gnomeから四人囃子へ〜四人囃子/ボックスセット発売決定記念番外編(98.10.25)
(98.12.16訂正)
(99.04.17 再加筆)

 どーも、秋深まりゆく今日このごろ、いかがお過ごしでしょう(^^)??
さて、'
四人囃子アーリーディズ'発売から、ほぼ一ヶ月が経ちました。
意外に売れているよーですね??これ??
10月に発売されたMARQUEEに岡井大二氏のインタビューも掲載されていましたが、そこで今回は’gnomeから四人囃子へ'と題して'
四人囃子アーリーディズ'をちと検証って程のものじゃありませんが取り上げた番外編をお送りしようと思います。
では!!!


四人囃子アーリーディズジャケット さて、このCDはとどのつまりは四人囃子のプレデビューアルバム'二十歳の原点'の語り部分を省いたものにボーナストラック2曲('煙草'、'ライトハウス')及び映画用のBGMトラック2曲を加えたもの。
ジャケットがオリジナル仕様で無いのが残念というのは前回書いたとうりだけど、やはりブックレットの写真は、貴重なものでしょう。
で、収録曲を細かく見ていくと、やはり
Pink FloydProcol Harumの影響が非常に濃く出ていると思う。
例えば、'夜T'、'青春'、'?'のアコースティックナンバー3曲は、'
The Dark Side Of The Moon'以前のPinkFloydが大曲に対比させたアコースティックナンバーのような感じを受ける。
当然、日本的なフォークミュージックの色合いも伺えるのだけど....
でも、この森園勝敏の弾き語りスタイルってのは、やっぱり貴重なものだ。
どちらかといえば、デビュー前のステージではハードロックの色合いが強かったのが、かなり変わったのかな??とも感じられる。
曲としては、かなり早い時期に出来上がっていた'
一触即発'の'おまつり'がああいう色合いに仕上がったのは、ここでの経験もあって、あのような幅の広がりが完熟した結果なのかもしれない。
他にもやはりアコースティックなナンバー'涙の年齢
(98.12.16訂正 すみません、'青春'の間違いですm(_ _)m)は、個人的にはこの録音中、一番詞が良い曲だと思う。
特に'落ちないように、落ちないように、落ちると下は暗闇だから'のリフレイン部分は、筆者のお気に入り。
詞は末松康生氏
(98.12.16訂正 すみません、'岡田富美子さん'の間違いですm(_ _)m)
ちなみに、'コンフィデンス'とクレジットがあるのは、若き日の現アルフィー高見沢氏だとか。
総合的な仕上がりの点では、'あなたはわたし'が一番。
詞も、演奏も質が高く、このレコーディング中一番の仕上がりだろう。
アレンジもさりげない感じだが、意外に盛り上がりもあって、この曲と'四人囃子から高野悦子さん江'の2曲は、Procol Harumのような静かな盛り上がりが感じられる。
特に'四人囃子から高野悦子さん江'は一番Procol Harumの色合いが感じられるが、この曲の後半部分は後の'泳ぐなネッシー'のラストパートの静かな盛り上がりにも繋がっているように筆者は感じるのだけど....
MARQUEEのインタビューでも岡井大二が語っているように、坂下秀実のオルガンのスタイルというのは、
リック・ライトとマシュー・フィッシャーの2人のスタイルに非常に近いと思う。
それは、意外におもしろいのがブックレットを見るとわかるのだけど、坂下秀実の使用しているオルガンのモデルも関係しているのかもしれない。
この
ブックレットを見るとどうも使用しているオルガンはHammondL型(それもL-100)と思われるのだ。
C-3では無いことは、写真で見られる鍵盤上のプリセットタブレットが付いている事からも明らか。
もしこれがL-100ならば、これは'
The Dark Side Of The Moon'以前のリック・ライトファルフィッサと並ぶ重要な楽器だったのだ。
(でも、これでYAMAHAかKAWAIですって判明したら、筆者、立つ瀬が無い....)
(
四人囃子オフィシャルホームページに掲載された坂下氏のインタビューで何と最初に使用したオルガンはエーストーンと判明しちゃいました。まいったなー。でもあのブックレットを見るとどう見てもあのオルガンはスピネットタイプだし、エーストーンスピネットタイプってあったっけ??〜知っている方はgnomeに教えて下さい。だけど、レコーディングではハモンドのL型を使っているんじゃーないかな???あの頃はBやC型は日本にあまり無かった筈だし....ちなみにスパイダース(おいおい^^)の後期はL型を使用していたそーな。あんまし関係ないな、こりゃ^^。99.04.17 再加筆)
多分、岡井大二が他のメンバーを連れていったという
Pink Floyd初来日時の大阪公演でも、このL-100の音を聞いていた筈である。
ちなみに、岡井大二が見た'箱根アフロディーテ'、メンバー全員で見た'大阪公演のセットリストは
このとうり。
でも、この当時の'
Echose'をライブバージョンでフルコピーしてたというのだから、その四人囃子の演奏、すんごい貴重な記録かもしれない....
(ちなみに、'Full House Matinee'のパンフで発表前に日本で演奏された'
The Dark Side Of The Moon'を録音したくだりが、Floyd初来日時の話として載っているが、これは大二氏の記憶間違いか、誤植)
あ、そう言えば、確か'Procol Harum'もL型系じゃーなかったかな???
このL型は、キースエマーソンがナイフ差したり、オルガンレイプに使用したモデルとしても有名だね(^^)。
それに、オルガンの上には多分日本製だろうテープエコーユニットなんかがのっていたりして....
ちなみに、
リック・ライトはイタリア製のビンソンエコーレックという磁気ドラムタイプのものをオルガンの上にのせてたっけ。
こんなところも、サウンドに影響しているって考えるのは深読みのし過ぎ???
(でも、'
一触即発'のレコーディングではもしかしたらC-3B-3が使われたんじゃーないかな??)
で、前回も書いたように、
リック・ライトのスタイルが一番出ているのはボーナストラックに貴重な'73年のライブも収録されている'煙草(夜U)'だろう。
とにかく、
リック・ライトのスタイルがそのまま楽しめる(??)。
でも、実はこの曲で
Pink Floydの影響が一番出ているのは、実は岡井大二のドラムなのだ。
フィルの入れ方やフレーズは完全に
ニック・メイスンが得意としているというか手癖というか、'お前、それしか知らんのかー??'とも言われる'ダダッドッドドドン’系なのだ。
これ、'ドラムだけは
ニック・メイスンだよー'っていってもばれないかもしれない(んなわきゃーないわい!!)。
ちなみに、もう一曲のボーナストラック'ライトハウス'は、完全なハードロック。
個人的には
Black Sabbathを感じたのだけど、言われてみればスピードアップしたMountainっていうほうが正解かも??(ユニゾン、対位法バシバシ??)
ちなみに、途中のオルガンソロは後の'一触即発'のオルガンソロに通じると思うよ。
この他'今朝は20才'は、ちと魅力には乏しいかもしれないし、'学園闘争'は完全に劇伴。
でも、'学園闘争'のベースラインはちょっとだけ'
円盤'が入っているよーな....
あ、それと森園勝敏のギターソロがあまり練られていないのは、多分やっつけの録音だったからかなー??
そんなこんなで、意外にルーツ的な部分も垣間見れる事が、今回'
四人囃子アーリーディズ'として発表された意義かな??っと思える。
まあ、オリジナル盤は希少価値と資料性のプレミアムを下げる事は出来ないだろうけど....

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