天井は未だ??(2002.06.16)

 ども、今度はほぼ二月ぶりの'The Age Of Digital'でございます。
ここんとこ、個人的にも仕事変わったりとか、色々ありまして、このサイト全体の更新がちょっとストップしていました。
(まったく、W杯をリアルタイムで見る時間もなかなか取れません....)
それでも、コツコツとアクセスして頂いた方々、ホント申し訳ありませんでした。
さて前回は、所謂'みずほ'ネタをお送りしました。
今回も、その続きを書こうかな??とも思ったのですけど、未だちょっと書くのに躊躇しています。
(何せ、問題が問題なもんで^^)
で、じゃ今回は??と言うことで、ようやく自宅もxDSLにしたんで、ブロードバンドネタ(これも色々あっていくらでも書けそうですが...)にしようかとも思ったのですが、それはちょいと置いといて、久々、一年ぶりに携帯ネタで行ってみようかと思います。
先日のシェア発表では、まあ理由があるとは言え、月間ランキングではありますけど、万年三位と言われるJ-Phoneさんが二位を獲得しました。
昨年のFOMAのデビューで躓いたドコモさん、これからどうなるのでしょうか??そんなこんなを本日はどーぞ。


写メールのおかげです。

 先にも書きましたけど、そうなんです、なんとJ-Phoneさんが5月の単月シェアで第二位に躍り出ちゃいました。
しかも、auさんもドコモさんを蹴落として一位になっちゃったのです。
まあ、営業力から言えば、auさんがJ-Phoneより上にいるのも何となく納得出来るんすけど、これにはもっと大きなおまけがありまして、一位と二位がこの二社と言うことは、ドコモさんが三位だって事なんです。
さすがにツーカーに抜かれる事はないんですけど、なかなか興味深い結果ではないでしょうか??
auの場合、3G一歩手前の2.5G対応のcdmaOneに絞った戦略やらがドコモさんのコケまくったFOMAと違って市場で評価されたようです。
そりゃ、普及の一番大きな条件でもある通話エリアの問題と2.5Gを経由して3Gcdma2000に移行する戦略は多分、ドコモさんの出しゃなんとかなる戦略と比較すりゃ、それは大きな差がありますよね??
さて、でもそちらよりも興味深いのはJ-Phoneの二位躍進のほうでしょう。
こちらは、やはり色物と見られていた写メールが市場でウケにウケた事が一番大きな理由でしょう。
出てきた当初は、ただでさえ遅配の問題があった携帯メールで静止画像なんか付けて流してどーすんだ???なんて話もありました。
(事実、一時期'写メール'の為にJ-Phone系のメール遅配はかなり大きな問題になりました)
それに、メモリーも増やさなきゃならん、カメラ内蔵させなきゃならんってんで、メーカの方もかなりブツブツ言っていたなんて話も聞いた事があります。
しかも、たとえそうゆうH/Wの強化と機能強化をしても端末の価格はあんまし上げられないってきてますから、所謂オープン価格、メーカにはJ-Phoneから補填があるとはいえ、ホント売れるかしら??なんて話もありました。
しかし、製品導入当初のゴタゴタは別として、フタを開けてみたら、こりゃ凄い。
藤原さんのおかげもありましたが、写メール対応の端末、大ヒットしちゃったのです。
まあ、ワルノリかどうかは別として、今度は動画メールなんて言っていますが、さすがにこちらはどうかな??と思いますけど。
でも、色物と見られていた写メールは、ついにau、ドコモの両社にカメラ付き携帯の発売に走らせてしまいました。
まあ、元々画像を添付ファイルでやりとりする機能は携帯、PHSともに持ってはいたのですけど、画像の入力機能を携帯に持たせる(内蔵させる)って発想はJ-Phoneさんのアイディア(誰でも考えそうな事だけど、誰もやらなかった事)な訳で、そんな簡単なきっかけがヒット商品を生み出すっていう例なんでしょうな、これ??
でも、これって考えてみれば3Gの繋ぎ程度に考えていたドコモさんのiモードと、出目が凄く似ている気がするのは筆者だけでしょうか??


ヒットした後が大変??

