Hatfield & The North 2005 Japan Recording Session/Live Report(2005.10.10)

 ついに、Canterbury Musicの金字塔、Hatfield & The Northが日本の地を踏みました。
個々のメンバーは、それぞれの活動でバラバラではありますが来日を果たしています。
しかし、Hatfield & The Northとしては、初来日です。
残念ながらオリジナルメンバーのDaveは今回の再結成に参加しておりませんで、その点は、正直、残念無念であります。
ただ、今後、新たなオリジナルアルバムのレコーディングを開始する際には、Daveの参加もあり得ると、Strange Days掲載のインタビューでRichardが予告しております。
とは言え、ツアーに参加する事は無いだろうとの事なので、今後もHatfield & The Northがツアー活動を続けるとすれば、今回参加しているAlexが当面、ツアーメンバーと言うことになりますんで、その点は注目するところでありましょう。
でわ、そんなHatfiled & The Northの初の日本公演はいかがなものだったか??


初日の前に....

 Hatfield & The Northの初来日公演の事は、実は雑誌広告を見るまで知りませんでした。
出先で、その広告を発見してからは、大騒ぎ、さてどうやってチケットを確保するか??
会場となるCLUB CITTA'の先行予約を使うか??それともぴあを使うか??はたまた、裏から手を回すか??(今回、こいつは無理と判明....)
結果、CITTA'の先行予約を使用する事にしました。
ただ、抽選で、当たってもチケットが届くのは公演の数週間前、うーん、席の場所によっては、また手を考えねばならんのに....
結局、CITTA'から送られてきたチケット、席はちょい後ろですが、PAの状況を考えると悪い席ではございません。
まあ、良しとしようか??と言ったところ??
さて、予習をせねばとブート屋に行き、入手したのがこれ
6月にオランダで行われた、Hatfield & The Northの再結成ライブの模様であります。
で、この時はPipの体調が悪いってことでサポートドラマーとしてMark Fletcherが参加していると.....
うーん、ちょっと不安がよぎるところ.....
また、音を聴いていると、正直リハ不足ではないかい??って感じもしないではない。
まあ、サポートドラマーを使っているってとこは割り引かなければならないとは思いましたが....
そんで、演奏している曲の方も、ちょっとRichardのソロに近いような気もしないではないと....
そんなこんなを感じながら、10月を迎える事となったのであります。


初日はリハ??

