製品情報

製品名 Watch & Wear
購入先 Louis Tannen(U.S.A.)
製造元

Bazar de Magia
(アルゼンチン)

価 格 $195.00
分 類メンタル、時計、予言

 

1998年11月2日


最初に

またまた時計のマジックです。これでパーフェクト・タイムパーフェクト・ウォッチフエニックス・ウォッチを含めて4つ目です。(笑) メカもののネタが特別好きというわけではなく、日用品に見えて、それがネタと感じさせないものであれば裏でどれほど大がかりな仕掛けがあっても気になりません。

現象

基本的な現象はパーフェクト・タイムと同じです。観客に、今朝起きた時間、あるいは今までの人生で特別なことがあった時間、記憶に残っている時間、何でもかまいませんから一つ心の中で思ってもらいます。「3時15分」のように、「時間」と「分」の両方とも思ってもらいます。マジシャンは自分の腕時計をはずして、テーブルの上に観客から文字盤が見えないように置くか、袖を少しまくり上げて、腕時計を手首につけたままにしておき、観客からもマジシャンの腕時計が終始見えるようにしておきます。マジシャンは時計には手を触れません。観客に先ほど思ってもらった時間を言ってもらい、時計の文字盤を見せると、それがまさに観客の述べた特別な時間と一致しています。

コメント

パーフェクト・タイムとほとんど同じですが、メカが少々違います。

1.精巧な作りの割には値段が安い。195ドルですから、パーフェクト・タイムと比べると2/3くらいでしょうか。

2.時計の他、余計な道具は一切使わない。

3.外部からコントロールするのではなく、この時計だけでできる。

4.時計は観客に手渡しても大丈夫。また普段は普通の時計として使用できる。

5.最悪の場合でも70秒待てばよい。(パーフェクト・タイムの場合は約120秒)

パーフェクト・タイムは、日本では58,000円で販売されています。Mr.マリック等、メンタリストでこれをレパートリーに入れている人は多いので、大変受けるマジックの一つであることは間違いありません。パーフェクト・タイムでも、今回のウォッチ・アンド・ウエアーでも、術者の予言と観客の言った時間の差が大きい場合、調整のための時間が必要になってきます。このようなとき、「デッド・タイム」を作らないための様々な方法があります。適切な演出でカヴァーするのですが、ここがこのタイプのマジックで一番難しい部分です。これが適切にできないと、この種のマジックを実演することはできません。大抵のアマチュアマジシャンが高い金を出して購入したにも関わらず、ほとんどやっていないのは、この部分を自分で処理するだけの力がないからでしょう。しかし、これは演出で相当カヴァーできます。

例えば、私がよくやっているのは、「今朝起きた時間を思い出してもらう」というものです。まった自由に時間を思ってもらうと、最悪12時間近い誤差がでますが、「起きた時間」であれば、普通の社会人が相手なら、大抵5時半頃から8時半頃までの3時間くらいの間に起きています。そのため、「待ち時間」は30秒程度ですみます。このくらいであれば、アマチュアの人でも何とかなるでしょう。

また、時間を言ってもらうとき、「時間と分」を分けて言ってもらう方法もあります。例えば二人の観客に出てきてもらい、一人には適当な時間を一つ心の中で思ってもらいます。「3時」とか「7時」のように、「分」は無視して時間だけです。この観客から時間を聞いて、次ぎにもう一人の観客に「分」をたずねるという動作を入れると、二人目の観客とやり取りをしている時間がありますから、「時間」がずれていても、その間に調整できます。「分」のほうは何分であっても時間はほとんどかかりませんので問題はありません。

他の方法としては、紙に時計の文字盤を描いてもらい、そこに針を描き込んでもらうのも時間稼ぎには有効です。ステージなどで行うのあれば、黒板やスケッチブックに書いてもらえばよいでしょう。喫茶店なであれば、紙ナプキンや伝票の裏に、即席に描いてもらえば十分です。

今回のウオッチ・アンド・ウエアーとパーフェクト・タイムを比べた場合、どちらが使いやすいかというと、慣れていることもあり、私はパーフェクト・タイムのほうが使いやすいのです。このウオッチ・アンド・ウエアーは時間をどのようにしてコントロールしているかを言ってしまうと種明かしになりますので言えませんが、外部からコントロールしない分、どうしても時計に神経が行ってしまい、無造作に扱うのが難しいのです。ただ、慣れればそう難しくないと思います。見せ方としては、腕から時計をはずして、バンドの一端を指先で持ち、時計全体を指先にぶら下げるように持ち(文字盤はマジシャンのほうを向けたまま)、「時間」と「分」を分けてたずねる方法でやれば何とかなりそうです。昨晩やってみたら、思っていたより簡単にできました。

慣れれば確かにこのほうが楽かもしれません。また、某「超能力者」は、腕時計に念を入れると、時計の針がすごい勢いでグルグル回るという演出をやっているそうです。このようなものは、マジックをやっている人であればあまりにも馬鹿馬鹿しくてやる気にもならないでしょう。ところが、これを見た人は予想外に驚くようです。タネをしっている者からすれば、ダイレクトすぎて呆れてしまうのですが、タネを知らなければこんなことでもマジックになってしまうのです。これに、観客に言ってもらった時間のところで針をピタリと止めれば十分マジックになるようです。でも、これはちょっと嫌でしょう?あまりにも芸がなく、私はやる気がしませんが、昔、別の「某超能力者」は、念力で時計の針を狂わせるという演出もやっていましたから、マジシャンが想像する以上に一般ウケするのかもしれません。

魔法都市の住人 マジェイア

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