6月2日(土)、'Jimi Hendrix
Tribute'をテーマに日比谷野外大音楽堂にて'ARE YOU ENPERIENCED? TRIBUTE GUITAR
FES 2001'が開催されました。
出演者は、16才のGuitar Player 樹音、我らが元四人囃子の森園勝敏氏、先日の細野晴臣氏のTin
Pan結成にも参加した鈴木茂氏、超高速の早弾きで一世を風靡したAl Di Meola、そしてトップビルにCharと、なかなか豪華なラインナップです。
そんな、6月を迎えた日比谷野音で繰り広げられた、Guitar Pleyer達のステージをリポートしませう。
では(^^)/。
野音に到着し、連れを待つ間、しばし開場前のリハの音を聞いていますと、'あ、これDi
Meola??'とか、'え??モリさんの音??'なんてのが聞こえてきます。
例によってこうゆうフェスティバル形式のライブは逆取りでリハが行われますし、何せ野音でっから、音は聞き放題、
出演順も大体判っちゃうんですけど、さすがにそれじゃおもろくないよなー??と思い、ちと会場を離れて散歩しようと思ったら、何と、雨??、ポツリポツリと夕立です。
'うーん野外で雨は勘弁して欲しいな...'と思って、近くにビルの地下に逃げ込みしばらく待って出てみると、雨も上がってホッと一安心。
連れと出会い、再び野音に向かいますと、ダフ屋のおっちゃん達、今回かなりの数が出ています。
ここんとこ、威勢の良いダフ屋連中を見ることが少なかったんですけど、今回は、随分居ましたね??商売になったのでしょうか??
会場の周りも人が集まり、場外の名物でもある屋台からは'ロックンロールにはビールでしょ!!!'の声が飛び交います。
リハが押して、20分程遅れて開場です。
意外に多くの人が集まっておりまして、入り口、ちと混雑しています。
どーせ、指定席なんだからと入り口が空いたところで、会場の中に入ります。
今回は、PAミキサーの数列前のど真ん中という好ポジション、ステージも良く見えて音も期待出来そう。
さて、動員のほうはどうかというと裏番組が、コンフェデ2001の'日本 VS カメルーン'戦だったんで、ちと動員が心配(んな訳はねーか??)でしたが、さすがにCharとDi
Meolaのネームバリューもあってでしょう、客席は満席でした。
(何故か、私らの座っていたところは、なかなか埋まらなかったりして^^)。
何か、よくわからん司会者が登場して、客席を煽ろうとしますが、客のほうは'こちとらてめえの出番を待ってたんじゃねい!!'と心の中では思ってたんでしょーが、一応お約束で反応してあげたりしました。
さて、ステージのほうは、まず沖縄出身でまだ16才という樹音からスタート。
連れが'あ、若い頃の原田真二だ!!'、確かに似てますなー。
いきなりJimiの'Fire'が披露されます。
バンドはGuitarトリオですけど、さすがに若い!元気いっぱいの演奏、そう言えば声まで原田真二に似てたりして(^^)。
二曲目はオリジナル曲のようです。
で、演奏のほうは、樹音のGuitarは、背面弾きも飛び出しましたが、なかなか良いGuitarを聞かせてくれました。
Bassも風貌は最近のバンド小僧ですけど、意外ときちんとした音を出してましたね。
でもねー、問題はドラムですな....
最近、あの手のドタバタ叩くドラマー多いんですけど、そりゃ別にフォームがどーのとかいうのは別にして、手足は良く動いているんすけど、はっきり言って音になってないんですな、これが。
ヒッティングのポイントがいい加減なんで、音が安定してないんすね。
それと、深胴のスネアを使うのは、彼には無理があると思いますよ。
パワーの問題よりも、打面のポイントがいい加減じゃ、深胴のスネアは音にならんですよ、うん。
さすがに新人君って事で、曲は二曲のみでした。
で、文句はこんくらいにして、樹音君、さすがに誰かの息子さんだってことで演奏はしっかりしてますんで、プロモーション次第では、大化けするかもしれませんねー。
うん、周り次第ってとこでしょうか??
