◆ 夏山2007 剣岳 ・ 4 ◆


= 連日快晴!…つかれました〜 =




【八ツ峰6峰Cフェース】

最初の予定では源次郎尾根の縦走の予定だったけれど、昨日ベースに戻った
時間が遅かったこともあり、比較的易しい壁を1本登る計画に変更。2日目
と同じように剣沢を下り、長次郎雪渓を詰める。5・6のコルを過ぎ、壁の
取り付きを目指す。今日は取り付き前に沢で水の補給もできるし、壁を1本
登ってまた沢に下りるので、500mlのペットボトル1本しか持っていか
なかった。


今日は自分がトップをやらせてもらうことになり、ちょっと緊張ぎみ。比較
的易しいとはいえ、ココは剣の岩場だし、その空気に圧倒される感じがする。

1ピッチ目のスラブ、そんなに難しいわけではなかったけど、足が震えた。
しかし登っていくうちに緊張も解け、ビレイポイントを探して支点をつくり、
なんとか1ピッチ終了。

2ピッチ目は普通に歩けてしまうような所、3ピッチ目はフェースだけど、
ホールドとかがばがばで、登山靴で登る人もいるけど、こちらはクライミン
グシューズで登っているんだよなぁ〜などと思う。しかしそれよりも、付け
て登っている2本のロープがクロスしてしまったりして、ロープさばきの未
熟さを実感した。

4ピッチ目、真上に上ってすぐビレイ支点があったけど、まだいいやと先に
進んだらルートは右に曲がっていて、しかもビレイ支点らしきものはない。
しまった…。ロープは重くなるし、クライミングシューズを履いた足は痛い
し…。岩峰にスリングをかけて支点を作りビレイ。


そこからひと登りで終了点に着いた。ここで13時前。あとは5・6のコル
に下降して長次郎雪渓を下ってベースに戻るだけ…のはずだった。

終了点から懸垂下降の支点を探して下る。先行する2人のあとを、花の写真
など撮りながら付いて行ったが、ん?こんな所、一昨日通ったかな?と思い
つつ、しかし下っていくと立派な懸垂の支点に着いた。なんの疑問もなくそ
こを50mいっぱいに下降。降りたところにまた支点があり、もう1ピッチ
弱下降してみたが、どうも周囲の様子がおかしい。5・6のコルがほぼ目線
の高さにあるが、雪渓は切れているし、トラバース道はないし、この支点は
積雪期に雪渓に下りるためのものではないか?


結局上り返す。這松を頼りによじ登り。最初の懸垂の支点に戻ったとき、時
計を見ると、Cフェースを終了して3時間経過していた。そこから5・6の
コルへの下降点を探すのに手間どり、剣沢のベースと無線交信などしながら
なんとか下降点を見つけて下降。しかし、懸垂下降を終えてロープを回収し
ようとしたらロープが岩の隙間にひっかかって回収できなくなり、わたしは
もう無理って思ってると、他のメンバーが上り返してひっかかりを取ってな
んとかロープも回収。

500mlの水はとっくに消費してしまっていて、昨日より渇きが苦しい。
5・6のコルから足場の悪い斜面を下り、雪渓に降りて沢までやっとの思い
でたどり着き、冷たい沢の水を一気に500ml近く飲み干した。

しかしこれで終わりではない。長次郎雪渓を下ったあとは、剣沢雪渓をベー
スまで登り返さなければならない。結局、ベースに戻ったのは20時ちかく。
軽く済ますはずだった1日は、昨日よりも遅い帰還となった。



【下山】

最終日の朝は、ゆっくり支度して、テントを撤収。剣沢より別山乗越まで上
り返し、雷鳥坂を下る。雷鳥坂から室堂までの苦しい上り返しをこなして、
室堂バスターミナルまでたどりつき、連日快晴の下、今年の夏山は無事終了
した。





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