ども、今日(2000.07.16)は20世紀最後の皆既月食の日だそうです。
そんな日には、やはり満月のショウ、そうMoonRidersの新作'a
touch of fullmoon show in the night'が似合うというものでしょう。
この'96年6月のコンサートには、筆者には苦い記憶がありますが、最高のコンサートだったようです。
では。
'96年6月2日のライブは、MoonRidersの結成20周年を祝うライブとして日比谷野外音楽堂で行われました。
ブックレットの写真にもあるように、MoonRidersのファンが駆けつけ大盛況だった事が良く判ります。
ちなみに、ここに一枚のチケットがありますが、このチケットでも判るように立ち見もありの大盛況だったわけです。
で、何でこのチケットが未使用なのかと言えば、実は筆者が行けなかったからにほかありません。
まったく、こんな時に限って体壊して、歩けなくなったとは、ホントに情けない話であります。
このライブの現場に行けなくて、ホント、悲しかった事(たとえ立ち見の席でもね....)。
まあ、この年のもう一つの大イベントだった翌週のGONG初来日公演は、無理矢理這って行った訳ですが、結局この年は喜びも半分だったと言ったところでしょうか???
とまあ、愚痴はこの辺にしといて、今回発売された'a touch of fullmoon
show in the night'を聴いて見ると、'くそ、やっぱりこの場に居たかったな!!!!!'(あれ、愚痴は終わったんじゃ....)と思わせる名演です。
あの有名な'A1グランプリ'で展開されるデビュー作'火の玉ボーイ'から当時の最新作'ムーンライダーズの夜'までのA面一曲目(もしくはCDの一曲目)を全て演奏するという前半、そして後半の代表作のオンパレードと文句無しの選曲です。
特に、元々鈴木慶一氏のソロアルバムであった(後のリイシューでは、MoonRiders名義が外されました)'火の玉ボーイ'の一曲目'あの娘のラブレター'がトップナンバーだったなんて、何て活きなスタートでしょう。
'A1グランプリ'で'70年代、そして'80年代の各時代のアルバムを総なめにするというのも、MoonRidersらしいじゃありませんか??
そして、'90年代突入前の'ドントラ'のトップナンバー'CLINKA'で'入院!!!'の一言で休憩に入るなんざー、ライナーノーツの受け売りではありませんが、ホントおしゃれな演出。
(でも、この'入院!!!'のギャグ、意味深だわなー。ちなみに'20世紀のムーンライダーズ'の'GIGOGRAPHY'でもこの'入院!!!'の一言はしっかりセットリストに記載されているのです)
ちなみに、CDでは'CLINKA'のところで素敵なモノローグが入っています。
個人的にはこの'A1グランプリ'、一番好きなのはやっぱトップ中のトップナンバー'あの娘のラブレター'かな???
でも'彼女の知っている二,三の事柄'や'Kのトランク'、'幸せの洪水の前で'なんかも捨てがたいです。
鈴木慶一氏が'Strange Days'の7月号でいみじくも言っていますが、アルバムのトップナンバーってのは、それなりに意味があるもんなんですね。
この'A1グランプリ'はまさに時代の先端のもう一歩先を行ってしまうので売れないという宿命を抱えた(^^)MoonRidersの成長や移り変わりを端的に表した企画だったんじゃーないでしょうか??
さて、この'a touch of fullmoon show in the
night'、正確には'96年6月の公演を全て収録したものではありません。
と言っても収録されていないのはゲストコーナーの部分で、MoonRidersの純粋なライブ部分は完全収録されています。
さて後半はパンクバージョンの'Sparkling Gentlemen'(もう'赤いアルバム'のバージョンはやらないのでしょうか??)でスタート、'マニアマニエラ'の名曲'工場と微笑み'、'青空百景'の'青空のマリー'、そして伝説の'いとこ同士'暴走事件が収録されています。
'いとこ同士'暴走事件は'84年の'YBJ'以来二回目との事ですが、筆者は詳しい事は知りません。
ただ、多分コンピュータが熱暴走して自動演奏が収まりつかなくなったんでしょう。
そのせいで、どこ演奏してるか分かんなくなっちゃったんじゃないでしょうか???
でも、それでも律儀に演奏してるから、意外と当日の観客も事態を把握してなかったんじゃないかな(^^)??
(この手の事件って昔のYMOなんかも日常茶飯事だったらしいのですけど....)
このCDではメンバーの楽しい事件紹介とともにエディットを行っていますが、これが又笑えます(^^)。
その後、'Who's gonna die first ? 〜真夜中の卵〜渋谷狩猟日記'のメドレーを経て、お約束の秘密結社大合唱'スカーレットの誓い'(観客の声が小さくミックスされているので、何かいつもと違う感じもしますが^^)と'Domn!
moonriders'、そして'ムーンライダーズの夜'の中の慶一氏も名曲と呼ぶ(筆者もこの曲は名曲だと思っています。たとえ博文氏が'文学が入っている'と言おうとも...)'黒いシェパード'が、そしてくじらとFullmoon
Quartetによる'Acied moonlight'でいったんショウは終わります。
アンコールはまず初期の名曲'スカンピン'!!!!、そして'Elephant'、'HAPPY/BLUE
'96'(でも良明氏が言うファンハウス部長'この曲シングルきろう'発言は記憶違いじゃ....と思ったら、だからみんなぶっ倒れそうになったのね^^何と2003.12.14訂正)と乗りの良い曲が続き、やはりお約束の'くれない埠頭'で終わります。
慶一氏も認めているようにボーカルやコーラスの差し替えがところどことにあるようですが、音源自体を差し替える事は'いとこ同士'でのエディット程度で、当時の演奏をミックスの方法でバランスを取っているだけなようです。
(エフェクトも控えめなんじゃないですか???これだったら....)
慶一氏は'ザッパの手法に近い'との発言をしていますけど、ザッパとは違って全然素直な作りというかミックスなんじゃないかな???ってのが筆者の感想。
でも、こうやって聴くとホント、MoonRidersって捨て曲が少ないバンドだな???って感心しちゃいますよね。
さて、MoonRidersには10周年記念の'THE WORST
OF moon riders'、'97年に出た20周年記念のCD-ROM付き未発表/レアバージョン音源を収めた'Damn! moonriders'、'98年に出たレーベルの壁を取っ払った自主レーベルからのベスト盤'MOONRIDERS ANTHOLOGY 1976-1996'のライブトラックがありますが、今回のように一つのコンサートをパッケージしたのは初めての事ですね。
確かに一つのコンサートをパッケージしたライブを出すっていうのは、どうしてもコンサート中の出来不出来がはっきりしてしまうので、なかなか出しにくいものかもしれませんけど、出来れば今後も節目節目のライブを出せてくれないかな????
そうそう、それも映像付きで(つまりDVDで)ね????無理かな.....