 でもでも、iモードもそうだったのですけど、こんだけヒットしちゃうと後が大変なわけです。
まあ、動画メール機能が次の一手かというと、そうでも無いみたい...
さすがにストリームで送るんじゃなくて、端末で蓄積して送るわけなんで、一本当たりの動画の記録時間は大したものじゃないわけで、そういう意味では写メールよりも色物と思ったほうが良いかも知れません。
ただ、J-Phoneが懸命だったのは、3Gの投入をまた延ばしたところでしょう。
一応、今年末まで引っ張って無理はしないようです。
確かに、まだ写メールっていうか、いままでのサービスを引っ張ってその間に3Gの環境を整えるってのは良い手ではないでしょうか??
サービスエリアの問題ってはやはり大きいでしょうし、それと3Gの料金の問題もあります。
その辺を年末にかけて何とかすれば、ドコモさんよりもうまく3Gにユーザを誘導出来るかも知れませんね??
ドコモさんがドジったのは、あんだけ旧方式のiモードが普及しちゃったってのに、世界最初の3Gの看板が欲しかったかどうかは判りませんけど、面子だけどFOMAを導入したら、市場から全然相手にされなかったってところです。
事実、まだ11万程の累計契約数ってんですから、これじゃ商売になりませんもの。
ドコモさんもあきらめたのか、食い扶持が大事なのかは知りませんが、iモード端末の新製品を先日投入したばっかです。
関係者の間では、この新製品の投入で5月のシェアが下がったと言っているんですけど、ホントそれだけが原因では無いような気もするんです...
まあ、携帯電話市場は既に二人に一人以上が携帯電話を持っている状態、実際には一番携帯電話を使用する可能性のある世代をみれば、もっと普及率は高いでしょう。
これだけ急速に普及した製品ってのも珍しいわけですが(日本だけを見れば、インターネットの普及よりも時間的には早いんじゃないかな??)、そういう意味でも市場は完全に飽和状態一歩手前に来ている筈です。
そのきっかけを作ったのは、多分iモードやezWebなんつーネット関連のサービスの登場だったと思うんですが(特にショートメールやEメールの利用)、こうなるとさすがに次の一手が問題なんですな。
J-Phoneの写メールなんてのは、偶然が重なったとも言えなくもありませんが、次の一手の一例とも言える訳です。
ただ、まあ、いずれにしても本来の次の一手だった3Gは完全にコケてますんで、これからが大変な時期だってのは間違いないでしょう。


海外でiモードがうけなかったら??

 さてさてドコモさん、ついに海外の提携先携帯電話会社を通じてiモードサービスを展開するそうです。
正直なところ、海外の携帯電話会社は皆、青色吐息でして、事態打開の為の手に苦労しています。
まあ、3Gサービスの免許を取る為に多額の金が必要だったわけで、せっかく免許を手にしてサービス提供に走ろうとしても、施設拡充の金が無い、市場調査でも3Gサービスを望むユーザ数は決して多くない、投資家もネットバブルの崩壊で財布が堅いと、八方ふさがりの状況です。
そんななか、現行設備を利用してユーザに対して新しいサービスを提供出来るiモードのようなサービスに、まさに藁にもすがるような各社さんの状況が良く判ります。
でも、iモードの海外展開も、正直、日本みたいにうまくいくかどうか、かなり怪しいとも言われています。
先日、ある雑誌にも書いてあったのですけど、'携帯電話は、電話であれば良い'と考えているユーザはかなり多いそうです(特に北米で)。
事実、海外でも既にショートメールのサービスが行われていますが、利用率はパッとしないとか....
まあ、iモードサービスはメールだけではなくてネットブラウザーやそれを通じた各種サービス、iアプリ等々、ネット技術をベースにした色んなサービスを持っているわけですけど、そんな海外市場の現状を見ると、それほど明るい未来が待っている訳でもないようです。
まあ、欧州や米国の方々があの大きな手で携帯電話でネット接続するってのは、ちょっとキツイかも知れませんね(^^)。
ドコモさんも、色んな意味で海外関連には高い授業料を払ってきました(ここんとこの決算状況の悪化は海外関連の投資が原因です)。
そろそろ授業料の元を取らないと、ホントにやばいのでしょうが、うーん、FOMAに続いて海外でのiモードサービスがこけたら、ホント危ないかも知れませんね??NTTグループ最高の優良企業の座が....


 今回は、そろそろ天井を迎えるかどうかの瀬戸際にあるのかもしれない携帯電話業界、特にドコモさんのお話をしました。
所謂勝ち組だったドコモさん、ちょっとしたボタンの掛け違いが段々大きな事にならなきゃ良いのですけど...
今年いっぱい、実はドコモさんからは悪い意味で目が離せないのかもしれませんね??

To Digital