My Favorite Tricks

Fred Kaps 特集7

Fred Kaps' Purse

purse frame

1997/12/1

最初に

フレッド・カップスがまだ元気だった頃、そのうち、まとまった作品集をケン・ブルックのところから出す予定がありました。その準備として、カップスが自分で書いていた原稿がいくつか残っています。このトリックもそのようなものです。

カップスが亡くなった後、数年後にケン・ブルックも亡くなり、この計画は頓挫してしまいました。折角の原稿が埋もれかかっていたのですが、1994年にこの原稿が少しずつ出版されるようになりました。Anthony Brahamsが1冊に一つのトリックだけを解説した薄い本を売り出したのです。現在のところ、これ以外に、"CUPS AND BALLS"と"FRED KAPS CURRENCY"の3種類が出ています。スティーブンスのところから入手できると思います。

現象

この本に解説されている基本的な現象を説明します。

ポケットからパースフレーム(財布の枠)を取り出します。不思議なことに、そこから1枚の銀貨が出現します。出てきた銀貨で、ちょっとした消失・出現現象を見せ、財布(フレーム)に戻そうと、フレームを開けると、中から中国の穴あきコインが出てきます。

銀貨を財布に入れて、右手の指先に中国のコインを持ち、はっきりと見せます。両手を軽く振ると、右手の指先のコインが銀貨に変わります。財布を開けると、中から中国のコインが出てきます。

最後は2枚のコインをフレームに入れると、コインは2枚とも完全に消えてしまいます。

コメント

カップスが、これは自分のペット・トリックだと言っています。コンベンションなどに参加すると、カップスがロビーなどを歩いているだけで、彼の周りにはすぐに人だかりができます。そのようなとき、カップスはこれを好んで演じていました。これは面倒な準備なしで、いつでもどこでも見せることができます。

カップス自身、これのバリエーションを数種類持っていました。 フレームは使わず、最初から銀貨と銅貨を1枚ずつ見せておいて、それの交換現象を見せた後、突然4枚の中国のコインに変化するとか、大きな1ドル銀貨に変わるといったこともやっていました。ときにはD.F. COINを使ったりもするので、スライハンドと混ぜられるとマニアが見ても不思議に見えます。

先日紹介した、"Chinese Coin Routine"の最初にこれを見せる場合もあります。

カップスの手は大きいので、アメリカの1ドル銀貨でもパームできますが、日本人には少々きついかもしれません。カップスは周りを囲まれても平気でやっていました。

最後に一言

上の写真では銀貨を使っていますが、この解説書では銅貨と中国のコインになっています。これは別にどちらでもよいでしょう。パースフレームは手芸用品を扱っている店でも買えます。またハンクリーなどのマジックショップでも安い値段で売っていますので、何かの折りに一緒に買っておいてもよいでしょう。上の写真のパースフレームは私がスポンジボールのときに使っているものなので、少し大きすぎます。実際はもう少し小さい方がやりやすいと思います。

魔法都市の住人 マジェイア

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