さて、ステージは機材の入れ替えが始まります。
今回、ステージは前半分を使用して後ろに黒い幕を貼ってありましたが、幕の向こう側は機材置き場なわけです。
ただ、樹音君のステージは機材はそれほど多くなく、機材の入れ替えは意外とスムーズに行われました。
と見ていると、どこかで見た事のある人が??あれ??あの人モリサンの機材担当の方ではありませぬか??
よーく見るとリバースヘッドの赤のストラトが...あ、あの後ろ姿はモリサン??
そう、何と次はモリさんの出番だったのです。
バンドのメンバーは、最近お馴染みのHARD DRIVIN' BLUESの面々です。
モリサンの登場に、客席からも声が飛びます。
うーん、連れ曰く、'客席の平均年齢が高い!!'、確かにそのとーり。
子連れも沢山いましたしね(^^)。
一曲目はJimiの'The Winds Cries Mary'(だと思ったんすけど...ちと記憶が...)、モリさん、歌い出しでマイクスタンドにぶつかっちゃいました。
マイクの位置が高すぎたんすね、スタッフが出てきて、調整します。
さて、演奏のほうはというと、さすがに気心のしれたメンバーとの演奏ですんで問題はなんもありません。
唄もGuitarのほうも、良い調子です。
ワウをかませて、Jimiのスタイルで演奏が続き、二曲目は'Red House'、生前のJimiの十八番のブルースナンバー。
ここでのモリサン、渋い喉を聞かせてくれました。
そして曲の途中で、ゲスト登場、元ウェストロードBBの永井'ホトケ'隆氏であります。
相変わらずの声、そしてそのまま三曲目の'Come On(Let The Good Times Roll)'。
そーです、モリサンのステージはまんまJimiのナンバーで固められているのです。
JImiスタイルとモリさんのそれぞれのGuitarスタイルを行き来しての演奏、なかなか充実してますなー。
続いて'Hey Joe'が演奏され、そしてお約束のゲスト金子マリ嬢、登場。
まあ、モリサンのHARD DRIVIN' BLUESが出て、しかもCharも後で出るとなるなら、そりゃマリは欠かせませんよねー。
相変わらず、スンゴイボーカルを聞かせてくれます。
モリサンのHARD DRIVIN' BLUESとマリ嬢のコラボレイションを聞くのは、あの'99年の'Music Bazaar in Yaon'以来ですけど、ホント、ぴったり合うんですよね、この取り合わせ。
そういえば、6月20日には横浜関内ホールでのライブも控えていますね??
さて、ステージのほうはラストの'Purple Haze'が始まりました。
Jimiというと、やっぱこの曲が出た時の衝撃が、未だ皆忘れられないんですよね。
マリ嬢の豪快なボーカルとモリさんの渋い声がマッチし、そしてモリサンのJimiスタイルのユニヴァイブ風の音も交えたソロ、うーん、さすが、さすが。
客の反応も、良い感じです。
今回のライブでは、現在進行形のモリさんのライブが聴けました。
筆者も含めて、観客の中にも、ひょっとして囃子の曲かモリサンのソロの曲が??なんて考えた人も居たでしょうけど、それはそれ、今のモリサンの姿勢と演奏が堪能出来れば、それで良しとして良いんじゃないっすかね??
うん、6月20日の横浜も期待しませう(と言いながら、筆者は行けない可能性が高いんですけど....)。
さてさて、ステージのほうは、続いて鈴木茂氏の登場です。
先日の細野氏とのTin Panによるレコーディング、そしてツアーのほうはソールドアウトが続いたと聞いておりましたので、かなり期待していました。
ただ、どうかな??鈴木茂氏の場合はJimiのスタイルをやるのは、どっちかと言えば合わないと思うし、と思っておりましたらステージはStrange Daysあたりでもお馴染みのMETROTRONレーベルの青山陽一氏を引き連れての登場であります(しかも、ベースはカーネーションから!!)。
曲は、日本語のボーカルナンバーを中心に鈴木氏のGuitarはバッキング中心のプレイです。
後半に昔のオリジナルも登場しましたけど、正直白状すると、このステージは消化不良。
演奏もなんか中途半端な感じ。
ちなみに、連れは鈴木茂なんか全然しらないんですが、かなり酷評(^^)してました。
わらしも、往年のハックルバックの野音デビューの姿を期待してたんすけどねー??
