◆ 知床連山縦走・3 ◆

≡ 知床の奥の深さに感服 ≡






遥か遠くに羅臼岳を望む。



次の日は。ガスって視界も悪かった。そして!いきなり雪渓の
上り
があった。しかも一日目の雪渓より傾斜がきつい。まじで恐
かった。でも慣れてる人が先に行ってステップを刻んでくれたの
で助かった。

雪渓を上り切ってさらに進むと今度は風が強くなってきた。うー
ん、雪渓……これって少し前にどっかで経験したなぁと
白馬岳を思い出した。でも多分、白馬の方がしんどかったから、
今回の知床の悪天候も、それほどには精神的なダメージにはなら
なかった。

硫黄山は数年前の地震以来、崩落が激しいらしく登頂はしなかっ
た。もうお花畑もなくなり、岩場をひたすら下って行った。下る
につれて天気も良くなってきた。

これが最後の上りと言われて入った山道は、めちゃめちゃワイル
だった。野生のブルーベリーなんかも実っていた。ハチに付き
まとわれながら歩いて、目を上げると海が見えた。岬を回るネイ
チャーウォッチングボートが見えて、ウトロ港も見えた。あー、
もう下界に近付いて来ているんだなぁと、ちょっと寂しくなった。

お昼を食べて休憩して、さらに下った。天気はもうピーカンで、
暑い、焼ける!お昼を食べた新火口を下った辺りは、地熱を持っ
ているとか。昔の硫黄の採掘場の跡もあった。途中で水も切れて
ラスト15分と言われた後の時間がものすごく長く感じた。

そして硫黄山の登山口に到着!ばんざーい!

しかし休むことなく、マイカー規制の敷かれた道を、カムイワッ
カの滝
に向けて歩いた。そこにはスタッフの人が冷えたビールを
用意して待っていてくれている!

マイカー規制のおかげ(?)で、比較的人が少なく、また皆んな
沢を上って奥の滝に向かうため、一番手前の滝は貸し切りだった。
ぬるめのお湯に浸かって、冷えたビールで乾杯!最高だった。

シャトルバスの時間まで、お湯につかり、最後はその場のノリに
任せて滝滑りなんかもやって、知床連山の縦走は終わった。






宿に戻って、キャンプ用品の片付けをして、夜は打ち上げの海鮮
バーベキュー
だった。魚のことはよく知らないけれど、珍しいら
しい魚やら貝やら、鮭のちゃんちゃん焼きやら、お腹がはち切れ
そうなくらい食べた。

山で消費したカロリー、思いっきり補ってしまったなぁ……。

最終日はそのまま帰る予定だったけど、シーカヤックを朝5時か
らやって行くことにしたので、4時過ぎくらいには起きた。

カヤックに乗って知床の海に出て、断崖から海に流れ落ちる滝を
下から眺めた。「乙女の涙」という名前の滝がある所は、舞台の
ような形になっていて、なかなかの迫力だった。ただ、鳥がすご
くたくさんいて、その糞尿の臭いがきつすぎて気持ち悪くなった
けど。しかしそれを我慢して余りある感動だった。朝日で逆光に
なった滝は本当にきれいだった。もうひとつ奥の「男の涙」とか
いう滝の方まで回って戻った。

予定外のシーカヤックだったけど、やってよかった!

帰りは再び女満別空港から、今度は名古屋へ。大きなザックを背
負って街の中に立ち、遠くなってしまった知床を想って、知床連
山縦走再度挑戦への決意をした。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
いやぁ〜、知床は奥行きが深い!山を歩いてつくづく思いました。
今まで宿主が持っていた知床の認識はとても小さかったのです。そ
れでも知床にとても執着していたのに、縦走で前より認識が広がっ
てしまって、頭の中はもう知床一色です。いまだに。絶対また縦走
したい!

縦走3日目は一枚も写真を撮らなかったので、文章ばかりですみま
せん。シーカヤックも。

いい旅でした。



前 頁



トップに戻る
過去のお話に戻る