も経たない内に、4Gが登場する、そんな事もありえそうですね??
でもねー、どーなんでしょ??ある技術が普及する前に次ぎの技術がそれを凌駕し、それを又その次が凌駕する....
新しい技術が定着する暇も無いなんて、これこそ所謂ドックイヤー、マウスイヤーの弊害かもしれませんね??