ステージも四人目のGuitar Playerの登場です。
機材は殆どそー取っ替え、何とOVARY
LODGEのFrank Perryのキットをこじんまりしたようなドラムブース、そしてパーカッションのブースがステージ右手、中央に椅子とGuitar用の機材が並び、左手に二段積みのキーボードブースが鎮座します。
セッティングに外人が混ざってましたんで、とーぜん次はあのお方と判ります。
そして、ついにDi Meola登場、観客もヤンヤの大騒ぎです。
エレアコを手にDi Meola氏もかなり上機嫌な様子が見て取れます。
そんななか、演奏は何とピアソラのナンバーでスタート。
序盤、ピアノパートの鍵盤がトラブってましたが、演奏はそんなのお構いなし。
相変わらずの高速ソロが繰り広げられましたが、それよりもこのカルテット、何とベースレスなんですよ。
ところが、ドラム(と言っても、殆どパーカッション!!)とパーカッションのコンビの叩き出すリズムが超強力。
これなら、ヘタにベースなんか入れないほうが良いかも??なんて感じでした。
Di Meola氏の方は、エレアコなんでエフェクトでどんどん音を変えていきます。
ベースレスなんて言いましたが、ところどころでオクターバかピッチシフターで低音を出して、ベース的なフレーズも入れてましたが。
でも今回の目玉は、Di Meola氏も途中で言っていましたけどやっぱJimi のトリビュートなんすよね??って訳なんでしょうか、何とDi
Meola氏、7年ぶりにElectric Guitarを抱えたんす。
うーん、いやはや、凄い凄い、その昔'スペインの高速悪魔'の異名をとった、あのギタープレイが目の前で繰り広げられていきます。
でも、演奏的には昔と違う感じがしましたね。
正直言えば、昔、Di Meola氏って嫌いだったんすよ、筆者。
何故かと言えば、テクニック的には凄いんだけど、何かただ早いだけで、どうだー、こんなんお前ら弾けるかー??って言ってるようで、フレーズに面白みが感じられないっていうか、どれ聞いても一緒に聞こえちゃってたんです。
でも、歳月は人を変えるのか、はたまた筆者が変わったのかは判りませんけど、今のDi Meola氏の演奏は凄く演奏自体に余裕が感じれらて、今回のステージ、凄く気に入りました。
まあ、リズム隊が素晴らしかったってのもあるんですけど、特にドラムは本来スネアを置く位置にコンガを置いて、ピッコロスネアを脇に置いてたんですけど、ステージの後半はシンバルも含めて、殆ど手で叩いていましたが、素晴らしいプレイでしたし、もう一人のパーカッションとの絡みも最高でしたね。
40分弱のステージはスタンディングオベイションで終わりましたけど、連れの一言ではありませんが'久々に素晴らしい演奏を見させて貰いました'と心のなかでお礼の言葉をかけてしまったのでした。
さて、トリは当然のごとくChar登場となります。
バンドは、ジョニルチャ以来続くGuitarトリオスタイル。
Charが登場すると、観客は総立ち状態です。
まあ、その前のDi Meolaのライブと対決させるには、Charが適任なんでしょーね??
