The Room Of Pirate

2001年のブートから....(2002.03.03)

 ども、久しくこちら'The Room Of Pirate'を更新してませんでした。
ここんとこ、四人囃子ネタが続いた事もありますけど、別の理由として、昨年後半はあの10月に紹介した'WORLD ROCK FESTIVAL EASTLAND'以外はちょっと小物が多かったような気がしてたんです。
ブート業界も、'70年代、'80年代ものってのを見ると、再発もの(一応リマスタやら音源補正が行われているもの)が多くて、発掘モノが少なかったかな??て感じです。
まあ、過去にボロボロのビデオで出回っていたものがDVDになっちまう時代ですし、そろそろ画像モノにもう一度手を出そうかな??とも思ったりして....
ここのところ、オフィシャル盤のほうもボーナストラックを沢山付けたり、紙ジャケ仕様で出したり、未発表音源が正規盤で出たりと、そっちのほうが元気な感じもします。
でも、ブート屋もそれでも何とか頑張っている現状もありまして、で、ちょっと自宅の整理をして昨年入手したブートを振り返ってみたら、以外と出物もあったんだーと思った次第で、今回はそんななかから三枚程紹介しようと思います。
んでは、いってみませう(^^)/。


Echoes Of Japanese Meddle さてさて、まず一枚目は1971年の箱根アフロディーテでのPink Floydの音源
まあ、こちらは過去にもアナログやCDでも出回っていたものですけど、実は筆者、未購入だったんで、とりあえず買ってみた次第です。
で、聴いてみると、これが結構いけるんです。
元々、このときの演奏は、色んなところで特別な演出は無かったけど、山からの霧が降りてきたりなんかして、自然の演出(??)のせいもあり、かなり高い評価が付いてはいるんですけど、さすがに30年前の演奏ですしオーディエンス録音の筈なんで、それほど期待はしてなかったんです。
でも聴いてみると、'Atom Heart Mother'は当然四人だけの演奏なんすけど、冒頭のバイクのSEの後展開された演奏なんか、他のブートと比べても遜色はないですし、'Green Is The Color'の静かな演奏とそれに続く'Careful With That Axe, Eugene'のRogerの切れ具合なんかもかなりのものです。
('Careful With That Axe, Eugene'では途中でギターがトラぶったりしていますが...)
残念なのは'Echoes'が編集されているところ(元々、この日は短縮版で演奏されたらしいですけど....)、それと'Cymbaline'の中間部のSEが入っていないところでしょうか??
まあ、'Cymbaline'の場合は野外という事もあって、SEを使うのは無理があったのでしょうけど....
ちなみに、この日の演奏でRickが使用したHAMMONDはレオミュージックからのレンタルだったそうです。
(ステージ近くまで車で運び、56m上のステージに上げるのは、大変だったそーです)
さて、この日は'A Sauceful Of Secrets'も演奏された筈ですけど、それは残念ながら未収録。
この日の'A Sauceful Of Secrets'の演奏の模様はRogerのシンバル乱打シーンが後の'Meddle'のライナー写真に使用されているのは有名なお話。
ただ、筆者のもっている幾つかの資料では、'Green Is The Color'じゃなくて'Set The Controls For The Heart Of The Sun'が演奏されたとの記述があるんですけど、多分、'Set The Controls For The Heart Of The Sun'は演奏されなかったってのが本当のようです。
冒頭と最後のFloyd紹介のMCの力の入り方がなんとなく時代を感じさせますね....
ちなみに、このCDでは'Green Is The Color'がMCの後にトップで収録されていますけど、実際のトップナンバーは'Atom Heart Mother'だった筈です。
なんか、意図が判らない編集....


