製品情報

Mad Book

 

剣刺しカード

 

製品名

マッドブック

価 格 9450円
販売元

monthly Magic Lesson

分 類 メンタル、ブックテスト

2010年4月21日


最初に

ある方から「ブックテスト」のニューバージョンを送っていただきました。私自身ブックテストは大好きなこともあり、すぐに読んでみました。

ブックテストにはいくつかの原理がありますが、大きく分けると二つに分けられます。ひとつは最初からマジシャンが本を用意しておき、それを使うもの。もうひとつは観客に適当な本を持ってきてもらい、それを使って演じるものです。私が好きなのは後者のタイプです。これはマジックの道具をまったく準備していないような状況であっても、適当な本を数冊持ってきてもらえば即席に演じることができます。

前もって準備しておくタイプのものは、どれだけ不思議な現象が起きても、何か仕掛けがあるのだろうと思われてしまうため、これまでほとんど演じたことがありません。

今回送っていただいたのは、前者のタイプです。つまり、準備した本を使います。しかし、この「マッドブック」のよくできている点は、準備した本を使うとは言え、不自然さがほとんどないのです。

このマジックは2段からできています。第1段はごく一般的なブックテストと同じですが、第2段がとびきり不思議です。観客にすれば、マジシャンが準備したものかどうかといったことさえ、気にもならないはずです。

必ずしも2段を同時に演じる必要はないため、これまでに、ごく一般的な「ブックテスト」、これは観客の本などで演じるタイプのものですが、これを見せたことのある人から「もう一度見せて欲しい」とでも言われたときに第2段を演じれば、本物の超能力としか思えないでしょう。

現象

<第1段>

 2冊の文庫本を観客に手渡し、普通の本であることを確認してもらいます。マジシャンと観客が1冊ずつ本を持ち、マジシャンは持っている本をパラパラとはじいていきます。観客にすきなときにストップと言ってもらいます。ストップがかかったページを見せ、観客にも同じページを開けてもらいます。そしてそのページの最初の文字、それは漢字、ひらがな、カタカナ、数字などの可能性がありますが、とにかく最初の文字をマジシャンには見せないようにしながら覚えてもらいます。

観客が覚えたら、ホワイトボードとペンを手渡し、その文字を書いてもらいます。この間、マジシャンは後ろを向いていてもかまいません。観客が書いたら、もう一度その文字を頭の中ではっきりとイメージしてもらいます。マジシャンをそれを読み取り、別のホワイトボードに書きます。ボードをお互いに見せ合うと、一致しています。

★マジシャン用追加1

デビッド・ホイの原理を知っている方のために、一言付け加えます。
見た目はごく普通のブックテストと同じなのですが、マッドブックでは「ミスコール」をしなくてもよい点と、ある意味、ブックテストでもっとも難しい「グリンプス」を省略できます。これは実際に演じてみると、たいへんラクです。

<第2段>

 こちらがマッドブックの真骨頂です。
 マジシャンは観客に、マジシャンが持っていた本を手渡します。このあと、観客に部屋の隅にでも行ってもらうか、マジシャンが後ろをむいたままの状態でも進めることは可能です。

 マジシャンは、観客の持っている本の中身がまったく見えない状態で、観客自身に、まったく自由に好きなページを開いてもらいます。そして右のページを使うか、左のページを使うか、決めてもらいます。もしこのとき、開いたページが気に入らなければ、1ページ進めるか、1ページ戻って、他のページにしてもかまいません。
 次に、そのページの最初から黙読してもらい、最初に出てきた「名詞」を確認してもらいます。名詞というのは物の名前や人の名前などです。

観客がそれを確認したら、本を閉じ、ホワイトボードに覚えた単語を書いてもらいます。この間もマジシャンは後ろを向いたままでもかまいません。

観客が書いたら、見えないようにホワイトボードを胸に当ててもらいます。

マジシャンは観客の方に向き直り、ホワイトボードにひとつの言葉を書きます。その後、お互いに書いたものを見せると一致しています。

★マジシャン用追加2

この第2段は、実際に見せられるとかなり強烈だと思います。
第1段のように、他の本を使ってページを開いてもらう必要もなく、観客が自分の意志で適当なページを開くだけです。しかも、開いているのが何ページなのか、誰にも言う必要はありません。

この状態で、先のように進めるだけで、当てることができます。
観客にすれば、自分の心を読み取られたとしか思えないくらい強烈な現象です。

コメント

このマッドブックに使われている原理そのものは、他のメンタルマジックやカードマジックで使われています。それをブックテストに用いたのが秀逸です。原作者の頭のよさが伝わってきます。

このマジックを送ってきてくださったのはN氏なのですが、原案者はMYSTさんだと教えていただきました。以前、「学生奇術問題」というサイトを開設されていましたので、ご存じの方も多いと思います。また私自身、7,8年前、MYSTさんがまだ高校生だった思いますが、何度かメールを頂戴しています。当時から優秀な方でしたが、このようなマジックを考案されていたことを知り、驚いた次第です。

ブックテストは、新しい原理を思いついても、ネタによっては実際に作るとなると大変な手間がかかるため、簡単にはできません。このマッドブックも、とても自作はできないでしょう。一組持っていると大変便利です。デビッド・ホイのマジックを愛用されている方であっても重宝すると思います。

最後に一言

発売元は、ゆうきともさんの監修で刊行さ れているマンスリーマジックレッスンのネットショップになるようです。
発売時期は2010年5月中旬、定価は9450円の予定だそうです。

トップの画像はイメージです。文庫本が2冊添付されていますが、これとは異なったものです。

 

魔法都市の住人 マジェイア


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