で、Charの出で立ちはと言うと、まんまJimiの昔のステージ衣装をパクっております。
プレイのほうも、背面弾きや歯弾きは出ませんでしたが(歯弾きは山岸氏の十八番か??考えてみれば、JimiのTributeなら、やっぱ山岸氏も居て欲しかった気が....)、グリスの入れ方やらピッキング、ソロでの首振り等々、Jimi風の演奏をビジュアル面(??)から再現していきます。
多分、曲のほうはCharのオリジナル曲でしょうが、そんな立ち振る舞いが、何となくExperience風だったりして。
演奏のほうは、さすがにCharです。
Guitarトリオとは言え、音は極厚、アンサンブル的にも良く練られてまして、ソロやキメの部分もすごくタイトな演奏を聴かせてくれます。
ソロやキメの合図なんかも'70年代風で、あー、こんなの良いなー、カッコ良いなー、こんな風な演奏って昔はあこがれたよなー、なんて思わせてくれました。
最後のほうに、あの伝説の野音フリーコンサート'Free Spirit'を思い出させるJimiスタイルの'君が代'もチョロっと披露されたりして。
最後に、Charが空に向かってJimiへのご挨拶を飛ばして、一端ステージを後にします。
で、ライブはここまでかって言うとそうではございませんで、この後グランドフィナーレが付きました。
まあ、Charのライブの時からステージにはこれまで演奏したGuitar Playerのアンプが並んでいましたから、大合奏大会が展開されるんであろう事は予想出来ましたけど。
で、お約束どうり、Charがさっきのステージを共にしたBassとDrumsを引き連れて戻ってきます。
そして、演奏途中で一人一人を呼び出すと言う趣向。
まず、'大正時代からの友人!!'の一言でモリさん登場。
何と場内禁煙の野音のステージにタバコ片手に登場します(連れが'禁煙だぞー!!'と叫んでおりました。ちなみに、ステージの入れ替えの時にトラメガ片手に係員が'場内は禁煙です'と連呼してましたけど、ここでやったら受けたんじゃーないかなー^^)。
白のリバースのストラトモデルを手にし、軽いソロを決めます。
その後は初っぱなに登場した樹音君が黒いストラトを手に登場。
こちらは、目一杯のソロ(うーん、若いもんはこんくらい元気でなくちゃね??)。
それを聞きながら、Charがモリサンにタバコを分けて貰って吸い始めます(再び、連れの'禁煙だぞー!!'の声^^)。
そして次に呼び込んだのは、正直ステージのほうは今一つだった鈴木茂氏。
レッドサンバースト(チェリー??)の335を片手に登場し、やはり名刺代わりのソロ一発。
でも、実は茂氏のソロステージの時より、こっちのほうが全然、良かったりして!!!
さて、最後は当然、Di Meola氏、カスタム仕様のレスポールモデルを片手にステージの左端に登場。
でも、この人、とにかく弾きまくります。
ソロの後も、どんどんオブリをかまして、他のプレイヤーを逆に煽っているみたい。
そんなDi Meola氏にCharが挑戦???ってわけでは無いでしょうけど、二人向き合ってのプレイはなかなかの迫力モン。
でもねー、キメのフレーズをGuitar五本でやると、スンゴイ音圧ですねー。
まったく、Blue Oyster Cultsなみでっせ、こりゃ。
さて、曲も後半になると、もう一人ステージに呼ばれます。
そう、Char曰く'明治時代からの友人'SMOKY MEDICINE'時代の盟友、金子マリ嬢です。
(何と、7月7日の北沢タウンホールで行われる第11回北沢音楽祭にてSMOKY
MEDICINEが復活します。しかも、マリ、Char、ナルチョ、藤井章二のオリジナルメンバー!!!)
いやー、Guitar五本と勝負出来るボーカルなんざ、マリ嬢くらいでしょうな。
凄まじい音圧の中、演奏が終了します。
さすがに観客、やんやの拍手であります。
いや、若モンらしい威勢のいい演奏の樹音、Jimiのナンバーを渋ーく決めたモリサン、ちと期待にそぐわなかったけど見れただけでもめっけもんの鈴木茂氏、圧倒的なリズムの前でガンガン弾きまくったDi
Meola、一番ロック的なステージを展開したCharと、個性やスタイルの違いがはっきりしていながら、一応テーマのJimiへのTributeを展開した、今回のライブ、なかなかのものだったんじゃーないでしょうか??
筆者も、満足出来る出来のライブだったのでした。
ひとつだけ、お知らせです。
今回のこの'ARE YOU ENPERIENCED? TRIBUTE GUITAR FES 2001'ですが、実はTV収録されておりまして、主催のテレビ朝日が7月7日(土)の深夜27:40〜29:30に放送します。
放送時間から言えば、全ステージが流れる事は無いでしょうが、今回、ステージを見れなかった方は、どーぞ。