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Coffee Break

 

マジックに適したB.G.M.について

 

2001/8/18


「魔法都市日記(56)」の中で、シルク・ドゥ・ソレイユの音楽について少しふれたところ、CDのタイトルや曲名について教えて欲しいというメールをもらいました。以前から、マジックに適した音楽についてのお問い合わせをいただいていましたので、私の知っている範囲でご紹介したいと思います。

ステージマジックをする方にとって、どのような曲を使うかは、いつも悩みのタネです。プロマジシャンでも、自分の演技にあわせて曲をアレンジしてもらったり、オリジナル曲を作ってもらうことは簡単ではありません。生演奏でB.G.M.をつけることができれば理想的ですが、それはもっと難しいでしょう。アマチュアマジシャンであれば、このようなことはまず望めません。そのため、なるべくマジックに合いやすい曲をみんな探しています。

マジックに使いやすいと言っても、当然、演技の内容によって使えるものと使えないものがありますが、一般的に言えることは、

ボーカルはなく、楽器だけの演奏でなりたっていること。

1曲の中で、盛り上がりの箇所が小刻みに数多く含まれていると、演技と音楽の山場をあわせやすい。

音楽自体のおもしろさもある程度必要。単調なものよりも、テンポがやや不規則なほうが音楽として聞いていても飽きない。

日本では、マジックといえば「オリーブの首飾り」がすぐに思い浮かぶほど、一昔前までは多くのマジシャンが使っていました。「♪チャラララララーー♪」でお馴染みの例の曲です。この音楽はテンポがよく、のりやすいことに加えて、単調なようでありながらリズムや伴奏はかなり複雑です。微妙に小さい山場も数多くあるため、マジックに向いているのは事実です。アマチュアの発表会などでよく演じられる線の細いスライハンドマジックにはよく合います。

しかしこの曲はあまりにも有名になりすぎたため、今ではマジックのB.G.M.としては使いにくくなっています。テレビ番組の中で、コントやギャグとして使われるくらいよく知られていますので、実際のマジックの舞台では使えないでしょう。

Nouvelle Experience

ここ10年くらい、イリュージョンの世界では扱う道具が大きくなり、見せ方も全体にテンポアップしています。曲もそれに合うようなものが求められています。このような点を考慮して曲を探してみると、シルク・ドゥ・ソレイユ"Cirque du Soleil"が使っている音楽はパフォーマンスのために作曲されただけあり、マジックとも相性のよいものがたくさんあります。中でも、「ヌーベル・エクスペリエンス」"Nouvelle Experience"というCDに入っている「エクリプス」"Eclipse"という曲はお薦めです。

この曲は私が知っているだけでも、カズ・カタヤマさん、安田悠二さん、内田貴光さんといったプロマジシャンの方々や、海外でも多くのプロマジシャンが使っています。

曲名をご存じなくても、実際に一度聴いてみると、どこかで聞き覚えのある曲だとわかるはずです。繊細さとダイナミックさを合わせもっており、演技に緩急やメリハリがつけやすく、間も取りやすいので、多くのマジシャンが使っています。さらに、演技と音楽の山場を一致させるための時間調節がしやすいのも、マジックに適している理由です。

日本で購入できるかどうかはわかりませんが、つい先日、友人がインターネット上の書店「アマゾン」で検索してみるとすぐに見つかったそうです。クレジットカードさえあれば、日本語のガイドに従って進めていけば、簡単に申し込むことができます。

先のCD、1枚の単価が2.000円、送料が210円で、注文後10日ほどで届いたそうです。

 

魔法都市の住人 マジェイア


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