 正直、はやる気持ちでございました。
'ガーデンノウムの叩き壊しパフォーマンス、やんないかな??'、'いやいや吸盤アヒル飛翔合図の演奏開始なんかは??'、'間違ってもDaveの乱入は無いわな??でも、して欲しい....'、'6月の頃のセットじゃ許さんぞー!!'、'PAは大丈夫だよな??Procol Harumがあんだけの出音、出したし....'、会場に向かいながら妄想が続きます。
会場に到着すると、さすがに未だ人はまばらです。
しかも、結局、チケットは売れ残りがあったそうで、当日券も出ておりました。
当然、ダフ屋は居ない(^^)と。
定刻で、会場に入りますと、何と公衆電話を使っているのはPipではありませんか!!!
おいおい、そんなとこで電話してて大丈夫かいな??思わず、声をかけようかと思いましたけど、一応開演前なんで、遠慮して....物販売場に向かいます。
Tシャツの他、今回の公演用に作成されたパンフレット、そんでメンバー個々のCDと先日ネットで発売された'Hatwise Choice'なんかも並んでいます。
んで、パンフレットの方は、購入者に公演終了後、サイン会参加のサービスありってんで、ミーハーな筆者は、当然購入と....
ちなみに、CDの方は全部メンバーが持ち込んだもんだそうです。
(最近、こうゆうケース、多いですよね??)
と思ったら目の前には巨人Richardが立っているではありませんか??
ファンと話をしたり、プレゼント貰ったりで、完全にリラックスモード。
一応、今回のライブ、レコーディングを行うって話なのに、大丈夫かいな??なんて思ったりして....
さてさて、席の方を確認すると、思ったとうり、ちょい後ろですが、ど真ん中でPAの音は確認しやすい位置でございます。
そんなこんなしていますと、日本語のアナウンスでライブレコーディングの話やら、そしてメンバー紹介が....とここでPhilRichardのパートを間違えるトラブル。
まー、登場したメンバーは、笑っているだけで、全然気にしてはおりませんでしたが....
演奏前にPipの日本語でのMC、お、一応日本語しておるですよ。
と、Philがチューニングやらなんやらしているのを後目にPipがカウントを取り始めます。
(でも、実はこのカウントがすんごいジャストで、最初、'え??クリック使うの??'なんて思っちゃいました)
曲は、ファーストの'Big Jobs(Poo Poo Extract)'からスタート、'なんだ、6月とちゃうやん'とまずは一安心。
三曲目には6月にも披露していた、Pipの'Seven Sisters'が演奏されます。
この曲、Pipのソロアルバム'7 YEAR ITCH'に収録されている曲なんですが、この曲で久々のHatfiled & The NorthのメンバーがDaveを含めて集合した記念すべき曲なんですな。
ちょっと、音が薄めではありますが、それなりにライブ向けのアレンジが施されておりました。
この日のライブは二部構成でありまして、ほぼ5060分のセットが二回となっております。
一部の演奏を聴いていて思ったのは、相変わらずチューニングに神経質なPhilが、ライブレコーディングって事で、かなりチューニングにうるさい状況でございまして、それを待つ他のメンバーの様子はいつものこと??って感じが面白かったですな??
ただ、その後の二部も含めて、正直演奏の質は高い物ではなかったかと....
Philの'トンでもスケールギター'は正直、いつもより'トンでもすぎ'、そんでAlexの鍵盤がミストーンが目立つと。
そんで、PAなんですが、特にハモンドの音がでかすぎて、ドラムやベースの音が殆ど聞こえなかったなんて事もありました。
一部で、'初日はリハ??'なんて話もありましたが、あながち嘘でもなかったりして....
結局、終演後のサイン会の事を考えたのかは判りませんが、アンコールに予定していた曲も二部で演奏し、サイン会に突入したのでございました。
サイン会に参加する観客は会場外のロビーで待ちであります。
係員の話では何と300人が参加したとか??
筆者は大体20人目くらいにサインして貰いました。
Richardは当然、落書き付き、Philの手はでかかったな....Pipは相変わらず(ホントは'96年のGONGの時に貰ったサインを持っていって、'覚えてる??'って聞きたかった...)、Alexには思わず'明日、期待してるよ'なんて言ったら、懸命に手を合わせておじぎ状態でございました。
そんなこんなで初日は終わり、二日目に期待するのでありました.....


そして二日目は??

