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『しあわせの書』

 

しあわせの書

泡坂妻夫著 新潮文庫 1987年 400円

1999/2/27


『しあわせの書』は、いまではすっかり作家としての顔のほうが知られてしまった泡坂さんの本です

古くからマジックをやっている人であれば、「泡坂妻夫」というより、アマチュアマジシャンとして、創作マジックの分野で一風変わったマジックを考案していた厚川昌男氏としてのほうが、なじみがあるかもしれません。1969年には第2回石田天海賞も受賞し、作品集や「ゾンビボール」の本も出している熱烈なマジック愛好家です。

1990年に直木賞を受賞してからも、「厚川昌男賞」というマジック関係の賞を作り、年に一回クロース・アップ・マジックを中心としたイベントを開催しておられます。

この本は、1987年に新潮文庫の書き下ろしとして発表されました。小説としても十分楽しめるのですが、それ以外に、重大な秘密がこの本には隠されています。マジックの世界ではよく知られていることなのですが、最近マジックをはじめたばかりの方ですと、知らない人も大勢いるだろうと思い、紹介しておくことにします。

実は最初から、マジックに利用できるように作ってあるのです。どのような秘密があるのかは、この本を最後まで読むとわかるようになっています。

もしこれを、どこかのマジック関係のメーカーが作るとすれば、一冊、1万円くらいの値段を付けないと引き合わないでしょう。それ以前に、まず作れないと思います。内容を無視して、ネタの部分だけを真似しても、とても1万円くらいの値段では引き合わないはずです。それが、この本を買うと、わずか400円で買えるのです。

実際、この本でどのようなマジックができるかというと、「ブック・テスト」として使えます。この本が1冊あるだけで、即席の「ブック・テスト」ができます。もし、あなたが「ブック・テスト」をまったくご存じないのでしたら、以前、私が紹介した「ブック・テスト」を一度読んでください。

お断りしておきますが、私が紹介したものは、何の仕掛けもない本を3冊使って演じるものです。これは、それとは原理もネタも違いますので、あのとおりのことはできません。しかし、見た目にはほぼ同じようなことができます。

マニアであれば、保存用として、3冊くらい買っておいて損はありません。(3冊あれば、「アンネマン」もできます)

補足:この本の秘密は、あまりおおっぴらにしないでください。秘密があることを知らせてもかまいませんが、具体的に、どのような仕掛けがしてあるのかは、決して公開しないでください。(買って読めばわかりますから。)


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