【前穂高岳〜奥穂高岳へ】 山頂には、主稜からきたグループと、主稜へ向かうグループの2グループが いた。明神岳の山頂は、前回主稜からきた時と同じようにガスで白く包まれ ていた。ここから前穂へと向かう。ガスのなかに前穂〜奥穂の吊尾根が浮か びあがる
ガレの中の踏み跡を辿り、途中、フィックスロープのある岩場を下ったりしな がら進む。稜線より下を巻くように踏み跡を進むが、途中不明瞭な箇所もあ り、登れそうなところ登り返し、視界がないので慎重にルートファインディング する。 そのうち、前方の稜線上に、前穂への分岐標識のシルエットが見え、一般登 山道と合流する。荷物をデポして前穂をピストンし、奥穂へと吊尾根を進む。 ここからはコースマークもばっちりで、ルートの不安もなく、疲れた身体を前へ 前へと進める。やがて奥穂が近づくと、他の登山者の声なども聞こえてきて、 視界の悪い山頂ではあったけれど、たいへん賑やかだった。 ここから穂高岳山荘までは、登山者の列の中に入って、集団のペースで進む ので、やがて見えてきた穂高岳山荘のテント場がいっぱいになっている様子 や、ヘリポートにまでテントが張られはじめたところから、やがてそのヘリポー トが着々とテントで埋められていく様子などを、先を急げないもどかしさととも に眺めながら歩いた。 やっと山荘に着き、テントの受付をすると、ヘリポートに張るよう指示される。 しかしさっき登山道から見ていた限りではもう埋っているように思えたので、 心配しながら行ってみると、それでもスペースは空いていて、なんとかテント を張ることができた。(その後、トイレ前とかにまでテントが張られていた。) 密度は高かったが、ジャンダルムを眺められるよいロケーションだった。
【奥穂高岳〜西穂高岳へ】 翌朝は天気もよく、5時に出発。奥穂の稜線に上がると、槍ヶ岳を遠望できた。
朝から人の多い奥穂の山頂を過ぎて、西穂方面へと進路をとる。出だしのナイ フリッジをへっぴり腰で通過し、ジャンダルムへと向かう。ジャンダルムのピーク に登り、天狗岳、間ノ岳とアップダウンを繰り返す。岩登りの要素が多い稜線な ので疲れるけれども楽しい。以前、山岳雑誌に「北アルプス最悪の縦走路」と表 現されていたけれど、登山者は多かった。
西穂高岳を過ぎてからもピラミッドピーク、独標と、西穂山荘までは割合長くて 疲労感が出てくる。西穂山荘からは上高地へと樹林帯の登山道を下り、途中、 サルの群れなどにも遭遇しながら、河童橋へと再び下り立った。橋から眺める 穂高の稜線はガスの中だった。 |
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