 さて、二日目です。
初日は、ちょいと期待より落ちた演奏でありました。
まー、二日目はそんなこたーねーだろう??と思いながら、会場に向かいます。
ちなみに、初日は当日券が出たとはいえ、ほぼ満席でした。
で、二日目は??と言うと、正直初日よりチケットのさばきは悪かったようです。
会場一番後ろ二列の席がありません。
何故か、スタンディングテーブルが幾つか並んでおります。
(会場にもその二列分の席を持っている人への連絡がされておりました)
んで、前日同様物販のところに行きますと、Tシャツは、殆ど売り切れ、サイン会は二日目も行うとの事ですが、パンフ購入者には整理番号を渡すシステムに変わっておりました。
昨日、サイン会の会場整理をしていたスタッフに思わず'昨日のサイン会、何時までかかったんすか??'って聞くと、笑いながら'11時過ぎました'との答えが....そりゃーお疲れさまでございました(^^)。
あ、客入れは初日はクラシック、二日目はジャズでした。
ちなみに、二日目の席は真ん中の通路、ちょいとPhil寄りでありました。
さてさて、二日目の方はと言いますと、昨日同様、日本語のMCが入ります。
MCの方、実はオフィシャルのカメラマンだったんですな(^^)、MCは本職じゃーないと。
昨日のミスを指摘され、Richard達に'今日もやれ、ステージ出てやれ'と言われたとか....
そんなこんなで、この日もPipの日本語MCでスタート、曲は昨日同様'Big Jobs(Poo Poo Extract)'、曲順の入れ替えもありましたがセットは昨日とほぼ同じでございます。
(ちなみに'Big Jobs(Poo Poo Extract)'、実はちょっとだけ歌詞を変えている事に気が付いた人、手を上げて!!!)
んで、演奏の方はどうかな??と言うと、昨日よりは格段に良いと。
Philの'トンでもスケール'は好調、そんで、昨日のサイン会の一言が効いたか(^^)??Alexのミストーンも殆どありません。
残念ながら、PAは相変わらず、ハモンドの音がデカかったですが、でもボーカルも含めて、そのほかは好調でございます。
'Licks For The Ladies'の美しいメロディーに乗るRichardのアルトボイスと他のメンバーの演奏は、これこそHatfiled & The Northの魅力ではありませんかね??
一部の演奏のクライマックスは、'Hatwise Choice'収録の'Take Your Pick'、そんでセカンドの'The Yes-No Interlude'。
リズムの刻みは相変わらず、この編成では派手なんですが、安定感がありましたし、後半の音響系のソロやシーケンスみたいなフレーズもAlexがかなりきちんと手弾きで演奏してくれましたです。
とにかく、この日のAlexは非常に好調でございましたね(^^)。
Pipのドラムはと言えば、相変わらず、ジャズでもロックでも無いというか、自分のスタイルがきちんと確立しておる人ですんで、やはり好調な時のプレイは良いですなー。
'Calyx'も昨日のような神経質な演奏では無かったし、ボーカルもそれなりに高いパートも意識して唄っていたみたい....
'Underdub'も昨日のドタバタが無くなり、あの有名な殆どDaveの手癖で生まれたフレーズ(それとも作者のPhilが当時、全部譜面を起こしたのかな??)をきっちり演奏。
後、これがあるんでRichardのソロ??なんて言われるんでしょうけど、'God Songs'でのPhilとのデュオやAlexのピアノとのデュオなんかがあるんで、そんな印象を与えるのかもかも??
まあ、セット自体もRichardの作品が多いからね??
(インスト系はPhil作....)
Daveの曲はオミットしたのかな??
あ、'What In The World'なんかもセットに入っているしねー??
二部のラストは'Halfway Between Heaven And Earth 〜 Didn't Matter Anyway'の黄金律でございました。
まあ、'Halfway Between Heaven And Earth'のリズムが昔より硬質になった(Philの刻みのせい??)感もありますが、そこはそれと言うことで、ちゃんとAndyが待っていると....(と思ったら、Andyが居ないぞ??〜楽屋落ちのネタだな??こりゃ??)
そしてこの日は前日と違って、アンコールの構成付き、ラストは'Hatwise Choice'から'Ethanol Nurse'と'Felafel Shuffle'で締め!!
この日の演奏は、やはり前日よりも全然良かったっすね??
ちなみに、最後に各メンバーの使用楽器なんかを、Pip/Pearlのバスドラ小さめのキット、シンバル多数(多分、スネヤとペダル以外はレンタル??)、Richard/いつものフレットレスジャズベにプレベ系のマイクをつけた奴、アンプはAmpeg??、スタンバイしていた予備のベースは出番無し、Phil/最近お得意のセミ箱ギター、いつもの変なストラトもどき、アンプはFender、足下にはエフェクターの群、Alex/何故かHammondB3(HatfieldL100でしょうが!!)、アコピ、FenderのエレピにKORGTRITON、多分音源持ってきて後はレンタルでしょうな。
あ、そうそう、ネタを一つ。
この間のソロでの来日でもやらかしたんですが、Richard、一部終わっての休憩中、楽屋で弾いたベースの音がホールに鳴り響きました。
ワイヤレスなんで、忘れちゃうのか??はたまたやはりネタなのか??


 さて、いかがでしたでしょうか??
ちなみに、CLUB CITTA'のジャックは'今宵チッタは「ロッターズ・クラブ」へと変わる'でしたが、残念ながら、'THE ROTTER'S CLUB'全曲演奏はなりませんでした。
正直に言います。
期待に対して、不満もありと。
だってHatfield & The Northなんだから。
それに、Daveの曲をオミットするたって、やっぱ'Mumps'が絶対に聴きたかったし.....
と言いながら、二日間、期待と夢に胸を膨らませてくれる時間を与えてくれたのも、まぎれもなく彼らです。
一過性の再結成ではなくて、このまま、レギュラーバンド化してくれることと、間違って(??)Daveが復帰してくれることを祈りつつ、出来ればもう一回日本に来てくれないかな??などと思いながら、ペンを置くしましょう.....

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