CALYX お次は、Hatfield & The Northの'74年のライブ
何とかファーストアルバムの発売にこぎ着け、年を越した春のライブです。
で、このライブ、かなり凄い事になってまして、Hatfield & The Northのメンバーだけでなく、このCDのタイトルにもなっているRobert Wyattを始め、ファーストアルバムのゲストでもあるThe NorthettesJeremy Baines、そんでもってJimmy HastingsLol CoxhillPhilの兄のSteve Miller、最後は後にNational Healthで合流するAlan Gowenとこれでもかーってくらいの大ゲスト攻勢であります。
演奏の方は、後年と違い、ファーストアルバムで展開したSoft Machineのような短い曲を次々メドレーで繋ぐスタイルです。
ですんで、一曲15分から20分程度の演奏時間のクレジットとなっている次第。
で、内容のほうはゲストの整理がうまくいっていないところも所々見受けられますが、それでもかなり充実した演奏を展開していきます。
なんてったって、後に'THE ROTTER'S CLUB'に収録される'Youe Majesty is Like a Cream Donut'で始まり、'Youe Majesty is Like a Cream Donut'で演奏が完結する演出なんか、ファンなら涙ものでしょう。
特に、オーラスの'Youe Majesty is Like a Cream Donut'では四人だけの演奏ではなく、Philのギターとユニゾンでテーマを奏でるサックスが非常に効果的。
中間では多分Alanのエレピでしょうが、後のNational Healthを彷彿とさせる演奏を聴かせてくれますし、The Northettesのくっつきそうで離れているヘタウマ(??)コーラス等々、聞き所満載です。
'THE ROTTER'S CLUB'発表前後は逆にコンパクトな演奏を展開していたHatfield & The Northですが、こうゆうゲストてんこ盛り、メドレー形式による長尺演奏も聴き応えがあって良いものです。
さて、このライブで一番の売りはやっぱし、このCDのタイトルにもなった'CALYX'でSoft Machine時代のようなボーカルパフォーマンスを繰り広げるRobertの参加でしょうね??
先日、Robertのソロアルバムも紙ジャケ復刻しましたし(何と、HMVがキャンペーン張ってるんす、これ!!!)、事故前の各種のセッションやリーダアルバムも一昨年あたりから復刻が進んでいます。
Soft Machineを音楽的方向性からクビ(??)になったとは言え、Robertの持つ音楽性が今再び評価されるのは、素敵な事じゃないでしょうか??
ちなみに、オーラスでユーモラスなエレピを弾いているのは、誰なんしょ??


LIVE IN LONDON 1981 最後に紹介するのは、何とOVARY LODGEのライブです。
OVARY LODGEは'73年のファースト、そして'76年のセカンドアルバムの二枚のスタジオ録音を残していますが、その後もOVARY LODGEが存続していたのかは、ちょっと疑問も残ります。
ただ、収録されている演奏を聴くと、確かにKeithFrankが演奏しているようですし、Julieと思われる女性ボーカルによる即興のボーカライゼイションも聞こえます。
ベースはアルコでの不気味な演奏なんかも聴けますが、これがRoyかどうかは判断出来ません。
収録されている三曲は当然OVARY LODGEのコンセプトである完全即興によるインプロビゼーションです。
特に'Improvisation #1'でのドローン的な演奏は、いったいどうやっているのか???
雰囲気的にはゴング系の打楽器を持続的に小刻みに鳴らしているんだと思うのですが....
まあ、'Improvisation #1'はそんなドローン的な音のためかバランスが悪いですね。
でも、ガムランチックな演奏は逆にトリップ系の雰囲気も醸し出しています。
'Improvisation #2'は、先のJulieと思われる女性ボーカルとKeithと思われるピアノによるボーカライゼーションの即興。
ここではアルコのベースが怪しく響きます。
'Improvisation #3'は、再び金属打楽器によるドローン系の音にアルコベースや低音部を鳴らすピアノ、そこに女性ボーカルが乗る、怪奇映画のサントラみたいな演奏。
まあ、いずれにしましてもFrankの使用するパーカッションキットがバカデカすぎてライブも数がこなせずにフェードアウトしたと言われているOVARY LODGEですんで、もしこれがホントのKeithFrankによるOVARY LODGEのライブならば、ようやくライブの姿を掴ませて貰ったってとこなんでしょうか??


 さて、今回は2001年に購入したブート三枚を紹介しました。
ちなみに、OVARY LODGEのみCD-Rですが、後の二枚はちゃんとしたCDでした。
Floydなんかは刷れば黙っても売れるわけですけど、さすがにOVARY LODGEの場合は無理なんでしょうね???
もう既に三月に入りましたけど、今年はどんなブートやらパイレーツに遭う事となりますことやら....
(一応、一枚は狙いを付けてあるんですけど^^)
と言ったところで、またお会いしませう(^^)/。

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